オービスⅢLk 肝心のチェックを省いた定期点検!!
ここ3年ほど東京簡裁のオービス裁判を傍聴し続け、「なんだか流れが変わってきたぞ! 今までと違うぞ!」というものを否応なく実感する。東京簡裁の刑事には6つの係があり、6人の裁判官がいる。少なくとも何人かは、何かを感じていているように思われる。
これだけ傍聴に通い詰めてると、なーんか裁判官、検察官のほうに親しみを感じる。ストックホルム症候群? いや、そりゃ知らんけど、「裁判官、がんばれ!」って思うんだよぅ。
10時から簡裁刑事1室2係826号法廷(浅見牧夫裁判官)で「湾岸・羽田のオービスⅢLk これも第1車線!」の第4回公判。前回3月7日に「見逃した!」と書いたが、その期日は変更され今日になったようだ。もぉ、めいっぱい焦っちゃったよぉ。
検察官が照会した、付近の電磁波のことを証拠請求。弁護人同意。
裁判官が照会した、付近の電磁波のことについては、熟語はメモしそびれたが、証拠として採用。
弁護人にも“弾”があるのかな…不明。
続いて、東京航空計器の定期点検係、クボサトシ社員を証人尋問することになった。
弁護人が請求 → 検察官の意見は「不必要」 → 裁判官が採用を決め → 検察官が異議申立 → 異議申立を裁判官が却下 → 今日の証人尋問、という展開だそうだ。
これも異例の展開だ。中津川簡裁の山崎松三裁判官は、絶句しちうゃんじゃないか。
クボ社員は、オービスの定期点検と修理を6~7年前(この仕事は7~8年前)からやっており、証人出廷は初めてだという。
オービスⅢの裁判はいつも、定期点検を実際にやった者ではなく、報告を受けて「定期点検成績書」を作成した森成昭治社員が証言する。そうして、「成績書がちゃんと作成されているから、定期点検で異常はなく、よって誤作動・誤測定はなかった」とされるのだ。「そんなアホな」と思う人もいるかもしれないが、オービス裁判はいつもそうなのだ。いや、そうだった、のだ。
森成社員はいつも、問われたことにズバリ答えず、関連するセールストークをごちゃごちゃ述べる。傍聴してて、やんなっちゃう。が、クボ社員は、問われたことにだけちゃんと答えていた。今度からクボ社員だけにするほうがいいよ。
証人尋問は54分間にわたった。
やはり、通過する100台(のうち100㎞/hか110㎞/hを超える車両)の速度について、テープスイッチによる測定値とオービスの測定値を比較する、という試験(総合精度試験)のとき、撮影は行っていないのだった。
測定の信頼性と、撮影の信頼性と、「分けているとお考えください」とクボ社員。
おいおい~!! オービスは、写真に焼き付けられた記号(測定値)をもとに、運転者を有罪・前科者にするのだ。写真が証拠の根幹なのだ。測定した速度が、ちゃんとそのとおり写真に焼き付けられているか、そこをチェックしないでどうすんのよ~!! 対象車両から得たのではない信号に反応して、速度を測定したつもりになってしまうことだってあるかもしんないじゃん!!
浅見さんも当然そう思ったようで、こう尋問した。
裁判官「走行試験の対象車両をなぜ撮影しないのか、疑問を感じたことはないのですか?」
証人 「はい」
弁護人の尋問もけっこう良かったけど、やっぱり裁判官の尋問が切れ味よかった。だぁって、似たようなオービス事件をたくさん扱ってるんだもの。どこを突っ込むべきか鋭く見分けられるってもんだ。と思った。
裁判官が無罪の心証を持ったら、いや、有罪無罪どっちもどっちの気持ちで臨んだら、メーカー社員はぼろぼろ、検察官は真っ青だろうなぁ…と0.5秒、妄想する。
クボ社員も森成社員同様、証言を終え、旅費日当の茶封筒を受け取っていた。東京航空計器の社風ですかね。傍聴席にしっかり森成社員がいたから、「旅費日当は請求する、に丸をつけなさい」と部下を指導したのだろうか。
11時1分、また双方で書記官室で打ち合わせることになり、閉廷。次回は論告・弁論までいくのか? 直前に期日変更になるのはヤメてよね~。
衆議院第2議員会館まで礼田計さんとぶらぶら歩き、院内集会「共謀罪に反対する集い」に参加。
« 見逃した判決 数件 | トップページ | 首都高5号線上り高島平のオービス事件・第4回 »
「オービス(オービスⅢ)」カテゴリの記事
- グッドウイル、折口雅博元会長の87キロ超過(2018.11.28)
- 元大砂嵐関は執行猶予付き懲役刑か(2018.11.05)
- ダッジ・チャレンジャーで235キロ、傍聴した!(2018.06.05)
- オービスの不思議な入札経過調書(2018.05.29)
- オービスが時速696キロと測定した件(2018.05.23)
最近のコメント