『神戸大学生リンチ殺人事件』
首長への賠償請求権、議会が放棄 住民訴訟を骨抜きに
2006年11月20日15時04分
汚職事件や不適正な支出で自治体に損害を与えたとして、住民が首長に賠償請求訴訟を起こした後に、議会が賠償請求権を放棄――。そんな事例が各地で起きている。「請求権は消滅した」と判断され、逆転敗訴した例も。「住民訴訟制度を骨抜きにしかねない」と関係者らは12月17日、東京・神保町の専修大学でシンポジウムを開く。
と朝日新聞。上掲記事はその一部。
画像は、上下とも警視庁(警視総監)から開示された文書。
これねぇ、黒木昭雄さんの近著『神戸大学院生リンチ殺人事件―警察はなぜ凶行を止めなかったのか』の、とくに「第三部 裁判」とあわせて読むと、面白さというか問題性が10倍になる。
自治体の首長や構成員の違法な行為により生じた損害、それを自治体に取り戻させる、という裁判を住民が起こすと(住民が勝ちそうになると)、自治体は損害を取り戻す権利を放棄しちゃう。
ところが、警察の犯罪的ともいえる不作為によって生じた損害、それを賠償するよう警察に求める裁判を被害者・遺族が起こすと、警察(被告は自治体首長)は、謝罪をひるがえし、1円も払うまいと徹底的に争う。
いま、「ところが」でつないだが、本当は「したがって当然」でつなぐべきなんだよね。
両方とも、「責任を取りたくない」「身内を守りたい」というところが共通する。
公務員がとんでもなくバカなことをやって、住民に損害を与えた(殺させてしまった)。
役所としても謝罪せざるを得なかった。
しかし、口では謝罪して頭を下げるものの、絶対に賠償しない。
賠償を求められると、税金(裁判費用)をたっぷりかけて徹底的に争う。
そんな争いができるのは、議会が機能していないから。
いつものその構図を、実際の身の毛もよだつ事件をとおして、見せきった。
それが、黒木さんの本だ。
まぁ、読んでみてくださいよ。ぶったまげますよ。
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神戸大学院生リンチ殺人事件―警察はなぜ凶行を止めなかったのか 著者:黒木 昭雄 |
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