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2006年3月の43件の記事

2006年3月31日 (金)

アフィリエイトの報酬合計 ついに大台を突破!

 アフィリエイトは、あのあと、

3月17日    96円
3月18日  117円
3月19日    56円
3月21日    56円
3月22日  100円
3月25日    56円
3月27日    78円
3月29日  119円

 となりまして、3月の「報酬合計」は1094円。なんと千円を突破しました~。ありがとございますぅ。

 千円はべつに「大台」ってほどぢゃないのかな。タイトルは大げさだったかな。
 大げさといえば、昨日の「オービスを強制捜査 検察官を証人尋問!」は、早めのエイプリルフールですか?ってタイトルだよね。
 あとで自分で読んで、「ええっ!? ウソだろぉ」と目を丸くしちゃったよ。
 でも、裁判所から令状を取ってするのを強制捜査っていうでしょ。検察官が証言台の前に立ち、
「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います」
 と宣誓して証言したのも事実。
 ぜんぶホントなのだよぅ。

 その鈴木健一検察官の論告の一部を紹介しとこう(私の傍聴メモより)。

「現実に死亡事故の怖さを理解してる人が、どれくらいいらっしゃるか(※法廷内を、傍聴席も含め見渡す)。
 私は暴力団や銃器を担当してきたが、副検事に任官して以降、交通を扱うようになった。
 検死や司法解剖を見てきた。暴力団の事件のとき、20カ所以上を切られた死体を見た。顔はめちゃめちゃで、これ以上すごい死体を見ることはないな、と思った。
 しかし、事故の死体はそれ以上だ!」

 その話は、警察官の方々からも私は聞いてきた。
 感情のない物体が、物理的な力で、肉体を破壊する、それが交通事故死といえる。だから、殺そうと思って殺す人間、少しは感情がある人間には、とてもできない無惨な殺し方を、車はするのだ。

 客観的な裏付けとなるデータなど一切存在しないのに、オービス無謬神話を維持する、そういう論告の一部とはいえ、鈴木さんが法廷を見渡して述べた上記部分、そのとおりだと思う。
 自分が日々運転しているのは、いったい何なのかということ、運転者たちは(私自身も)深く深く肝に銘じるべきと思う

2006年3月30日 (木)

オービスを強制捜査 検察官を証人尋問!

湾岸・羽田のオービスⅢLk これも第1車線!」 2月23日 第3回公判
オービスⅢLk 肝心のチェックを省いた定期点検」 3月9日 第4回公判
誤測定が起こらなくても誤測定は起こる このカラクリに気づいてくれぇ!」 3月23日 第5回公判

 の第6回公判。11時00分から、東京簡裁刑事1室2係(浅見牧夫裁判官)826号法廷で。

 遠藤薫検察官(暗い感じ)が裁判官寄りの席に、鈴木健一検察官(切れ者)が傍聴席寄りの席に。
 あれ? なんで2人になったの?
 しかも!! 私と礼田計さんのほかに、続々と8人も傍聴人が!! な、なんで!?
 東京航空計器・品証サービス部の森成昭治課長もいる。それ以外はだいたい警察官らしき雰囲気。手ぶらの者と、小さなパンフを1枚持っただけの者が、わかった限りで3人も。斜め向かいの警視庁から歩いてきたんだろうか。

 しかもしかも!! なんと鈴木さんを証人尋問。ひゃあっ。もぉう、マニアは、つか鈴木さんのファンとしては、ニコニコですよぉ。

 話はこういうことらしかった。
 オービスⅢLk(俗称LHシステム)は、撮影端末(首都高湾岸線・羽田空港付近)で撮影した画像が、交通警察隊の新富分駐所の中央装置へちゃんと伝送されているか、第1(2)車線のループで測定して第2(1)車線のカメラで撮影するようなことがないか、の検証を弁護人が求めたところ、検察官は不必要とし、ところがなぜか、3月17日に突然、検察官自ら検証令状を取り、3月20日に湾岸線と新富分駐所で検証(つまり公判中の強制捜査?)をやったと、こういうことらしい。

 で、その検証調書を弁護人が不同意としたので、真正立証のため、在廷の(ってそりゃそうだ)、作成者である鈴木さんを証人尋問したってわけ。
 傍聴人のうち5人は、どうもその立会人かと思えた。最後にきた2人(男女)は、尋問が終わるとあわてて出て行った。午後の仕事があるんだろうか。ご苦労様です。いやべつに皮肉じゃないっすよ(←長州小力さん風)。

 検証といっても、たった13台だし、たとえば100㎞/hと焼き付けられた写真がちゃんと伝送されたとしても、そもそもその100㎞/hという測定値が正しいかどうか、まったくわかんないわけで、あんまり意味のない検証と思うんだが、そんなことよりも、鈴木さんのキャラが良かったよぉ!! もうサイコー!! あんな証人尋問を傍聴できて、しやわせ~☆

 ちなみに鈴木さんは、旅費日当を受け取らなかったようだ。
 そりゃそうだよね、仕事で証言したんだから。でも、東京航空計器の社員は(三菱電機も)請求して受領するんだよね。警察官も、以前はよく請求して受領してた。

 続いて、検察官席に戻った鈴木さんが論告。
 なんと29分間!! 私がこれまでオービス事件を傍聴してきたなかでダントツ最長じゃないかな。
 結局、いくらオービスの優秀性を言っても、客観的な裏付けとなるデータは一切存在しないのだが(鈴木さんもそれは十分承知だろう。しかし立場上、知らん顔するしかないのだろう)、この際それはおいといて、鈴木さんの個性というか優秀さ(これは主観的な評価)がぞんぶんに発揮された論告だった。
 ああいう論告を嫌う上司・同僚が検察的にはいるのかもしれないが、私は満足しましたよ。

 求刑は相場どおり罰金9万円。訴訟費用は被告人の負担とすべきと思料する、と。

 弁論は18分間。 
  これで結審するに当たり、被告人から最後の陳述。
「私は140㎞/hは出しておりませんので」
 と深々頭を下げた。
 12時32分閉廷。
 判決は4月27日午後4時。
 もっと詳しく書きたいんだけど、雑誌連載の締切りが…。

          ★

0603205_1  13時10分から、東京簡裁刑事2室1係534号法廷(櫻井廣美裁判官)で、「首都高5号線下り高島平のオービスⅢLj事件」の第5回公判(判決)。
 オービスの信頼性については、客観的な裏付けとなるデータは一切存在しないのだけど、
1、オービスは長年の実績がある(多くがキップ&略式で処理されているのもその証左)
2、メーカー社員は長年にわたって関与しているから信用できる
3、被告人(素人なんだけど)の説明は一貫性、整合性がなく不自然で信用できない
 とし、測定値に疑問を差し挟む余地はないからと、求刑どおり罰金8万円。
 訴訟費用は被告人に負担させない。

 中身的にはごく普通の判決なのだが、櫻井さんは弁護人の主張に対しいちいち退ける理由を述べたので、32分間にもなった。

 あわてて飛び出し、さっきの浅見牧夫裁判官の法廷へ。13時30分からの、「湾岸羽田オービスⅢLk 車間距離の謎」の判決を傍聴に。
 とっくに次の窃盗が始まっていた。

 1階で礼田計さんに聞く。
 求刑どおり罰金8万円。訴訟費用には言及せず。ごく普通の数分の言渡しだったという。

 農林水産省地下第5食堂で、ミニロースカツ定食(半食)420円。
 椅子とテーブルの配置が変わったね。テーブル上にあったお茶のポットをなくし、左奥に給茶機を導入したのね。
 裁判所へは戻らず、情報開示請求にも行かず(ほんとご無沙汰)早帰り。し、締切りが…。

2006年3月28日 (火)

秋田のオービス公訴棄却事件 検察が上告 「先の墓穴より今のメンツ」?

 26日(日)から無謀にも2泊で温泉へ。
 途中、仙台高裁秋田支部で逆転公訴棄却となったオービス事件、検察が上告したと聞いた。
 92年に大阪高裁で逆転無罪を食らったときは、検察は上告せず、その後、メーカー(東京航空計器)社員に「あれは誤判だ」と言い張らせ、なんの問題もなくすべての事件を有罪にしてきているんだが、そうですか、今回は上告しましたか。

 ま、当時と違って近頃は、オービスを取り巻く状況がちぃっと違ってきてることもあり(今発売号の『ラジオライフ』参照)、ここはオービスの負けを確定させたくない、と強く思ったんだろうか…。
 大阪高裁のときは、タコグラフのチャートという動かぬ証拠があって無罪とされたが(それでも一審加古川簡裁は有罪)、秋田の事件はそういうのがないので(被告人側に無実の証拠がなければ有罪というのが鉄則なので)イケると思ったんだろうか…。

 しっかし、どうやって再逆転させるんだろう。
 秋田の公訴棄却の理由は要するに、「わずかなプラス誤差がないことの客観的な裏付けとなるデータが存在しない」ということだった。
 「客観的な裏付けとなるデータ」が、専門の科学者が検討して、「うむ、このデータによればプラス誤差はないと客観的に認められる」というものであれば、そんなものがあるとは到底考えられない。差し戻しになれば、検察は、もっと大きな墓穴を掘ることになる可能性が高いのでは?

_28  先の墓穴より今のメンツ。

 という官僚的な金言(?)にしたがったのか。
 上告理由に当たらないと却下されることを見越し、
「法律手続き上、汚名をすすげなかったが、仙台高裁秋田支部のは誤判だ。オービス(本件では三菱電機RS-2000B型)は絶対無謬だ」
 と言い張る腹なのか。あるいは…。

 とにかく、検察はこれからどんな上告趣意書を書くのか、被告人・弁護人がどう反論するのか、注目される。

 本件現場は、上りというか、南へ向かう方向。つまり海側ではなく内陸側。その第2車線のほうらしい。写真は礼田計さん提供。

2006年3月25日 (土)

驚異の育毛水で髪がごわごわ、黒々! これホント!

 
 鏡を見て驚いた。
 え? 髪が…黒々してる…とくに額の上あたりが…。

 じつは7週間ほど前から、髪にごわごわ感が出てきたというか、産毛のような柔らかさがなくなったぞぉ? と感じてはいたのだ。
 それが持続するので、あれぇ? と思ってはいたのだ。
 まさか、黒々し始めてるとは!!

 2月の初め頃、私は、アデランスとアートネイチャーとリーブ21とプロピアをまわった。
 それまで何度か仕事をしたことのある『漫画実話ナックルズ』から、そうしたところのカウンセリングや施術を体験して話を聞かせてほしいと、頭髪を見おろして(笑)頼まれ、それは良い機会だ、喜んで! と引き受けたのだ。
 記事は、今発売号に載っている。面白いよ。

 その記事にも書いたが、風呂に入ったとき、冷水を頭にかける、というのが説得力があり、それならタダでできるんだから、やってみっかと、原稿を出した後も続けていたのだ。
 その少し前にたまたまちらっと見たテレビで、風呂上がりに体に冷水をかけると、かえって後からぽかぽかしてくる、血行が良くなるんだ、というのをやってたから。
 冷水→頭皮の血行促進。いいんじゃない? と続けてみたわけ。
 そしたらアンタ、ごわごわ、黒々…!!

 まあね、他人様からすりゃ、まだまだ産毛じゃん。どこが黒々よ。かもしれんが、私には確かに感じるのだよぅ。触ればわかるのだよぅ。見れば違うのだよぅ。

 そだ! 水にオリーブオイルでも少量溶いて「驚異の育毛水」と称し、「これを風呂上がりにつけてよくマッサージし、しばらく置いてから冷水でよく流しなさい。必ず成果が現れますよ」と商売しようか。1瓶で2週間分、2980円。うぅむ、私って天才!!

          ★

 風呂での作法が変わったように、ネットの利用もだいぶ変わってきた。
 今年2月にこのブログを設けてから、レスポンスザクザクを除いて、ネットのニュースをほとんど見なくなってしまった。ますます世間から遠ざかりそうだが、ま、いいやと。
 昨年秋頃か、ミクシィに入って自分の場所(?)を設け、「霞っ子クラブ」の傍聴記等を読むようになって、それまで見てた他のサイトのいくつかをぜんぜん見なくなってしまった。
 そういえばここ2年ほど、仕事の打ち合わせ等を除いて、外でほとんど酒を飲まなくなってしまった。
 「これは見よう」と録画したテレビ番組を、まーず見なくなってしまった。
 農林水産省地下、第5食堂のお気に入りが、豚生姜焼き定食から鯖生姜焼き定食に変わってしまった。鯖は旨いよぉ。

 そして今月から、締切り前に連載原稿を次々と仕上げるようになってしまった…。ってウソつくな!

2006年3月24日 (金)

警察官証人の旅費日当 「服務上の問題は認められないが誤解を招くおそれがある」と警視庁

 いつも警視庁からくるのとは違う封筒で、「警視庁総務部企画課」から郵便あり。
 なんだ? とうとう広報も一部民間委託することになった、ついては随意契約で今井殿にお願いしたいってか? おぅ、いよいよきたか。
 とニコニコ開封したら、違った。

 「改善要望」につきましては、下記のとおり回答します。

 ははあ、これはアレか、昨年12月13日、警視庁を訪れ急いで出したアレに対する回答なのだな。

 職員が職務上取り扱った事案に関し、裁判所から証人として呼び出しを受けた場合には、勤務として実施させています。
 職員が裁判所に出廷した際には、実際に支払った交通費を裁判所から受領しており、当庁からは支給しておりません。
 また、裁判所から支給される日当については、職員が勤務として出廷し、日当を受領することは、服務上の問題は認められませんが、誤解を招くおそれがあることから、請求を自粛するよう指導しております。
 今後は、更に指導を徹底させ、事務手続き上、誤りのないように努めます。

 ふぅむ。「更に指導を徹底させ」「誤りのないように努めます」ってことは、日当を二重取りしてたのを認めたってことだよね。
 つか、日当を受け取っていたのは事実なんだから(その事実を私はつかんでるし)、ま、認めざるを得ないか。
 それにしても、「服務上の問題は認められませんが、誤解を招くおそれがあることから」って、うーむ…。

 ま、とりあえず、オービス裁判を争う被告人の負担は(または国の負担は)、今後は警察官証人の日当分だけ軽くなる…はずだ。

          ★

 水曜、忙しくて早帰りしたあとにあった「常習累犯窃盗 氏名不詳(警視庁上野警察署留置番号第7号起訴状添付の写真の男)」は、相当に味わい深い事件だったらしい。「霞っ子クラブ」の方々、じゃんけんプレゼントの方、そして阿曽山大噴火さんも傍聴したんだろうなぁ。
 だけどさ、「常習累犯」って、どうしてわかったんだろう。累犯者なら指紋があるはず。照合したんだろうか。そしたら氏名もわかるはず。なぜ「氏名不詳」なの? 前の事件でも氏名等を黙秘してたの? あ~傍聴したかったなぁ。残念。でも仕方ないか…。

 ところで、じつは、愛媛県警の「捜査員」のパソコンから流出したというNシステムのデータ(らしきもの)を、あるルートから見せてもらうことができた。そんなものが(もしホンモノだとして)こともあろうに私のような者の手に落ちるとは、パソコンとかインターネットって怖いと思う。
 とくに興味のない人からすれば、どうってこともない大量(ほんとに大量!)のデータなんだろうが、私なんぞからすると非常に興味深いことが見てとれ…。

2006年3月23日 (木)

誤測定が起こらなくても誤測定は起こる このカラクリに気づいてくれぇ!

湾岸・羽田のオービスⅢLk これも第1車線!」2月23日第3回公判
オービスⅢLk 肝心のチェックを省いた定期点検」3月9日第4回公判

 の第5回公判。11時40分から、東京簡裁刑事1室2係(浅見牧夫裁判官)826号法廷。

 みんな早口でよく聴き取れなかったのだが、羽田付近の公的施設・機関が出している電波について、その公的施設・機関および総務省の電波管理の部局から回答をもらう、という作業をみんなでしてるのかな。
 とすれば、あんまり意味ないような。
 私としては、こう思うのよ。総務省がテレビCMをやらなきゃなんないほど問題となっている(はずの)違法電波についてこそ、調べるべきじゃないのか。総務省はわざわざテレビCMをやるほどなんだから、違法電波についての情報はしっかり把握してるはずでしょ、と。
 ま、それはこの際、私のほうでも調べてみようかな。前に少し調べたような気がするのだが、当時はあんまり重視しておらず、忘れちゃったので。

 ちなみに、総務省のCM、警察へ出頭してオービスの写真を見せられた運転者が「あ、オービスおかしい」と言うシーンもあったらいいのにね☆

 あと、これも早口でよく聴き取れなかったが、裁判所は現場(首都高湾岸線羽田空港付近)での検証を前提に、誰かに下見調査に行ってもらったようだ。で、安全確保が十分にできないので検証は却下、とか浅見さんが言っていた。
 いくら却下でも、そんな展開になること自体、希有というか前代未聞というか、ものすごいことなのだよ。詳しくは、間もなく発売の『ラジオライフ』を読んでくれぇ。

 検察官のほうは、裁判所から検証許可状の発布を受け、検証を行った、と聞えた。どうも、あまり意味のある検証ではないらしい。有罪にするための道の、取るに足りない穴ぼこを念のため埋める、みたいな感じなのだろうか。よくわかんないけど。

 そして、双方また書記官室で打ち合わせすることになり、11時50分閉廷。

          ★

 今回、現場付近の電波がどうこう言うなかで、「電波が磁力線に…」という言葉が聞えた。
 ループの磁界への影響のことだろうか。つまり、オービスⅢは3.45m間隔で3組のループコイルを埋設し、これにより速度を測定し、かつ、適切に測定できたことをチェックするようになっている(とメーカー社員は言う)ところ、電波がループの磁界に影響して誤測定が起こったのではないか=影響しなければ誤測定は起こらない、という考え方をしているのだろうか。

 だとすれば、とんでもないトリックというか、きわめて重要なすり替えが、そこには潜んでいる!

 誤測定とは何をいうのか。
1、ループやレーダが、誤って速度を測定する。
2、写真に焼き付けられた記号(測定値)が、被告人車両の速度ではない。
 どっちも「誤測定」だが、1と2は、まったく違う。1=2ではない。

 ループやレーダは正しく速度を測定しても、その速度を表示しろと信号を発する回路が、
A、誤った信号を出す。
B、正しい信号を出したが、その信号を受け取る回路が、違う信号を受け取る。
C、正しい信号を受け取ったのに、違う記号を表示する。
 そういうことだってあり得るじゃん!
 そうして、このA、B、Cについては、まったく、または、限りなくまったくといえるほど、点検・チェックが為されていないようなのだ。

 その点についての、現時点でいちばんマトモといえるチェックは、総合精度試験(走行試験)だ。
 すなわち、ループならループによる測定値と、ループとはべつに設置した測定機(テープスイッチによる測定機)の測定値と、比較することだ。
 半年に1回、定期点検があり、少なくとも年に1回は、その走行試験をしているという。
 年間何百万台もの通行量がある道路で、たった100台(ときに15台)についての試験だというのも、たまげた話だが、それ以上にぶっ飛ぶのは、写真に焼き付けられた測定値との比較はしていないってこと。
 上記A、B、Cのチェックはしてないのだ! 
 信じられない? でも、第4回公判で、東京航空計器の森成昭治社員は、そう証言したよ。「(走行試験時に)写真は撮影しない。間違って撮影されることもない」と。そして、旅費日当をちゃっかり請求・受領していったよ。

 ところが…。
 どの事件も、上記1の誤測定のみが注目され、1の誤測定が起こったとは認められないからと、有罪なっていくのだ。

 上記A、B、Cが、いずれも、どんな条件下でも起こり得ないことの客観的な裏付けとなるデータは、一切存在しないんじゃないか。私はこれまで多くのオービス事件を傍聴し、記録を読んできたが、見たことも聞いたこともない。
 だーかーらぁ! 仙台高裁秋田支部の公訴棄却判決の、「客観的な裏付けとなるデータが存在しない」という理由に、感動するのだ! 

 午後は気になる事件がいろいろあったが、食事もせずに早帰り。やらなきゃいけないことが山積みで、忙しいのだよぅ。

2006年3月22日 (水)

略式命令25万円を20万円に減額した理由とは!

 霞ヶ関の駅で清水勉弁護士とばったり会って少し立ち話。

 裁判所1階で、先日ネイキッドロフトのじゃんけんプレゼント大会で私からのプレゼントが当たった方に会い、当日私が渡し忘れた『なんでこれが交通違反なの!?』をお渡しする。

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著者:今井 亮一
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 この人、開廷表からめぼしい事件を書き写すための小さな手づくりメモを持っていた。おおっ、素敵っ☆

 弁護士手帳ってのがあるけど、傍聴手帳なんてつくったら(一部の人たちに)売れるんじゃないかな。
 時刻、法廷、被告人氏名、罪名、新・審・判をさっと書き写す欄があり、それとはべつに、事件番号、係属部、裁判官氏名、被告人は在宅か身柄か、身柄なら拘置所か警察留置場か、弁護人、犯行日、年齢、犯行の概要、前科・前歴、情状、証人、求刑、判決、備考等々からなるページがあり…。私って商売上手?

 11時40分から、東京簡裁刑事1室3係(堀内信明裁判官)534合法廷で、「さつま白波を愛する酒気帯び被告人 罰金25万円は高すぎるか」の判決。

 前の住居侵入(身柄、警察留置場)が長引いていた。
 下着盗(したぎとう)の前科が複数あり、保護観察付き執行猶予4年の判決(4年は長いよ!)の猶予期間があけて約2年後の本件は、他人の敷地内にフェンスを乗り越え侵入し、知人宅と間違えたと言っていたが、下着盗が目的だったと自白したのだという。
 求刑は懲役1年。

 それが終わったのが11時50分。
 50分から窃盗の身柄事件(警察留置場)の判決があり、裏(身柄の被告人が出てくるドアの裏)までもう来ているというので、酒気帯びのほうの被告人と弁護人に断り、そっちを先にやることに。
 居候させてもらっていた知人宅で、数回に渡りカードを持ち出して現金を窃取(「同居盗」ってやつだね)、知人宅を出てから、つくっておいた合い鍵で侵入して家電製品を窃取…。
「主文。被告人を懲役1年6月に処する。未決勾留期間中45日をその刑に算入する…」
 被告人は証言台のところで立ちつくしていたが、堀内さんが続けて、
「…その刑の執行を3年間猶予する」
 と言った瞬間、おじぎした。
「訴訟費用は被告人に負担させない」
 と言った瞬間、またおじぎした。

 ところで、勾留場所が警察留置場(世界でも有名だという「ダイヨーカンゴク」)の場合、法廷へ付き添ってくる警察官2名は、私がその階級章をじろじろ見てきた限り(最初は礼田計さんから指摘されたんだっけかな?)、みんな警部補と巡査部長なのね。これはどういうわけなんだろう。

 ようやく12時頃から、酒気帯びの判決。
 罰金20万円。
 略式命令より5万円減額されたのだ!
 しかも、被告人・弁護人の主張(のうち傍聴席からは主要と思えた部分)は一蹴し、それ以外の、証拠から認められた要素によっての減額。
 堀内さんの説明は非常に勉強になった。なるほど、そういうところも見るのか、と。これだから傍聴はヤメられない、止まらない。
 うーむ、詳しくは『ラジオライフ』に書こう、と思う。

 午後は、道路交通法違反は、簡裁にも地裁にも高裁にもなし。
 「霞っ子クラブ」のミクシィのほうで、「常習累犯窃盗 氏名不詳(警視庁上野警察署留置番号第7号起訴状添付の写真の男)」の新件があると知っており、本記事冒頭のプレゼントの方も「面白そうなのがある」旨言っていたのだが、それって15時すぎの開廷。
 ご相談等の未対応がたまっており、清水弁護士に渡すと言ったブツの用意もしなきゃいけないしで、農林水産省地下第5食堂で鯖生姜焼き定食(半食)420円を食って帰る。

 ちなみに、捕まって住所・氏名を黙秘し続ける被疑者がたまにいて、そういうのは、どこそこ留置場の第×号さんになるんだね。もう5~6年前になるか、警視庁野方警察署留置番号第×号さんに面会、差し入れしたことがあるっけ。

2006年3月21日 (火)

公務執行妨害に罰金刑を設ける理由

公判請求 略式命令請求 不起訴
道路交通法違反 11,943 598,757 124,876
業務上過失致死傷 8,960 88,250 754,801
窃盗 41,959 - 48,281
公務執行妨害 871 - 1,016

※「検察統計年報」の2004年のデータより抜粋。

 いろんな犯罪があるなかで、窃盗は、公判請求がいちばん多い。つまり正式な裁判になる数が多い、ということ。
 2位は、覚せい剤取締り法違反で、17,071人。
 3位は(交通関係業過と道路交通法違反を除いた表でいえば)、出入国管理及び難民認定法違反で、8,468人。
 なんにしても、窃盗がダントツトップだ。「ダントツ」の語源は「断然突出」?
 窃盗は、裁判所にとって、かなりの負担になっている。

 刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。

 懲役刑の選択肢しかないから、処罰するときは、正式な裁判を開いて懲役刑を科すほかない。
 ここに罰金刑の選択肢を加え、略式で罰金を払わせてオシマイにできるようにする、という動きがある。
 それは、まあ、わからないじゃない。
 たとえば万引など、わざわざ公判請求して懲役刑を科すのも如何なものか、といって、不起訴で終わらすのも如何なものか、両者の中間の罰金刑があっていいんじゃないか、とね。

 しかし、同時に公務執行妨害も罰金刑に、ってどーゆーこと?

 これから“貧富の差”が広がり、“戦争できる国”へどんどん進んでいくと、国家と国民がぶつかりあう場面は増えてくるはず。裁判所に負担をかけることなく処罰して前科者にするには、略式で終えられる罰金刑があるほうがいいってことかなあ…と、ぼんやり私は考えていた。

 だが、ちょっと待てぇよ。
 駐禁取締りの民間委託について、
「民間がやるんじゃ、違反者とのトラブルが増えるのでは?」
 という声がよく聞かれる。
 取り締まりを行う「駐車監視員」は、それなりの帽子や制服を着用するものの、警察官とは迫力がちがう。「ざけんな、この野郎っ!」と監視員の肩を押す、なんてことが多発するおそれがある。
 駐禁取締りは年間300万件を超えると予想される…。
 
 私は「駐車監視員資格者講習」で教わったよ。
 監視員は「見なし公務員」とされ、監視員に対する暴行等は公務執行妨害の対象になると。これ、修了考査の問題に出たかな。
 そうするとだよ、これから路上でトラブルが頻発するだろうことを見越して、窃盗とセットで公妨にも罰金刑をという、そういう側面も、どうもあるんじゃないか。 

 そしてじつは警察は、この民間委託を他の違反へも広げようとしている。
 違反だけでなく、軽微な(つまりほとんどすべての)交通事故(上の表のとおり不起訴がめちゃ多い)へも広げようとしている。
 そのためには、公務執行妨害の処罰を迅速・簡便に行える法手続きが、不可欠だろう。
 しっかり先を読み、必要な法律を準備していく…。私も少しは見習わねば?

2006年3月20日 (月)

仙台高裁秋田支部のオービス公訴棄却判決を読み、猛烈に感動!

_53  仙台高裁秋田支部、06年3月14日宣告、オービス(やはり三菱電機RS-2000B型!)の公訴棄却の判決書きと、付随する、一審秋田簡裁の判決書き(罰金6万円)、控訴趣意書、それに対する検察官の答弁書、を読んだ。  ※写真は礼田計さん

◆一審判決
 まあ、ごく普通、との印象。
 よくある判決より若干長いので、一審の弁護人はそれなりに説得力ある争いをしたのかなぁ、と想像することができる。
 東京航空計器は、自社の社員が定期点検を行う。が、三菱電機は(全部かどうか私は知らないが)、別会社に点検させる。一審では、その点検会社の社員が証言している。
 判決は、その社員の証言(客観的な裏付けとなるデータが何ら存在しない!)を鵜呑みにしたうえで、「…異常や誤作動があったことを窺わせるような具体的事実や証拠がなく、前記認定に合理的疑いを差し挟むには至らないものである」としている。
 これは卑怯だと思う。普通の運転者には、そんな「具体的事実や証拠」がなくて当たり前ぢゃないか。

◆控訴趣意書
 驚いた! 客観的な裏付けとなるデータが何ら存在しない、そのことしか言ってないのね!
 ごちゃごちゃよけいなことを言わず(もちろん、いろいろ主張・立証するのが悪いとは言わないが)、本質のみズバリ突く…。私が知る限り、前例のない主張ではないかと思う。素晴らしい! 感動した!

◆答弁書
 A4サイズで1枚ちょい。まあ、普通の検察の姿勢が書かれている。つまり、「メーカーや点検会社が大丈夫と言ってるから大丈夫なのだ」と。

◆控訴審判決 
 ほほおぅ! へえ! と驚いた。こういう判決だったのか!
 本件前後の違反者の自白の供述は、測定値の正確性まで認めたことにならない、逮捕された本件被告人が略式に応じたことは、測定値を認めたことにならない、といったところにまで踏み込んでいる。なんと常識的な判断! 感動したよ!

 読んで思い浮かんだのは、
「世間のしがらみのない、曇らない目をもった子どもが、当たり前のことを素直に言った。それをしっかり受け止める、曇らない目をもった王様(裁判官)がいた」
 というふうな童話。そんな童話、なかったっけ?
 詳しくは後日。いま忙しいのだよぅ。日曜に、運動不足を一気に解消しようと(馬鹿だよね)プールでだいぶ泳ぎ、めっちゃ疲れて(血圧の上が100を切ってしまった)だいぶ寝ちゃったこともあり、いろいろ押せ押せになってるのだ。

仙台高裁秋田支部「客観的裏付けがない」と公訴棄却!!
秋田オービス公訴棄却判決「あれは誤判だ」と三菱電機も言い続けるのか
オービス公訴棄却判決を書いた3人の裁判官
公訴棄却を食らった三菱のオービス(高抑)をさっそく礼田計さんが140枚撮影!
秋田のオービス公訴棄却 現場はこんな道路(礼田計さん撮影) 

2006年3月19日 (日)

アフィリエイトで1億円 野望は成就するのか!?

 えー、ニフティに当ブログの場所を設けたのが今年2月4日だったか。
 ココログについてるアクセス解析によると、1日のアクセス数は、開設後たしか1~2週間で200と数十になり、その後、「数十」というのが少しずつ大きい数になり、300を超える日が現れ、300を超える日の頻度が少しずつ増え…という推移だった。
 が、この水曜、木曜、つまり仙台地裁秋田支部でオービス公訴棄却の判決が出た日と次の日、500を超えた。金曜は、木曜から101減って415。
 今後、たぶん、300と数十に落ち着き、その「数十」が少しづつ増え、最終的には400~600台で落ち着くんじゃないか、という推測が、自力HPのアクセス解析を見てきた者による推測としてはもっとも妥当かなあ、という気がする。

 でも、それじゃ困るのだ!
 私の野望は「アフィリエイトで1億円」なのだ!

 そうそう、3月のアフィリエイト報告をしよう。
   3月 5日   56円
   3月 7日  117円
   3月 9日   56円
   3月12日   78円
   3月14日   56円
 「報酬合計」は423円。
 「56円」てのが3回ある。うーむ、何なのだろう。
 ともあれ、ありがとございました。
 2月の合計は845円だったので、累計1268円。
 これは、社会通念上ならぬネット通念上、多いのか少ないのか。そして、着々と野望は成就しつつあるのか…。
 前途は厳しいように思われる。何より、当人の心構えがイケナイ。先日も、『実例 警察官の職務執行』を、アフィリエイトのことなどすっかり忘れ、書店で買ってしまったものなぁ。まだ一度も、自分で自分のアフィリエイトを(利用できるのかどうはともかく)利用しようとしてないんだものねぇ。

 ほか、今週、書きそびれていることの一部を書いておこう。

◆ 中津川簡裁は、警察署、消防署、市役所、国土交通省のなんとか、などお役所が集中した一角にあるんだねえ。
 しかし、人通りはほとんどない。車もあまり通らない。そばの中津川の河原にも、散歩者は見かけない。
 なのに、お役所に入ると、職員の多さが目立つ。外とはぜんぜん違う。
 中津川の人は、まさか、みんな公務員? そんな妄想を抱いたよぅ。

P1000518 ◆ 中津川簡裁のそばに、中津川を渡る鉄管(?)の水路がある。その上が通路になっているのを、人が渡っているのを見て知った。次回はあそこを渡りたい。どれくらい怖いんだろう。どんな景色なんだろう。

◆ 木曜、念のため東京地裁民事の開廷表もチェックしてたら、第25民事部だったと思うが、原告の氏名(男性名)がなんとも珍しいものだった。面白ドラマ(時代劇か刑事もの、かな)の主人公にサイコーの氏名! 事件は「損害賠償」だったか。
 その日は「本人尋問」だというので思わず傍聴してみた。
 が、原告席、被告席にいるのは代理人弁護士で、尋問されているのは被告らしき女性だった。
 証言の内容はなかなか興味深いものだったが、原告らしき人物の姿は、傍聴席にも見あたらなかった。

 ただ、裁判官(渡辺真里さん。地裁の法廷担当一覧には見あたらない。なんで?)が、近所のM子ちゃんのお母さんによく似ていた。親戚か? としばし裁判官を見つめた。
 私は、裁判官、検察官、弁護人、代理人、書記官、廷吏(法廷職員)等を、誰かに似ているとよく言う。
 時代劇の悪役、皇族のどなたか、演歌歌手…。「霞っ子クラブ」に人気の1人、東京地裁刑事第6部の合田悦三裁判官は、元警視庁警部補・犀川博正さんに似てる。中津川簡裁の山崎松三さんが昨年10月、外で一服しているのを見たときは、ヤクザなタクシードライバー…。

 だいたいは他人(そしてご本人)からすれば「ぜんぜん似てねーよ。なに言ってんの(笑)」かもしれんが、私は多数の裁判を傍聴するところ、そうやって「誰か(何か)に似てる」と印象づけておくと、次に傍聴したとき「あ、あのときの裁判官(等)だ」となり、傍聴の醍醐味が増すのだ。
 なので、「誰(何)に似てるかな」と、無意識に似てるものを探しちゃうわけ。
 誰にも何にも似てなくても、顔と名前が(私の脳内で、だよ)なぜかぴたり噛み合うこともある。たとえば東京高裁第10刑事部の須田裁判長とか。
 ってマニアの独り言ですなぁ。

◆ 当ブログ、自力HPが「交通違反相談センター」だから、ま、「交通違反相談センター2」でいいや、とアップした(その後、「オービス裁判 傍聴日記」と副題をつけてみた)のだが、メインのタイトルと中身がぜんぜん一致しないんじゃない?
 ふと、「交通違反の明日はどっちだ!?」ってのはどうかと思いつき、「明日はどっちだ」で検索してみたら、ずいぶんたくさんヒットする。
 『ドライバー』の連載のタイトル「覆面パトは二度サイレンを鳴らす」は気に入ってるんだが、当ブログは追尾式よりオービスの話題ばっかりだし…。
 じゃあ、『亡国のイージス』をもじって、

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 「亡国のオービス」。ダメだよねぇ。どうしよぉ。なんかアイデアない? 

◆ まーたご相談等の未対応がたまり始めた。今年は去年をずっと上回るペースだ。なぜ?

2006年3月18日 (土)

秋田のオービス公訴棄却 現場はこんな道路(礼田計さん撮影)

_15

 礼田計さんがさっそく現地へ飛んで撮影してきた写真。
 奥のほうの門型構造物の上に載ってるのが、仙台高裁秋田支部で公訴棄却を食らったオービス(高速走行抑止端末装置。三菱電機RS-2000のたぶんB型か。俗称「新Hシステム」)。

 朝日新聞・秋田版の記事コピーも送ってくれた。
 なぜ無罪ではなく公訴棄却なのか、その参考に、記事は反則・非反則の処理手続きを説明しているのだが…。
「…一方、30㌔以上超過した重い違反の場合は、刑事事件として扱われる。運転者は簡易裁判所に出頭し、略式起訴され罰金を払うか、裁判で争うかを選択することになる」
 後段は違うよぅ。不起訴のことが抜けてるよぅ。

1、略式起訴されて罰金を払うか
2、不起訴か
3、公判請求されて正式な裁判か
 のどれか、なのだ。
 そして、3の場合、秋田のこの事件のように、あるいは中津川簡裁の事件のように、そして多くの事件のように、真っ向から争う人もいるが、「測定値のスピードは絶対に出してないけど、機械が測った以上仕方ない」などと、罪状認否で自白に転じる人もたくさんいる。

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2006年3月17日 (金)

中津川簡裁のオービス事件 とうとう裁判官を忌避!

 またまた中津川簡裁のオービスⅢLj(東京航空計器製、ループコイル、自立型のフィルム式)事件を傍聴に行ってきたよぅ。
 昨年10月と今年1月に続き、3回目。今や乗り慣れた感のある高速バスで。

 近くの中津川市役所の職員食堂で、今回は、悩んだ末、てんぷらうどん大盛430円を注文。見てたら、おばちゃん、冷凍の四角いうどんを2つ、湯切り籠(て言わないか?)に入れよった。ええっ、2つかよ! ラーメン丼の大盛うどん、関西風で旨く、てんぷらは野菜の形が目立って良。完食。もう胃袋がはちきれそう。まーたデブになるがな。

 市役所を出て川沿いの道路を渡り、中津川の河原でごろり横になる。
 いつの間にか太陽が雲の陰に。ぼんやり河原を見てたら、何百mか先から、地上の晴れの部分がすごいスピードでこちらへ向かってきた。雲が流れて太陽が顔を出そうとしているのだ。キタキタキタキターッ、あー、あったかーい!
 中津川の流れは、1月より多かった。昨夜雨が降ったのか、雪が溶けつつあるのか。しっかし川の水は際限なくどーどー流れてくるなぁ。たいしたもんだ。
 …と、そんなふうに毎日河原で寝そべって暮らすのが俺の理想なんだよぅ。 

 13時30分から、中津川簡裁(山崎松三裁判官)1号法廷で、オービス事件。
 この被告人は偉い。情報公開条例を利用して、岐阜県警のオービスの契約書・仕様書をゲットしたら、現場の走行車両の速度をチェックする試験について、検察側の書証に出てくるやり方は契約違反であることがわかったという。へえ!
 しかしそれを添付した弁39号証が、裁判所により弁44号証とされ、かつ、取調べ「済」かどうかの記載が証拠等関係カードにない、というミスがあり…。

 そのことを片付けてから、岩野壽雄弁護人──途中から私選で弁護。33年間、裁判官を務め、01年に弁護士登録した人。03年には保管場所法違反で最高裁で逆転無罪(破棄自判)を勝ち取り大きく報道された──が、ゆらりと言った。
「では、まことに唐突で失礼な言い方でございますが…」
 裁判官忌避の申立をしたのである。
 いま私は「ゆらりと」と表現したが、このへん、なんとも言い難い味がある。「迫力」というありきたりなものとは違って…。うー、なんとも表現し難い。

 私は今年3月16日までに(エクセルでデータ化したものだけで)390件を傍聴し、もういろんな裁判官を見てきたが、このオービス事件の山崎松三裁判官は非常に特別との印象を受けた。残念だが、忌避はやむを得ない選択、と思う。

 岩野さんは心臓の手術をしたばかりで体調が悪いそうで、理由書は被告人が朗読。数分かと思ったら、13時44分から14時10分まで朗読。
 その間、申し訳ないけれども、
山崎松三裁判官の態度はよくなかったなぁ。ある意味、ストレートな人なのだろう。
 若い検察官(前回、山崎さんがわざわざ「支部長検事さん」と呼んだ若者)はといえば、まあね、いつもああいう感じなのかもしれないが、いかーにも、つまんなさそー。「俺カンケーねーよ」感が漂っていた。

 それで、だ。こういう忌避の申立は、訴訟遅延が目的だとして簡易却下されるのが常らしい。
 山崎さんはどうするのか。
 傍聴席から見た機微(そこが面白いんだよ!)は、いずれ『ドライバー』に書くことにして、結論だけ言うと、「手続きを停止し、合議の(地裁の?)結論を待つ」ということになった。おお!
 だから、次回期日は未定。
 仙台高裁秋田支部のオービス公訴棄却判決にも驚いたが、この中津川簡裁のオービス事件も、ちょっと目を離せない!

 往路は京王バスだったが、復路は、中央道中津川ICのバス停へ京王バスの40分ほど前に来たJRバスに乗ってみる。車中、16日に霞ヶ関の裁判所ビル地下の書店で買った『実例 警察官の職務執行』(立花書房)をお勉強。しようと思って寝る。

 朝7時前に出て、帰宅が22時過ぎ。約1時間の傍聴のために約15時間使ったわけだが(しかも交通費9400円はたぶん自費?)、今日の公判は濃かった。ぜんぜん後悔なし。という自分はこれでいいのかと、ちょっと悩む(笑)。

ウィニーでNシステム情報まで流出!!

 16日(木)裁判所から戻ると、なんと、Nシステムの内部情報がウィニーでばら撒かれたと電話あり。

 愛媛県警の捜査資料が大量に「Winny(ウィニー)」ネットワークに流出した問題で、延べ10万台を超える自動車のナンバーを記載したファイルも漏れていたことが15日分かった。高速道路や主要道に設置された「Nシステム」(自動車ナンバー自動読み取りシステム)で収集したデータとみられる。同システムを巡っては、プライバシーの侵害につながるとの批判もあり、警察庁はこれまで運用について詳しく言及してこなかった。警察の情報管理のあり方が改めて問われそうだ。

 Nシステムは、86年に整備がスタートし、93年からデータ収集を開始した。全国約700カ所に設置されているとされ、一連のオウム真理教(アーレフに改称)事件の捜査など犯罪捜査に利用されている。一方で、捜査機関による恣意(しい)的な監視やプライバシーの侵害などの問題点を指摘する声も根強い。

 「各種事件のN資料」と名付けられたフォルダー内のファイルは、いずれも99年の日付で、ほとんどが1日単位で区分されていた。この装置を設置した愛媛県や香川県、徳島県の国道、高速道路を通過した車のナンバー、通過日時が保存され、記録は約10日分、延べ約10万台に上った。

 一方、別のフォルダには、ある殺人事件の関係者とみられる男性が所有する車のナンバーの検索を申請した文書があった。この申請に基づき、99年6月~00年5月に、四国全域を対象に検索したとみられ、この車が通過した地点、通過日時、進行方向などを示す一覧表も存在した。総数は約200件に達していた。

 また、検索申請書と書かれたファイルには、県警の決裁欄の項目と並んで、「警察庁刑事局刑事企画課長」名の検索許可番号を記入する欄があった。

 警察庁はこれまで国会での質問に対し「重要事件で使用された車や盗難車など手配車両のナンバーと照合するために使っている。アクセスする者を制限し、一定期間保存した後に消去される」などと強調したうえで、ナンバーは公開された情報で収集に問題はないと説明してきた。

 これに対し、Nシステムなど公的機関の行動監視に取り組む東京都渋谷区の市民団体「一矢(いっし)の会」の浜島望代表(73)は「裁判での証拠申請にも警察は提出に応じず、運用実態を示す資料が表面化するのは初めてのことだろう。しかし、なぜ一捜査員がデータを保管していたのか、国会などでの説明と実際の運用が違う可能性がある。警察は改めてシステムについて説明すべきだ」と語った。 【サイバーテロ取材班】 毎日新聞 2006年3月16日 3時00分 ※太字は今井

                                              
 Nシステム訴訟(一審は東京地裁・平成10年ワ5272号 損害賠償事件 請求棄却)で、警察側は、「読み取ったナンバーデータの管理には厳格な管理措置が講じられている」と主張してたんだが…。
 ウィニーでばら撒くより、移動情報を無断で拾われ集積されてる個人の求めに応じて当該個人にだけ開示してよ、と私は言いたい。
 しっかしウィニーの破壊力ってすごいよね。
 毎日新聞は、ばら撒かれたデータを入手したようだが、そういうのってどこにあるの? 
 私なんぞがのこのこ出歩かないほうがいい場所なのだろうか。
 警察の裏ガネの裏帳簿なんかも落ちてるんだろうか。さすがにそれだけは絶対守秘で、厳格な管理措置が講じられてるんだろうか。

公訴棄却を食らった三菱のオービス(高抑)をさっそく礼田計さんが140枚撮影!

Photo_1 おおっ! 載せることができた! (写真の著作権は礼田計さん)

 写真は、礼田計さんがさっそく秋田へ飛んで撮影してきた、仙台高裁秋田支部で公訴棄却を食らったオービスだ。
 礼田計さんはスチル写真だけで140枚も撮影してきたそうだ。マニア魂、おそるべし!

 これは三菱電機の「高速走行抑止端末装置」。この手前にある警告板や警察にある中央装置などをあわせて「高速走行抑止システム(高抑)」という。
 俗称「新Hシステム」。オービスマップでは「H」と表記されるやつだ。

 左側と右側とで、ストロボ、アンテナ、カメラのレイアウトが違う。右側が通常のタイプ…。と思いきや、右側のセットのカメラのそばに小さな筐体が…。と思いきや、え? 右側のセットのさらに右に、ストロボ? なんだこれ?

 ははぁ。「寺澤オービス事件」で、三菱電機の菅井宗一社員は、たしか「RS-2000にはB型がある」とか言ってたが、もしかしてそれがこれか?
 さっそく仕様書を開示請求せねば。

2006年3月16日 (木)

可愛い妻(?)と幼い女児を残し、合計3年8月の懲役刑へ…

 11時45分から、高裁刑事12部(河辺義正、小川正明、片山隆史裁判官)715号法廷で、道路交通法違反・有印私文書偽造・同行使の判決。

 被告人は身柄(拘置所)。礼服のような黒スーツ(なんか安っぽそう)に白ワイシャツの、優男(やさおとこ)。
 この広い法廷に、傍聴人は私だけか…と思っていたら、小柄な可愛い女性が、1~2歳の女児を抱いてきた。
 被告人の妻子か? と思って被告人を見ると、両脇を拘置所の職員に挟まれ、手錠・腰縄で被告人席に座った被告人が、にこーっと幸せそうな顔になった。
 間もなく、3人の裁判官が壇上に。

 被告人の主張は、
1、免許不携帯を不問にし、右左折違反で反則処理したのであって、いったん免責した行為を処罰するのは日本国憲法39条に違反する。
2、原審の懲役1年8月(実刑)は重すぎて不当である。

 1。有印私文書偽造・同行使ってことは、他人になりすまし、交通事件原票の供述欄(いわゆるサイン欄)に他人の氏名を書いたんでしょ。私は法律の奥深いところはわかんないけど、憲法39条違反はムリなんじゃないの?
 2。どうも本件の罪状は、05年2月から6月にかけての、5回(うち4回は原付)の無免許運転(ぜんぶ他人になりすまし?)らしい。そして、02年6月に詐欺と窃盗で懲役2年、執行猶予4年の判決を受けているという。

 控訴審判決は、公訴棄却。未決拘留期間のうち60日をその刑に算入。ま、実刑の期間が2カ月減ったわけだ。

 言渡しが終わり、被告人は再び手錠・腰縄をつけられ、傍聴席の母娘をニコニコを見ながら奥のドアへ去って行った。その口が「またな」という形に動いたように見えた…。

          ★

 1階ロビーで、ある若者くん(としとこうか。わはは)に会う。
 農林水産省1階の消費者展示室とか何とかいうあそこで、くじ引きで花の鉢植えが大当たりしたという。じゃまだし、持ち帰ってもどうしようもない、というので、もらっちゃう。ありがとね(その後だいぶしおれたけれども、今夜の雨でいきいきするかな? ところで何の花なんだろう)。

 農林水産省地下第5食堂で、久しぶりに豚生姜焼き定食(半食)450円。相変わらず旨い。でも、サバ生姜焼き定食(半食)420円も捨てがたく思う自分に気づいて、「俺も年齢相応になってきたのかなぁ」と。

 13時20分から、高裁刑事4部(仙波厚・嶋原文雄・秋山敬裁判官)803号法廷で、「交通前科4犯の無免許」の判決。公訴棄却。訴訟費用不負担。

 13時30分から、高裁刑事10部(須田贒・波床昌則・溝國貞久裁判官)805号法廷で、道路交通法違反の控訴審第1回。被告人は不出頭。
 98年に無免許で罰金8万円。03年に無免許で懲役3月、執行猶予4年。そして04年の本件無免許。一審は懲役3月の実刑。主張は量刑不当。
 直ちに判決。公訴棄却。

 13時20分から、高裁の別の部で、「千葉県青少年健全育成条例」違反(だったかな?)の判決があり、お花をくれた若者くんに傍聴してもらう。
 どうも、学校の教員か職員による、児童か生徒に対する性的な行為の事件らしい。胸を指で突いたとか、マッサージの手が陰部に触れたとか、そんな話らしい。関係者らしき傍聴人が多数いたという。公訴棄却とのこと。

          ★

 今日は簡裁で道路交通法違反の新件があったのに、マニアの礼田計さんが来なかったな。
 …と思ったらなんと、さっそく秋田のオービスを撮影に出かけたそうだ。
 スチル写真だけで140枚も撮影してきたという。
 マニア魂、おそるべし!
 その写真を当ブログにアップする許可を得たのだが、載せられない。なんで?

 上記、仙波厚裁判長の法廷(裁判官の構成は違うかも)で、何時の開廷か知らないが、「前橋市内のスナックで03年1月、暴力団同士の抗争に絡んで一般市民3人を含む4人が殺害された拳銃乱射事件」の控訴審判決(原審死刑。公訴棄却)があったそうな。

 その記事のリンクを探すため朝日新聞を見たらなんと、「無罪男性の国賠訴訟、「起訴は違法」認定 名古屋地裁」との記事。「有罪判決が予想できる合理的な根拠がなかったにもかかわらず、あえて起訴した」と認定したそうだ。
 オービス事件は、「合理的な根拠」がないけれども「有罪判決が予想できる」って?

 ウィニーでNシステムのデータが流出したのを知ってるか、という電話も入ってくるし、明日は私は中津川簡裁だし、あ~もう、ここ数日、どうなってんの。春が近いから?

未決拘留中に罰金の前刑を労役場留置で執行 へえ そんなことができるんだ?

 10時50分から東京地裁、第2刑事部(毛利晴光裁判官)528号法廷で、道路交通法違反の判決。

 2005年3月に点数累積で免許取消。
 同年6月の無免許で、同年12月に罰金20万円の略式命令。
 同年8月に軽自動車を購入。
 2006年1月に、本件無免許運転。

 普通ならまた略式で、今度はたぶん罰金25万円のところ、だいぶ長距離を走っていたところを警察に発見され、逃走、助手席同乗者と入れ替わるなどした、といったこともあり、公判請求になったようだ。

 今回、「へえ、そんなことができるんだ?」ということがあった。
 被告人は拘置所に勾留されているのだが、前年の罰金20万円を、勾留中に「労役場留置」で執行されようとしたというのだ。
 3月10日からそれを始め、15日に「外にいる人(お姉さんたち)」が17万円を払ったので、労役場留置は15日までで終わり、引き続き未決勾留されているのだという。
 東京における労役場留置は東京拘置所で行うと聞いていたが、へえ、そんなことができるんだ?

 労役について、
「1日5000円で労働しる」
 といったデマがネット上によくある。
 とんでもない。罰金刑という財産刑を執行できないとき、かわりに自由刑(体刑)で執行し、その期間を1日5000円換算で決める、のが労役場留置なのである。
 そのへん、拙著『交通違反ウォーズ!』に収載の爆笑レポートを読んでほしい。

交通違反ウォーズ! Book 交通違反ウォーズ!

著者:今井 亮一
販売元:小学館
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 未決勾留は、ようするに、被告人が逃げないよう身柄を拘束しておくというもの。刑罰ではない。だから、未決勾留の間に、労役場留置を、というのは、考えてみりゃ、できないことじゃないんだろうが、へえ、初めて知りますたよ、私わ。

 判決主文は、懲役5月、執行猶予3年。その猶予の期間中、保護観察に付する。訴訟費用(このケースでは国選弁護人の報酬・日当)は不負担。

あおってオービスに捕まらせ「やったーぃ!」と楽しむ連中がいるのでは?

 10時から、東京簡裁1室2係(浅見牧夫裁判官)826号法廷で新件。

【場   所】 首都高・環状線・内回り・八丁堀3-1
【日  時】 2004年12月10日 4時30分頃
【装   置】 東京航空計器 オービスⅢLk
【測定値】 118㎞/h  制限速度50㎞/hを68㎞/h超過
【被告人】 40歳前後
【弁護人】 なし
【主   張】 右側車線を走行中、猛速度でやってきたと思われる白いクーペタイプの車に、後部左側にくっつかれ、左側から追い抜いていくのかと思ったが追い抜かず、ヘタに自分が左車線を移ろうとすると衝突するかもしれないし、左右の車線の間に分離帯があったり、左車線に車があったりで、左車線へは移れず、当時は加速するしかないと思ってしまった。オービスのストロボが光ったとき、その後続車は離れており、光ったあと、ようやく左車線から追い抜いて行った。略式で罰金を払ってしまえばオシマイだが、そういう事情があったと、裁判官の前で言いたかった。行政処分はすでに免許取消を受けている。

 ここのオービスは、道端に立ってるのでフィルム式と見えるが、じつは電子式(画像伝送式)。仕様書では「自立型」のオービスⅢLkだ。
 オービスマップでは「L」とされているが、機能としては「LH」なのだ。って意味わかる?

 鈴木健一検察官は、今日はピンクのネクタイ。
 ピンクかよ! と言いたいところだが、似合ってるじゃん。私もああいうピンクのネクタイを買うか…いやぁ、私はダメだろうなぁ、ピンクに合う上着がないし…などとしばし唸る(笑)。

 こういう事件では、後続車の車種等を詳しく覚えていないことを理由に、「そのような車両は存在しなかった」と言う検察官がよくいるが、鈴木さんは、そういうつまらないことをあんまり言わない。
 それもあるし、なんちゅーかあの独特の個性が私は好きなのだ。

 被告人の車両はだいぶハデな車だったようで、この事件、想像するに、左車線へ逃がさないようあおってスピードを上げさせ、オービスにひっかからせて「やったーぃ! ざまぁみれ」と楽しむ輩(やから)に、やられたんじゃないのかなぁ。
 どうもそういうのがいるように思われる。“撃墜マークを”貼ってたりしてね。

 求刑は相場どおり罰金9万円。
 浅見さんは直ちに判決するつもりのようだった。が、弁護人のいない事件でそれをしては、あとで「いい加減な裁判だった!」と誹られるおそれも…と一瞬躊躇したのか(すみません、傍聴人は勝手にいろんなこと想像するのです)、被告人に「もう1回出て来られますか…」と尋ねた。
 すると被告人は即座にはっきり「はい」と言い、時刻もいつでもいいと言った。
 ので、判決は次回となった。
 10時34分閉廷。

オービス公訴棄却判決を書いた3人の裁判官

 いろんな方から情報をお寄せいただき、感謝です。
 こんな報道もありました。

 今回の判決、各種報道を見ただけでも、たいへんな判決だと思うですよ。
 だぁって、同じ場所で、いや他の場所でも、反則・非反則ぎりぎりの超過速度で検挙された人たちもみんな公訴棄却になるか、あるいは、すでに略式で罰金を払った人たちが再審請求するとか、すでに受けた行政処分について損害賠償の訴訟を起こすとか、そういうことにもつながり得る判決じゃないの?

 仙台高裁秋田支部の裁判官らは、なんでそんな思い切った(しかし当たり前の)判決を書けてしまったのか。
 じつは、ここだけの話、3月末発売『ラジオライフ』の私の連載のシメは、こういう文章なのだ。

「絶対にプラス誤差はないと言い張るのはメーカー社員だけ。何ら裏付けがない。合理的な疑いがないまでに立証されたとは到底言えず、被告人は無罪」
 という当たり前の判決がいつか出るのか。ドキドキするよぉ。

 「当たり前の判決」が今に出るんじゃないかとドキドキするに足る理由を挙げて、そうシメた。
 そしたら、その号が発売される前に、今回の判決が出たわけだ。びっくりも一塩ってもんさ。←日本語表現、正しい?

 私は前々から、「そういう判決を書くのは、ガンで余命いくばくもないとわかって覚悟を決めた裁判官では?」と冗談半分、本気半分で言ってきた。
 畑中英明裁判長を、ネットで検索すると、仙台地裁にいた2005年3月、北陵クリニック事件で無期懲役の有罪判決を書いた人だそうだ。へえ。
 そんな裁判官だから警察・検察の顔を立てる判決ばかりするとは限らない。
 池上正太郎さんの『鬼平犯科帳』、長谷川平蔵宣以(のぶため)のセリフに、こんなのがある。
「人間というやつ…(中略)…善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ、これが人間だわさ」(『谷中・いろは茶屋』)

Book 鬼平犯科帳の世界

販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 畑中さんは、北陵クリニック事件で、おそらくは無実の人を無期懲役の牢獄へ送り、相当に良心の呵責を感じていたのではないか。無意識の奥底で、自我が悲鳴をあげており、そのことが、今回の「当たり前の判決」につながったのではないか…。なーんて傍聴マニアは想像するのだよぅ。

 で…他の2人の裁判官は?
 秋田支部に電話して尋ねてみた。
 寺西和史さんと、西岡繁靖さんだという。
 寺西和史さん? え……………うぎょっ!

愉快な裁判官 Book 愉快な裁判官

著者:寺西 和史
販売元:河出書房新社
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 この本の寺西和史裁判官と、同姓同名の他人ってことはないよね!
 だいぶ前に読んだが、面白い本だったよぉ。たいへん勉強させられたっけ。
 へえ、寺西さん、秋田に…。

2006年3月15日 (水)

秋田オービス公訴棄却判決「あれは誤判だ」と三菱電機も言い続けるのか

 私は「東京簡裁の道路交通法違反事件をぜんぶ傍聴してやろう!」と東京簡裁へ通い詰めている。同じビル内にある東京地裁、東京高裁ほか、他県の裁判所へも行く。この金曜は岐阜県の中津川簡裁へ行く予定だ。
 3月11日(金)現在で、エクセルに入力済みの事件は387件。そのうち261件が道路交通法違反で、さらにそのうち129件が自動速度取締機、いわゆるオービスによるものだ。

 「検察統計年報」で、交通法違反(「自動車の保管場所の確保等に関する法律」違反を含む)の04年の全国のデータを見ると、略式命令請求61万2337人、公判請求1万1946人、不起訴12万5487人
 公判請求の内訳は、地検が1万1537人、区検が409人。区検のうち東京区検が33人。
 33人というのは、全国の区検でトップだ。2位はさいたま区検で14人、3位は神戸区検で10人。

 3月14日に仙台地裁秋田支部で、原判決破棄、公訴棄却の逆転判決を受けた男性は、一審・秋田簡裁で罰金6万円の有罪判決を受けていたという。
 「検察統計年報」で秋田区検を見ると、

           略式命令請求  公判請求  不起訴
   06年       2168人      1人    523人
   05年       1822人      1人    389人

 ただ、東京地検で聞いたところによると、この「公判請求」には「略式→正式」を含まないという。
 今回の男性は、いったん略式に応じてから、正式裁判を請求したそうだ。
 だから、男性は統計上は「略式命令請求」のほうに含まれるわけだね。

 なーんてマニア以外にはどうでもいい話はさておき、仙台高裁秋田支部の判決である。

 最高裁のホームページで、「裁判手続:刑事事件について→証拠調べ手続き」をクリックすると、こう明記されているのに出くわす。

 刑事事件においては,「疑わしきは被告人の利益に」の原則が貫かれていますから,まず,検察官が,証拠によって公訴事実の存在を合理的な疑いを入れない程度にまで証明するための立証活動をしなければならないわけです。

 検察官側の立証に続いて,反対当事者である被告人側の立証が行われます。この立証は,裁判官に対して,公訴事実の存在につき,検察官の立証が合理的な疑いを入れない程度にまでは証明されていない,と考えさせるだけで十分であり,それ以上に,公訴事実が存在しないことまで証明する必要はありません。

 オービス裁判における検察立証は、ぜーんぶメーカー作成の書類とメーカー社員の口先だけの証言だ。客観的な裏付け・データは一切ない。
 そんなの、「合理的な疑いを入れない程度にまで証明するための立証活動」とは到底いえない。
 しかし、それでも有罪とされ続けてきたのが、オービス裁判なのだ。

 という話もさておき、車の速度メータにたとえれば、今回の判決は、
「メータの針は、絶対マイナス側にしか振れない。プラス側には絶対振れない」
 とメーカーが言うのに対し、
「プラス側に振れる可能性もある」
 ということで、反則・非反則の手続き上のことで公訴棄却にしたわけだ。
 こういうのは、追尾式のスピード違反事件ではよくある。
 測定値が、反則行為(超過30㎞/h未満、高速道路等では超過40㎞/h未満)をちょっと超えるだけの事件は、公訴棄却にしやすいといえる。
 まあ、全部機械任せ(したがって機械は無謬であることが絶対必要)なオービスと、人間の感覚や動作に頼る追尾式とでは、その重みはだいぶ違うけれども。

 だが、私は思うのだ。
 メータの針がどれくらい振れるか、というのは、測定センサー(本件ではレーダ)がどうこうの話にすぎない。
 オービスは、速度メータにたとえるなら、デジタルメータだ。
 私はメカのことはよくわからないが、速度メータがタイヤの回転から速度を拾うとしてだよ、
「タイヤの回転から拾ったのとは違う数字を、どこでどう拾ったのか、デジタルメータが表示しちゃう」
 そういうことがどうもあるんじゃないかと、多数のオービス裁判を傍聴し、傍聴席で「う~ん」とうなり続けてきた私は、思うのだよぅ。
 デジタルメータが、タイヤの回転から拾った速度を、間違いなく表示するのか。
 他の何かを拾って表示する可能性は絶対にないのか。
 そこもまた、客観的な裏付け・データは一切ない。

 もしも、そのことを理由とした公訴棄却判決なら、オービス無謬(むびゅう)神話にとって壊滅的打撃だが、上記「針の振れ」なら、メーカー(本件では三菱電機か)は、
「あれは誤判だ。あの裁判では検察が出さなかったが、プラスに振れないことは確認されているのだ」
 と言いやすいんじゃなかろうか…。
 なんにせよ、たいへんな判決が出たもんだ。判決書きを早く読みたい。

※秋田魁新報「測定装置に疑義、公訴を棄却/速度違反控訴審、高裁秋田支部が判決

仙台高裁秋田支部「客観的裏付けがない」と公訴棄却!!

 ようやく少し時間ができたので「オービス裁判の手引」(仮題)をしこしこ書き始め、風呂に入ってPCに向かったら、いろんな方から同一内容のメールあり。ええっ!? ととっとんでもないことになりましたな!!

 乗用車で制限速度を32キロ超過したとして、道交法違反罪で秋田簡裁から罰金6万円の有罪判決を受けた秋田県男鹿市の自営業男性(40)の控訴審判決が14日、仙台高裁秋田支部であった。畑中英明裁判長は「自動速度取り締まり装置(オービス)が被告人の車両の速度を正確に測定していたとはいえない」などとして簡裁判決を破棄し、検察側の公訴を棄却した。

 男性は04年8月、同県潟上市内の制限速度60キロの県道を92キロで走行したとするオービスの記録から県警の取り調べを受けたが、出頭を拒否し05年1月に逮捕された。簡裁判決後、男性は「オービスを知っており、通常80キロ程度で走行していた」と控訴していた。

 判決で畑中裁判長は「(同装置の資料に)測定値にはマイナス誤差しか生じないことを意味する記載があるが、根拠となるデータが示されていない」と指摘。「被告人が90キロ未満で走行していたのではないかという疑いが残る」と述べた。

 速度違反は一般道で超過速度30キロ未満の場合は反則金を納付すれば処分が終了するが、30キロ以上の場合は罰金などの刑事処分を受ける。 【馬場直子】

毎日新聞 2006年3月14日 20時42分 (最終更新時間 3月14日 21時54分)   ※太字は今井

                                              
 『別冊ベストカー 全国オービス&ネズミ捕りマップ完璧ガイド』を見ると、「潟上市内」のオービスは、寺澤オービス事件の三菱RS-2000(俗称・新Hシステム)によく似ている。ストロボ、アンテナ、カメラのレイアウトがちょと違うが、三菱電機の商品で間違いないだろう。

 ちなみに、上掲記事の「(同装置の資料に)」という部分、2ちゃんねるの引用記事では「(同装置を製作した三菱電機の資料に)」となっている。投稿者がわざわざマニアックな改ざんをしたとも考えにくい。毎日新聞が三菱電機に配慮してあとから削ったんだろうか。

 「無罪」ではなく「公訴棄却」だという。それはね、こういうわけだ。
1、超過30㎞/h未満の場合、反則通告をしてから(つまり反則金を払うチャンスを与えてから)でないと、刑事事件として扱えない(道路交通法130条)。
2、測定にプラス誤差があった(=超過30㎞/h未満だった)可能性がある。
3、そうすると本件は、反則通告なしに刑事事件として扱ったことになる。
4、公訴の手続きに違法があることになるので、公訴は棄却する。
 ま、実質的には無罪と同じだ。

 問題は、公訴棄却の理由である。
「(同装置の資料に)測定値にはマイナス誤差しか生じないことを意味する記載があるが、根拠となるデータが示されていない」
 朝日新聞の報道では、こうなっている。
「プラス誤差がないという客観的な裏付けがない」

 そぉーなのよ!
 私の表現でいえば、写真に焼き付けられた測定値が、被告人車両の実測度よりプラスになること、つまり「プラス表示」なんだけども、オービス事件における検察立証は、
1、メーカーが作成した、オービスは間違いないという書類
2、メーカーが作成した、点検で正常だったという書類
3、メーカーの社員(全国の裁判所を、旅費日当、裁判所または被告人持ちで飛び回っている特定の社員)の、「我が社のオービスにプラス誤差はない」という証言
4、たまに、メーカーが自分たちで行った実験結果の書類
 それだけなのだ。
 「客観的な裏付け」なんてものは、私がもう口を酸っぱくして言ってきたように、一切ないのだ。
 それでも有罪とされ続けてきたのが、オービス裁判なのだ!

 じゃあ、畑中英明裁判長は、なんで公訴棄却としたのか。

 ふり返れば、これまでの被告人・弁護人はだいたい、「プラス誤差はあり得る」ことを立証しようとしてきた、といえるだろうか。
 だが、それはすべて、メーカー社員の「我が社の商品は優秀でして、そのへんも大丈夫です。これこれの機能になっております」という(当然、なんの客観的裏付けもない)証言に阻まれてきた。
 仮に「プラス誤差はあり得る」ことがわかっても、「それが本件測定において起こったか」という大きなハードルがあった。

 「客観的な裏付けがない」という点については、
「もしも、それを理由に無罪(または公訴棄却。以下同)とすれば、他のすべてのオービス事件も無罪になる。オービスの取り締まりは成り立たなくなる。そんな判決を裁判所が書けるはずがない」
 と、被告人・弁護人の側は消極的だった。
 
 ところが今回、報道を読む限りでは、「客観的な裏付けがない」という、オービス裁判の根幹、フーテンの寅さんいわく「それを言っちゃっちゃぁオシマイよぉ」の論点を突っ込んだのだろうか。
 でも、ただ突っ込んだだけでこんな判決が出るとは思えない。被告人、弁護人がいるなら弁護人、裁判官の個性が関係したんだろうと想像する。

 相手が聞いてくれるはずがないと思っても、いちばん大事なことは、言っていくしかないんだなあ。と、報道を見ただけで興奮し、勝手に人生訓を導き出してしまう私なのであった(笑)。

 さて、検察側はどうするのか。これが地裁・簡裁判決なら、高裁でひっくり返すのは簡単だろうが、本件は高裁判決だ。

 まあね、東京航空計器のオービスⅢは、大阪高裁で無罪が確定しているけれども、その後の法廷でメーカー社員は「あれは誤判だ」とうそぶいている。
 三菱電機も、その線でいくのか。
 しかし! 今回の判決は「客観的な裏付けがない」を理由にしている。ズバリ本質を突いているのだ。
 今後のどの裁判でも、客観的な裏付けなど出せっこないだろう。学者(博士)を呼べば、寺澤オービス事件のようになってしまう(大槻義彦教授のブログ参照)。
 そして、「客観的な裏付けがない」のは、東京航空計器も同様だ!

 現在、東京簡裁では複数件のオービス裁判が進行している。中津川簡裁でも。他の裁判所でも。
 今回の仙台高裁秋田支部の判決は、どう影響するのか。
 いやはや、とんでもないことになったよぅ!

 オービスのことは、この本が詳しいです。大阪高裁の無罪事件のことも詳しく書かれてます。ちょっと古いですが、オービス関係のバイブルですね。最初はアメリカのボーイング社が…とかいう話は全部この本に書かれてます。

Book 警察の盗撮・監視術―日本的管理国家と技術

著者:浜島 望
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 あと、三菱電機RS-2000については、これが必読!

交通取り締まりのタブー!―反則金+放置駐車違反金で1千億円超え!お巡りさんウハウハのカラクリ Book 交通取り締まりのタブー!―反則金+放置駐車違反金で1千億円超え!お巡りさんウハウハのカラクリ

著者:寺沢 有,小谷 洋之
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 ついでに宣伝させてもらえば、オービスについてはデマや迷信があふれており、そのへんの基本知識はこちらを。

なんでこれが交通違反なの!?―警察は教えない126の基礎知識 Book なんでこれが交通違反なの!?―警察は教えない126の基礎知識

著者:今井 亮一
販売元:草思社
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2006年3月14日 (火)

証人旅費の支給額が大幅減少 裁判所は証人採用を控え始めた!?

1、諸謝金>鑑定人手当、通訳謝金、国選弁護人報酬
2、委員等旅費>国選弁護人旅費
3、証人当旅費>証人旅費、鑑定人旅費、通訳人旅費
   ※いずれも「旅費」には日当が含まれる。

 について裁判所(国)が支給した金額(過去5年分)を開示してもらった。
 証人の旅費日当の金額は、3月12日にご報告したとおり。

 全体の合計額は、2000年度から2003年度まで、ぐいぐい増えている。
 ところが、2004年度は若干減少に転じて、86億8154.1万円。2003年度の98.36%だ。

 そして、減少の割合がいちばん大きいのが「証人旅費」で、2003年度の87.26%。
 これはどういうわけなのか。
 東京簡裁の道路交通法違反事件では、私が旅費日当のことでごちゃごちゃ動き出したのと偶然にも(?)ときを同じくして、どうも2005年のおおよそ夏頃から、警察官証人は旅費日当を請求・受領しなくなった。
 が、それによる変化は全体からすれば微々たる金額だろうし、2003年度も前年に比べれば若干減少している。
 2004年度の「証人旅費」減少幅が、なんだかやけに大きい気がするのだ。
 うーむ…。
 ストレートに推理するなら、「裁判所は証人の採用を控え始めた」という仮説がまず思い浮かぶ。
 その仮説が当たっているとすれば、なぜ、どんな事件でどんな証人の採用を控え始めたのか…。
 斜に構えれば“迅速審理”の悪影響ってことになるが、果たしてそうなのか…。
 2004年度だけ控えたのだとすれば、その年の事件に何か傾向があったのか…。
 仮説が当たっていないとすれば、本当の理由は何なのか…。

 新しいことがわかれば、もっとたくさんの謎が生まれる。
 これだから、マニアの興味、好奇心は、果てしがないんだよぅ。
 刑事事件といえば神山啓史弁護士。神山さんに聞いてみようかなぁ。「あそう、へえ。なぜなんだか今井さん調べてみてよ」と言われそう…。

2006年3月13日 (月)

駐車監視員資格者講習 ばっちり合格体験記

 すでに受講した方、これから受講しようという方もおいでだろう。何をって「駐車監視員資格者講習」を。
 ご存知のように、06年6月から、「放置車両」の取り締まりが「民間委託」される。都道府県から委託された会社に雇われた「駐車監視員」が取り締まり(「確認事務」)を行うことになるのだ。
 具体的には、デジカメで違反車を撮影して「確認標章」というステッカーを取り付ける。そこには「違反者が出頭して反則金を払わなければ、クルマの車検証上の使用者が『放置違反金』の納付を命じられる」という趣旨のことが印刷される。この制度は重大な問題をはらんでいるのだが、今回は忘れて話を進めよう。

 警察OB以外が「駐車監視員」になるためには、2日間にわたる講習(1万9000円)を受けて考査に合格しなければならない。その講習が05年6月あたりから全国各地でスタートした。「交通違反一筋20年」と名刺に刷ってる私(正確には05年で22年目)としては、うずうずするじゃないの。なので05年6月27、28日、受けてきたですよ、講習を。

  前夜は緊張してなかなか寝付けなかった。なんだか小学生のころを思い出してしまった。
 りんかい線という初めての電車に乗って着いた先は、東京ビッグサイト。4本足の巨大な未来オブジェのような、ものすごい形の建造物だった。そこへ、どっちかといえば場外馬券売り場で見かけるような服装の男たちがぞろぞろと吸い込まれていく。私は前々日にユニクロのセールで買った若作りのシャツだ。

 会場はその1階、レセプションホール。
 広いっ! 3人掛けの長机が横15列、縦23列ずらーっと並んでいる。なんせ1000人が一斉に受講するのだ。すごいよ。
 一番前でしっかりお勉強しようと思ったが、席は受講票の番号順に決まっていた。私は半分より後ろのほうだった。

 講習は9時30分開始。
 1時間ずつ午前に3時限、昼食を挟んで午後に4時限。受付で配布されたテキスト『駐車監視員資格者必携』(東京法令出版)に沿って行われた。
 受付も講師も全員、警視庁の職員だ。「ひょっとしたら来年、私といっしょに仕事される方もいるかもしれない」と交通執行課の男性が言っていた。紅一点の女性講師は、駐禁取り締まりの経験がだいぶあるようだった。

 1時限目にこんなことを言われた。
「テキストの書きぶり、表現をそのまま素直に覚えていただけば、必ずや合格すると思います。考査の問題に出そうなところ、監視員としてこれだけは覚えておいていただきたいというところは、何度かくり返し講義します。そうでないところはさらっと読んでいきます」
 ははあ、停止処分者講習(免停期間を短縮する講習)は、最後のテストの結果によって短縮期間が決まるが、どこがテストに出そうか教えてくれる。あれと同じ感じなのだな。
 じっさい、各時限の終わりに「とくに大事なところ」をおさらいするので、みんなそこにせっせと線を引いた。

 最初の何時限かは、違法駐車はなぜ迷惑かとか、どんな対策があって取り締まりはどう位置づけられるかとか、概念論ばかりで眠かった。「きょうは絶対に居眠りしないぞ」と固く決意してきたが、ついこっくりしてしまった。
 見ると両隣もけっこう居眠りしていた。背伸びしつつ会場を見わたすたびに、少なくとも1~2割が寝ている、そんな感じだったろうか。昼食後はとくにひどかった。私の近くの若者は、もう体を傾け、ほとんど寝ていた。そんななかを、写真つきの申込書のファイルを手にした職員が、受講者がちゃんと席についているか何度もチェックしてまわるのだった。

 午前と午後に少し休憩があり、大量の受講者がトイレと喫煙所へ流れた。
 喫煙所は屋外なのに、100人か200人が一斉にタバコをぷかぷかやるものだから、煙でもうもうだった。
 なにげに尋ねてみると、警備会社で働いていて、1万9000円の講習料は会社持ちという人が多かった。制服姿もちらほらいた。「うちは100人できた。200人の会社もいるんじゃない?」という声も聞こえた。
 200人なら受講料は380万円。日当や交通費も出してるのかも。それだけ投資しても儲かるってことか、この「民間委託」は。

 昼休み、建物内のコンビニは長蛇の列となった。
 おにぎりの棚など人だかりで、ようやく棚が見えたときは空っぽだった。私は小さなカレーパンとフライドチキンを買い、外のプラスチックの椅子で黙々と食った。友だち、いないんだもん。

 午後の講習から、だんだんと実務的なことに入ってきた。
 監視員は朝、会社(「放置車両確認機関」と呼ばれる)の事務所から警察署へ行き、連絡事項を聞いて携帯端末(専用のデジカメとプリンター)の貸与を受け、巡回計画書をもらう。そして、決められた巡回ルートにしたがって「確認事務」を行い、最後に警察署へ戻って携帯端末のデータを警察の装置に転送する。使わなかった「確認標章」は返却する。会社へ帰って事務日報を作成して提出。こうして1日の仕事が終わるのだそうだ。

 2日目の講習は、もっと具体的になった。
 一口に駐車違反といっても、駐車の態様や、そこが指定禁止場所(標識で駐禁とされる場所)かどうかで、何条何項何号の違反になるのかちがう。ミスるとトラブルになるので、こういう場合は何の違反、この場合は何の違反といちいち説明していくのだ。テキストには必要な法令がすべて掲載されていた。
 こんなの普通は絶対わかんないだろ、テレビのクイズ番組にぴったりだな、と思えるものがけっこうあった。私はおもしろくてたまらなかったが、「わけわかんねえ」という人もたくさんいたのではないか。

  最後の1時限は、「とくに大事なところ」の総ざらいだった。
 ずっと寝ていた若者も、このときは起きてテキストに線を引いた。なんだよぉ、調子いいなあ(笑)。
 くたくたになって午後6時10分、計14時限の講習が終わった。

 1週間後の7月4日、同じ会場で「修了考査」があった。
 マークシートで正誤式。1問2点。1時間で50問に回答し、90点で合格。
 落ちると最初から1万9000円を払って講習を受けねばならないという。交通違反専門の私が落ちたら恥だし、また「カネくれ」とは女房殿に言えない。私はみっちり勉強した。クイズのような違反認定の〝法則〟もわかり、「これでカンペキだ!!」となった。

 それでも当日、席につくとドキドキした。
 しかも、問題用紙に受講番号がふられており、「自分の問題用紙を取ってください」というではないか。まさか、警視庁は私にだけ超難問を与え、落とすつもりか!?
 いや、緊張ゆえの妄想で心を乱してはならない。明鏡止水。
 私は1問ずつ慎重に慎重にマークシートを塗りつぶしていった。20分で終わり、念のためさらに慎重にチェック。なんと、まちがえて塗りつぶした箇所を発見。危ねえっ。さらに念入りにチェック。
 こうして1時間の考査が終わった。ふうっ。どっと気がゆるんだか、吐き気を覚えてしまった。

 2時間後、合格発表。
 合格率は、ざっと見た感じ6割台のようだった。落ちた人はぞろぞろ帰っていった。会社で叱られるのだろうか。
 私? もちろん合格しましたよぉ。うれしかったですぅ。
 会場に残った合格者に「駐車監視員資格者講習修了証明書」が配られた。これに、薬物中毒者でないことの診断書などをそえ、9900円払うと「駐車監視員資格者証」をゲットできるのだ。資格は一生もので、全国で使える。
 え? 真っ向から制度を批判する今井亮一を雇う警備業者はいないって? ま、そりゃそうだろうけどさ…。

※以上、『ドライバー』誌、2005年8-20号より。
※当ブログのプロフィールのそばに現在あるのが、その資格者証です。後日、情報公開で調べてみたところ、単価は100円だそうです。

 ←2015年1月23日追記: 長きにわたり「社会・経済(全般)」のカテゴリーでやってきたが、前夜、「裁判」のカテゴリーを発見。知らなかった、そっちのほうが断然なじむじゃん! つーことでさっそく変更したっ。

2006年3月12日 (日)

国が支給した証人の旅費日当 04年度は6455.5万円

 証人は、証言の前に、「出廷カード」ていう書類に、住所氏名等ば書く。そん書類には、
「旅費日当ば  請求する  放棄する」
 ちゅう欄があるたい。
 証人が、「請求する」に丸ばつけっと、証言のあと、裁判所(国)から証人に、旅費日当が支給されるたい。茶封筒に入れられて。

 旅費の金額は、東京区検で閲覧したところによっと、1600円やったり、2220円やったり。
 日当の金額は、同じく、4020円やったり、3950円やったり。 

 判決で、
「訴訟費用は今回に限り、被告人には負担させなかこつとする」
 と裁判官が言うこつもあるたい。
「訴訟費用は被告人の負担とする」
「訴訟費用のうち証人分について被告人の負担とする」
 と言うこつもある(つまり国選弁護人の費用は負担させなかってこつ)。
 どれが何件あったとか、『なんでこれが交通違反なの!?』のQ123に書きおった。

 また宣伝しちゃったとよ。えへ。
 で、「被告人負担」とされた場合、判決確定後、検察庁が被告人から徴収しようとするたい。…が、じつは、あんまり徴収できとらんやねえ。そんデータも別にあるたい。

 いずれにしても、いったん国が支給するわけや。
 そうした刑事裁判関係の支給額の、過去5年分のデータば、先日最高裁から開示してもらったとよ。

証人等旅費>証人旅費(※日当ば含む)
2000年度  7773.7万円
2001年度  7675.2万円
2002年度  7814.5万円
2003年度  7397.7万円
2004年度  6455.5万円

 こんカネば受け取るのは誰か。
 じつは、
「おいおい、証言するのは、あんたの職務やろ? それがあんたの仕事やろ? 勤務で証言して、なんで国から交通費や日当ば取るんばい!」
 ちゅう人たちが受け取っとぅ。

 ばってんが、それが04年度なら6455.5万円の2割やろか8割やろか、何円ば占めるんやろか、そこがわからん。
 あたきが全件傍聴しとぅ東京簡裁の道路交通法違反事件なら、過去1年分ば調べるこつができ、実際すでに何件か調べ済みなんばってんも、全国ではどうやろか、わからんとですぅ。

          ★

 今日は風が強かったとよ。散歩に出ず、終日ご相談等に対応。まだまだ終わらん…。

※博多弁フィルタ(http://www.yansite.net/osakaproxy.html)で変換後、若干補正。

2006年3月11日 (土)

共謀罪がヤバイ本当の理由!

 有酸素散歩約1時間。良い天気で暖かく、たっぷり汗をかいた。
 5日(日)にも散歩したので、今日は今年7回目になる。数えるのが恥ずかしいほど少ない。

 途中、5日にも11日にも、リイド社の『鬼平犯科帳』を買う。
 そして激しく後悔。このブログにアフィリエイトをつけて(それができるのなら、だが)自分でクリックして買えばよかったじゃん、と。5日にそう後悔しながら、11日にも書店で買うんだから、私は金儲けに向かないのかも。ぐすん。
 しっかし、そんな企みや後悔をする者が、これからはもっと増えるんだろうから、書店はますます立ち行かなくなるんじゃないのかなぁ、と他人事のように思ってみる…。

          ★

 9日(木)12時からの、衆議院第2議員会館での院内集会「共謀罪に反対する集い」のこと。
 私の足は、片方がご相談対応、もう片方が交通違反裁判の傍聴にずぶずぶぶと嵌りきって(しかも溺れそうになって)おり、他のことに手を出す余裕はまるでないのだが(そういえば村主章枝さんを「むらぬしあきえ」と読んでマジ馬鹿にされたっけ)、ちょうど裁判傍聴の時間が空いたので、1席でも埋めるお役に立てればと行ったのだ。
 参加者は100名以上とのことだった。

 共謀罪はなぜヤバイか。
 法律には、いろんな側面がある。
 道路交通法には、警察錬金術を成り立たせるアイテムとしての側面がある。
 また、治安法としての側面もある。なんでも一律禁止にしているといえる道路交通法は、気にくわない者を排除したり、目を付けた者を逮捕したりするためのアイテムとして機能することができる。
 住居侵入の罪(刑法130条)は最近、反戦ビラをまいた者を逮捕・勾留することに用いられている。反戦ビラよりもっと大量の、ピザとかデリバリー業者のチラシをまく者は自由なのに。
 国家公務員が休みにビラを配布したのを、どの法律でもない国家公務員法の違反だと逮捕することも行われている。

 共謀罪は、いわゆる一般市民の生活にダイレクトに影響することは、滅多にないでしょ。
 ただ、一般市民の生活や権利がそこそこ守られているのは、政府──定義は難しいが、私は、官僚と自民党というか、政官財の融合体みたいなものが政府と、なんとなく考えている──の好き放題を、運動家とか弁護士(会)とかジャーナリスト・野党の一部などがそれなりに牽制しているからじゃないのか。
 そういう人たちがいなくなったら、政府はもう、やり放題だよ。いつもの喩えで申し訳ないが、植物が太陽へ向かって伸びるように、一般市民の生活や権利をダメにしていくよ。

 そして共謀罪は、テロリストや凶悪犯罪者への不安をあおるけれども、本音としては、(とくに戦争に反対する)運動家や弁護士(会)やジャーナリスト・野党の一部を、弱らせる(または強打を加える)法律だと思う。
 テロリストや凶悪犯罪者をやっつけるための法律なら、テロリストや凶悪犯罪者が対象なのだと、法律に明記すればいいのである。それをせず、(道路交通法違反のように)幅広く網を掛けようとしているのが、共謀罪だ。   

060309 …と会議室の隅で思っていたら、ジャーナリスト・寺澤有さんがまさにその趣旨ことを、私よりもっとわかりやすく面白く言ってしまった。なんだよぉ(笑)。

 この日、私の携帯電話のカメラにズーム機能があることがわかった! 知らなかった! 右の写真は、そのズームを利用して寺澤さんを撮ったもの。携帯電話、おそるべし! ※縦横の縮尺は若干ヘンかも。それは私のせい。
 緑の服は、福島瑞穂さん。福島さんて、何か特別な動力炉を内蔵してるんじゃないかとつくづく思う。個人的に話せば普通なのに、あのバイタリティというか、あふれでる(惹きつける)ものは凄い、希有な人物だと思う、うまく言えないですけど。って、はい、先日東京簡裁で傍聴した、「うまく言えないですけど」と度々言う韓国籍の被告人を思い出してます。もう頭の中の7割くらいは東京簡裁でいっぱいですぅ。

 寺澤さんの後ろ、マイクのコードの前に小さく写っているのは、山下幸夫弁護士。山下さん、だーいぶ痩せたのでは?  

         ★

 アフィリエイト報告!
 3月5日、56円。
 3月7日、177円。
 3月9日、56円。
 「報酬合計」289円。
 5日にどなたかが買物すると5日付で「報酬」が表示されるとは限らないわけだが、当ブログのアフィリエイトをクリックして何を買物したのか、ご報告いただけると幸いだ。
 いや、そんなこと、ニフティに聞けばいいのか。あるいは説明をよく読めばいいのか? だよね。
 ま、とにかく、ありがとございました。儲ったカネで、また何かよけいなことを開示請求しようかなと。

          ★

 PCの、たぶんHDが妙な音を発する。初めて聞くカリカリ音だ。いよいよ壊れるのかと、土曜はほとんど1日、バックアップの試みに費やしてしまう。久しぶりにデフラグをやったら、赤い棒だらけ。でも結局、よくわからなくて…。どぉしよぉ…。あーまた規則正しい妙な音が聞えてきた…。断続的に聞えてきて、俺を不安に陥れるのだよぅ。

2006年3月10日 (金)

さつま白波を愛する酒気帯び被告人 罰金25万円は高すぎるか

 ぎりぎりまでご相談等に対応し、昼食抜きで裁判所へ。
 13時20分から、東京簡裁1室3係(堀内信明裁判官)534号法廷で、道路交通法違反の新件。

 被告人は在宅(身柄を拘束されてない)で、なんていうんだろう、全体にロケンロールの雰囲気の40歳弱。新宿でライブハウスを経営しているのだった。
 弁護人は国選。弁護士っぽくない感じ。

 検察官は小川裕明さん。やや不機嫌そうな不愉快そうな顔を、何があっても変化させない、個性的な人だ。アメリカの昔の、刑事物の連続TVドラマにいたよなぁ、主人公の上司か同僚で、ほら、誰だっけ、と私は小川さんを見るたび思う。そしていつも思い出せない。

 その小川さんが起訴状を朗読。犯行日と運転車両などの順序が、いつもと違う。え? そんなとこまで「司法改革」?
 そうじゃなかった。略式で罰金の支払い命令を受けたのち、被告人のほうから正式裁判を請求した事件、つまりいったん略式起訴されてる事件だったのだ。

 酒気帯び運転。普通乗用車。0.17mg。略式命令は罰金25万円。
 それがなぜ不服だったのか、ごちゃごちゃしゃべらないロケンロールな口調の陳述をまとめると、こういうことのようだった。
「自分は酒が強い。芋焼酎、それもさつま白波しか飲まない。5合瓶1本は飲む。ほとんど毎日。多いときは1升。前年に原付の酒気帯びで捕まったときは、かなり飲んでいた。そのときは罰金10万円だった。今回は、もう捕まらないようにと、ビール(小ジョッキ)3杯しか飲まず、3時間ほどコーヒーやウーロン茶を飲んで醒ました。アルコールが残っているとの自覚はなかった。友人は、普通乗用車で0.19mgで罰金20万円だった。今回の25万円というのは高い。だいたい、以前(02年5月末まで)は0.25mg未満は違反ではなかった(検挙の対象ではなかった)わけだし」

 酒気帯び運転には、過失犯の処罰規定がない。しかし、小ジョッキ3杯が3時間で抜けたという認識はどうなのか…。
 といった問題はさておき、私のFAQにあるように、また先日『ラジオライフ』にも書いたように、検査値の多寡は刑の量定にあまり関係しない。普通車は20万円、前科ありなら25万円、それが相場なのだ。
 相場なのだけれども、「これこれの事情があった。処罰するに当たって考慮してくれ」と求めるのは、当たり前のことと思う。
 ただ、拙著『なんでこれが交通違反なの!?』を読んでいてくれたら、最初から略式には応じなかったか、応じても正式裁判の請求はしなかったのではないか、と思えた。こういうことを知っていれば、ややこしくならなかったのに、ということが交通違反では多いように思う。

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 求刑は罰金25万円。
 次回判決。午前中でも大丈夫か心配した堀内さんに対し、被告人は述べた。
「私、もう、朝6時に起きてますので」
 堀内さんが「にやりっ」としたように思えた。
 さつま白波を愛する、早起きなライブハウス経営者…。格好いいではないか。ちなみに私も、さつま白波は好きだ。

          ★

 14時20分から、東京簡裁1室1係(武内晃裁判官)826号法廷で、道路交通法違反の新件。
 10分ほど前に傍聴席につくと、前の窃盗か何かの事件が終わるところ。被告人は身柄(拘置所)。
 次回(判決)期日を決めるに当たり、武内さんの提案に弁護人(男女2人)が何度も差し支えを言い、「裁判所もこの時期いろいろある。4月になってもいいのか」旨、武内さんが言ったのに対し、弁護人がためらいもなく「かまわない」旨言ったのには驚いた。弁護人の都合で勾留が1カ月近くも延びていいのか。まあ、約10日後に落ち着いたけどもさ。
 被告人は再び手錠と腰縄をつけられて奥のドアへ、弁護人は傍聴席の後ろのドアへ消え、私と礼田計さんと傍聴席に…座っていたら、14時20分からの道路交通法違反は期日変更になったと書記官(可愛い娘さん)が教えてくれた。あれ~。

          ★

 1階でトコさんに会い、「昨日から毎日開廷の殺人事件がある。今日もやってる」と教わる。
 東京地裁第10刑事部(川口政明、板津正道、廣瀬裕亮裁判官)424号法廷、「殺人、窃盗」をちらっと覗いてみる。「時効直前で起訴の殺人事件、公判前整理手続き適用」と報じられた事件だった。
 弁護人は3人、検察官は5人。傍聴人多数。検察官席の後ろの壁に、大きな「現場周辺見取図」が貼られていた。おそらくは「さむらい」というカラオケスナック(?)のママ、そしてその南に位置する「ヒロ」というカラオケスナック(?)のマスター(現在は廃業?)を証人尋問していた…。

 今週は月曜から金曜まで裁判所へ通ってしまった。疲れた~。
 16時頃から某週刊誌と打ち合わせ。日没前だが、ええぃ、この際もう黒生ビールとワインデカンタを…。

2006年3月 9日 (木)

首都高5号線上り高島平のオービス事件・第4回

 15時10分から東京簡裁刑事2室1係534号法廷(櫻井廣美裁判官)で、首都高5号線下り高島平のオービスⅢLj事件の第4回公判。論告・弁論。

 先日、田口照子検察官の論告が10分間もあって驚いたが、今日の渡邉賢二検察官は田口さんに比べ若干早口で、8分間。長い。やっぱり東京簡裁でオービス事件が動き始めているのか!?

 ちなみに私は、東京区検の立会い検察官では鈴木健一さん、田口照子さん、渡邉賢二さんが好き。味がある。
 当方のデータによると、鈴木さんは04年12月に、田口さんは04年2月に、渡邉さんは03年10月に登場(道路交通法違反に、だよ。他の事件は知らない)。そやけん、田口さんと渡邉さんはそろそろ移動になるのか? 寂しいなぁ。

 えー、論告の内容はというと、員面(司法警察員面前調書)、検面(検察官面前調書)、法廷での供述は「その都度変遷し、何ら信用できない。自己の刑責を免れるための弁解」にすぎず、一方、メーカー社員によればオービスは信頼できるので…というもの。
 コップを表現するのに、
1、(上から見たら)丸だった
2、(横から見たら)四角だった
3、(横からよく見たら)若干台形だった
 と3種類の言い方を、員面、検面、法廷供述でそれぞれしてはダメなのだ。「裁判官が悪いと言う前に」を読んでおいてほしい。
 求刑は相場どおり罰金8万円。

 15時18分から弁論。
 弁護人(国選)は、私流にいえば顔が筋肉質。何かスポーツをやってるのか。この日はデイパックに荷物を入れてきた。
 壁の時計を見上げて「被告人は無罪である」と始まった弁論の内容は、すごく濃かったように思う。定刻の15時40分に終えねばと思ったようで、めっちゃ早口。
 本件前後に撮影された人は××と言っているが、消極的な供述(自白)にすぎない、とも述べていた。へえ、前後の人の供述が書証に入ってたのかしら。
 森成証言について、
「森成は点検にタッチしていない。点検は正しく行われたと確信しているにすぎない。単なる伝聞証拠だ。森成は、いかにも専門家風にしゃべっているが××すら知らない。技術的なことについては信用性が低い」
 旨も述べていた。

 最後に、被告人から陳述。
「メータを見たとき90㎞/h前後を指していた。これは間違いない。以前は、オービスは正確に測るんだろうな、バックアップの証拠があるんだろうな、間違いないよという状況になるんだろうな、と思っていたが…。(本件測定値の)118㎞/hは、なんでこんなことになるんだろうと…」
 明るさと清々しさのなかに憤りを込めた、とでもいうのか、「これがウソだったら、この被告人は根っからの虚言野郎だ! いずれきっと重大犯罪をやるぜ」と思える陳述だった。

 3月30日(木)午後1時10分判決。
 15時42分半閉廷。

オービスⅢLk 肝心のチェックを省いた定期点検!!

 ここ3年ほど東京簡裁のオービス裁判を傍聴し続け、「なんだか流れが変わってきたぞ! 今までと違うぞ!」というものを否応なく実感する。東京簡裁の刑事には6つの係があり、6人の裁判官がいる。少なくとも何人かは、何かを感じていているように思われる。
 これだけ傍聴に通い詰めてると、なーんか裁判官、検察官のほうに親しみを感じる。ストックホルム症候群? いや、そりゃ知らんけど、「裁判官、がんばれ!」って思うんだよぅ。

 10時から簡裁刑事1室2係826号法廷(浅見牧夫裁判官)で「湾岸・羽田のオービスⅢLk これも第1車線!」の第4回公判。前回3月7日に「見逃した!」と書いたが、その期日は変更され今日になったようだ。もぉ、めいっぱい焦っちゃったよぉ。

 検察官が照会した、付近の電磁波のことを証拠請求。弁護人同意。
 裁判官が照会した、付近の電磁波のことについては、熟語はメモしそびれたが、証拠として採用。
 弁護人にも“弾”があるのかな…不明。

 続いて、東京航空計器の定期点検係、クボサトシ社員を証人尋問することになった。
 弁護人が請求 → 検察官の意見は「不必要」 → 裁判官が採用を決め → 検察官が異議申立 → 異議申立を裁判官が却下 → 今日の証人尋問、という展開だそうだ。
 これも異例の展開だ。中津川簡裁の山崎松三裁判官は、絶句しちうゃんじゃないか。

 クボ社員は、オービスの定期点検と修理を6~7年前(この仕事は7~8年前)からやっており、証人出廷は初めてだという。
 オービスⅢの裁判はいつも、定期点検を実際にやった者ではなく、報告を受けて「定期点検成績書」を作成した森成昭治社員が証言する。そうして、「成績書がちゃんと作成されているから、定期点検で異常はなく、よって誤作動・誤測定はなかった」とされるのだ。「そんなアホな」と思う人もいるかもしれないが、オービス裁判はいつもそうなのだ。いや、そうだった、のだ。

 森成社員はいつも、問われたことにズバリ答えず、関連するセールストークをごちゃごちゃ述べる。傍聴してて、やんなっちゃう。が、クボ社員は、問われたことにだけちゃんと答えていた。今度からクボ社員だけにするほうがいいよ。

 証人尋問は54分間にわたった。
 やはり、通過する100台(のうち100㎞/hか110㎞/hを超える車両)の速度について、テープスイッチによる測定値とオービスの測定値を比較する、という試験(総合精度試験)のとき、撮影は行っていないのだった。
 測定の信頼性と、撮影の信頼性と、「分けているとお考えください」とクボ社員。
 おいおい~!! オービスは、写真に焼き付けられた記号(測定値)をもとに、運転者を有罪・前科者にするのだ。写真が証拠の根幹なのだ。測定した速度が、ちゃんとそのとおり写真に焼き付けられているか、そこをチェックしないでどうすんのよ~!! 対象車両から得たのではない信号に反応して、速度を測定したつもりになってしまうことだってあるかもしんないじゃん!!

 浅見さんも当然そう思ったようで、こう尋問した。
裁判官「走行試験の対象車両をなぜ撮影しないのか、疑問を感じたことはないのですか?」
証人 「はい」

 弁護人の尋問もけっこう良かったけど、やっぱり裁判官の尋問が切れ味よかった。だぁって、似たようなオービス事件をたくさん扱ってるんだもの。どこを突っ込むべきか鋭く見分けられるってもんだ。と思った。
 裁判官が無罪の心証を持ったら、いや、有罪無罪どっちもどっちの気持ちで臨んだら、メーカー社員はぼろぼろ、検察官は真っ青だろうなぁ…と0.5秒、妄想する。

 クボ社員も森成社員同様、証言を終え、旅費日当の茶封筒を受け取っていた。東京航空計器の社風ですかね。傍聴席にしっかり森成社員がいたから、「旅費日当は請求する、に丸をつけなさい」と部下を指導したのだろうか。
 11時1分、また双方で書記官室で打ち合わせることになり、閉廷。次回は論告・弁論までいくのか? 直前に期日変更になるのはヤメてよね~。

 衆議院第2議員会館まで礼田計さんとぶらぶら歩き、院内集会「共謀罪に反対する集い」に参加。

見逃した判決 数件

 昨日、地裁の広報(総務課。非常に感じ良し)で聞いた判決から、いくつか。

 思い出すたびなんだか(俺も純情だぁ)胸が苦しくなる事件「詐欺:5歳で両親が蒸発、妹と2人施設へ引き取られ…」。
 窃盗で懲役1年猶予3年の判決から11カ月後の犯行では、実刑はやむなしだが、裁判官も胸が苦しくてか、求刑は懲役2年6月のところ、判決は懲役1年8月、未決30日算入、訴訟費用は不負担(被告人に負担させない)。

 先日、テレビ東京でだったか、北島三郎さんの新曲をちらっと聴いた。もろ、『昭和残侠伝』の世界じゃん。あの手の映画がいま復刻されるのか?と思った。
 5歳で両親が蒸発、幼い妹ととも施設に引き取られ、姉はよそへ…。施設から中学校へ通い、マジメに卒業して働き、手に職をつけたが、30歳をすぎて急に転落し始めた、感情が見えない男…。出生は秋で、名前に秋の文字…。妹は行方知れず…。
 そんな演歌もあっていいんじゃないか!

          ★

 「首都高3号線下り駒沢のオービス 暴走車からパッシングされ84キロ超過」。
 求刑は懲役3月。判決は懲役3月、執行猶予3年、訴費負担。まったく相場どおり。

          ★

 「無免許:同種体刑前科あり」。
 求刑は懲役4月。「執行を猶予するなら保護観察に付するのが相当」と検察官は付言。
 判決は、懲役4月、執行猶予5年、保護観察付き。訴費負担。
 執行猶予は最大5年。5年はなかなかない。

          ★

 「交通前科4犯の無免許」。
 求刑は懲役4月。判決は、懲役4月、執行猶予3年。訴費負担。これは相場どおり。

 とくに1回結審の道路交通法違反事件(在宅)は、東京の場合、
1、簡裁では罰金刑。訴費(国選費用)不負担
2、地裁では執行猶予付き懲役刑。訴費(国選費用)負担
 とくっきり分かれる。
 2は「執行猶予付き懲役刑では実質的な痛みがない。訴訟費用を実質的な刑罰としよう」ということではないかと私は見ている。『なんでこれが交通違反なの!?』のQ123を参照。

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2006年3月 8日 (水)

セキュリティショー2006

 招待券をもらい、「第14回 セキュリティ・安全管理総合展 SECURITY SHOW 2006」へ。
 東京ビッグサイトってば、昨年「駐車監視員資格者講習」を受けた施設。りんかい線とか懐かしい。
 最初、間違ってフード関係の展示場へ。だし汁に入ったお好み焼きと刀削麺を試食。うまかったぁ。

 セキュリティショーのほうは、なんつーか、監視技術、セキュリティ技術はたいへんなことになっとるね。いろんな企業・技術者がアイデアと技術を競って。なんでも電子的に管理・監視できるようしようと。もっと監視をもっと管理をもっと便利に
 核爆弾については、各国どんどん開発・製造して、人類を何十回(?)だか死滅させられる量が地球上にあるとか言われたが、セキュリティもどこかそれに類したことになるんじゃないのか。

 今日は13時50分から簡裁534号法廷で「江戸川区大杉・環七内回りオービスⅢLk 弁護人なし」の判決がある。遅れてはマズイので、1時間ほど余裕をみて早めに退出。
 初めての「うみかもめ」に乗り、新橋からぶらぶら歩く。

P10005122_2  農林水産省地下、第5食堂でミックスフライ定食(半食)420円。
 まだ12時50分なのに、えらくガラガラだなあ、と思ってふと壁の時計を見ると、13時58分…。おんや…?
 げえっ、いっ、1時間、間違えてたよ!! またかよ!! ここんとこ忙しすぎるのか…。

 9階の東京地裁の広報で、昨年末から2月にかけ見逃した判決数件を調べてもらう。
 あそこの広報は、活気があるというのか、てきぱきニコニコして、非常に感じが良いねえ。

 先週、7階南側の冷水器が新しくなっているのに気づいた。昨日、5階南側も新しくなっているのに気づいた。全館取り替えられたんだろうか。

 それから警察庁へ行き、「違反者が不起訴になった場合における放置違反金の納付の取扱がわかる文書(取扱について検討したことの内容がわかる文書を含む。ただし、警察庁のホームページに掲載している通達を除く)」と請求した文書の開示を受ける。
 開示されたのは「新制度における放置駐車違反の責任追及の流れ」という、けっこう細かい1枚のチャート。私の請求に該当する文書はこれしかないのだという。
 不起訴の場合にどうなるかはズバリ書かれていないが、不起訴は「公訴を提起されず」に当たるので、放置違反金の納付命令になるらしい。本当なのかな? どうも確信がもてない。蓋を開けてみるまでわからないのか、パンドラの箱を。なんちゃって(笑)。

 警視庁で開示請求したい文書があるのだが、ほかにやることが溜まっているので早帰り。もう何週間も警視庁へ行ってないような気がする…。

2006年3月 7日 (火)

道路整備特別措置法違反とは?

 15時30分から東京地裁第5刑事部532号法廷(栃木力裁判官)で、「道路交通法違反・道路整備特別措置法違反」の新件。

 昼頃、1Fロビーで、礼田計さんとトコさんと私とで、
「道路整備特別措置法って高速道路についての法律のはず。道路交通法違反とどう合体するんだ?」
 と首をかしげ、私が傍聴することになったのだ。

 被告人は身柄(拘置所。黒手錠)。ジャージにビニールサンダルだが、えらく若くて、なかなかのハンサム。背も高い。
 かつて暴走族「菊心会」。05年10月29日夜、自動二輪16台を連ねて「旧車会」の暴走に加わり、首都高湾岸線の大井本線料金所ナンバーワンを、料金を払わずに突破したという事件。

「キミら、人のいないところで走ればいいのに。なんでこんなとこ走るの。みんなから注目されないと面白くないのか。そういうバカげた話はもうないな。よっし終わりました」
 と栃木さん。

 求刑は、道路交通法の共同危険行為(68条)について懲役1年。
 道路整備特別措置法の料金支払い義務(24条3項後段)について罰金30万円。
 次回判決。
「はいじゃ今日はこれで終わります」
 この言い方を見て「あー、栃木さん」と思う人は傍聴マニアだぁ。

 罰則つきの料金支払い義務って、つい最近できたんだよなぁ、と思ってネット検索してみたら、ヒットしましたよ。
「警視庁は16日(※06年1月)、集団暴走を行っていた際に首都高の料金所を通行料不払いのままで強引に突破したとして、埼玉県内を中心に活動する暴走族のメンバー2人を道路交通法違反(共同危険行為)と道路整備特別措置法違反(不正通行車両)容疑で逮捕した…改正道路整備特別措置法による不正通行の罰則は30万円以下の罰金となるが、暴走族の料金所突破で適用されるのは今回が初めてとなる」
 と。さすがレスポンス。石田真一さん。
 つまり私は、本邦初の事件を傍聴できたわけだ。
 ちなみに、レスポンスの記事中にある「17歳の少年」とは、検察官の冒頭陳述に出てきた「燃料切れで逮捕された」者かな。

裏DVD販売で月210万円?

 「同じオービスⅢLkで2回」と「他人の無施錠自転車に乗り懲役8月実刑」と「ドコモショップで携帯電話を万引して懲役10月実刑」と「またも湾岸・羽田のオービスⅢLk!!」と「前科5犯すべて服役の無免許」と「道路交通法違反・道路運送車両法違反・自動車損害賠償保障法違反・暴力行為等処罰に関する法律違反」を傍聴し、大事な「湾岸・羽田のオービスⅢLk これも第1車線!」を見逃して、、、東京地裁第5刑事部532号法廷(「霞っ子クラブ」に人気の栃木力裁判官)へ。
 14時30分からの「わいせつ図画販売目的所持」の新件を15時25分から傍聴。

 ちょうど被告人質問が終わるところ。
 被告人(在宅)は黒スーツで黒縁メガネで黒いロン毛。ちょっと芸能人風。
 続く論告と弁論によれば、30歳を目前に、アメリカの牧場で馬の世話したく、その資金を得るため「カバン屋」から裏DVDを仕入れて販売、検察官によれば「月に210万円」、弁護人によれば「約3カ月間で310万円程度」の収入を得たのだという。
 前科なし。求刑は懲役2年。押収してある裏DVD3601枚を没収。
 被告人の友人なのか(うち1人は情状証言をした兄なのだろう)、普段傍聴席であまり見かけないタイプの男性数名。

「湾岸・羽田のオービスⅢLk これも第1車線!」第4回を見逃し!!

 「同じオービスⅢLkで2回」と「他人の無施錠自転車に乗り懲役8月実刑」と「ドコモショップで携帯電話を万引して懲役10月実刑」と「またも湾岸・羽田のオービスⅢLk!!」を傍聴し、
「きょうは道交法がうまく続くなあ」
 と高裁へ。

 14時30分から高裁第4刑事部803号法廷(仙波厚、嶋原文雄、秋山敬裁判官)で、道路交通法違反の控訴審第1回。
 懲役前科が5回。1回目は執行猶予だったけれども取り消され、5回すべて服役。最後の判決が97年。で、無免許の懲役7月実刑は重すぎるので、執行猶予にするか、罰金刑にするか、または刑期を短くしてほしい、という主張。
 一審後の情状について少し被告人質問。
 公訴棄却しかないなぁ感が漂い…。

 閉廷後、廊下の隅で被告人と弁護人が話していた。控訴審判決(棄却)を早く確定させるにはどうしたらいいかと。できるだけ早く刑務所へ行き、早く服役を終わらせたい、ということらしい…。だったらなぜ控訴したんだろう。控訴後に何か事情が生じたんだろうか。

 近くの806号法廷付近に警備の職員多数。
 なんだろうと見てみると、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反等」。被告人は「内田道雄」。傍聴券の事件。
「へえ、裁判官が5人の特別部か。たまにそういうのあるよなぁ。なんだろ。大きく報道された事件なんだろうなぁ」
 と、ぶらぶら803号へ戻る。

 15時から「道路交通法違反・道路運送車両法違反・自動車損害賠償保障法違反・暴力行為等処罰に関する法律違反」の控訴審判決。
 控訴棄却。当審における未決勾留期間のうち90日を算入。当審における訴訟費用は負担させない。
 判決理由に、交通関係の話はぜんぜん出ず、スナックのママを殴ったかどうかについての認定ばかり。一審の量刑も不明。これじゃあ、エクセルのデータに載せられない。

 次は15時30分。1階の喫煙所で一服するか…そして「ぎょっ!!」となった。
 「湾岸・羽田のオービスⅢLk これも第1車線!」の第4回公判が15時からだったじゃーん!!
 あわてて簡裁826号法廷へ行ったのが15時14分。もうドアは施錠され、外の開廷表も外されていた。あー、もー、この事件を1回でも見逃すなんて、俺はアホやぁ! もう大ショック! 

またも湾岸・羽田のオービスⅢLk!!

 13時30分から東京簡裁2室2係728号法廷(高倉武裁判官)で、道路交通法違反の新件。

【場   所】 首都高・湾岸線東行き・羽田空港3-3
【日  時】 2004年12月8日 14時7分頃
【装   置】 東京航空計器 オービスⅢLk (俗称・LHシステム)
【測定値】 138㎞/h  制限速度80㎞/hを58㎞/h超過
【被告人】 50代 
【弁護人】 国選  えらく声が大きい若手
【主   張】 急な仕事でレンタカーを運転中。ストロボには気づかなかった。120㎞/h前後で走っていたはず。身に覚えのない速度をいきなり一方的に言われても…。起訴されてから、いろいろ弁護士から聞いて、機械で撮影されている以上認めざるを得ないと思うに至った。

検察官「納得できなかった理由が、いまいち理解できない」
被告人「まず警察に出頭して、写真を見せられてびっくりした。138㎞/hも出した覚えがない。びっくりした。なんでこんなスピードなのか。認められない。自分で出していたなら認める。そういう記憶も認識も何もないのに。警察でも検察でも、機械が正確だという説明はなかった。
 起訴されてから、弁護士から、こういう機械でこういう精度だと聞いて、認めざるを得ないんだということで納得した。わかりにくいですか」

 求刑は罰金8万円。
 17分ほど休廷して判決。罰金8万円。訴訟費用(罰金と同額程度)は負担させない。
 14時20分閉廷。

ドコモショップで携帯電話を万引して懲役10月実刑

 東京簡裁刑事2室2係728号法廷(高倉武裁判官)で、窃盗の判決。

 被告人は身柄(拘置所)。傍聴席にけっこう年配の男女。被告人の両親と思われ。
 ドコモショップで携帯電話5万3900円を窃取(万引)。
 万引を含む前歴多数、窃盗など前科6犯。03年3月に窃盗(?)で懲役10月執行猶予4年の判決を受け、それから4カ月足らずで自転車等で起訴猶予、その10(?)カ月後の本件犯行。

 求刑1年6月のところ、懲役10月。未決算入30日。
 父親が情状証言するなどの事情を最大限に考慮しても、実刑はやむを得ない。執行猶予にできないかと考えましたが、やはり、何度も立ち直りの機会を与えられながら…。服役中、体には気をつけてください、と高倉さん。
 言渡しが終わると、被告人は再び手錠と腰縄をつけられ、傍聴席のほうはちらりとも見ず奥のドアから出て行った…。

他人の無施錠自転車に乗って懲役8月実刑

 「同じオービスⅢLkで2回」を傍聴後、農林水産省地下の第5食堂で、さば生姜焼き定食(半食)420円。

 13時15分から東京簡裁、刑事2室2係728号法廷で「占有離脱物横領」の判決。
 2室2係の裁判官は高倉武さんのはずなのに、壇上には、珍しく頭が気持ちよく禿げた(嗚呼、私もすぐにお側へ参りますぅ)太っちょの裁判官。
 見れば、傍聴席の右後ろ端に、私服の高倉さんが。ははあ、壇上のあの人も研鑽裁判官なのか。ああして担当裁判官の指導を受けるわけだね。私もやってみたい~。ってそれにはあまりにも勉強が足りないね。

 被告人は身柄(拘置所)。若め。色が白く、唇がやけに赤く見える。
 道路上に無施錠で止めてあった自転車に乗り…。
 窃盗の前歴2件、窃盗等の前科3(4?)件。04年4月27日に詐欺で実刑1年8月の実刑判決を受け、その刑の終了後1カ月半の本件犯行。

 累犯加重で懲役8月。実刑。
 訴訟費用(国選の報酬日当)は負担させない。

同じオービスⅢLkで2回

 2時半頃起きてご相談等に対応。7時頃ちょっと仮眠をと横になったら寝過ごし、ぎりぎり東京簡裁へ。
 10時50分から刑事2室1係534号法廷(櫻井廣美裁判官)で道路交通法違反の新件。

【場   所】 2件とも首都高環状線内回り・北の丸公園3番地
【日  時】 ①2003年7月7日2時36分頃  ②2004年6月14日4時22分頃
【装   置】 東京航空計器 オービスⅢLk (俗称・LHシステム)
【測定値】 ①122㎞/h 制限速度50㎞/hを62㎞/h超過  ②105キロ 同52㎞/h超過
【被告人】 30代 医療関係
【弁護人】 国選 鞄が私と同じ
【主   張】 自白 ただし捜査段階では「当時60~70㎞/hしか出していなかった」

検察官「だいぶ古いね。あなたのほうで出頭できなかったとかあるの?」
被告人「いや、それはないです」
検察官「光ったの、気づかなかった?」
被告人「はい」

 うーむ、と私は思う。オービスの否認事件では、「ストロボ発光に気づかなかった」と述べる被告人がけっこういる。誤作動で撮影したためストロボが発光しなかった…そんなこともあるんだろうか。
 そこが法廷で問題になったことは(私が知る限り)まだないが、メーカー社員は必ずこう答えるはずだ。
「ストロボが発光しないことはあり得ます。それはストロボが切れたときです。切れれば、切れたのを交換するまで、ずっと発光しまません」
 法廷における(すなわちメーカー社員の言い分による)オービスの誤作動というのは、
「いったん生じたらずっと継続する。継続するから、必ず発見される」
 というもの、のみなのだ。

 もう1つ、被告人が言うのが本当なら、なぜこんなに年月がかかったのか。
 被告人が言うのがウソで、じつは早い時期から警察は呼出していたなら、令状逮捕しておかしくない。しかし逮捕手続きについての書証はなかった。法廷へ出さない理由はないはず。

 2回とも「60~70㎞/h」だったのに誤測定されたとは、ホンマかいな?と眉に唾をつけたくなる話だが、しかし、未明にしばしば通るなら、あり得ない話じゃないともいえる。
 結局、オービスが信頼できるかどうかについては、裁判を見ている限りではわからない、というか、信頼できる合理的根拠はないことだけがハッキリわかり、個々のケースが無実か有実か、わかりようがない、としかいえない…。 

 論告は1分半。弁論は2分半。最後の被告人陳述は「とくにありません」。
 求刑は罰金17万円。
 直ちに判決。罰金17万円。訴訟費用は負担させない。
 11時22分閉廷。

『シリーズ捜査実務全書14 交通犯罪』

Book 交通犯罪

販売元:東京法令出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 現在、私の手許にあるのは、1996年11月30日初版のもの(268ページ、税込み3000円)。

 執筆者はすべて検事で「判例・通説に詳しく、公正な立場で実務を実践している優れた論客」。
 編集代表は藤永幸治(帝京大学教授・元東京高等検察庁検事長)。編集委員には前最高検察庁検事や元東京地方検察庁交通部長や法務大臣官房審議官や法務省刑事局刑事法制課長等々が名を連ね、ある意味、豪華な本である。

  その第2編第2章第5節は「速度違反事件」で、「追尾測定・レーダー測定・オービス測定・光電式測定の問題点」「否認事件の捜査のポイント」「判例の分析」から成る。
 たとえばレーダ式については、以下のような記述がある。
「アンテナで受信する電波は、いわゆる直接反射波だけに限らない。例えば、看板やガードレール等に当たって跳ね返った電波が更に違反車両に当たり反射してくる場合もある。そして、この電波が強い場合は、これをとらえ計測するおそれがあるので、このような場所での測定結果については、誤測定の可能性を排除することが困難となる(二重反射や多重反射現象の問題である )。したがって 、電波の投射方向や測定可能域付近に、電波を反射する電柱、看板、ガードレール、金網、街路灯、大きなビル、トンネル等の障害物、あるいは影響を及ぼすとされている自動ドアのある建造物等がないことを確認して、送受信アンテナを設置することが肝要である」
「なお、電車の電線に流れている高圧電流から出るスパークなどの影響を受けた可能性があると主張された事案もあるが、このような妨害電波による誤測定が問題となった場合は、実験をし、その影響の有無を明らかにしなければならないし、そもそも設置場所を選定するに当たっては、妨害電波の有無等も確認する必要がある」

 アマゾンで買えるのは、2004年のもの(292ページ、税込み3150円)のようだ。
 24ページ、何を増やしたのか。

2006年3月 6日 (月)

湾岸・羽田オービスⅢLk びっくり定期点検!!

 13時30分から簡裁刑事2室3係、728号法廷(北村幸次裁判官)で、オービス事件の第4回公判。前回、期日変更になった事件だ。

 13時29分、裁判官入廷。直ちに田口照子検察官が論告。
 普通、オービス事件の論告は2分程度のもの。せいぜい3分で終わる。
 ところが、田口さんは10分もかけた。きわめて異例といえる。
 「メーターを確認しながら80㎞/hで走っていた」というのは「罪責を免れるための虚偽の弁解である」として、あれこれ理由を挙げた。残念ながら、どれも無理スジの決めつけとしか聞えなかった。
 田口さんだって、そんなことは自覚しているだろう。自覚しながら立場上しかたなく無理スジを朗読しているように、私には見えた。ワタシ的には好きな検察官だけに、つらかった。

 なぜ、無理スジの長い論告を書かねばならなかったのか。
 前回、北村さんからの被告人質問が30分以上にわたったため(これも異例!)、「裁判官が無罪の心証をもったのではないか」と田口さんは考えたのかしら…というのはストレートな推理。
 マニア的には、「オービス事件はこのままでヤバイぞ」とさすがに検察庁も考え始め(3月末発売の『ラジオライフ』参照)、検察官同士で「これからは論告をしっかりやろう」となった…という憶測もできる。マニアの憶測にすぎないけれどもね。まあ、そのへんは、これからだんだんとわかっていくことになるだろう。
 求刑は相場どおり罰金8万円。

 続いて弁護人(小柄な若い女性)による最終弁論。15分間。
 そのなかで、ギョ魚ギョッ!! となる部分があった。
 第2回公判は、私は中津川簡裁へ行っていて、「霞っ子クラブ」のたーさんにお願いして傍聴してもらったのだが(一杯ごちそうしないとまずいよなぁ)、オービスⅢの製造販売会社・森成昭治社員の証人尋問があった。
 定期点検で、現場を通過する一般車両100台について、オービスⅢの測定値と、ループコイルのそばの路面に貼り付けたテープスイッチによる測定値とを比較し、オービスⅢの測定値のほうが100台とも、テープスイッチによる測定値より若干低い、というのが、オービス無謬神話の1つの理由になっている。
 ところが!! その定期点検のとき、「オービスⅢの撮影機能は止めている」と森成社員は証言したというのだ。
 なんだとぉ!? 写真に焼き付けられた測定値、それが、被告人を有罪とする事実上唯一といっていい証拠なのに、測定の結果写真に何が焼き付けられるかという、いちばん大事なことを、点検・確認してねーのかよ!!
 その点検自体、どこまで信用できるのか、という問題が吹っ飛ぶほど、とんでもない話じゃん!! 点検の意味を為してねーじゃん!!
 マニアは傍聴席で興奮しましたよぉ。
 たーさんの報告に、「突発的に撮影しちゃうことはあり得ない?あり得ない!!!」とあったのは、この、撮影機能は止めてるという話だったんだな! うむぅ! たーさん、ありがと。

 これで結審するに当たり、最後に被告人が陳述。
 普通なかなか聞けない陳述だった。
「月末の土曜の午後1時15分頃に、あそこの第一車線を132㎞/hで走れるのかと、みなさん(警察官、検察官、裁判官が)疑問を持たないのが、不思議でたまりません。現場を見ず、オービスの写真だけ見て、私が132㎞/h出したと言っている。裁判官も車を運転されるそうですから、ぜひ現場を走ってみてほしい。一度でも走ってもらえばわかります。まさか自分が冤罪で起訴されるとは、夢にも思わなかった。みなさんも同じようになるかもしれない。そのときオービスが誤作動すると気づいても、私には手遅れです」

 真実がどうだったのかは、誰にもわからない。
 もしかしたら、被告人はウソを言っているのかもしれない。それはわからない。
 オービス事件で確かなのは、オービス(が撮影した写真・画像に焼き付けられた測定値)が信頼できるという合理的・科学的な裏付けは一切ない、ということだけだ。

 次回判決は3月31日16時。
 求刑どおり罰金8万円だろう。でも、オービス無謬神話が崩れかかっているのを、わたしゃ感じるですよ。
 泥船は、それが泥船と気づかないうちは当たり前そうに浮かんでいるが、乗っている者がいったん泥船と気づいてしまうと、たちまちぶくぶくっと沈んでしまうのでは?

 農林水産省地下、第6食堂で、カレーそば大盛330円食って早帰り。

2006年3月 4日 (土)

アフィリエイト 845円!!

 ぷう。これで今週は原稿を4本送信。
 1本は単行本(共著)で私の担当分は「反則金」。『ラジオライフ』は「東京簡裁のオービス裁判、驚天動地の展開に!!」。『ザッカー』は「駐車違反で迷惑性を理由とする無罪判例はあるか?」と「執行猶予中にスピード違反で捕まったら?」。『ドライバー』は「寺澤オービス事件がとうとう結審」。

 眠らず有酸素散歩1時間。今年やっと5回目。この運動不足が、頭痛の原因と思われる、思いたい。
 街は様変わりして新しいラーメン屋が開店し半額サービス…があるかと、ちらり期待したが、とくに変わりなし。

 あとは、郵送による開示請求を1件ないし数件やって、ご相談等に少し対応し、1本原稿を書いて、来週の講演(?)の準備をすれば今週は終わる、と。

 ブログの記事だが、1行でも書いて、いや何も書かなくても、「保存」ボタンを押せばその日は記事をアップしたことになり、カレンダーが埋まる、という技をおぼえた。ふふ。
 今日のこの日記を書き始める時点で、この日記と、「社長に命じられて無免許運転」と「江戸川区大杉・環七内回りオービスⅢLk 弁護人なし」が、1行または本文ナシだ。
 3月2日のカレンダーが埋まってないのは、23時55分すぎに記事を送信しようとしたが、なーぜか送信できなかったため。

 アフィリエイトは2月25日に78円の「報酬」があり、2月の合計は845円になった!! 2月5日頃にブログを設けてたちまち845円。すごいっ!! …と思う。ありがとございましたっ。
 ちなみに当ブログのアクセス数は、最初の数日を除いてだいたい1日2百数十、最高で300ちょい。自力HPのほうはその後、若干アクセス数が減ったなぁという感じ。

 調子にのってまた本を紹介しよう。散歩の途中でこれを買った。

Book 鬼平犯科帳の世界

販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 歩きながら数ページ読んだ。

「ぼくらの仲間でも、締切りが迫ってこないと書けないという人はいますね。これは一種の癖なんですよ。丹羽文雄さんがおっしゃってますが、『たとえ締切り前の一日だけでも自分の手許において、読み返してみて手を入れれば、それだけ作品はましになる。だから、自分は一日だけでも余裕をとれるように書き上げる』とね。それはもうそのとおりだと思いますよ。
 できあがった作品をもう一度ゆっくり見れば、必ず直すところがある。そこを直してから渡せば、あとで単行本にするときにも、手入れすることなしにできます。」

 もうそのとおりだと思う…。

2006年3月 3日 (金)

社長に命じられて無免許運転

 3時間半ほど仮眠をとって、10時から東京簡裁・刑事2室3係・728号法廷(北村幸次裁判官)で、道路交通法違反の新件。
 事件番号が「平成18年(ろ)第1号」。一昨日のオービスⅢLk事件は「平成18年(ろ)第98号」だったのに…。

 被告人は身柄(拘置所)。
 道路交通法違反で身柄ってことは、雑誌等の路上販売(道路不正使用)か、住所不定の無免許か?
 だが、そういう事件の被告人はたいてい、気力のない、しおれたような感じがあるもの。この被告人にそれは感じられない。なんだろう。

 社長に命じられて無免許運転し、池袋で職質されて覚醒剤で現行犯逮捕され、覚醒剤のほうは一審有罪で控訴中。無免許のほうは略式で罰金(たぶん20万円)の支払命令を受けたが、罰金は払ってやると言っていた社長が雲隠れして音信不通となり頭にきたので、略式命令は不服だと正式裁判を請求した、という事件。
 それで自分の罪が消えるわけではないが、社長も捕まえて無免許の教唆で処罰してほしいらしい。

 そしたら被告人は、無免許教唆の犯人をいったん隠避したが自首した、ということになるんだろうか。そんなメンドウな扱いは検察はしないんだろうか。私にはわかんない。
 ともあれ、テキパキ感、はきはき感のある被告人で…。こう言っては何だが気持ちよかった。
 求刑は罰金20万円。次回判決。

 11時開店の農林水産省地下第5食堂で、不定期メニューのカツ丼450円。

P1000508

 煮汁のしみたタマネギがたっぷりで、うまいんだぶぅ。
 『鬼平犯科帳の世界』で池波正太郎さんは、
「けれど、ぼくは食べることを特別に書いてるわけじゃなくて、季節感を出すために書くんです。それを感じてくれなきゃどうしようもない。いまは冬でも胡瓜や茄子があったりして、食べ物の季節感がなくなっちゃいましたけどね」
 と述べている。なるほど。私はなぜ書くのか。季節感はぜんぜんないな。でも、書くほうが、記事のバランスが良いように感じるのだよ。でしょでしょ。そうだと言ってよぉ。

 すぐに帰って仮眠。
 被告人質問が終わり、「じゃ、傍聴席のそちら(※)、今井さんですか? どうぞ」と堀内信明裁判官から言われ、なぜか私が証人として尋問されることに…。私は「あ、そうだっけ」と、とくに驚きもしない…という夢をみた。
 そういえば2002年3月27日、
 私の仕事場へ突然、裁判官が来たのだ。裁判に必要な心証を得るための?出張ナントカだと。すぐに弁護士も来たので「なぜ連絡してくれなかったのか」と問うと、「こういうのは抜き打ちでやるのだ。自分もあわてて駆けつけたのだ」とのこと。ふうん、なんかよくわからないけど面白いことやるのね。私は、これは良い機会だパソコンでアレを見せてあげようと思いつく。が、誤ってそのソフトを削除してしまっており焦る。ふり返ると、裁判官は布団を敷きズボンを脱いでステテコ姿になり寝ようとしている。白いステテコに黒い臭そうなソックス。オヤジ~。弁護士もその隣で寝る準備に入ってる。あり? この人たちゃナニしに来たんだ? これが出張ナントカなの? まいいや、そんじゃ私も寝るか、ラッキー。その前にオシッコ…。トイレから戻るともう2人はいない。ありゃ?と外へ出ると、しとしと雨降る路地のもう100mも先を裁判官は黒い法服を着て黒い大きな布張りの傘をさしてすたすた歩いていた。その路地は、私が小学校低学年のころ今井家が間借りしてた風呂なし汲取便所の家の前のあの懐かしい路地なのであった…。
 という夢をみたっけ。

 ※ 堀内さんは被告人を「そちら」と呼ぶことがあるのだ。「被告人」「あなた」「キミ」、裁判官によって、またシーンによって、いろんな呼び方がある。

無免許運転の最高裁決定 んなアホな?

<無免許運転>大型を普通と勘違い 最高裁が罪の成立認定 (毎日新聞)
 大型自動車を普通自動車と思い込んで普通免許で運転した場合に、道路交通法違反(無免許運転)の罪が成立するかが争われた裁判で、最高裁第3小法廷(堀篭(ほりごめ)幸男裁判長)は先月27日付で、罪の成立を認める初判断を示し、被告男性(48)の上告を棄却する決定を出した。罰金35万円とした1、2審判決が確定する。
 決定によると、男性は普通免許しか持たないのに定員15人の大型車を運転。道交法施行規則上は定員11人以上で大型となるが、車は後方の6人分の座席が取り外されていた。車検証には「定員15人」の記載がある一方、免許の種類ではなく道路運送車両法上の種別として「普通」と書かれていた。
 男性側は「会社の上司から『人を乗せなければ普通免許で大丈夫』と言われ、車検証にも普通と書いてあったので許されると思った」と主張したが、第3小法廷は「定員変更手続きをしていないため車は大型に該当する」と認定。「大型車と明確に認識しなくとも、座席数を取り外していることを知りながら車を運転しており、無免許運転と認められる」と述べた。【木戸哲】    [毎日新聞3月1日]

***

 無免許運転の罰則は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金(道路交通法117条の4、1号)。
 「35万円」って何なのか。普通車の無免許(初犯)の相場は20万円のようだ。大型車の相場は知らないが、30万円なのか。だったら5万円って何。うーん。被告人は2回運転して追起訴され、2件あわせて35万円だったのか…。

 それはともかく、無免許運転には、過失犯の処罰規定がない。

 それで、だ。この毎日新聞の記事、このとおりに読むと、奇っ怪な記事というほかない。
 「定員15人」でも、6人分の座席が外してあり(=9人分の乗車装置しかなく)、車検証に「普通」と書いてあれば、「改造により普通車になったのだ。これは普通車だ」というのが、普通人の普通の認識でしょ。
 「これは普通車だ」と認識した者が、「大型車と明確に認識」するはずがない。当たり前の話だ。
 「座席数を取り外していることを知」っていたことは、車検証に「普通」と書いてあったこととあわせ、無免許運転が過失だったことの理由を構成している。

 ところが、「大型車と明確に認識しなくとも、座席数を取り外していることを知りながら車を運転しており、無免許運転と認められる」って。んなアホな。
 導かれる結論は、、、 
1、エイプリルフールのために用意したウソぴょん記事を、1カ月間違えて出した。
2、“ガセメール”ならぬ“ガセ決定”をつかまされ、真贋を確認せずに報じてしまった。
3、第3小法廷の裁判官の過半数は、とにかく何がなんでも有罪を確定させたかった。
 そのいずれかであると強く推認される。報道をそのまま読む限りでは。

 1または2の場合、続報があるだろう。
 3の場合、そんな決定をただ流す報道のあり方(でも毎日は署名記事の分だけすごく偉いよね)は、とりあえずおいといて、保管場所法違反の逆転無罪(破棄自判)とからめて考えるべきかと私は思う。
 あの事件も、やはり過失かどうかが争点で、一、二審は上掲毎日の記事同様のウソぴょんじみた理由により有罪とし続けたのだ。

 最高裁(第2小法廷)で逆転無罪を勝ち取った岩野壽雄弁護士は現在、中津川簡裁のオービスⅢLj事件の弁護人をしている。焼糞日記05年10月21日と06年1月11日、『ドライバー』05年12-20号をご参照ください。

 中津川簡裁の山崎松三裁判官は、エクセル入力分で377件を傍聴してきた私から見て、ちょっと信じられない、唖然とする裁判官だ。「霞っ子クラブ」もキャー☆となること間違いなし?

2006年3月 1日 (水)

痴漢で執行猶予中の痴漢

 オービス事件が終わって帰りがけ、1階の開廷表を見たら、ちょうど数分後に公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」違反の新件があるのが目に付いた。
 電車内での痴漢だろうな。もしや別の珍しい「不良行為」だったりして。ちらっと見てみようか。
 いやいや、締切原稿がまだまだ残ってる。頭もまだちょっと痛い。早く帰って少し睡眠をとらねば。だいたい、ちらっとですむはずがないのだ。結局最後まで見ることになるのだ。やめとこう。しかし心と裏腹に足はエレベータへ…。

 11時から東京地裁第3刑事部533号法廷(柴田誠裁判官)で同事件を傍聴。
 書記官は、『ふぞろいの林檎たち』の、ほら、主人公(中井貴一さん)の病弱なお姉さん、あのお姉さんをもうちょい美人にした感じ、に私には見える女性。あー、彼女か、と思う人、いるかな?

 やはり地裁は傍聴人が多い。20代と思しき女性も5人いた。
 傍聴席に父母と息子らしき3人。あの息子が被告人か? 持ち味なのだろうか、なんとなくふてぶてしい感というか若干ワイルド感があり、痴漢には見えない…。
 しかし痴漢だった。昨年12月22日9時49分~9時53分にかけて埼京線内で「…に対しそのスカートの上から臀部を触り」という事件。

 4カ月前に同じ埼京線内での同種前科(懲役5月執行猶予3年)あり。
 その前科の法廷でも監督を誓った父親が情状証人。
「まさか半年間に2度も情状証人として出廷することになるとは思わなかった」
 2度も過ちをくり返したので病院へ連れていったところ、2軒目で、性嗜好障害で精神病の一種と言われた、と。だから、しっかり治療を受けさせるので再度の執行猶予を、というわけだ。

 しかし柴田さんは、その父親へ、また被告人質問で被告人へ、要旨こう述べるのだった。
「病気だと言われ、安心してないか。放火や盗癖も同じように言われることがある。しかし根本は、たいしたことないと思ってることにあるんじゃないか。結局は本人だ。人間にとって大切なものは信頼だ。信頼がなくなれば生きていけない。くり返しているうちに信頼はどんどんなくなっていく。取り戻すのはたいへん。執行猶予は、自分でやめることができるか試す期間だった。ダメなら、刑務所に入って、こういうことはダメと覚えるしかない。なんとしてもやっちゃダメ。やるとつらいことになるとわかれば、もうやらないと思う。自分がやったことの重大さを考えてほしい」
 書き文字だけではわからない、なんとも心がこもった風に聞える言い聞かせだった。

 ただ、簡裁でオービス事件を多く見ている私には、こういう裁判官だって、オービスの否認事件に当たれば、何の裏付けもないメーカー社員のセールストークを鵜呑みにして有罪にせざるを得ないんじゃないの? という思いがどうしてもよぎるのだ。
 3月末発売の『ラジオライフ』に書くが、簡裁の少なくとも2人の裁判官は、もしかして「これじゃいけない」と気づき始めたんじゃないかと思える。毎日傍聴人がたくさんくる地裁の法廷でこそ、オービス否認事件をやれよ! と言いたい。

 求刑は懲役6月。
 「反省した。二度としない」と誓って執行猶予の刑を受けた4カ月後の、同じ電車内での同種犯行では、普通は執行猶予は無理だろう。

 ところで、この公判も礼田計さんと傍聴したのだが、なんたる偶然、先日ネイキッドロフトのじゃんけんプレゼントで礼田計さん提供のお宝オービス写真集をゲットした方が、礼田計さんの前の席にいたそうだ。裁判所も狭いねぇ。

 いちばん混雑してる時間だが、空くまで待つ余裕はなく、農林水産省地下の第5食堂へ。
 ミックスフライ定食も、スモールカツ定食(肉団子つき)もチョー魅力だったが、脳卒中が不安でパス。サバの味噌煮定食(半食)420円。旨かったぁ。脂ののったサバの半身。十分な味噌の煮汁。きんぴら牛蒡。大根おろし。酢が濃いワカメの酢の物。たくあん2切れ。具が入った味噌汁。子どもの茶碗1杯分の白飯。これで420円はバカ安だよね。

江戸川区大杉・環七内回りオービスⅢLk 弁護人なし

 10時から東京簡裁刑事1室3係534号法廷(堀内信明裁判官)で、道路交通法違反の新件。

【場   所】 環状7号線(一般道)内回り・江戸川区大杉5-36
【日  時】 2005年3月15日 午前2時14分頃
【装   置】 東京航空計器 オービスⅢLk (俗称・LHシステム)
【測定値】 99㎞/h 制限速度50㎞/hを49㎞/h超過
【被告人】 20代? 会社員 
【弁護人】 なし
【主   張】 違反歴が多いので、免許取消しは困ると(安全運転を)心がけていた。レーダ探知機も取りつけた。探知機がオービスの存在を知らせたのでアクセルから足を離して減速。70㎞/h前後だったと思う。

 オービスに撮影されるはずのない速度であるとの認識が十分にあったので、ストロボが光ったのは故障だろうと思い、メータは確認しなかったそうだ。
 堀内さんがいつものように丁寧に説明して尋ねるのに対し、 「はい」「いいえ」「ないです」「とくにないです」と、きびきびした返答だった。自衛隊に長くいたのだという。

裁判官「判決は1週間後でいいですか? それとも直ちに判決してもらいたいですか?」
被告人「1週間後でいいです」

 この日は傍聴席に、私と礼田計さんのほかに、傍聴人風ではないというか、ちょっと異質な感じの女性が3人いて、「もしや、情状か何か証言してあげるわよときた被告人の関係者なのに、被告人からも女性のほうからも言い出せずにいるのではないか」と堀内さんは思ったのだろうか、立ち上がって法廷を出ようとする女性たちに声をかけた。
「この事件の関係の方ですか? とくに何かあれば、時間をとりますが…」
 女性たちは「いえ…」と手を左右に振り、意外なことを言われての照れ笑いなのかニコニコと出て行った。

 約30分で閉廷。
 オービスの否認事件にも、いろんな被告人がいて、いろんな形がある。

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