痴漢冤罪? 泣きじゃくる妻
11月30日(木) その4
2件目の殺人と同じ高裁法廷で、小西秀宣裁判官が小川正明裁判官に交替し、強制わいせつの判決。
えっ? 弁護人が5人?
電車内での痴漢の、否認事件か?
そのとおりだった。
05年4月18日午前7時47分から同7時48分にかけて、16歳の女子高校生に対し、手指をパンツに差入れて臀部を触る等した、やってない、事実誤認だ、という事件。
「パンツ」ねぇ。
成人女性の下着を裁判所は「パンティ」と言う。
「パンツ」と「パンティ」、その分け方に、裁判官という人種の、女性下着観ないし女性観を感じたよぅ。
いや~、これは、たまげた。
主文は、本件控訴を棄却する。
痴漢行為をしている、まさにその手を、女子高生に掴まれたのだ、という認定をもとに、他のさまざまなことをぜーんぶ切り捨てるのだが、そもそものその認定をした途端、弁護人が全員、のけぞった。
傍聴席の私の左斜め後ろに、被告人の奥さんらしき小柄な女性がいて、判決理由が告げられる間、ずっと泣いていた。
言渡しが終わりに近づくにつれ、泣きじゃくり、になった。
言渡しが終わってからは、ほとんど声を出しそうに泣いていた。
いちばん驚いたのは、さっきの殺人のときは淡々としていた河辺義正裁判長が、この強わい事件の判決では、もんのすごく力を入れて、声を張り上げんばかりだったことだ。
東京簡裁、地裁、高裁の法廷では、じつにいろんな事件が審理されているが、あんなに叫ぶような判決を、少なくとも私は聴いたことがないよ。
痴漢行為をしている、まさにその手を、女子高生に掴まれたのだ、という認定には、よっぽど無理があったんだろうか、ちらっと判決を傍聴しただけの私だけど、ドキドキしながらそう感じたよ。
原判決は、懲役1年10月の実刑だそうだ。
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冤罪の構図 著者:江川 紹子 |
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