湾岸・羽田オービスⅢLk びっくり定期点検!!
13時30分から簡裁刑事2室3係、728号法廷(北村幸次裁判官)で、オービス事件の第4回公判。前回、期日変更になった事件だ。
13時29分、裁判官入廷。直ちに田口照子検察官が論告。
普通、オービス事件の論告は2分程度のもの。せいぜい3分で終わる。
ところが、田口さんは10分もかけた。きわめて異例といえる。
「メーターを確認しながら80㎞/hで走っていた」というのは「罪責を免れるための虚偽の弁解である」として、あれこれ理由を挙げた。残念ながら、どれも無理スジの決めつけとしか聞えなかった。
田口さんだって、そんなことは自覚しているだろう。自覚しながら立場上しかたなく無理スジを朗読しているように、私には見えた。ワタシ的には好きな検察官だけに、つらかった。
なぜ、無理スジの長い論告を書かねばならなかったのか。
前回、北村さんからの被告人質問が30分以上にわたったため(これも異例!)、「裁判官が無罪の心証をもったのではないか」と田口さんは考えたのかしら…というのはストレートな推理。
マニア的には、「オービス事件はこのままでヤバイぞ」とさすがに検察庁も考え始め(3月末発売の『ラジオライフ』参照)、検察官同士で「これからは論告をしっかりやろう」となった…という憶測もできる。マニアの憶測にすぎないけれどもね。まあ、そのへんは、これからだんだんとわかっていくことになるだろう。
求刑は相場どおり罰金8万円。
続いて弁護人(小柄な若い女性)による最終弁論。15分間。
そのなかで、ギョ魚ギョッ!! となる部分があった。
第2回公判は、私は中津川簡裁へ行っていて、「霞っ子クラブ」のたーさんにお願いして傍聴してもらったのだが(一杯ごちそうしないとまずいよなぁ)、オービスⅢの製造販売会社・森成昭治社員の証人尋問があった。
定期点検で、現場を通過する一般車両100台について、オービスⅢの測定値と、ループコイルのそばの路面に貼り付けたテープスイッチによる測定値とを比較し、オービスⅢの測定値のほうが100台とも、テープスイッチによる測定値より若干低い、というのが、オービス無謬神話の1つの理由になっている。
ところが!! その定期点検のとき、「オービスⅢの撮影機能は止めている」と森成社員は証言したというのだ。
なんだとぉ!? 写真に焼き付けられた測定値、それが、被告人を有罪とする事実上唯一といっていい証拠なのに、測定の結果写真に何が焼き付けられるかという、いちばん大事なことを、点検・確認してねーのかよ!!
その点検自体、どこまで信用できるのか、という問題が吹っ飛ぶほど、とんでもない話じゃん!! 点検の意味を為してねーじゃん!!
マニアは傍聴席で興奮しましたよぉ。
たーさんの報告に、「突発的に撮影しちゃうことはあり得ない?あり得ない!!!」とあったのは、この、撮影機能は止めてるという話だったんだな! うむぅ! たーさん、ありがと。
これで結審するに当たり、最後に被告人が陳述。
普通なかなか聞けない陳述だった。
「月末の土曜の午後1時15分頃に、あそこの第一車線を132㎞/hで走れるのかと、みなさん(警察官、検察官、裁判官が)疑問を持たないのが、不思議でたまりません。現場を見ず、オービスの写真だけ見て、私が132㎞/h出したと言っている。裁判官も車を運転されるそうですから、ぜひ現場を走ってみてほしい。一度でも走ってもらえばわかります。まさか自分が冤罪で起訴されるとは、夢にも思わなかった。みなさんも同じようになるかもしれない。そのときオービスが誤作動すると気づいても、私には手遅れです」
真実がどうだったのかは、誰にもわからない。
もしかしたら、被告人はウソを言っているのかもしれない。それはわからない。
オービス事件で確かなのは、オービス(が撮影した写真・画像に焼き付けられた測定値)が信頼できるという合理的・科学的な裏付けは一切ない、ということだけだ。
次回判決は3月31日16時。
求刑どおり罰金8万円だろう。でも、オービス無謬神話が崩れかかっているのを、わたしゃ感じるですよ。
泥船は、それが泥船と気づかないうちは当たり前そうに浮かんでいるが、乗っている者がいったん泥船と気づいてしまうと、たちまちぶくぶくっと沈んでしまうのでは?
農林水産省地下、第6食堂で、カレーそば大盛330円食って早帰り。
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