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2025年7月14日 (月)

赤いランエボは100~120キロの速度で左カーブへ!

 「小沢樹里 関東交通犯罪遺族の会」というX(元Twitter)の、プロフィールのところにこうある。

【埼玉県熊谷9人致死傷の遺族】
両親死亡。
弟妹が重体重傷(PTSD高次脳機能障害)

 

 その事故、いや、事故とは到底いえない、無差別殺傷事件が適当だと思う、いったいどういう事件だったのか、一審・さいたま地裁の「危険運転致死傷」(裁判員裁判)の第1回公判を傍聴したときの傍聴ノートと、報道、をもとに記しておこう。

 

 OとSは運送会社でTの先輩だった。
 とくにOは給料日前にはしばしばTに金を借り、Tを「金庫番」と呼んでいた。
 このTが、のちに「危険運転致死傷」の被告人として起訴されることになる。

 

 2008年2月の日曜、Oのゴルフ仲間(SとTを含む)が、Oの知り合いの飲食店に、全員それぞれ車を運転して集まった。

 午後1時半ごろから夕方まで飲酒。
 Tは生ビール1杯と焼酎の割り物を7杯飲んだ。足もとがふらつき、先輩のOとケンカしたり、他人が残したラーメンを食べたり。

 OとSとTの3人は、他の店でさらに飲もうという話になった。
 Tは自車(赤いランサー・エボリューション)を運転、OとSは別のクルマで出発した。

 午後7時過ぎ、キャバクラの駐車場に到着。開店準備をしていた店長が言ったそうだ。

店長 「よくこんな状態で運転してきたな。仕事も家庭もダメになるよ。(Sに)あなたがいちばんしっかりしてるようだから言うけど、酔ってるお客さんはお断りなんですよ。あなたが責任持ってくれるならいいけど」

 キャバクラの駐車場で3人はTのランエボに乗り、エンジンをかけて暖をとった。
 Tは車好きで、以前に乗っていたスカイラインGTRは雨の日にスピンして全損。ランエボもかなりチューンナップし、ターボも付けていた。

  「まだ(キャバクラ開店まで)時間あるんですよね、ひとまわりしてきましょうか」
S  「うん」
  「そうしようか」

 車内でそんな会話があったと検察官は言う。

 

 SとOを同乗させ、Tは運転を開始した。
 やがて、片側1車線、制限40キロ、左へゆるくカーブする場所にさしかかった。

 それまで60~70キロで走行していた赤いランエボは、カーブの手前で突然加速、100~120キロの速度で左カーブへ!
 Tとしては、先輩2人対し自車の性能、自己の運転テクを見せつけたかったのか。

 赤いランエボは黄色のセンターラインを超え、対向の白いセダンに衝突した。
 セダンはスピンして停止。車内の母娘は頸椎ねんざ等で全治5日間。

 赤いランエボはさらに2台目の車、青い軽ワゴンに正面衝突!
 軽ワゴンは大破、押し戻されて左側のブロック塀を破壊し、横転した。
 ともに56歳の夫婦は死亡。その21歳の息子は腰椎骨折などで加療約6カ月、双子の娘(21歳)は顔面の全ての部分が骨折、加療期間不明…。

 そう書けば短いが、言語に絶する被害だったそうだ。いま思い出しても涙が出てくる。

 Tの体内保有アルコールは、血液1ml中2.2mg。呼気換算で1.1mg、基準値0.15mgの7倍を超える。

 

 2008年6月、Tらに酒を飲ませた飲食店主が「道路交通法違反」(酒類提供罪)で懲役2年、執行猶予5年とされた。

 T本人は「危険運転致死傷」で起訴され、2008年11月、さいたま地裁で懲役16年とされた(求刑は20年)。

 SとOは全国初の「危険運転致死傷幇助」で起訴され、2010年2月、懲役2年とされた(求刑は8年)。
 控訴審判決を私は傍聴。控訴棄却だった。

 

 「危険運転致死傷幇助」については、2016年12月に「道路交通法違反(車両提供&要求依頼同乗)、危険運転致死傷幇助」の控訴審判決を私は東京高裁で傍聴したことがある。

 無免許でかつ危険ドラッグを使用した男に、自車(セルシオ)を運転させ、かつ同乗したという事件で、一審・長野地裁の判決は懲役6年。東京高裁の判決は控訴棄却だった。

 

 以上、未決算入(未決勾留日数の算入)については捨象した。

 私としては、交通殺傷事件、交通無差別殺傷事件、という考え方を検討してみていいんじゃないかと思う。


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2025年7月12日 (土)

わたし、いま、汚いからシャワーを浴びる

 「英会話教室経営の52歳男 音読中の女子高校生に後ろから抱きつき…携帯電話で撮影か 「数人の教え子に同様の行為などをした」趣旨の供述 千葉県警」と7月12日付けTBS NEWS DIG。

 「教室」となってるけど、要するに塾かと。
 当方の超絶マニアックデータの備考欄に「塾」の1文字があるものを見てみた。
 いろいろあるなかで、性犯罪は以下だ。

■陰茎露出で中学教師を懲戒免職になり、上京して塾を共同経営。中学生男女に年60~80回見せた。

■28歳で大学8年生。塾講師のアルバイトで知った女性に対し。よくしゃべりまくる被告人。

■学習塾講師、別の学習塾の女児9歳をエレベータで触り。犯人性を否認。

■自分が経営する塾の小3男児2人に、自己の陰茎を露出して手淫をさせ、写真を撮らせ…。

■75歳、学習塾で女児を触った。頼まれてマッサージをしたと。

■妻子あり、書道塾経営。娘と同じ年頃の少女に強制わいせつ未遂。

 

 こんな変わり種も。塾長と塾生3人、合計4つの裁判を傍聴した。

■リアルナンパアカデミー(ナンパ塾)、ウオッカで泥酔させ集団強姦、みな女性を獲物としてしか見ていない。

 

 そして、、、

■68歳塾講師が11歳女児の胸を3回触り、女児が可哀想!

 この事件について、当時のメルマガから一部、飛び飛びに拾おう。

 

 被告人は身柄(拘置所)。例の官給品のジャージ。シチュエーションのせいか固く怖い感じの高齢男性だ。
 被告人席(弁護人席の前のベンチ)に刑務官に挟まれて座るとき、体を、さらに頭部を、ぐいっと裁判官のほうへ向けた。傍聴席から顔を見られないように、だろう。

 検察官の冒頭陳述によれば、被告人は大卒。会社員の後、塾講師に。婚姻歴あり。異種の罰金前科4犯。
 甲3号証は被害女児の調書だった。検察官が読み上げた。

甲3号 「(本件の2カ月ほど前から)被告人の授業を受けるようになった…自分に近づき、左胸に手のひらを…帰宅後、母親に…■■先生に胸を触られたと…恐怖を思い出して涙が出そうになり、目がうるうるしてしまった…」

 そして…。

甲3号 「(事件後)眠れない日が多くなった…信用している男の人以外の男の人を見ると、怖くなる…逆恨みされるかもしれない…」

 甲6号証は母親の調書。

甲6号 「被告人から2回、お菓子をもらった…2回目はチョコ…この先生、私に好かれようとしている…チョコいらない、ママにあげる…」

 そんなことが前にあり、本件当日、被害女児はこう母親に言ったのだという。

甲6号 「シャワーを浴びたら話があると(娘が言い)…先に話して…わたし、いま、汚いからシャワーを浴びる…(話を聞いてから)初めてなの? 2、3回目と答えた…」

 

 被告人質問で、被告人はよくしゃべった。

 被告人としては、被害女児が授業に集中してないと思い、注意しようと胸を触ったのだそうだ!
 3回目、被害女児はリュックを胸の前に抱えていたという。だが! 被告人によれば、それは教室の冷房が効きすぎて寒かったせいと思い、リュックの間から手を差し込んで胸を触ったのだという。なんだそれっ!

 ただ、大半が聴き取れない。発した声を、なるべくマスクの内側で消す、背後の傍聴席に届かせない、そういう特殊な発声術を用いているようだった。

 

 被害女児の親権者からの意見陳述書を、検察官が読み上げた。

陳述書 「…以来、生活が一変しました…被告人が否認したことでさらに…報道され…小学生の女の子ならこれくらいの嘘はつけると…」

 それ、Yahoo!ニュースの匿名投稿かもね。

陳述書 「警察、検察…(への出頭)以外は一歩も外出できなかった…娘は…先生が辞めさせられると思ってなかなか話せなかったと…」

 相手の立場を思いやり、責任感のある、良い子だったのか。

陳述書 「…塾に防犯カメラはなく…巡回は80分に1回まわってくる…眠れず、食が細くなり…ストレスから体を掻いてしまい…反抗期が悪化した…検察へ行く日…階段から落ち、骨折寸前の…発覚して4カ月、否認し続けた…保身のために…娘も裁判に出なければいけないかもと言われ…」

陳述書 「私も娘を車で送迎…まさか送り届けた先でこうなるとは…お菓子…自分のお勧めの曲をホワイトボードに書き、ノートに書かせていた…警察に2回、検察に3回、トータルで12時間…極度の緊張…具合が悪くなり…受験(中学受験)…どうなるかわからない…受験の妨害をされた…正しい判断をしていただきたいと思います」

 

 求刑は懲役何年だと思う?
 懲役6月(ろくげつ)だった。たった6月って!

 じつはこの事件、罪名は「強制わいせつ」でも「不同意わいせつ」でもなく「暴行」なのだ。
 わいせつ目的を被告人は徹底的に否認し、「強制わいせつ」で起訴すれば女児の証人尋問は必至…そういう検察の判断だったのかも。

 

 判決も傍聴した。
 普通に懲役6月、執行猶予3年
 被害の重さ、ではなく、罪の重さ、を検察も裁判所も大事にするのだな、と思えた。

 判決までずっと勾留したのに、未決算入(未決勾留日数の算入)はなかった。
 相場的に算入するほどではなかったのか、20日程度算入が相場なのに、裁判官がムカついて算入しなかったのか、わからない。

2025年7月 9日 (水)

群衆に幻想を与える術を心得ている者は、容易に群衆の支配者となり

 百回は大げさとしても、3回程度は熟読して政界に打ち出でた者は、必ずや、1回読んだとさえ絶対に言わないだろう、という闇の書物、禁断の書物がある。

 日本語版は『群集心理』(ギュスターヴ・ル・ボン著、櫻井成夫訳、講談社学術文庫)である。
 「群衆」の部分は、大衆、民衆、国民たち、有権者たち、と読み替えてOKだと思う。

 愚民ども、と読み替えるのは違うと思う。愚民と賢民に分けて済むような話ではない。

 少し引用しよう、としたが見つからない。どこに埋もれてしまったのか。
 探すうち、『100分de名著 ル・ボン 群集心理』(武田砂鉄著、NHK出版)が見つかった。

 そこから、ほんの一部を引用する。

 

📖  これまで群衆が、真実を渇望したことはなかった。群衆は、自分らの気にいらぬ明白な事実の前では、身をかわして、むしろ誤謬でも魅力があるならば、それを神のように崇めようとする。

📖  およそ推理や論証をまぬかれた無条件な断言こそ、群衆の精神にある思想を沁みこませる確実な手段となる。断言は、証拠や論証を伴わない、簡潔なものであればあるほど、ますます威力を持つ。

📖  断言は、たえず、しかもできるだけ同じ言葉でくりかえされなければ、実際の影響力を持てないのである。真実の修辞形式はただ一つ、反復ということがあるのみ、とナポレオンがいった。断言された事柄は、反復によって、人々の頭のなかに固定して、遂にはあたかも論証ずみの真理のように、承認されるに至るのである。

📖  意見や信念が伝搬するのは、感染の作用によるのであって、推理の作用によることはあまりない。現在、労働者たちのいだく考えは、酒場で、断言、反復、感染の結果、形づくられるのである。どの時代の群衆の信念も、これとは別の方法でつくられたことは、ほとんどなかった。

 

 労働者 → ネット民
 酒場 → SNS
 断言、反復、感染 → 加えて、批判者に対する中傷攻撃

 て感じですかね、現代においては。

 

📖  群衆に幻想を与える術を心得ている者は、容易に群衆の支配者となり、群衆の幻想を打破しようと試みる者は、常に群衆のいけにえとなる。

 

 いけにえ、兵庫県でそんなことが起こらなかったっけ…。

 「群衆に幻想を与える術を心得ている者」とは、アメリカにおいてはドナルド・トランプ氏、日本においてはN党の立花孝志氏、参政党の神谷宗幣氏か。
 ル・ボン氏の全著作をAIに読み込ませ、アメリカと日本の、そして世界の行方を、仮想ル・ボン氏に語らせる、ことも可能だったりして?

 いや、でも、私はAIを信用してない。
 可搬式について質問したとき、あまりにもアホなことを、しかしじつに真っ当らしく言ってのけるのに驚愕したから。

2025年7月 7日 (月)

空調ファン付きベストを試着してみた!

 うちは東京電力と30A(アンペア)の契約だ。

 エアコン、ヘアドライヤー、電子レンジなど高負荷の家電を一度に3台使うと、安全ブレーカーがバチッと落ちることがある

 ということを前提に、暑い! もうたまらん! 自分用の扇風機を買うことにした。
 珍しくネットで調べたところ、だいぶ郊外のDIY店がいちばん安いようだった。

 運動がてら自転車で出かけた。
 空いたペットボトルに水道水を入れ、粗塩を適宜放り込み、よく振って飲みつつ。

 

 私の場合、いつもと違う道を行くのが好きだ。
 このへんをこっちへ進めば、たぶんあの辺へ出るだろう、との見通しで、全く未体験、初めての地域へ踏み込んだ。
 へえ、こんなところにこんな家々があったのか、戸建ての車庫にドイツ車が目立つなあ、、、なんかこう、幸せ伝達物質が脳内にちらっと出てくるのが感じられた。

 

 DIY店で、空調ファン付きベストっていうんですか、現場仕事の方々がほとんどみんな着用している、あれの試着用のが展示してあった。

 どんなもんなんだろ、試着してみた。
 前ファスナーを閉め、裾のスイッチを押してみた。

 うっわ、こうくるのかっ、いいねっ!

 スイッチの最初が最強(つよ)で、次が強、弱、最弱、切、バイクのギアチェンジでいえばロータリー式だ。
 こりゃあ、優れもんだわ、おっどろいた。

 暑さは観測史上最高を日々更新し続けるだろう。

 とりあえず地域課の警察官全員に行き渡ったらいいと思う。
 イターリアのファッションブランドが空調ファン付きのお洋服を売り出す日は近いと思う。

2025年7月 5日 (土)

参院選挙、無関心層と愉快犯層と怨念層とお馬鹿層

 衆院選と参院選がごっちゃになり、都議選なんかも混じり、よく分からなくなってた。
 4月18日付けの日経新聞をたまたま見て、「えっ、そうだったの!」となった。

 

 衆院選の比例区選挙は、各地域のブロックごと。選挙区選挙は狭い=定数1の選挙区が多い。

 参院選の比例区選挙は、全国区。選挙区選挙は基本的に都道府県単位、だそうだ。

 だから、参院選は衆院選に比べて人気投票、つまり知名度勝負になりやすい面があるんだそうだ。なるほど~。

 

 参院選の比例区は、候補者名を書いてもいいし、政党名を書いてもいい。
 私は今回は、社民党の「ラサール石井」と書こうかと現時点では思ってる。

 

 ・投票する政党を決めている人
 ・無党派層

 という分け方が一般的でしょ。でもそれ違うんじゃないか、と私は思う。

 ・無関心層:選挙になんぞ興味がない
 ・愉快犯層:与党は駄目、野党は頼りない、どうせ何も変わらない、ならおもろい奴に投票してやれ
 ・怨念層:こんな国はぶっ壊れてしまえ。最悪カルトに投票してやれ
 ・お馬鹿層:ただただ刺激的なものに惹きつけられ

 

 今回の参院選は、無関心層の少なからぬ部分が、愉快犯層に転じそう。
 怨念層の受け皿がありそう。
 お馬鹿層を強く惹きつける連中が出てきてる、ように見受けられる。

 したがって、今回は投票率が上がるかもねっ。

 常々思うことがある。
 たとえば定数2の選挙区選挙、でも有権者は1票のみ。おかしいでしょ。馬鹿にしてんのか、と想うのは私だけ?

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