検察官は“機械の記憶”を要求する
8月30日(水)のつづき…。
東京簡裁・刑事1室1係(松本弘裁判官)826号法廷への廊下は、さっきと同じく消灯されてたが、法廷では審理が行われていた。
廊下の照明が消えてただけだったんだ!
普通、消えてるときは、その廊下の左右にある法廷は閉まってる。だから私は、期日変更になったと思い込んでしまったんだ! ちっきしょおっ! でもまぁ、あの酒気帯び事件を傍聴できたから、よしとするか…。
【場 所】 首都高 3号線 下り 世田谷区駒沢1-5
【日 時】 2005年10月16日 午前8時10分頃
【装 置】 東京航空計器 オービスⅢ (LhかLj)
【測定値】 118㎞/h 制限速度60㎞/hを58㎞/h超過
【被告人】 30代 会社員
【弁護人】 国選 (若めの女性)
【主 張】 「58㎞/hオーバーは絶対あり得ない。警察からハガキが届いたとき、超過20㎞/h未満か以上かどっちだろうと思った。当時の速度は80㎞/h前後で間違いない」
私の傍聴ノートによれば、今回が第3回公判。
第2回は6月21日。だいぶ間がある。途中見逃してるってことはあり得ないはずなんだが。
法廷に入ると、被告人質問の最中。
木村昇一検察官が被告人(珍しく起立のまま)に質問しているところだった。
あ~あ、例によって例のとおり。
被告人の無実の主張がウソまたは思い違いであるとするために、あらゆる角度からしつこくしつこく突っ込むのだ。
人間の記憶というものは、裁判に必要となり得るあらゆることを時系列に沿ってすべて機械のように「記録・保存」する、という形をとっていない。そんなだったら、人間の脳はパンクする。
人間の脳ないし記憶は、見たもの感じたものの中から、印象に残ったことだけを、記憶の引出しに入れる。時間がたてば、細部をそぎ落とし、もっと小さな引出しに入れ替える…。
しかし、検察官による被告人質問では、それは認められない。機械のようにすべて記録・保存されていなければ、ウソまたは思い違いであると断じられてしまう。
それが法廷流のやり方と、しっかり心得ておくことが、まずは大事と私は思う。
「当時の速度は80㎞/hくらいだったというのは、結局あなたの感覚でしかないんでしょ」
旨検察官がいうのが、可笑しかった。
オービスの測定値が正しいという根拠は、結局メーカー社員が「我が社の商品は絶対大丈夫」と口で言うことでしかないくせに。
ま、こういう装置(大槻義彦教授によれば、エセ計測器、オカルト装置)を長年にわたり全国で運用し続けている以上、バカらしい突っ込みや立証しかできないのは仕方ないわけだが。
14時32分閉廷。次回は論告・弁論。
『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』にしばしば出てくる、パスタ、を初めて食った。
私はもうずいぶん農林水産省地下の食堂(ここ数年は、もっぱら第5食堂)へ通っているが、パスタがある第6食堂へは、一度も入ったことがなかった。
いや~、びっくり。あのナポリタン(510円)、良いねえ。食堂自体も、昭和の臭いを濃く感じさせ、良い。
警視庁へ寄り、1件補正、1件開示請求。
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