公務執行妨害に罰金刑を設ける理由
| 公判請求 | 略式命令請求 | 不起訴 | |
| 道路交通法違反 | 11,943 | 598,757 | 124,876 |
| 業務上過失致死傷 | 8,960 | 88,250 | 754,801 |
| 窃盗 | 41,959 | - | 48,281 |
| 公務執行妨害 | 871 | - | 1,016 |
※「検察統計年報」の2004年のデータより抜粋。
いろんな犯罪があるなかで、窃盗は、公判請求がいちばん多い。つまり正式な裁判になる数が多い、ということ。
2位は、覚せい剤取締り法違反で、17,071人。
3位は(交通関係業過と道路交通法違反を除いた表でいえば)、出入国管理及び難民認定法違反で、8,468人。
なんにしても、窃盗がダントツトップだ。「ダントツ」の語源は「断然突出」?
窃盗は、裁判所にとって、かなりの負担になっている。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。
懲役刑の選択肢しかないから、処罰するときは、正式な裁判を開いて懲役刑を科すほかない。
ここに罰金刑の選択肢を加え、略式で罰金を払わせてオシマイにできるようにする、という動きがある。
それは、まあ、わからないじゃない。
たとえば万引など、わざわざ公判請求して懲役刑を科すのも如何なものか、といって、不起訴で終わらすのも如何なものか、両者の中間の罰金刑があっていいんじゃないか、とね。
しかし、同時に公務執行妨害も罰金刑に、ってどーゆーこと?
これから“貧富の差”が広がり、“戦争できる国”へどんどん進んでいくと、国家と国民がぶつかりあう場面は増えてくるはず。裁判所に負担をかけることなく処罰して前科者にするには、略式で終えられる罰金刑があるほうがいいってことかなあ…と、ぼんやり私は考えていた。
だが、ちょっと待てぇよ。
駐禁取締りの民間委託について、
「民間がやるんじゃ、違反者とのトラブルが増えるのでは?」
という声がよく聞かれる。
取り締まりを行う「駐車監視員」は、それなりの帽子や制服を着用するものの、警察官とは迫力がちがう。「ざけんな、この野郎っ!」と監視員の肩を押す、なんてことが多発するおそれがある。
駐禁取締りは年間300万件を超えると予想される…。
私は「駐車監視員資格者講習」で教わったよ。
監視員は「見なし公務員」とされ、監視員に対する暴行等は公務執行妨害の対象になると。これ、修了考査の問題に出たかな。
そうするとだよ、これから路上でトラブルが頻発するだろうことを見越して、窃盗とセットで公妨にも罰金刑をという、そういう側面も、どうもあるんじゃないか。
そしてじつは警察は、この民間委託を他の違反へも広げようとしている。
違反だけでなく、軽微な(つまりほとんどすべての)交通事故(上の表のとおり不起訴がめちゃ多い)へも広げようとしている。
そのためには、公務執行妨害の処罰を迅速・簡便に行える法手続きが、不可欠だろう。
しっかり先を読み、必要な法律を準備していく…。私も少しは見習わねば?
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