赤字覚悟の契約なの?
東京・港区の6つの警察署の管内、の委託契約をとった株式会社コアズ、の契約書の「経費内訳書」に「人件費」という項目がある。
駐車監視員 3億0015万5127円
統括責任者、代行者 2911万2153円
礼田計さんからもらった、同社の「駐車監視員資格者 大募集」を見ると、こうなってる。
責任者 日給1万2500円(8H労働)固給30万円 (月24日)
副責任者 日給1万1800円(8H労働)固給28万3200円 (月24日)
監視員 日給1万0800円(8H労働)固給25万9200円 (月24日)
契約書の仕様書には、「1日において活動するユニットは最大で43とし」とある。
なぜ、「最大で43」とわざわざ限るんだろう。
それはともかく、1ユニットが2人とすれば、1日最大86人が巡回活動をするってことだ。
また、仕様書には、こうもある。
「受託者は、履行期間中は常に108名以上の駐車監視員を選任し、確認事務に従事できるようにしておかなければならない」
固給25万円9200円 × 10か月 × 108人 = 2億7993万6000円
あれ…? 「3億0015万5127円」より、だいぶ少ない。
こういう計算方法自体が違うんだろうか。
「大募集」には、「御祝い金10万円支給いたします」とある(いいなぁ)。
10万円 × 108人 = 1080万円
2億7993万6000円 + 1080万円 = 2億9073万6000円
べつの方向から計算してみよう。
契約期間は6月1日から翌年3月31日までの10か月間で、固給25万円9200円だから、駐車監視員1人の(固定給分の)人件費は、259万2000円。
3億0015万5127円 ÷ 259万2000円 = 約116人
3億0015万5127円 ÷ (259万2000円+10万円) = 約111人
というふうに計算すると、まあ、そんなもんなのかな、と思える。
次、いってみよう。
「責任者」とは統括責任者、「副責任者」とは代行者、のことだろう。
コアズの契約書の仕様書を見ると、各警察署ごとに1人の統括責任者を、全体で9人以上の代行者を選任することになっている。
代行者を最低の9人とすると、計15人。
2911万2153円 ÷ 10か月 = 291万1215円
291万1215円 ÷ 15人 = 19万4081円
あれ…?
「大募集」のとおりに払ったら、どうなるんだ?
固給30万円 × 6人 × 10か月 = 1800万円
固給28万3200円 × 9人 × 10か月 = 2548万8000円
1800万円 + 2548万8000円 = 4348万8000円
2911万2153円 - 4348万8000円 = -1437万5847円
「御祝い金」を払ったら、約1586万円の赤字…。
あちこちから聞えてくるところによると、どうも、今回の確認事務(取締り)の委託契約、業者は赤字覚悟…赤字覚悟の業者もいる…らしい。コアズもうそうなのか、以上の計算だけから一概には言えないかもしれないにしても…。
今回は270警察署の管内だけだが、来年度には、どっと広がるだろう。警察からも、どんどん広げるのだと聞いている。
「反則金と放置違反金との2本立ては不公平を生む。トラブルの元だ」
との批判を、私なんかではなく、もっと偉い人たちから受けて、放置違反金1本に絞れば、委託の分野も広がるだろう。
そこを狙って、赤字覚悟でまず最初の契約を取ったと、そういう面もあるのかな…。
放置違反金を払っても(納付命令を受けても)違反点数はつかないと、これは警察からの初めての発表になるのかな、わかんないけど、発表された。
このQ&A、これまで私が多くのマスコミの方々から受けてきたご質問と、かなりダブる。
そう、じつは私、広報の民間委託契約を警察庁と結んでるのです。
年間1200万円(税抜)、随意契約、御祝い金は20万円でした。
ってウソですけど。
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