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2018年8月17日 (金)

新型オービスとは何か! 後編

1808171 前号からの続き、後編である。

■2016年4月~6月  警察庁は新型のオービス3種を使った「モデル事業」を埼玉と岐阜でおこなった。「固定式」と「可搬式」は、1年半前の試行運用と同じくセンシス社製でレーダー式。「半可搬式」が突然、東京航空計器のレーザー式に!

 3種とも、警察庁が購入して埼玉県警と岐阜県警に貸与する形だった。私はその契約書、仕様書、取扱説明書をゲットし『ラジオライフ』で詳報した。ここでは省略しよう。

 とにかく、契約書等を見た瞬間、私は理解した。
 この半可搬式から重い台座部分を取り払い、三脚に載せて可搬式とすればバッチリじゃないか! レーザー式なら無線免許は不要。取締りの民間委託に適する。
 警察庁は最初っからこれでイクつもりだったのだな。センシス社は「外国のメーカーの装置とも慎重に比較検討した結果…」と言うための、つまり当て馬だったのだな?

18081732016年  モデル事業の「半可搬式」から重い台座部分を取り払って「可搬式(三脚式)」とした東京航空計器のレーザー式オービス、LSM-300を、警察庁が全国の警察に“紹介”した。

 このブログ記事の4つの画像は、その紹介の文書からだ。こんなお宝文書をどうやって手に入れたのか、涙ぐましいエピソード(笑)があるのだが省略。

 この紹介文書に応じて愛知県警は2016年度の補正予算で2式を購入。他の都道府県警もぽつぽつ購入し始めた。

1808174■2018年7月  愛知県警のLSM-300により「うめ」さんが15キロ超過で測定&撮影され、ツイッターで明かした。

 そのツイート情報が正しいことを私は確認した。新型オービスが青切符の速度違反を取り締まった事実を、私は初めて知った。
 他の情報もあわせると、新型オービスによる青切符の取締りは2018年4月から始まったのではないかとうかがえるフシがある。
 どういう態勢で取締りをおこなうのか、警告看板はどうするのか等、間もなく発売の『ドライバー』に書いた。

1808176 こんなことを愛知県警が独断でおこなえるはずがない。すべては警察庁の指示に基づいており、違反者の出頭状況等々すべて警察庁へ報告するはず。そのへんはいま調べている。

 さて、私はなぜ「新型オービス」「新時代オービス」と呼ぶのか。
 これまでゲットしてきた大量の文書のどこにも「移動式」とはない事実、それ以上に、次のようなことがあるからだ。

 センシス社のオービスも、東京航空計器のレーザー式のオービスも、かつてなかった。2013年6月に大臣が旗を振って(振らされて)以降に初めて登場した。
 かつ、それらは、「通学路、生活道路の交通安全」を錦の御旗として、
  1、オービスで青切符の違反を取り締まる
  2、違反車両の持ち主から“速度違反金”を徴収する
  3、速度取締りを民間委託する
 という新時代をつくるために登場した。

 よって私は「新型オービス」「新時代オービス」と呼んでいる次第なのである、簡単にいえば。

 気になるのは、センシス社のオービスが今後どうなるかだ。私の読みどおり当て馬として利用され日本から追い出されるなら、あまりにひどすぎる、というか日本人として恥ずかしく思う。

  ←8月17日23時20分現在、週間INが180で1位~。happy02

2018年8月16日 (木)

新型オービスとは何か! 前編

 ネットでは「移動式オービス」と呼ばれている.。設置したら動かせない固定式まで移動式オービスと呼ばれているようだ。

1808163 私はネットに真っ向逆らい(笑)、「新型オービス」または「新時代オービス」と呼んでいる。
 なぜ私がそう呼ぶのか、どこが新型で何が新時代なのか、雑誌『ラジオライフ』や『ドライバー』で、また当ブログやメルマガで2013年からさんざん書いてきた。
 ここらでちらっとまとめておこうと思う。

■2013年6月  「取り締まられた側も納得できるよう見直すべし」と古屋圭司国家公安委員長(当時)がスピード違反取締りについて“苦言を呈した”などと報じられた。

 準備を整えたうえで大臣に旗を振らせたのだろう、同年8月、警察庁は速度規制、速度取締りのあり方を見直すのだと「懇談会」をスタートさせ、12月には「提言」を発表させた。
 要するに「場所を取らない新型のオービスを導入して生活道路でも速度違反を取り締まるべし」と。

 公開された資料には外国製の3種類のオービスの写真(※1番目の画像)があった。3種類のうち「手軽に持ち運び可能」な三脚式のオービスを使って生活道路で速度取締りをすることを、大臣に旗を振らせ有識者の先生方に提言させる形で打ち出したのである。

180816 だが! 生活道路はだいたい「ゾーン30」といって制限30キロだ。現行のオービスはいわゆる赤切符の違反(一般道路では超過30キロ以上)のみを取り締まる。
 そしたら新型のオービスは生活道路で、59キロまでの違反車両を見逃し、60キロ以上でかっ飛ばす違反車両だけを待ち伏せるのか? んなアホな(笑)。
 当然に、青切符の違反(同超過30キロ未満)も取り締まるはず。

 だがしかし! 青切符の違反はめちゃめちゃ多い。オービスは現場では測定&撮影を行うだけ。後日違反者を呼び出して出頭させ取り締まる。ずるずる出頭しない者もいる。青切符の違反までそんな面倒なことをやったら警察業務はパンクする。

 どうする? ずばりの解決策がある。
180816_2 違反者を出頭させるのはもうヤメ、写真に写ったナンバーから分かる違反車両の持ち主にペナルティを課せばいいのである。
 そのやり方は2006年6月、駐車取締りについてすでに始まっている。駐車違反の放置違反金と同種の“速度違反金”を違反車両の持ち主に払わせるスタイルにすればいいのだ。
 そうして、駐車取締りと同様、速度取締りも民間委託する、駐車監視員ならぬ速度監視員を登場させる。警察庁の縄張りにまた新規の市場が生まれる。

 そういう大がかりなこと(もしかしたらもっと大がかりなこと)をやるために、警察庁は大臣に旗を振らせて懇談会を立ち上げたのだ、私は直ちにそう読み、以降ずっとどこでもそのように言い続けている。
 不思議なのは、そのように言うのがどうも私だけらしいことだった。「今井君、孤軍奮闘、ご苦労さん」と警察庁の皆さんは笑っていたかも。

■2014年10月~12月  警察庁は新型オービス3種の試行運用を埼玉でおこなった。3種とは、細い柱のような目立たない「固定式」と、似たものを重い台座に載せた「半可搬式」と、そして三脚を立てて使う「可搬式」。いずれも外国製で測定方法はレーダー式だった。

 固定式(※2番目の画像)の名称は「SWSS(Speed Warning Safety System)」。可搬式(※3番目の画像)は「MSSS(Mobile Speed Safety System)」。いずれもスエーデンのSensys社製で、警察庁への売り込みは沖電気工業だった。
180816_3 半可搬式(※4番目の画像)は、私の手元にある仕様書(2014年8月18日付け)では特に名称はなく、オランダの Gatso社製。こちらの売り込みは東京航空計器だった。
 そして3種ともレーダー式だった。

 のちにSensys社とGatso社は合併し、Sensys Gatso Group(以下センシス社) となった。
 センシス社は合併前も含め70カ国以上に累計5万台の装置を販売。11カ国にオフィスがあり170人を雇用しているという。
 そのへん、ジャーナリスト・桐島瞬氏による「開発者インタビュー!  国内導入のスウェーデン製新型オービスは、国産の性能を凌駕する!?」との記事がネット上にある。じつは私も桐島氏といっしょにスエーデン大使館などでセンシス社の方々から話を聞いており、『ラジオライフ』の今年3月号に記事を書いた。

 しかし、私は首をひねった。
 長年にわたり国産でやってきたオービスを、なぜ突然に外国製にするのか。アメリカ製ならまだしも、ヨーロッパのそれもスエーデンとオランダのメーカーなんて、日本の官僚行政的に似合わないような気がする。
 ワールドワイドなメーカーを相手に、天下りポストをいくつ設け、年俸や退職金をいくらにするか、警察庁はうまく話を進められるのかな…。

 そして2016年、謎が解けた。以下次号へ続く!

 

 上の3つは私のアフィリエイトだ。よろしくねっ。

 ←8月16日23時00分現在、週間INが150で2位~。happy02

2018年8月12日 (日)

ねぶた祭りのぼったくり駐車料金、なぜ起こったか

 8日(木)の朝、突然に右耳の聞こえがひどく悪くなった。浜崎あゆみさん、KinKi Kidsの堂本剛さんらも罹患したという突発性難聴だった。入院はなんとか避けられたものの、きつい点滴をやりつつ禁酒禁煙、安静を強いられ、ほとんど自宅入院というべき状態だ。そばに煙草があるのに自分の意思で禁煙、つらい~!

 病院の待ち時間で、また点滴の間に、先頃読者氏から教わって直ちに買ったこの本を読み始めた。

 これはほんと面白いわ。
 ずばりこの本で説明がつくと思われるニュースがあった。以下は8月11日付け朝日新聞、の一部。

ねぶた祭のコイン駐車場、1時間5千円 普段の16倍超
 2~7日に青森市で開かれた青森ねぶた祭の期間中、近くのコインパーキングが1時間あたり5千円の利用料金を設定し、気づかずに駐車して高額請求を受ける利用者が続出した。中には6万5千円支払った人も。「せっかくお祭りに来たのに」と憤る声が上がっている。
 この駐車場は青森駅から約400メートルの市中心部にあり、ねぶたの運行コースにほど近い。青森県平内町の男性(24)は4日夕に駐車し、ねぶたを見てから車内で仮眠。翌朝車を出そうとしたところ、7万5千円を請求されて驚いた。
  (中略)
 この駐車場は東京の管理会社「パラカ」が運営。普段なら昼間の利用料金は20分100円で、ホテルJALシティ青森の宿泊者や飲食客はさらに優遇される。
 パラカとJALシティは「一般客に利用をあきらめさせ、宿泊者の駐車スペースを確保するためだった」と釈明。看板の表示で注意を呼びかけ、発券機にも同様に表示したが、請求に驚いてホテルに相談に来る人が10人以上いたという。
 JALシティの上楽宗之総支配人は「問題ないと思ったが、表示を見ないで入ってしまった人がいたようだ」。お金を支払った人には、5千円分の金券を渡すことにしたという。パラカの担当者は「想定外の事態。決してぼったくろうとしたわけではない」と話している。

 パラカとJALシティは、『ファスト&スロー』がいうシステム2、スローな思考で考えたのだ。しかし人間はシステム1、ファストな思考が強い。今回のことが起こるのは必然だったのだ。
 システム1は、平井愼二医師がいう第1次信号系(動物脳)、システム2は第2次信号系(人間脳)と、重なるのかどうか。ノーベル経済学賞受賞者だというダニエル・カールマン氏と平井愼二医師は、同じものを異なる角度から見ているのか。
 その興味があるので、『ファスト&スロー』を私は誰よりも面白く読んでいるのかもしれない。わけ分かんない話で申し訳ないです。そのうちゆっくり。

 メルマガ「裁判傍聴バカ一代」、8月は以下の5号を発行した。

第2138号 無邪気な神待ち少女14歳はなぜ助かったか
 家出少女を泊める者を「神」という。「家出する予定です。14歳です。エッチ目的じゃない方…」と少女が神待ちツイート。「最低限の生活費はお出しします」と応じた男と少女は東京へ。男は当然にエッチ目的で…。その発覚の仕方が普通じゃないのだった!

第2137号 万引き病、治療を約束させる卑怯な罠!
 本格の窃盗症、クレプトマニアと思われる高齢女性。病気を悪化させ固定化させたのは検察官、裁判官たちだろ! ほんとムカつく。 プラス、日銀の職員が天皇金貨を多数枚盗んだ事件、の判決。その執行猶予の説明に私は…!  編集後記は突発性難聴の詳報。

 以下の3号は8月9日にお知らせした

第2136号 薄い微笑みがつらかった人生を想像させ
第2135号 乳児を虐待殺と報じられ事件、傍聴してみた
第2134号 学校でイジメられ、中2でシャブをおぼえ

 いま購読登録すると以上5号がどどっと送信される。そして8月末まであと8号が順次送信される。そこまで無料だ。バックナンバーもご覧いただければ。

 ←8月12日23時40分現在、週間INが170で1位~。happy02

2018年8月 9日 (木)

ブレーキ踏み間違い事故、最新データ

 メルマガ第2133号「組織的な“妊娠詐欺”、一部無罪の理由は!」の編集後記で速報したデータを、ここでもちらっと明かしておこう。

 ブレーキとアクセルの踏み間違い事故の、第一当事者(※)年齢層別の事故件数の最新データをゲットした。 ※第一当事者=過失の重いほう、過失の程度が同じなら死傷が軽いほう。

 2017年の踏み間違い事故の、全年齢の事故件数は4722件。うち死亡事故は50件。
 年齢層別のトップ5はこうだ。丸括弧内は死亡事故件数。

 1位 75歳以上 867件 (26件)
 2位 16~24歳 865件 (0件)
 3位 65~74歳 817件 (15件)
 4位 40~49歳 532件 (4件)
 5位 30~39歳 526件 (0件)

 一目瞭然、踏み間違い死亡事故50件のうち41件が65歳以上! 極端な偏りといえる。
180808 高齢になるほど、踏み間違いに気づくのが遅れる、つまりアクセルを強く踏み続ける、そこがひとつの大きな原因と警察のほうでは分析しているようだ。

 間違えてアクセルをぐわっと踏めば、機械的にまた電子的にアクセルがパカッと外れる、そんなふうなアイデア装置、踏み間違い事故の防止に特化したアイデア装置を複数の中小企業が考案し、販売している。
 しかし国家は興味がないようだ。

 ここまでの高齢社会になりながら、足下の暗がりにアクセルとブレーキ、正反対の働きをするペダルを2つ並べ、目視することなく的確に踏ませようとする、そのこと自体に無理があるのだと思う。

 編集後記でそんなデータの速報もするメルマガ「裁判傍聴バカ一代」、8月は以下の2号を発行した。

第2136号 薄い微笑みがつらかった人生を想像させ
 ホストクラブに体験入店し、先輩ホスト2人のマンションに同居するや、現金を盗んで逃走した事件。なんと同種前科があり…。  プラス、同種で執行猶予中の万引き、こちらは再度の執行猶予に。なぜ? その理由が…。  編集後記は、交通違反についてネット情報の明らかな間違いを。

第2135号 乳児を虐待殺と報じられ事件、傍聴してみた
 早々と大行列ができた。夏休みだもの。そうとは知らずそばの待合室に被告人の両親がのんびり座っており、傍聴できない状況になった。嗚呼、またか。そこで私はどうしたか、びっくりなことをしたのだった(笑)。それから満席の法廷で裁判が始まり…。

第2134号 学校でイジメられ、中2でシャブをおぼえ
 同種服役前科あり、また覚せい剤をやった被告人は、グラマーで姿勢の良い女性だった。その生い立ちは、北原ミレイさんの名曲『ざんげの値打ちもない』(阿久悠さん作詞!)を彷彿とさせ…。結審して被告人席へ戻った被告人は静かに泣きに泣き、透明な涙がこぼれにこぼれた。

 いま購読登録すると以上3号がどどっと送信される。そして8月末まであと10号が順次送信される。そこまで無料だ。
 単なる傍聴記、傍聴レポートではぜんぜんない。じゃあ何なのか。私自身どう宣伝していいのかよく分からないのだが、類似のものがなく唯一無二の読み物、ですかね。

※ 画像は昨夜の家飲みの酒肴。きうりと、長芋をすったやつ。そして殻から外してたてのぷりっぷりの牡蛎を片栗粉にまぶしてバターのみで焼いたのと、同じく殻から外したての丸々としたホタテをバターと醤油で焼いたの。ホタテは小さな皿に載りきらず、下の大きな皿の右上にも1個載っている。大きな皿のは家人手作りの肉ピー。黄色いのは、肉ピーを焼いて肉汁だらけのフライパンに落とした卵だ。これがまた旨くて。豪華でしょ~。

 ←8月9日00時50分現在、週間INが180で1位~。happy02

2018年8月 6日 (月)

オービスの歴史 第1回 オービスの登場!

 うめさんのツイートをきっかけに調べてみて分かった。新型オービスのうち東京航空計器のレーザー式、LSM-300で愛知県警は、反則行為(青切符の違反。一般道路では超過30キロ未満)のスピード違反を普通にしらっと取り締まっていた!

 ただしこれは試験的なものだろう。次のステップへ向けての準備だろう。試験と準備と同時進行だ。
 なんにしても、警察庁の狙いは、放置違反金ならぬ速度違反金あるいは行政制裁金の導入と、速度取締りの民間委託だ。そこはもう間違いないと私は見る。おそらく最終的にはすべての取締りの民間委託へと至るだろう。2013年からずっと私はそう言い続けている。

 2014年11月、警察庁は新型オービス3種(可搬式、半可搬式、固定式)の試行運用を開始した。近い将来、持ち運び自在の可搬式が猛威をふるい、処罰のあり方も大きく変わるだろう。オービスの新時代が到来するのだ。
 その幕開けを前に、ここらでオービスの歴史をふり返っておこうじゃないか。

 …と始まる原稿を私は2014年12月、『ラジオライフ』に書いた。ナマ原稿に一部加筆等してここに載せよう。

 昔の速度取り締まりはどう行われていたのか。『概説交通警察』(立花書房、元警視総監・矢代隆義)にこうある。

当初,白バイ,パトカーによる追尾測定か,取締り員による路側でのストップウォッチによる測定方法しかなかった

 「追尾測定」(追尾式)とは、白バイなどが違反車両の後ろを等間隔で走り、白バイの速度=違反車の速度として取り締まるやり方だ。現在も広く行われている。
180803 「ストップウォッチによる測定方法」とは何か。“体験者”から話を聞くことができた。

「私が捕まったのは、東京オリンピック(1964年)の前でしたかねぇ。A地点に警察官がいて、目の前を速そうなクルマが通過するとストップウォッチを押すんです。先のB地点に別の警察官がいて、そのクルマが通過すると旗を上げる。A地点の警察官はそれを見てストップウォッチを止める。で、A-B間の距離と通過時間から速度を計算し、取り締まるわけです」

 なんと原始的な!

「いやいや、当時は最新の機械式が登場したぞと、みんな言ったもんです(笑)」

 なるほど。追尾式における「等間隔」は何の証拠もない。警察官がそのように言い張るだけ。ストップウォッチという“機械”を使うぶんだけ最新式なのだ。
 言い換えれば、原始的なストップウォッチ式よりさらに古い追尾式が今も生き残っているってことだ。

 その後、測定機といえるものが登場する。『概説交通警察』ではこうだ。

昭和42年に光電式の速度測定装置(路側の一方に送受光器,他方に反射器を配置して自動車の通過を感知し,走行速度を測定するもの)が配備され……」

 光電式は50年近く前に登場したのだ。ちなみに昭和42年(1967年)といえば、ベトナム戦争の特需で日本経済が沸き、ミニスカートが大流行した年だ。『ブルーシャトウ』『小指の思い出』などが大ヒットした。 ※この部分は岩波ブックレット『年表 昭和史』による。以下同。

 『概説交通警察』はこう続く。

……昭和46年からレーダー式の速度測定機(路側にレーダー装置を配置し,電波のドップラー効果を利用して走行速度を測定するもの)が配備された

 昭和46年(1971年)は輸出超過で日米貿易摩擦が問題になり、銀座にマクドナルド1号店が開店した年だ。ヒット曲は『また逢う日まで』『おふくろさん』『私の城下町』など。

 この時代、交通社会は大きく動いていた。
 急激なモータリゼーションで交通事故が激増。警察は徹底的に交通取り締まりを行った。が、事故は増え続け、警察はさらに取り締まった。

 そのうち大変な問題が生じた。
 当時、違反者が払う金は「罰金」のみ。罰金を科すためには刑事手続きを経なければならない。すなわち検察官が起訴し、裁判官が有罪とする必要がある。その刑事手続きが、取り締まりが増えすぎてパンクしそうになったのである。

 そこで1968年7月1日、「交通反則通告制度」が誕生する。
 9割くらいを占める軽微な違反について、違反者が不服を言わず「反則金」という新しいペナルティを払えば刑事手続きをパスできることにしたのだ。
 反則金を払ってしまうと不起訴も無罪もなくなるのだが、高度成長期で忙しく働く運転者たちは、便利な反則金に飛びついた。以来、反則金の納付率は95%を下回ったことがない。

 この制度の導入後、警察は取り締まりをどかんと増やした。
 1967年に約462万件だった取り締まりは、1975年に1,000万件を超える。ピークは1984年の1,374万件だ。ちなみに、じつは1967年までは警察の統計に「説諭または警告」で済ました件数が載っていた。1967年は約610万件。取り締まりより多かったのだ。1968年以降そのデータは消えた。

180803_2 罰金は国庫に入って一般財源に溶けるが、反則金は「交通安全対策特別交付金」として地方に交付され、信号機や標識など交通安全施設に使われる。それら施設の事故抑止効果が大きかったのだろう、事故死者は1970年の16,765人をピークにどんどん減り始めた。
 信号機などを設置せず取り締まりで事故を減らそうとしてきた、その失策のせいで多くの命が失われたとも言えるわけだ。

 そんな時代を背景にオービスは登場する。
 オービスの歴史については“生き字引”というべき人物がいる。前述のストップウォッチ式で捕まった人、和田兌氏(現在82歳)だ。
 和田氏はその違反を徹底的に争い、スピード違反裁判の知識を身につけた。そして1974年、交通事件で有名な弁護士・高山俊吉氏らが「道路交通民主化の会」を結成。和田氏はその事務局を勤め、数多くの交通裁判に関わることになったのである。和田氏は言う。

「当時はタクシーやトラックの組合活動が活発だったんです。不当な取り締まりに対抗するため専門の団体が必要だってことで“民主化の会”生まれたんです」

 和田氏は1994年に、浜島望の筆名で『警察の盗撮・監視術』(技術と人間)という非常にマニアックな本を出している。同書と和田氏のお話から、オービスの歴史を辿っていこう。

 オービスの発祥はアメリカだ。1970年頃、アメリカのF・T・V社が「オービスⅢ」という自動速度取り締まり装置を開発した。自動的に速度を測定し、自動的にストロボを光らせて違反車を撮影。ナンバーと運転者が写った写真に測定値や日時を焼き付けるというシステムだった。オービスとはラテン語で「眼」を意味する。

 F・T・V社はこのシステムの権利をボーイング社に譲り、アメリカの3州で実用テストが行われた。すると夜間に銃でカメラ部が破壊される事件が続発。ならば外国ではどうか。こうしてオービスは1973年頃、日本へと海を渡る。
 そこに関与するのが意外にも、ベンツやキャデラックなど高級外車の輸入販売で有名な「ヤナセ」だった。いったいなぜ? じつはヤナセは当時……。
──以下次号へ!

 このあと私は『ラジオライフ』に「オービス測定部の変遷」「闘いを挑んだサムライたち」「大阪高裁、オービス逆転無罪!」等々を連載していったわけ。

 オービスの新時代を前に、巡査部長の昇任試験に交通取締り、交通行政の歴史が…いやほんとに出るかもしんないですよ。coldsweats02

 画像は本文とは全く関係ないっ(笑)。
 上の画像は、例によって「昭和」の酒肴。ゴーヤの何だっけ何かと、ハンバーグ。いずれも1皿チケット1枚。チケットは10枚綴りで1200円。ふと思いついて食べログを見たら、星3.4いくつだった。食べログってそういうあれなんだぁ、と呆れた次第。
 下の画像は、日比谷公園に新しく設けられた喫煙場所の地面。ぼこぼこ開いてるのはセミの穴かと。セミって地上へ出てからの命は1週間だっけ。小学生のときそう教わったような気がする。「たった1週間かよっ」とグレて穴に引きこもったり、延命サプリをネットで探したり、そういうことをしかし昆虫や動物は考えず、生物として完成しているわけだ。
 人間とセミとどっちが偉いか、という疑問自体をセミは持たないわけで、ここはセミの勝ちですかね、嗚呼暑い。

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