駐車監視員のストレス
警視庁の今年度の確認事務、つまり駐禁取締りの民間委託の契約は、14区(14契約)、43警察署の管轄で行われた。
来年度の契約は、未確認の情報だが、5区(5契約)、9署、増えたらしい。
日経新聞によると、愛知県では「豊橋市など県内数カ所に拡大される見通し」という。
ただまぁ、警視庁の今年度の確認事務は07年3月末までだが、なぜか愛知県は07年9月末まで。したがって、愛知県の入札はまだ先になると思われる。
ところで、駐車監視員個人の人格や資質、ある警察署に配属された集団の雰囲気ないし意欲、各統括責任者の人柄や方針、各署の担当警察官の人柄や方針…これらは、当然のことながら、さまざまらしい。
とくに、新制度の末端といえる駐車監視員は、善良な運転者から誹(そし)られ恨まれる確認事務(ニュー駐禁ステッカーの取付け。要するに取締り)は、なるべくしたくない、という人もいれば、えげつなく数を稼ごうとする人もいるらしい。
前者の人がストレスを感じて辞めてしまうようでは困る。
かといって、駐車監視員が“善悪”を判断するのが当たり前になるのも如何なものか。
後者のやり方がまかりとおるようになると、確認が不十分になる等して、トラブルが増える。後処理に手間がかかる。
駐車監視員は、巡回計画にしたがって巡回し、放置車両を見つけたら、十分な確認をして粛々とステッカーを取付けていく、それでいいのだ。
ただし、それで善良な運転者から誹られ恨まれることがないためには(=善良な駐車監視員がストレスを感じないためには)、そもそもの規制が、合理的かつ必要最小限でなければならない。
これは当然のことであり、ゆえに警察庁は、
04年1月15日発出「きめ細かな駐車規制の実施について」
06年1月24日発出「更なる駐車規制の見直しの実施について」
という2本の通達を出している。
その「見直し」がほとんど行われていないことが、諸悪の根元なのだ。
しかし、「見直し」がしっかり行われれば、違法駐車は激減してしまう。
駐車してもとくに迷惑はなく、駐車需要がある場所、における短時間の駐車が、違法でなくなってしまうからだ。
残る迷惑駐車をびしびし取り締まれば、違法駐車はほとんどなくなってしまうだろう。
そうなってしまっては、ニュー駐禁ビジネスは成り立たない…。
ジレンマである。ってこういうのをジレンマっていうのか?
という結論へ、新制度について語れば、必ず行き着く。
そのことを、当ブログにも雑誌にもさんざん書いてきたし、テレビのVTR撮りでもさんざん言ってきた。
でも、どうも、なんつーか見向きもされないような…。
世間は、
違反かどうか、
お目こぼししてよ、ダメだよ、
そのあたりにしか興味がないような…。
酒気帯び運転も、あれだけ厳罰化だのイッパツで懲戒免職・解雇だの(その善悪は別として)騒ぐのに、そもそもの呼気検査の信頼性については、だーれも見向きもしない。
「検査の手順を知らない運転者に対し、警察官が一方的に、1度だけしか検査しないのは、マズイんじゃないか。3回やって中間値、平均値をとるとかすべきじゃないのか」
と言ってるのは、どうも私だけのような…。
« 執行猶予つき罰金刑! | トップページ | 酒気帯び検査の記録紙を毀棄すると… »
「駐車違反/民間委託後」カテゴリの記事
- 駐禁の違反金滞納、フィギュアを差し押さえ(2019.01.11)
- 放置違反金、滞納処分と報道宣伝(2018.10.20)
- 駐車監視員制度、お祭りの初日!(2018.07.02)
- 湾岸署の取締件数にびっくり!(2017.03.07)
- 放置違反金、10年間で2166億4520万1844円!(2017.01.18)
最近のコメント