オービス無謬神話のカラクリ
これまでのオービス裁判(測定値を否認する裁判)は、無実の明白な証拠があるケース1件を除いて、なぜ全件負け続けてきたのか。
ややこしいことを考え続けていると、そのうち頭がすっぽーんとなって真実が突然明瞭に見える、という定理があるように(あるのか?)、私も見えた…ような気がする!
以下、ごくごく簡単に。
ほとんどすべての被告人は、要するにこんな争い方をしてきたのだ。
当時自分の速度は×キロだった(A)。
オービスは○○などが原因で誤測定したのだろう(B)。
Aをブチ崩すには、どうすればいいか。簡単だ。
なぜ「×キロだった」と言えるのか、いつどこで速度計を見たのか見なかったのか、当時の自車の走行状況、周囲の車両の状況等々を、あらゆる角度から徹底的にしつこく何度も何度も問いつめるのだ。
そうして、齟齬や矛盾を見出せたような形、をつくるのだ。
それによって、まずAについて、「被告人の説明は信用できない」とするのだ。
これはもう、確立された方法論かと思われる。
次に、B。
東京航空計器のオービスⅢの場合でいうと、ほとんどの被告人は、
「ループコイルの測定(車両感知)時に、何かあったのだろう。車両の通過速度を誤って検知したのだろう」
と想定する。
そうして、ああではないか、こうではないか、と言う。
そんなの、
「オービス様、どうぞお勝ちください」
と言ってるに等しいんじゃないか。
画像上は、オービスⅢの「原理と取扱要領」の表紙。
これ、よく法廷に出てくる「原理説明資料」の、もすこし詳しいものだ。
画像下は、その1ページと2ページの一部。
2ページの下、⑤を見てほしい。
「原理説明資料」にも同じ記載がある。
これにより、
「オービスⅢは、車両がストップループを通過した直後、タイマーを作動させ、その速度でちょうど撮影ポイントにさしかかったときに、シャッターを切る。ループが誤測定していれば、撮影ポイントでは撮影されない。たとえばループは150㎞/hと測定したのに、実際の速度が100㎞/hなら、車両は撮影ポイントのだいぶ手前で写ることになる。本件写真は、ちょうど撮影ポイント(付近)で撮影されている。ループは正しく測定したのだ」
とされてしまうのだ。
毎度毎度、裁判官も書記官も検察官も、そして傍聴人も同じ法廷へ、次から次へと見知らぬ新しい被告人がやってきて、みーんな同じように負けて去っていく…。
と以前から私は言ってきたが、まさに、上記“ツボ”に嵌っていたのだ。
じゃあ、どうすりゃいいのか。
今年3月の、秋田の控訴棄却判決も関係する。
…のだが、そこはまた別の機会に。
16日(月)の夜は、新宿ロフトプラスワンで裁判傍聴のイベントがあり、それまでに仕上げなきゃいけない原稿が2本あり…。
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