2012年5月18日 (金)

なぜ警察は指紋を持っていたのか

 警察はその「20代の男性会社員」が怪しいとにらみ、何らかの方法で指紋を入手、現場の遺留指紋と照合した、とは記事からは読めない。じゃあなぜ警察はその男性の指紋を持ってたんだ? ははぁーん、と多くの方が思ったろう。
 以下、5月18日付け産経新聞の一部。

窃盗未遂事件で誤認逮捕 現場の指紋は事件前に付着
 埼玉県警は18日、同県東松山市で1月下旬に起きた窃盗未遂事件で、同市内の20代の男性会社員を4月中旬に誤認逮捕し、5日後に釈放したと明らかにした。現場にあった会社員の指紋は、事件前に付着したと判断。東松山署は会社員に「不十分な捜査だった」と謝罪した。

 放置違反金納付命令を除く、年間おおよそ1000万件 or more の交通取締りの際、違反キップの事件原票の供述書(甲)の欄に、警察官は、当然すべきことのように署名押印を求める。その押印は、違反者が印鑑を持っていても、指印を求めることがよくある。指は左手人差し指の先と決まっている。
 そのように採る指紋を「名下(めいか)指紋」という。名下指紋はしっかり警察のデータに加えられるそうだ。

 別の採り方もある。私は幸運にも逮捕歴がないが、両手10指の指紋を採られている。高校生の頃、たまたまケンカを目撃して、警察署へ呼ばれて調書を録取されたあと、「じゃちょっとこれ…」と、黒い印肉を使って全指の指紋を採られたのだ。
 当時、警察官から指示されることに抗うなんて頭になく、かえって「うわ~、刑事ドラマみたい」とわくわくしたもんだ(笑)。
 現場にノルマを課して、だったかな、とにかく指紋を集めようとした時期があったと、あとで内部の方々から聞いた。現在はどうだか不知。ただ、違反キップについては指印を採りたがるようだ。
 全国民の個人情報、識別情報を集めて管理しようとする、それは国家警察(階級が警視正以上は国家公務員)として自然なことだろう。

 その「20代の男性会社員」氏も、そのようにして指紋を採られていたのかもしれないので、この段階で「ははぁーん、前科者なんだな。バレちゃったょ、げらげら」とか言わないように、ひとつよろしくお願いします。ついでにメルマガのほうもよろくしねと。happy02

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2012年5月16日 (水)

A子さんがマスキュラックス中毒であるとの診断は誤りです

 以下、長崎大学、池田正行教授の意見書、
http://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/ysnouso.pdf
 これの冒頭部分。

 A子さんがマスキュラックス中毒であるとの診断は誤りです。私が総合内科専門医及び神経内科専門医の立場から、診療録を詳細に検討した結果、A子さんは、神経内科疾患であるミトコンドリア病の中でも、MELAS(メラス:ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群)という急性脳症であることが判明しました。北陵クリニックと仙台市立病院の診療録には、MELAS の診断に十分な情報が揃っていました。事件性を疑う前に、MELAS と診断することが十分可能だったのです。北陵クリニック事件の本質は刑事事件ではなく、MELAS の見逃しという医療事故に他なりません。A子さんが決してマスキュラックス中毒ではなく、MELAS であることは、英文の論文として発表され、広く海外の専門家も認めるところとなりました。
 私が診療録と検察側証人である橋本保彦氏の証言を比較検討した結果、誤診の原因は、橋本氏の証言の中にある数々の誤りにあったことがわかりました。麻酔科医であり、神経内科は全くの専門外であった橋本氏は…

 「筋弛緩剤点滴殺人事件」「筋弛緩剤殺人事件」「筋弛緩剤点滴事件」「筋弛緩剤事件」などは、警察の発表とリークにまんまと乗ったマスコミ流の呼び方。
 北陵クリニックで起こった、筋弛緩剤(本件で用いられたとされるのはマスキュラックス)とは関係のない、死亡を含む容態急変等を、殺意をもって筋弛緩剤を点滴したことによる殺人事件と決めつけて大騒ぎし、守大助さんを無期懲役の牢獄へ送り込んだ事件、ということで、「北陵クリニック事件」と呼ぶほうが適当…。 
 

 「北陵クリニック事件」の被害者、守大助さんは、いま千葉刑務所にいて、再審無罪を待ちに待っている。自筆メッセージはこちら。
http://homepage2.nifty.com/daisuke_support/message_1204.htm

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2012年5月15日 (火)

ミラーが肩に接触して交通事故?

 マニア的には不思議な感じがする報道だ…。
 以下、5月15日付け産経新聞の一部。

フジテレビの伊藤アナ、運転中に接触事故
 フジテレビの伊藤利尋(としひろ)アナウンサー(39)が東京都港区の路上で、乗用車を運転中、歩行者の30代女性に接触する事故を起こしていたことが15日、警視庁高輪署への取材で分かった。
 同署によると、伊藤アナウンサーは14日午前9時ごろ、同区白金台の路上で車を運転中、女性の左肩に接触する事故を起こしたが、そのまま立ち去った。女性が車のナンバーを覚えていたため、同署に届け出て発覚した。
 同署は、伊藤アナウンサーが事故に気づかなかったとみて調べている。

 道路交通法第67条第2項に、こんな部分がある。

又は車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊(以下「交通事故」という。)を起こした場合において、

 「車両等の交通による人の死傷若しくは物の損壊」、これが道路交通法上の交通事故の定義だ。
 救護義務(同法第72条第1項前段)や報告義務(同後段)が生じるためには、「人の死傷若しくは物の損壊」がなければならない。
 ところが上掲記事には、「左肩に接触」としか出てこない。警察が「事故に気づかなかったとみて…」というところからしても、本当に単なる「接触」だったのか。
 それなのになぜ「事故」なのか。道路交通法上の交通事故の定義がよく理解されておらず、「うわぁ、大変だぁsign01」となってしまったのか。
 ま、これから「全治1週間の打撲」とか出てくるのかもしれないが…。

 ちなみに、雨上がりにスピードを落とさず運転走行して水たまりの汚水をはね上げ、通行人の衣服を汚すと、これは「物の損壊」で交通事故とされるおそれがあるんだね。
 そのへん、拙著『交通取締りアウトorセーフ』(全国のファミリーマートとサークルKサンクスで発売中)に書いた。
 コンビニ売りの本は、ある期間にある部数が売れれば成功の部類に入る、という基準があるんだそうで、『交通取締りアウトorセーフ』は、おかげさまでその基準の1.5倍が出たそうだ。皆さん、ありがとね~sign01

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携帯型自動走行計測装置ってなに?

 連絡帳に妙な(笑)走り書きあり。
 カナデンは、三菱のいわゆるオービス、RS-2000の定期点検をやってた子会社と同名。「携帯型自動走行計測装置」ってなんぢゃろ。

 携帯型自動走行計測装置の借入れ年間契約、カナデン、100万1700円
 停止処分者講習(短・中・長期)実車指導の実施等に関する業務の委託、中央自動車学校、2595万6000円
 放置駐車違反管理システムに関する運用支援委託年間契約、日本電気、825万2118円
 臨時適正検査の実施等に関する業務委託、東京慈恵医科大学付属病院、144万9000円、仙川ムラタクリニック、422万6250円
 自動速度取締機端末装置外2種の保守委託年間契約、東京航空計器、7560万円
 放置車両確認状況管理システムの借入れ年間契約、東京センチュリーリース、837万9525円
 交通パトカーのスピードメーター検査年間単価契約、日本車両検査協会、138万6000円
 会場の借り上げ、東京ビッグサイト、347万1720円
 運転免許証撮影装置の借入れ、PNPアイディーシステム、3118万5000円
 メルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代」月間単価購読、まぐまぐ、105円

 以上、じつは連絡帳にないものが混じってる。さてどれでしょう。bleah

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2012年5月14日 (月)

スカート内盗撮、未遂とカメラ差し入れ

 報道からは、現時点では撮影の既遂の証拠となるものはないように見える。
 でも、「迷惑防止条例違反」は、未遂でも処罰できるはず。私が言ってるのは、事件数で約3500件の、ほとんど東京簡裁、東京地裁、東京高裁での裁判傍聴、をとおしてだが、実際、広島県警の警部補とか、愛知県警の巡査長とか、みんな未遂だ。「盗撮 未遂」で検索すると、なぜか警察官の事件がやたらヒットする。警察官の盗撮ゆえにニュースになりやすいってこともあるんだろうか。
 何の話かって、5月13日付け産経新聞のこれだ。以下はその一部。■部分は今井。

スカートにカメラ入れる盗撮容疑の教諭、SDかみ砕く
 大阪府警浪速署は13日、府迷惑防止条例違反(卑わいな言動)の疑いで大阪府羽曳野市■■■■■■■■、同府岬町立岬中学校教諭■■■容疑者(54)を逮捕した。
 逮捕容疑は12日午後5時5分ごろ、大阪市浪速区日本橋4丁目のアニメショップで、20代の女性のスカート内に小型カメラを差し入れた疑い。
 同署によると、手提げかばんを持ち女性の後ろに立つなど、不審な行動をしていた■■容疑者に店員が声を掛けたところ、小型カメラに入っていたSDカードを飲み込んだ。店員は「ガリッという音がした」と説明、カードをかみ砕いたとみられる。同署は盗撮していたとみて調べている。

 SDカードをかみ砕いて飲み込んだことが、証拠隠滅に当たるのか、それが何の証拠であると、何をもって立証するのか、ちょと分かんない。

 ともあれ、未遂犯じゃなく、スカートの下にカメラを差し入れること自体が「迷惑防止条例違反」に当たるという、そこに言及する論告か弁論か判決があったようにも記憶するんだが、どうだっけ…。

 まずは東京都の「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」。以下、その第5条第1項。

(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第五条 何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

 「粗暴行為」のカッコ書きの「ぐれん隊行為等」の「」でもって痴漢や盗撮を立件、処罰してるわけだ。今や東京地裁の同条例違反はほとんど痴漢なのに、これは如何なものかと思う。
 ただ、こういう明らかに遅れた条文を改正するとき、痴漢や盗撮だけをターゲットとせず、もっと広く利用(悪用)できる形へもっていく、という傾向が統治者側にはあるように思えるので、そこは注意が必要だ。

 じゃあ、大阪府はどうなってるのか。以下は「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の第6条。

(卑わいな行為の禁止)
第六条
 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
 人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
 人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
 みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
 みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影すること。
 前各号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさえるような卑わいな言動をすること。

 大阪はずいぶん具体的なんだね~、びっくり。
 女性スカート下への写真機等の差し入れは、その第5号、「人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさえるような卑わいな」行動に当たるのかな。
 盗撮の報道記事1つでそこまでごちゃごちゃ言う、裁判傍聴マニア哉(かな)。字余り。coldsweats02

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