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2006年9月20日 (水)

放置違反金の弁明 東京は2000件

 昨夕、帰宅したら某番組から電話あり。
 読売新聞の、弁明についての記事を見たかと。
 それで初めて見た。面白いっ!
 ブログであんまりコメントし尽くしちゃうと、お仕事がつまらなくなるので、簡単に、できるだけわかりにくぅく(笑)コメントしとこう。
 以下、記事はブツ切りにしますね。

駐車違反弁明、大半「腹痛で」…ネットの誤指南も影響

 駐車違反の取り締まりを強化した改正道交法の施行に伴って、新たに導入された弁明手続きを巡り、今年6月以降、警視庁に提出された弁明書が約2000通に上り、その多くが「運転中に腹痛に見舞われた」などと、トイレを理由に違反の取り消しを求める内容だったことがわかった。

 確認標章(新しい駐禁ステッカー)を取付けられて、違反者が出頭せずに知らん顔してると、車の持ち主(車検証上の使用者)に対し、放置違反金の仮納付の納付書と、弁明通知書が郵送されてくる。
 その弁明が、2000通もあったのか、へえ。
 で、その多くが、「トイレを理由に」ってか。ありゃ~。

 インターネット上にも、「トイレを口実にすれば免除される」という間違った摘発逃れを指南する情報が出回っており、同庁では「自然災害や、車が盗まれたといった理由でなければ取り消しはできないのに……」と、困惑気味だ。

 弁明をどう扱うか、警察側の考え方は、私のFAQの<<どんな「弁明」が認められるか>>にあるとおり。
 「トイレを口実にすれば免除される」ってもんでは、まったくないだろう。

 ただ…。
「当時の運転者は、急な腹痛と便意で、直ちに用便するよりなかった。事態は切迫していた。
 唸りながら運転を続けていると、公衆便所(またはコンビニ等)があり、付近の道路および交通の状況はこれこれで、短時間の駐車は迷惑がないものと認められた。そこで、当時の運転者は、本件駐車を行ったものである。
 腹痛および便意が真実であることには、これこれの裏付けがある。迷惑性については、用便後直ちに(また別の日の同時刻に)撮影した現場写真がある。
 したがって、本件駐車については、運行の管理を怠ったとまではいえず、当該車両の使用者の責に帰すことが著しく妥当性を欠くことは明らかである」
 という弁明なら、どうなのか。

 新制度は、違反者の責任の追及が第一義とされている。
 そこまで当時の事情がわかってるってことは、「当時の運転者」が誰か、弁明人は知っていることになる。または、弁明人自身が「当時の運転者」であることになる。
 その場合、警察は、違反者の検挙へ向けて動くのか。動くとして、どの程度真剣に動くのか、という未知の要素はあるけれども。 

 6月から施行された改正道交法では、駐車違反の取り締まりが、車のタイヤにチョークなどで印を付けてから30分程度の時間をおく方式から、違法駐車を確認した時点で、すぐにステッカー(違反標章)を張る方式に切り替わった。

 そうそう。つまり、迷惑性や違反の動機には関係なく、形が違反でありさえすれば、直ちに取り締まるようになったわけだ。

 さらに、ステッカーを張った車の運転者が出頭に応じない時には、車の所有者に、普通乗用車の場合1万5000~1万8000円の違反金を科す規定も新設された。この場合、所有者には、違反金の支払いを求める仮納付書とともに弁明通知書が送られ、駐車違反の理由について、弁明書で説明する機会が与えられる。正当な理由と認められた場合、所有者は違反金を払わなくても済む。

 そうそう。上述のとおりだ。
 金額については1万円てのもあるが、捨象しとこう。

 同庁交通部によると、6月から先月末までの3か月間の都内の取り締まり件数は12万9066件。うち運転者が出頭に応じなかったり、出頭が遅れたりして、車の所有者に違反金の支払いを求めたケースは、約70%にあたる約9万2000件。この中で弁明書が提出されたケースは約2000件で、「急な腹痛でトイレに立ち寄っていた」といった理由が大半を占め、「近くに駐車場がなかったから」といった言い訳もあった。

 ほぉ、70%か。国会答弁にあったと同じ割合だね。
 9万2000件中、弁明したのが2000件。てことは、約2.2%。
 これは、すごく多いよ!
 免停などの行政処分、駐禁レッカーに対する、行政不服審査法にもとづく不服申立は、ゼロコンマ
 また、『払いません。―ナンデ?モッタイナイ!』にも書いたように、青キップ、赤キップを切られて反則金も罰金も払わずに終わるケースは、おおよそ1.4%。
 弁明の約2.2%は、こういうものとしてはメチャ多いよ! 

 一方、ネット上の掲示板やブログでも、「ステッカーを張られた時は、腹痛のふりをして近くの会社でトイレを借り、既成事実を作ろう」「腹痛のまま運転することは、道交法の安全運転義務の規定に反するので、それを盾に抵抗しよう」などの書き込みが、コピーされて広がっている。

 へえ、どこの「掲示板やブログ」なんだろう。
 見てみたい。どなたか教えてください~。

 弁明で「正当な理由」と認められるのは、〈1〉盗まれた車が路上に放置されていた場合〈2〉災害で車を乗り捨てざるを得なかった場合――などに限られる。約2000件のうちこれに該当したのは売却後、名義変更が間に合わなかった車などを含め約100件程度だった。

 上記FAQの通達を見てね。

 交通部では、誤った情報が出回っていることについて、「摘発までの時間が短くなった分、2~3分で済む用事なら言い訳にならないと考え、『腹痛によるトイレ』なら、ごまかせると勘違いしている人がいるのでは」と指摘している。  (2006年9月19日14時38分  読売新聞)

 弁明でも不服申立でも、また、内容が何であれ、不服があるとき合法な手続きをきちんと踏む人が多いと、大量処理システムは麻痺するのだ。
 てか、そんな人の割合は極めて微少であろうことを前提に、システムはできあがっているともいえる。
 そして、極めて微少であることが、取り締まりが公正、妥当であることの証左とされていくのだ。

 ここで一番重要なのは、以下のことだ。

1、形だけ違反なら取り締まることができるのは、取り締まったあとに、迷惑性や違反の動機等について調べ、処罰する(カネを取る)かどうか、チェックするシステムが保障されているから。それは不可欠の前提である。

2、そのチェックのシステムなしにカネを取るなら、そもそも規制が合理的かつ最小限のものでなければならない。それは当たり前のことだから、警察庁も、合理的かつ最小限の規制とするよう、2本も通達を出している。

3、ところが、見直しはごく一部でしか行われていない。そして、こともあろうに、出頭して違反キップを切られ、迷惑性や違反の動機について主張・立証し、不起訴となっても、法律を見る限り(また警察庁の回答を見る限り)、車の使用者からカネを取ることになっている!

 つまり、もう迷惑性や違反の動機はカンケーねーよ、とにかくカネを取り、カネを取ることを民間(主に警備業界)に委託する(委託費を払う)んだよ、ニュー駐禁ビジネスを立ち上げたんだよ、そういうことなのである。

 じゃあ、どうすりゃいいのか。
 システム的には蹴られるとわかっている弁明でも、いや、そんなはずはないと誠意をもって、地道にやっていく、これだけの数の弁明が、しかもそれなりに真っ当な内容の弁明が、こんなにきてるぞ、という実績をつくっていくしかないんじゃないの?
 でもって、選挙の投票のとき、よくよく考える。
 そうでないと、国会、議員は動かない(動けない)、そういうもんだろうと私は思うけどね。

 まぁね、「掲示板やブログ」に何が書かれてるのか知らないまま、ものすごーく深読みの、つか妄想ぎみの憶測をしてみるとだよ、「トイレだとウソついて弁明すりゃ助かる」と喧伝している(あるいは、ありがちな噂を後押しする)者がいるとすれば、それは、「弁明なんぞするのはどうせそんな連中だ」「弁明してもムダ」というイメージを早めにつくり、ニュー駐禁ビジネスをスムーズに拡大したがってる勢力かも…なーんてね。

 弁明は全国でどれくらいなのか、警察庁に開示請求しとこう。

 ←2015年1月23日追記: 長きにわたり「社会・経済(全般)」のカテゴリーでやってきたが、前夜、「裁判」のカテゴリーを発見。知らなかった、そっちのほうが断然なじむじゃん! つーことでさっそく変更したっ。

 ※ 本日夜、新宿歌舞伎町のロフトプラスワンで、霞っ子クラブのイベントあり!

  2007年1月7日付記   弁明の大半が「腹痛で」という報道は、どうやら誤りであることがわかりました。警察庁のデータによると、6~8月の弁明受理件数、2290件のうち、「トイレ」は374件、16.33%にすぎず、最も多いのは「取締りに対する不満」で、792件、34.59%でした。

 ※ 2011年5月5日付記   国の弁明件数については『最新版 なんでこれが交通違反なの!?』に載ってます。

  2011年5月5日付記   「駐禁取締りは収益事業」をご参照ください。

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