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2006年12月27日 (水)

紙の試験に勝ち上がってきただけのエリート坊ちゃん?

 風呂で週プレ12月25日号を読んだら、「事故って逃げて社員を身代わりにした事件の判決」の記事があった。
 判決は12月26日と書いてあった。
 はは~、そういうこともあって傍聴人が詰めかけたのか。
 つかそれ以前に法廷狭すぎ。傍聴席少なすぎっ。

 週プレの記事によると、田中節夫・元警察庁長官が、被告人のために裁判所へ上申書を出してたんだという。
 田中さんといえば、元交通局長じゃん。
 道路交通法改正法案の審議における国会答弁、傍聴したことあるっけ。

 記事によると、判決期日は元々は12月15日だったのが、11月29日に弁護人から変更の請求があり、それが12月5日に認められ、それで12月26日になったんだという。
 え? 判決を傍聴していた友人は、被告人の前刑(大麻)の執行猶予期間は、今回の判決の数日前に終わったようなことを言ってた。
 もしそうだとすると、弁護人は、それを狙って期日変更の請求をした?

 でもね、もしももしもそうだとしても、やっぱねぇ、だからおかげで執行猶予がついた、てことはないんじゃないのかねぇ。
 裁判所も、いくらなんでもそんなことはしないだろう。
 じゃあ、名張毒ぶどう酒事件で、検察官の異議を容れて再審退けたのは、なぜか?
 いくらなんでもの、そんなことを、裁判所はしたじゃないか?
 いや、あれとこれとは趣(おもむき)が異なるでしょ。
 日本の刑事裁判には、「自白は証拠の王」「(有罪・無罪の認定に関して)疑わしきは検察の利益に」という原則があるわけだし。
※ 再審で無罪になるのは、ラクダが針の穴をとおるようなもの。という喩えでいえば、再審でない場合の無罪は、猫が針の穴をとおるようなもの、実刑でもおかしくない被告人が執行猶予をとるのは、若干太めの糸が針の穴をとおるようなもの、じゃないのかな。

 今回の判決は、前刑の執行猶予期間が明ける前だったとしても、執行猶予だったんじゃないのか。
 開ける前でも、開ける寸前だし、前刑(大麻)とは罪種が違うし、他の多くの被告人と比べても「社会内での更生に期待できる」とする特別の事情がぎりぎりあると、少なくとも客観的なあれこれからは言うこともできるんじゃないか…。

 …と、ドアのところで判決理由をかすかに聞いただけで、そこまで言うかよ。
 言いたくなるのが、傍聴マニアの悪いくせ?(笑)

 で、13時30分から同じ法廷、同じ裁判官(神坂尚さん)で、公務執行妨害・傷害の審理。
 まさか駐車監視員への公妨のはずがないよね。
 と思いつつも、念のため、できるだけ傍聴してみる、という根性じゃないと、偶然たまたま駐車監視員への公妨を2件も傍聴できる、というラッキーには巡り会えないのだ。

 この日は論告・弁論だった。
 被告人は、若そうな女性(身柄。拘置所)。
 ハデな茶パツの、鼻梁の中程から上が真っ黒髪だった。
 だいぶ長く勾留されている(争ってる)のだ。
 それもそのはず、あとで開廷表を見たら、事件番号は「平成17年刑(わ)…」だった。
 そんじゃあ、駐車監視員への公妨であるはずないじゃん!

 検察官の論告と、弁護人の弁論から、わかってきた犯行態様は、ものすごく縮めて書くと、こんな感じらしい。
 被告人は、交際相手の男性(土木関係?)と、日当を払ってもらうため、ある家へ行った。
 そしたら警察を呼ばれた。
 日当を払ってくれない相手と話をさせてくれるというので、男性とともに車で警察署へ行った。
 被告人は警察署内をデジカメで撮影した。
 モメて警察官(179cm)の顔に唾(つば)を吐いた(被告人は157cm)。
 これが公務執行妨害。
 警視庁の留置場で、挨拶がないといった理由で、他の留置人の顔面を殴った。
 これが傷害。

 真実がどうだったか知らないけどさ、検察官の論告を聞いてて吹き出しそうになった。
「警察官が被告人に暴行した事実は全くない。それは3名の警察官の証言により認めることができる」
「(警察官証言は)間近に具体的に見ていたからこそできる迫真の証言である」
「きわめて具体的、詳細、かつ自然で合理的である」
「記憶にないことはないと述べ、正直さが認められる」
「安易に『逮捕するぞ』と言うなど、およそ考えられないことであって、被告人の供述は不自然、不合理きわまりない」
「(警察官が知らない人間を罪に陥れるために)わざわざ偽証罪の制裁をおかしてまで偽証するはずがない」
 そのくり返しを、延々41分間。長ぇ~。

 はりゃ~、バカですか? と申し訳ないけど思った。
 あんたら、証人テストで、さらに警察内での準備で、きわめて具体的、詳細に打ち合わせるんでしょ?
 その時間も職務のうち。給料出るんでしょ?
 警察官が偽証したって、証拠がある? 偽証罪に問われるなんて、あり得ないでしょ?
 知らない人間を罪に陥れるためじゃなくて、自らの(または同僚の)職務行為を正当化するためなら…。
 そういったことを全く、毛ほども念頭に置かない、正義ぶった強い口調に、紙の試験に勝ち上がってきただけのエリート坊ちゃんというか(若い検察官だった)、公判立会い検察官という仕事の卑しさというか、非常に悲しいものを感じたよぅ。

 でもね、弁護人のほうも一般に、バカ検察官にあわせるのか、なんでもかんでも無理くり被告人に有利にこじつけようとする、みたいなことがあって、裁判っちゃどういうゲームなの? と感じることも少なくないのだ。
 これ、傍聴人からの率直な感想。

 なんか愚痴っぽい話になった。すまんです。
 さぁ、27日は今年最後の傍聴だ。ってまだ行くのかよ。
 いい加減、私もバカだな(笑)。

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