フォト
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« 第2次Nシステム訴訟 お知らせ | トップページ | 酔って記憶のない傷害 罰金50万円 »

2006年10月12日 (木)

酒気帯び運転は過失犯を処罰しない

田川市議酒気帯び摘発 議会撲滅決議提案者の1人
 福岡県田川市の50代の男性市議=4期目=が道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで田川署に摘発されていたことが、11日分かった。飲酒運転による福岡市の3児死亡事故を受け、田川市議会は9月22日に飲酒運転撲滅決議を可決したばかり。この市議も提案者の1人で「酔いはさめたと思っていたが、軽率だった」と話している。
 調べでは、市議は4日午前4時ごろ、同市内で酒に酔った状態で軽乗用車を運転した疑い。前照灯が暗かったためパトカーに停車を求められ、呼気1リットルから0.15ミリグラム以上のアルコール分が検出されたという。市議は「前夜、自宅で焼酎を1合半(270ミリリットル)ほど飲み、午後9時ごろ寝た」と説明。外出したのは、車が故障した知人に呼び出されたためという。
 同市議会の田丸雅美議長は「何の報告もない。飲酒運転撲滅を決議した本人が飲酒運転をし、市民にどう説明したらいいのか」と憤った。市議は「所属する党に進退伺を出す」としている。

061011  と06年10月12日付け西日本新聞朝刊。
 世間的、世論的、マスコミ的には、
「フザケんな! クビだぁっ!」
 なのかもしれないが…。

 どうもわからない。
 飲酒運転がこれだけ社会問題になってるけど、酒気帯び運転(制令値酒気帯び)には過失犯の処罰規定がないこと、どれだけの人がわかってるんだろう。

 酒気帯び運転つーのは、酔ってる必要はない。
 体内に制令値(施行令44条の3)以上のアルコールを保有してること、それ自体を違反とするのだ。
「前夜(つか前夕)、晩酌を少しやり、風呂に入って布団でたっぷり寝た。朝起きて、酒が残ってる感覚はまったくない。すっきり爽やか。酒気帯び運転になるとは露思わなかった」
 だけども、なぜか、体内に政令値以上のアルコールを保有している、ということもあり得る。

刑法第三十八条  罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。

 「特別の規定」とは、過失犯でも処罰する規定だ。
 酒気帯び運転には、その規定がない。
 『執務資料道路交通法解説13-2訂版』には、こんな判例が紹介されている。太字は今井。

 酒気帯び運転の罪の故意が成立するためには、行為者において、アルコールを自己の身体に保有しながら車両等の運転をすることの認識があれば足り、同法施行令第44条の3所定のアルコール保有量の数値まで認識している必要はないとした原判断は、相当である。(昭和52年9月19日 最高裁)

 運転するに当たって、アルコールを自己の身体に保有しているとの認識がなければ、酒気帯び運転の罪の故意は成立せず、したがって犯罪とはされないのだ。
 これは当然だろう。
 もちろん、大酒を飲んでおいて、「認識がなかった」と言っても通用しない。
「関係証拠上、また社会通念上、認識がなかったというのは刑責を逃れるための虚偽の弁解と認められる」
 とか断罪されるだろう。

 そうしてみると、冒頭記事の市議の場合、

・1合半というのは本当なのか
・焼酎といっても20度なのか35度なのか
・何時から何時にかけて飲んだのか(寝際にストレートでイッキ飲みしていないか)
・肝臓など体調はどうだったか
・0.15mg以上とは何mgなのか
・そしてそもそも、酒気帯び検査は適切に行われたのか、機器の保管状態はどうだったのか
・現場で市議が「こんな数値はおかしい」と言ったためさらに2~3回検査してそれでも0.15mg以上ということはあったのかなかったのか

 という疑問がわいてくる。
 そんなことを考える者はなく、あるいは、考えようとすれば、
「世間がこれだけ飲酒運転の撲滅に必死になってるのに、貴様は水を差すのか!」
 と誹られ、福岡、飲酒、飲酒運転撲滅を決議した本人、という要素だけで盛り上がってる、ような臭いが感じられてならない。

 そういったあり方で、
「0.15でも出たらソク懲戒免職」
 と早々決める自治体は、相当危ういというか、もともとヤバイ自治体なんじゃないか。

 さて、11日(水)16時、今月末頃発売の雑誌のための7本目の原稿を送信。
 寝るか原稿書くかどっちか、の日々は苦しく、曇天だったが直ちに有酸素散歩1時間以上。
 その勢いで、久々に当ブログの背景を変えてみた。どうでしょ。ダメ?

 これから数日、溜めてたご相談対応をイッキにこなし、裁判所へ通い、すぐに次の締切り。
 16日(月)は新宿ロフトプラスワンで、裁判傍聴のイベントがあるんだった。

 ※ 画像は「北川式呼気中アルコール感知器(PAC-400S9」の取扱説明書の一部。香川県警が「光明理化学工業株式会社大阪支店」から購入したもの。契約書によると1本当たり1万8375円。これ、欲しいよねぇ。

Banner_02_2 人気blogランキング ← 12日(木)9時10分現在、週間INが590で、15位。イッキに落ちたねぇ。なんか悲しいので、ぽちっとお願いしますぅ♪

« 第2次Nシステム訴訟 お知らせ | トップページ | 酔って記憶のない傷害 罰金50万円 »

交通/飲酒運転」カテゴリの記事