『シリーズ捜査実務全書14 交通犯罪』
現在、私の手許にあるのは、1996年11月30日初版のもの(268ページ、税込み3000円)。
執筆者はすべて検事で「判例・通説に詳しく、公正な立場で実務を実践している優れた論客」。
編集代表は藤永幸治(帝京大学教授・元東京高等検察庁検事長)。編集委員には前最高検察庁検事や元東京地方検察庁交通部長や法務大臣官房審議官や法務省刑事局刑事法制課長等々が名を連ね、ある意味、豪華な本である。
その第2編第2章第5節は「速度違反事件」で、「追尾測定・レーダー測定・オービス測定・光電式測定の問題点」「否認事件の捜査のポイント」「判例の分析」から成る。
たとえばレーダ式については、以下のような記述がある。
「アンテナで受信する電波は、いわゆる直接反射波だけに限らない。例えば、看板やガードレール等に当たって跳ね返った電波が更に違反車両に当たり反射してくる場合もある。そして、この電波が強い場合は、これをとらえ計測するおそれがあるので、このような場所での測定結果については、誤測定の可能性を排除することが困難となる(二重反射や多重反射現象の問題である )。したがって 、電波の投射方向や測定可能域付近に、電波を反射する電柱、看板、ガードレール、金網、街路灯、大きなビル、トンネル等の障害物、あるいは影響を及ぼすとされている自動ドアのある建造物等がないことを確認して、送受信アンテナを設置することが肝要である」
「なお、電車の電線に流れている高圧電流から出るスパークなどの影響を受けた可能性があると主張された事案もあるが、このような妨害電波による誤測定が問題となった場合は、実験をし、その影響の有無を明らかにしなければならないし、そもそも設置場所を選定するに当たっては、妨害電波の有無等も確認する必要がある」
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