罰金、反則金、放置違反金の違い
駐車違反の反則金、ネット払いを――イーバンク銀と埼玉県
イーバンク銀行は6月1日から、埼玉県と提携し、同県内で駐車違反をした場合の反則金納付を取り扱う。インターネット専業銀行で反則金を払えるようにするのは初めて。パソコンや携帯電話を使って支払いを簡単にし、収納率を高めたい自治体の需要を吸収する。今後、提携する自治体を拡大していく。イーバンクは5月からネット専業銀行として初めて、電子納税システムのマルチペイメントネットワーク(ペイジー)への接続を開始。埼玉県と佐賀県への税金の支払いを可能にしており、今回もこのシステムを利用する。
[6月1日/日本経済新聞 朝刊] ※太字は今井
「マルチペイメントネットワーク」を(利用できる場合は)利用できるのは、「放置違反金」のはず。
大手メディアでも、「罰金」「反則金」「放置違反金」といった交通違反のペナルティを──単にペナルティ全般を「罰金(バッキン)」と総称するといったことを超えて──混同しているらしいことはある。
これも、それか。
いや、もしかして「反則金」も電子納付の対象にしようという動きが始まっているのか。
念のため埼玉県警に電話してみた。
やはり、 「反則金」は誤りで、電子納付できるのは「放置違反金」のみ、日本経済新聞には訂正を求め、後日訂正されたはず、とのことだった。
以下、念のため確認しておこう。
「罰金」
死刑、懲役、禁錮などと並ぶ刑罰(刑事罰)。必ず裁判を経て科される。
普通は「略式」という簡略な手続きによって払うことになるため、「裁判を受けた」という認識はないだろうが、略式も裁判は裁判、罰金は罰金。前科1犯になる。
違反の迷惑性などで争いがある人は(罰金刑の裁判が確定する前に)検察官、裁判官に対しその旨、主張・立証できる。
刑が確定しても納付しない者に対しては、労役場留置という自由刑に切り替えて執行することができる。その留置期間は、通常は1日5000円換算で計算する。
罰金は国庫に入り、一般財源となる。
「反則金」
1968年7月1日から導入された。
「警察が大量に取り締まってくる交通違反のために、いちいち裁判などやってられない。運転者のほうが納得してコレを払うなら、裁判がどうこういう手続きから外そう」という性質の制裁金。
当然、納付は任意。納付しない場合は、刑事手続きの扱いになる。
反則金は、いったん国庫に入ったのち、標識や信号機など交通安全施設の設置・管理に用いるための「交通安全対策特別交付金」として、総務省から都道府県・市町村に交付される。
「放置違反金」
2006年6月1日から導入された。
「確認標章」(「放置車両」に対する新しいステッカー)を取付けられ、その翌日から30日以内に違反者が、①反則金を納付する、③公訴を提起される、③家裁の審判に付される、のどれにも当たらない場合、ステッカーを取付けられたその車両の、車検証上の使用者に課されるペナルティ。反則金と同額。
「じつは使用者ではなかった」といった弁明が認容されない限り、納付は義務。納付しなければ、車検の更新ができなかったり、年利14.5%の延滞金付きで差し押さえを食らったりする。
放置違反金は都道府県の収入となる(道路交通法51条18項)。
以上も、大ざっぱな説明ではあるのだが。
エロ系のトラックバックが多くてうるさくて、面倒なので「トラックバックを受けつけない」を選択することとしました。
さぁ、車のスペアキーを探さねば…。
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