DANCES with ORVIS
10時から地裁510号法廷で道路交通法違反の新件。
13時30分から地裁420号法廷で道路交通法違反の新件。
その間に高裁の開廷表で、手帳に★3個付きでメモしてある強盗殺人、たぶん朝日新聞が<<「福島で女性絞殺」4人殺害被告、控訴審で5件目供述>>と報じた事件の時刻を調べておき、傍聴。
という素敵なスケジュールを組んでいたのだが…。
いやいや待て待て、と考え直し、中津川簡裁のオービス事件の判決も、山崎松三裁判官はどんな顔で有罪判決を言い渡したのか見たかったのだが、思いきってパス。
なんもかも捨てて、ぽっかり空きの日をつくり、高尿酸血症の(つまり痛風の)薬が一昨日切れたので病院へ行き、久々の晴天の下、有酸素散歩約1時間。汗に濡れた衣類を洗濯。
そしてせっせとご相談等に対応…。
「寺澤オービス事件」の報道は、これ2件だけなのかな?
埼玉新聞は<<オービス誤作動認めず 被告への罰金支持 富士見の速度違反>>。
共同通信は<<オービス誤作動認めず 寺沢有被告への罰金支持>>。
埼玉新聞のほうには、
寺沢被告は交通行政の問題点や警察、検察などの不祥事を取材テーマにし、著書に「交通取り締まりのタブー!」(共著)「警察庁出入り禁止」などがある。
判決後「オービスはこれまで内容が全く検証、公表されていない。誤作動しないとする判決には無理がある」と話した。
とあり(太字は今井)、この事件の特殊性が少しは記されているが、共同通信のほうは、東京簡裁の道路交通法違反をぜんぶ傍聴している私からすれば、ありきたりな判決を報じただけ、何のニュース性もない。
記者はもっとちゃんと書いたのに、配信の係が切っちゃったのかな。
「寺澤オービス事件」のニュース性は、一審で、博士号を持つ学者が2人も証人出廷したこと(これはたぶん本邦初)、弁護側の学者証人は「オービスはエセ計測器」と断じ、検察側の証人でさえ「100%正しいとは神様でないと言えない」と述べたこと、そして、高裁判決後の記者会見で弁護側の学者証人(大槻義彦教授)が、「オービスは科学的検証が一切為されていない」旨、くり返し力説したこと、などだと私は思うのだが…。
ネットでは、
「誤測定があったことは被告人側が立証しなければならない」
と、まるでそれが決まり(文部省の教科書に書かれている社会の決まり事)であるかのように書かれていたりする。
なんてこった。
最高裁のホームページから、一部引用しとこう。
刑事事件においては,「疑わしきは被告人の利益に」の原則が貫かれていますから,まず,検察官が,証拠によって公訴事実の存在を合理的な疑いを入れない程度にまで証明するための立証活動をしなければならないわけです。
検察官側の立証に続いて,反対当事者である被告人側の立証が行われます。この立証は,裁判官に対して,公訴事実の存在につき,検察官の立証が合理的な疑いを入れない程度にまでは証明されていない,と考えさせるだけで十分であり,それ以上に,公訴事実が存在しないことまで証明する必要はありません。
ところで、散歩しながら思った。
大槻教授は、「オービスは科学的検証が一切為されていない」旨あれほど力説したけれども、警察・検察にとっては屁でもないのかもしれない。
なぜなら…。
オービスは計量器ではない。速さ計でも、時間計でもない。
オービスは、犯罪の証拠を得る目的だけの特殊な装置なのだ。
したがって、そもそもオービスに科学的検証など不要。オービスは科学とは無縁…。
なーんてことを、毎日毎日考えている。
私はオービス裁判を、百何十件か傍聴してきた。回数だと何百回にもなる。
オービスについてのご相談は多く、「オービス」というタイトルのB5サイズ100枚収容の26穴ファイルが8冊、「オービスⅢLk」に限定したファイルが1冊、「高速走行抑止システム(三菱RS-2000)」のファイルが3冊(うち1冊は200枚収容)にもなる。
『ダンス・ウィズ・ウルブス(DANCES with WOLVES)』という映画があったが、さしづめ私は「DANCES with ORVIS」か。
まだまだ踊り足りないぜ。
おお、なんか格好いいぞ。がはは。
そういえば、『燃えよ!カンフー』(若い頃のチョー有名俳優がごろごろ出演してるよ)で、盲目の老師が、言ったっけ。
「ケインよ、ドラゴンと果てしなく闘う者は自らもまたドラゴンとなるのだ」
燃えよ ! カンフー 1stシーズン DVDコレクターズBOX 〈6枚組〉 販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ |
「今井よ、オービスと果てしなく闘う者は、自らもまたオービスとなるのだ」
意味わっかんねーよ。
第2話「手裏剣が誤測定の嵐をよんだ」
第3話「呪いのループに人が踊った」
第5話「風塵が因習の谷に無罪をよぶ」
第8話「司法の誉れは臆病風に舞った」
第11話「ガンマンはストロボに泣いた」
第15話「首都高に響く復讐の叫び」
第16話「絞首台をかざった偽りの測定」
第19話「面子は裁判官の心を縛った」
『燃えよ!オービス』…と言ってみる。
人気blogランキング ← 10月25日23時35分現在、週間INが690で、順位は19位だよ~♪
« 無実の証拠があるのは極めて例外的で特殊なケースだから… | トップページ | 所持金なしの被告人に地下鉄の切符をカンパしたよ »
「オービス(RS-2000)」カテゴリの記事
- 川越ホームラン劇場、閉館直前の豪華上映作品!(2024.06.17)
- 三菱が速度取締りから撤退の根拠(2018.06.16)
- 11月11日(火)10時、札幌高裁、原審無罪のオービス事件、控訴審第1回!(2014.11.10)
- 三菱オービス裁判、メーカー社員尋問をしないって!(2013.11.13)
- 中国人も陰茎を露出するのだ(2009.09.11)
「オービス(オービスⅢ)」カテゴリの記事
- 速度違反、「またかよ!」な話(2024.07.03)
- 最小限の証拠で有罪にするのが美しい司法だ?(2024.06.25)
- ぶっ飛び判決、首都高55キロ超過に懲役3月、執行猶予2年!(2024.05.08)
- 「道路交通法違反」3件、驚いた!(2023.09.28)
- 精神疾患に苦しむ被害者の弱みにつけ込んで(2023.03.03)
最近のコメント