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2006年10月15日 (日)

オービス無謬神話のカラクリ

061015__2  これまでのオービス裁判(測定値を否認する裁判)は、無実の明白な証拠があるケース1件を除いて、なぜ全件負け続けてきたのか。

 ややこしいことを考え続けていると、そのうち頭がすっぽーんとなって真実が突然明瞭に見える、という定理があるように(あるのか?)、私も見えた…ような気がする!
 以下、ごくごく簡単に。

 ほとんどすべての被告人は、要するにこんな争い方をしてきたのだ。

 当時自分の速度は×キロだった(A)。
 オービスは○○などが原因で誤測定したのだろう(B)。

 Aをブチ崩すには、どうすればいいか。簡単だ。

 なぜ「×キロだった」と言えるのか、いつどこで速度計を見たのか見なかったのか、当時の自車の走行状況、周囲の車両の状況等々を、あらゆる角度から徹底的にしつこく何度も何度も問いつめるのだ。
 そうして、齟齬や矛盾を見出せたような形、をつくるのだ。
 それによって、まずAについて、「被告人の説明は信用できない」とするのだ。
 これはもう、確立された方法論かと思われる。

 次に、B。
 東京航空計器のオービスⅢの場合でいうと、ほとんどの被告人は、
「ループコイルの測定(車両感知)時に、何かあったのだろう。車両の通過速度を誤って検知したのだろう」
 と想定する。
 そうして、ああではないか、こうではないか、と言う。

061015__4  そんなの、
「オービス様、どうぞお勝ちください」
 と言ってるに等しいんじゃないか。

 画像上は、オービスⅢの「原理と取扱要領」の表紙。
 これ、よく法廷に出てくる「原理説明資料」の、もすこし詳しいものだ。
 画像下は、その1ページと2ページの一部。
 2ページの下、⑤を見てほしい。
 「原理説明資料」にも同じ記載がある。
 
 これにより、
「オービスⅢは、車両がストップループを通過した直後、タイマーを作動させ、その速度でちょうど撮影ポイントにさしかかったときに、シャッターを切る。ループが誤測定していれば、撮影ポイントでは撮影されない。たとえばループは150㎞/hと測定したのに、実際の速度が100㎞/hなら、車両は撮影ポイントのだいぶ手前で写ることになる。本件写真は、ちょうど撮影ポイント(付近)で撮影されている。ループは正しく測定したのだ」
 とされてしまうのだ。

 毎度毎度、裁判官も書記官も検察官も、そして傍聴人も同じ法廷へ、次から次へと見知らぬ新しい被告人がやってきて、みーんな同じように負けて去っていく…。
 と以前から私は言ってきたが、まさに、上記“ツボ”に嵌っていたのだ。

 じゃあ、どうすりゃいいのか。
 今年3月の、秋田の控訴棄却判決も関係する。
 …のだが、そこはまた別の機会に。
 16日(月)の夜は、新宿ロフトプラスワン裁判傍聴のイベントがあり、それまでに仕上げなきゃいけない原稿が2本あり…。

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