首都高3号線下り駒沢のオービス 暴走車からパッシングされ84キロ超過
9時50分から簡裁で、先週の窃盗の判決を傍聴したのち、、、。
10時から地裁刑事2部528号法廷(大きい法廷)で、道路交通法違反の新件。毛利晴光裁判官。
法廷に入ると、傍聴席に若い男女が10数名いて、それとは別らしい30代と思しき美人系の女性がきっと私を見上げた。華と迫力が混じった、どこか何か違う感じの女性だ。いわゆる女子アナか? なぜこんな事件に? と思った。
事件は、首都高3号線下り駒沢のオービスⅢによる84㎞/h超過(測定値144㎞/h)。時刻は午前1時45分頃。
ここのオービス事件を傍聴するのは2度めだ。前回はベンツ。今回はポルシェ。
自白事件。
検察官提出の書証中の、被告人の供述調書によれば、
「自宅へ帰る途中、周りと同じ速度、だいたい110㎞/hくらいで走っていると、渋谷を過ぎて、大型乗用車が後ろから急接近してきてパッシングしてきた。左側の車線は車が連なっていて入れず、加速。そのときオービスが光った。好きこのんで144㎞/h出したのではないことを、わかっていただきたいと思います」
という主張。
情状証人として被告人の妻を尋問、、、それがさっきの女性だった。
白いしゃれたブラウスに、長めの黒いタイトスカート。髪は黒。姿勢よく、コッコッコッと靴音高く足早に証言台へ。こんな堂々とした証人は初めて見る。
職業は、女子アナではなかったが、なるほどその職業かぁ、とうなづけた。オヤジ流のイメージかもしれんけど。
検察官の席には3人いて、裁判官寄りの席の若い女性が起訴状朗読等を担当。
前髪が眉を隠し、関西弁。歯切れよい。
だが、被告人の次にオービスに測定・撮影された車両は9分後であることを理由に、被告人が言うパッシングの車はなかった、刑責を逃れるための虚偽の弁解だ、と決めつけるのには呆れた。
そもそもオービスⅢは、測定値がセット速度を超えていれば必ず撮影するわけではない。いくつもの撮影条件をクリアした場合に撮影するのだと、簡裁の法廷でメーカー社員がいつも言ってるぞ。
それに、オービス設置場所の手前で異様な追い上げをして煽り、直前で自分だけ減速する、そんな車がいても全くわからないのが、オービスによる取り締まりなのだ。
にもかかわらず「虚偽の弁解だ」と決めつけるのは、検察の無能をさらけ出してるようなもんじゃないか。
だいたい、被告人が測定値を否認すれば、オービスの製造販売会社の社員を呼んで「我が社のキカイは絶対に大丈夫でございます」と言わせて立証とする、底抜けの無能、、、でなければ責任を逃れるための虚偽の有罪主張、、、。
なーんて傍聴席で思ってるのは、私だけだよね(笑)。
求刑は懲役3月。相場どおりだ。執行猶予が2年か3年かつくだろう。
気になったのは、裁判官からの被告人質問。
被告人は弁護人不要と回答したのに、裁判所が職権で国選をつけたそうだが、「弁護人をつけてもらってよかった」旨、裁判官は言わせたがっているように思えたこと。
弁護人の費用(報酬と日当)を被告人に負担させたいのだな、と見えた。
執行猶予つきの懲役刑だと、再犯のおそれもなく普通に生活する被告人には、実質的に何の痛みもない。そこで、10万円足らずの弁護人費用を負担させて、「二次刑罰」(私の造語)とする、それがこうした事件の相場と思えるのだ。
10時50分閉廷。
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