飲酒ひき逃げ厳罰化 それでいいのか…
飲酒運転、同乗も懲役 ひき逃げ厳罰化 道交法改正試案(朝日新聞)
道路交通法改正試案:飲酒運転、ひき逃げ厳罰化(毎日新聞)
飲酒運転の罰則強化、酒の提供は同罪…道交法改正案(読売新聞)
これまで、酒に甘い文化? そういうのがあったんだと思う。酒を飲み終え、
「違反だからな~、大丈夫かぁ? 気ぃつけて帰れよぉ」
「だぁーいじょぉぶ。素面(しらふ)のときより気ぃつけて帰っから」
みたいな。
参加者の多くが車を運転して来るのに、酒をふるまう伝統行事もあったような。気をつければ大丈夫。滅多に捕まらない。事故ることは、さらに滅多にない。
そういうなかで、飲酒運転は蔓延していたというか、延々とあったのだ。かく申す私も昔は(四半世紀以上前は)、しょっちゅう原付バイクで飲酒運転をしていた。
道路交通法 第65条
第1項 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
第2項 何人も、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
第2項には、これまで罰則がなかった。
罰則を設ければ、周囲の者は無責任でいられなくなるわけで、飲酒運転抑止の効果はそれなりにあるんだろうと想像できる。
しかし、なんだかなぁ、こんなことでいいのかなぁ…という思いを禁じ得ない。
第一に、社会全体、国民全体が(たぶんマスコミにあおられて)、悪い奴はやっつけろ! ぶっ殺せ! 的なムードになってるなかで、警察が持ち出してくる厳罰化…。どうもそんなものを私は感じ取り、そのこと自体に、なんともいえない嫌~な感じを受けるってことがある…。
上記朝日新聞の記事に「ひき逃げ事件は、01年の改正後も5年間で約2割増えた。こうした現状を受け…」とある。
ええっ? と私は思う。5年間? なぜ10年間をふり返らない?
10年間をふり返れば、00年、01年あたりを境に、ひき逃げは、「約2割」どころじゃなく、爆発的に増えたことがわかる。
その頃、何があったのか。そのあたりから、飲酒運転、飲酒事故の厳罰化が叫ばれるようになったのだ。
もひとつ、忘れてならないのが、99年秋頃以降の、警察犯罪・不祥事報道の続出だ。
つまり、警察への信頼が大きく失われ、厳罰化の声が大きくなった頃から、ひき逃げは激増したのだ。3倍くらいになった、と言ってもいいんじゃないのかな。
ひき逃げが増えた原因を考えず、「約2割増えた」とだけと言い、さらなる厳罰化を…。そんなんでいいのかと、言いたくもなるってもんでしょ。
私は裁判所へ通いまくり、主に交通違反の裁判を傍聴しまくってきた。全部で500件を超える。
交通違反のご相談対応は、新件だけで軽く4000件を超える。
「あんた、それやったらアウトじゃん。捕まってから、免許取消を食らったら仕事をクビになるとか、刑務所へ行きたくないとか、そんなこと言ったって遅いよ!」
ということを、やってしまう人は、これはもうどうしようもなく、一定数いるのだ。
人間とは、そういうものなんだな、誰しも(私も)そういう面を抱えているんだなと、しみじみ思えてくる。
そういう者への処罰をいくら厳しくしたって、マスコミが大騒ぎする酸鼻な事件は必ず起こる。
究極の厳罰は死刑だが、死刑があるから殺人事件は起こらないか?
あと、前々から私は言ってるけれども、そこまで厳罰化するにあたり、酒気帯び検査は、あれでいいのか。
何も知らない運転者に、警察官が一方的に1回だけ行う酒気帯び検査。
「おかしい! そんなはずは絶対ない。もう1回やってくれ!」
と運転者が言っても、警察官は絶対応じない。
厳罰化するなら、3回検査して平均値、最低値を取るとか、可能な限り血液検査もするとか、それくらいのことは、厳罰化するなら(しなくても)当然に必要ではないのか。
でも、そんなことは(私以外)誰も言わない…。
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