こそこそせず、胸を張って生きるんですよ!
11月2日(木) その1
東京簡裁・刑事1室2係(横川保廣裁判官)826号法廷。
9時55分から、窃盗の判決。
被告人は身柄(警察留置場)。太って背の低い女性。若そう。
傍聴席に母親らしき女性。
歌舞伎町の某ホテル505号室で明け方3時45分頃、ソファにあった男性のズボンのポケットの財布から現金13万円を窃取したというもの。
示談が成立し、両親が監督を誓い、前科・前歴なし。
ホストクラブ通いは、もうヤメるのだという。ええっ、ホ、ホストクラブ…!?
懲役1年4月、執行猶予3年。訴訟費用は負担させない。
そして10時00分から、道路交通法違反の新件。
被告人は身柄(警察留置場)。33歳。元塗装工。住所不定・無職。
容疑は無免許。自白。
窃盗前科2犯、建造物侵入前科1犯、住居侵入前歴1回。
18歳のとき運転免許を取得したが、更新しないま失効。
前の勤務先の会社(新宿区内?)のトラックが、盗まれて国立市内(?)にエンジンキーをつけたまま駐車しているのを見つけ、ドライブしてから返そうと運転。
パトカーから停止を命じられて無免許が発覚。
母親と姉がいるが、母とは10年以上会っていない。
母親を情状証人に呼ぶか、弁護人から問われたが、断った。
今後、母親と接触するつもりはない…。
新江正治検察官が、こう問うた。
「大切なもの、あるか。守らなきゃいけないものが、ありますか?」
「そういうのはないんですけど」
「お金に困ったら、また窃盗やっちゃうとか、ないか」
「そういうことは、したくないんで、はい」
「支えになってくれる人がいないと、風来坊になっちゃう」
「絶対しません」
「最も大切なものが、あるんですよ!」
「……自分自身…」
「そうです! 無免許なんて、こんなものは、免許とればいいんです! ちょっと苦労して免許を取れば。ちょっとは努力しなさいよ!」
「…………」
「私なら、人の車に乗ってドライブ行きたいなーなんて、とてもできない! あんた、なんでできるの?」
「…………」
「そこが、規範意識が弱いというんですよ!」
「…………」
「なんで他人の車を!」
「…………」
「ハードルがあるでしょ、そこには! あなた、簡単に飛び越えてる! なんでかと訊いてる!」
「……会社の車で……」
「もう辞めた会社でしょ! 堂々と生きるんだよ! 胸張って生きるんですよ! こそこそしてるんじゃないんだよ!」
なかなか聞き応えがあった。
こういうの、地検の若造検察官が言っても、「エリート坊ちゃんが何言ってやがる」と聞こえがちだが、新江さんくらいだと似合う。
被告人質問の枠を飛び越えちゃってると思うが、刑事司法の目的に照らせば、その程度は良かろうと思う。
ただ、オービス事件がねぇ…。
バカげたオービス無謬神話を維持し続けてることが、非常にわかりやすく、検察の威信、威厳をぐずぐずにしてると思うんだけど…。
直ちに判決。
求刑どおり罰金20万円。
未決勾留期間の1日を金5000円に換算し、その刑に満つるまで算入する。
訴訟費用は負担させない。
前の窃盗に続き、この被告人も勾留場所が警察留置場だから、その場で解放され、自力で警察署へ荷物を取りに行くことになる。
ジャージ姿でビニールのスリッパを履き、裁判所から出て行く者が、1日にたぶん何十人かいるわけだ…。
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