否認されて処理が長引いてはノルマ消化に支障が…
何年か前、交通違反のもみ消しのことで、ある元警察官氏と東京駅構内で密会し、
「もみ消してやった相手が、今度は覚醒剤とかで捕まりそうになり、もみ消しをネタに、覚醒剤の検挙から逃れようとする、そんなことがあるんだよ」
という旨の話を聞いたが…。
交通違反切符、その場で警察官に頼んだら軽くなった
交通違反で摘発したドライバーから現場で頼まれ、違反切符を反則金額の低い違反をしたように偽造したとして、警視庁は10日、玉川署地域課の巡査部長(53)と、蒲田署地域課の巡査部長(49)の2人を虚偽有印公文書作成などの疑いで書類送検した。
同庁はそれぞれ減給3か月(10分の1)と同1か月(同)の懲戒処分にするとともに、玉川署の地域課長(55)ら上司3人を所属長注意などとした。玉川署の巡査部長は同日付で依願退職した。
調べによると、玉川署の巡査部長は今年7月26日、東京都世田谷区で、トラックを道交法違反(一時不停止)で摘発した際、運転者の男性(56)から頼まれ、免許証不携帯の違反切符を作成して渡した疑い。一時不停止の反則金は7000円で、減点は2点だが、免許不携帯の場合、減点ゼロで反則金は3000円になる。
男性が反則金を金融機関で納付しようとしたところ、必要書類の一部がなかったことから、男性が玉川署に苦情を訴えて発覚した。
その後の調べで、この巡査部長は蒲田署勤務当時の一昨年12月にも、同僚の巡査部長と踏切通過違反でトラックを摘発した際、免許証不携帯の違反切符を作っていたことがわかった。
玉川署の巡査部長は「違反者から強く頼まれ、このままでは違反の事実を否認されて処理が長引くと思った」と供述しているという。 (2006年11月11日0時2分 読売新聞)
この記事、免許不携帯のほうが反則金額が低いことが最初にきているが、4000円の差などどうでもよくて、重要な違いは、免許不携帯には違反点数が付されないことだ。
「点数が付されずにすんだ。よかった。しめしめ」
と運転者は思うだろう、と思ったら大まちがい。
引っ込まない運転者もいるわけだ。
「必要書類の一部」って何だろう。
たしか3枚くらいで1セットの反則金納付書の、1枚が欠けていた?
そんなことは考えにくい…。
反則金納付書を交付し忘れたのだろうか。そういうことはたまにあるらしいが…。
ともあれ、
「違反者から強く頼まれ、このままでは違反の事実を否認されて処理が長引くと思った」
これだよ。
なんと正直なことを…と思う。
交通取締りなんて、ま、全部が全部とは言わないまでも、現場にとってはノルマ消化でしかないわけで、たかが1件に手間をかけていられない。
運転者は、どんなにムカついても、とっとと違反キップ(の供述欄に)署名・押印してくれ、とっとと反則金を払ってくれる、そうでなければノルマ消化は成り立たないのだ。
これもまた数字競争、実績競争の…だよね。
それにしても、なんでまた「虚偽有印公文書作成などの疑いで書類送検」にまで発展したのか。
「一時不停止は現認が完全とまで言えなかったが、免許不携帯の事実はあると認められた。運転者は現場で、免許証は忘れたと言い、事実、免許証を提示しなかった」
と、丸くおさめることもできたろうに。
そこまでやらなくても、
「違反者から強く頼まれ、可哀想に思ってしまった」
というだけの弁解でもいいのに。
そういう報道は、警視庁神田署でも、富山県警牛久署でもあるのに。
その運転者が、そうはさせない人物だったのか。
あるいは、そんなこと、上司の指示でみんなが日常的にやっていて、その巡査部長だけが尻尾切りされたのか。
交通違反以外の何かが、裏にあったのか。
その巡査部長が、警察がもうイヤになっていたのか…。
高速道路では、スピード違反の容疑で停車させ、運転者の様子(「善良な運転者のようだ」とか「スピードだと否認しそうだ」とか)をみて、通行帯違反(追越しのためでないのに追越車線を走り続けた)で青キップを切る、ということが、たいへんよくあるようだ。で、
「走行車線は車が連なっており、安全な車間を空けて走行車線へ入ることができなかった。それでも違反になるのか」
と、運転者から私のほうへご相談が寄せられる。
そんなのは違反にならない。構成要件に該当しない。
だけど、「虚偽有印公文書作成などの疑いで書類送検」にまで発展することは、ちょっとあり得ない…。
それを思うと、読売新聞の上掲報道は、ますます不可解な事件だ。
ついでに、もすこし報道を紹介しとこう。
「過料を課すだけ課し、徴収できない韓国政府」と朝鮮日報。
「違反者が罰金を払わなくても、加算金が課せられない過料に変わるだけで」
とあるが、「過料」(俗称あやまちりょう」とは、「科料」(俗称とがりょう)と違って、行政上のペナルティでしょ。
つまり、韓国は、刑事罰から行政罰へ変わるわけ?
日本は、反則金(行政上のペナルティ)を払わずにいて、結局ペナルティを受けることになる場合、罰金(刑事罰)になる。逆じゃん。
へんなにょ。
「わがまま運転手に対し、強情警備員がとった驚きの行動とは…?―北京市」とRecord China。
一瞬、駐車監視員がとんでもないことをやったのか!? と思ったらそうじゃなかった。
このサイト、写真を販売するんだねぇ。へえ、そんなやり方もあるんだ。
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