同じオービスⅢLkで2回
2時半頃起きてご相談等に対応。7時頃ちょっと仮眠をと横になったら寝過ごし、ぎりぎり東京簡裁へ。
10時50分から刑事2室1係534号法廷(櫻井廣美裁判官)で道路交通法違反の新件。
【場 所】 2件とも首都高環状線内回り・北の丸公園3番地
【日 時】 ①2003年7月7日2時36分頃 ②2004年6月14日4時22分頃
【装 置】 東京航空計器 オービスⅢLk (俗称・LHシステム)
【測定値】 ①122㎞/h 制限速度50㎞/hを62㎞/h超過 ②105キロ 同52㎞/h超過
【被告人】 30代 医療関係
【弁護人】 国選 鞄が私と同じ
【主 張】 自白 ただし捜査段階では「当時60~70㎞/hしか出していなかった」
検察官「だいぶ古いね。あなたのほうで出頭できなかったとかあるの?」
被告人「いや、それはないです」
検察官「光ったの、気づかなかった?」
被告人「はい」
うーむ、と私は思う。オービスの否認事件では、「ストロボ発光に気づかなかった」と述べる被告人がけっこういる。誤作動で撮影したためストロボが発光しなかった…そんなこともあるんだろうか。
そこが法廷で問題になったことは(私が知る限り)まだないが、メーカー社員は必ずこう答えるはずだ。
「ストロボが発光しないことはあり得ます。それはストロボが切れたときです。切れれば、切れたのを交換するまで、ずっと発光しまません」
法廷における(すなわちメーカー社員の言い分による)オービスの誤作動というのは、
「いったん生じたらずっと継続する。継続するから、必ず発見される」
というもの、のみなのだ。
もう1つ、被告人が言うのが本当なら、なぜこんなに年月がかかったのか。
被告人が言うのがウソで、じつは早い時期から警察は呼出していたなら、令状逮捕しておかしくない。しかし逮捕手続きについての書証はなかった。法廷へ出さない理由はないはず。
2回とも「60~70㎞/h」だったのに誤測定されたとは、ホンマかいな?と眉に唾をつけたくなる話だが、しかし、未明にしばしば通るなら、あり得ない話じゃないともいえる。
結局、オービスが信頼できるかどうかについては、裁判を見ている限りではわからない、というか、信頼できる合理的根拠はないことだけがハッキリわかり、個々のケースが無実か有実か、わかりようがない、としかいえない…。
論告は1分半。弁論は2分半。最後の被告人陳述は「とくにありません」。
求刑は罰金17万円。
直ちに判決。罰金17万円。訴訟費用は負担させない。
11時22分閉廷。
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