宅配業者の選択肢
「うちのドライバーも捕まっちゃいましたよ」
と、ある大手宅配業者のドライバー氏から聞いた。
新制度では、ドライバーが「反則金」を払ってもいいし、会社が「放置違反金」を払ってもいい。
両者は同額。
反則金だと、ドライバーの違反歴となり、違反点数がつく。
点数から、いろいろ不都合が生じる。
放置違反金だと、ドライバーは無傷ですむ。
ただし、半年に4回放置違反金を払うことになったトラックに対し、20日間の「使用制限命令」がある。
※ それは基準であって、初回は大目に見られるかも。実際の運用はまだわかっていない。
※ 公安委員会による従来の「指示」や命令(旧法75条の2)は廃止された。
捕まっちゃったドライバーは、会社は、いったいどうするのか。
後日、「会社が払った」と聞いた。
会社としては、
「点数の累積でドライバーが免停になれば、業務に支障がでるし、ドライバーに酷なことはしにくい。会社がカネさえ払えばすむなら、それに越したことはない。使用制限命令については、2回なり3回なり放置違反金を払うことになったトラックは、捕まりにくいエリアの営業にまわし、ほとぼりをさまそう。それでもステッカー(確認標章)を貼られ、いよいよ使用制限の基準に達しそうになったら、そのときはドライバーに頼んで反則金を払ってもらおう」
という考え方があるだろう。
そうやってしのいでいくほうが、「2人乗車」のために人をやりくりしたり新たに雇ったり、あるいは駐車場を新たに借りたりするより、安上がり、またはどっちもどっち、という判断もあるだろう…。
「日経スペシャル ガイアの夜明け」、東京では今夜22時放送。
「迷惑駐車は消えたか ~ ママさん監視員の1カ月」ってタイトル、面白そうじゃん。
「違法駐車」ではなく「迷惑駐車」としているところが、ワタシ的には目を引く。珍しい。
だぁって、「迷惑駐車は悪い。取り締まって当然」を理由に、迷惑でない違法駐車(警察庁の通達によれば違法でないはずの駐車)をびしびし取り締まってカネを稼ぐ、という構図のことを言う者は(たぶん私以外には)これまでいなかったように思われるから。
って、テレビあんまり見てないくせに。すみません。
上記構図は、「凶悪犯をやっつけろ」を理由に、国民生活全体に網を掛けて身動きできなくする、というのと同じだ。
一部事象の一般化。すり替え。
これに大衆はひっかかりやすく、そしてこれを巧みにできることが為政者としての大事な資質だ、という趣旨のことがくり返しくり返し書かれているのは、この本だっけ。
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群衆心理 著者:ギュスターヴ ル・ボン |

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