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2006年12月21日 (木)

ピンクのハンカチの娘さんは刑務所へ

12月21日(木)14時~

 東京高裁・第12刑事部(河辺義正・小川正明・片山隆夫裁判官。この片山さんてのは宮崎学さんに20%くらい似てないか)715号法廷で、業務上過失致死傷の判決。

刑法第二百十一条  業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
 自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は、傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

 13時56分。手錠・腰縄で入ってきた被告人(身柄。拘置所)は、若い若い女性だった。
 黒のパンツスーツらしき衣服に、フリースの暖かそうな白ジャケット。
 茶パツ、ポニーテールで目が大きく、ピンクのタオル地のハンカチを両手で持って…。
 地下鉄で見かけるリクルートスーツの娘さんと、どっこも変わらない感じ。

 13時57分。傍聴席へ傍聴人がぞろぞろ入ってきた。
 急に被告人がうなだれた。
 検察官の側(がわ)へ5人ほど。どうも被害者、遺族の方々らしい。
 弁護人の側へ3人ほど。こちらは被告人の家族らしい。
 業過の法廷は、こういうのがよくあって、胸が痛む。

裁判官「主文。原判決を破棄する…」
 おおっ!
裁判官「…被告人を禁錮2年4月に処する」
 原判決の執行猶予をナシにしたのか。いや、身柄ってことは、それはないだろ。じゃあ、量刑を変えたのか。

 埼玉県入間市内で、川越から八王子へ向かう途中、赤信号の交差点へ、赤信号を無視して漫然40㎞/hの速度で侵入、左方から青信号に従って進行してきた車の右側面に自車を衝突させ、××した(聴き取れなかった)その車により(かどうか、とにかく結果として)、ちょうど横断していた29歳の人物を転倒させ、脳挫傷で死亡させた。衝突された車両に乗っていた者は、頸椎捻挫、腰椎捻挫で加療2週間…。

 死亡被害者は車道を横断していたこと、対人賠償無制限の保険に入っていたこと、前科がないことなど、被告人に有利な事情があるとしても、禁錮2年8月は、原判決言渡しの時点においてはやむを得ない。
 しかしながらその後、保険とは別に300万円の見舞金を払い、宥恕があれば合計1000万円出すとしたこと、交通遺児の会に10万円を贖罪寄付したこと、勤務先などからの嘆願があること…などから、原判決は現時点においては重きに失するので…という判決理由。

 再び手錠・腰縄につながれながら、被告人は家族(と思われる数名)に目で会釈し、刑務官に腰縄を持たれて検察官の横のドアへと歩きながら、遺族(と思われる数名)にぺこりと1度、頭を下げた。
 しばらくは拘置所にいて、刑が確定すれば下獄するのだ。

 被告人が去り、遺族が出て行く間、家族は遺族に対し頭を下げていた…。 

 事故時、被告人というか、あの娘さんは、店を探してか、だいぶ脇見をしていたらしい。
 車は一瞬の油断でたちまち凶器になる、そのことを、車の快適さと便利さは、忘れさせてしまうのだ、いくら罰則を厳しくしても…。
 何千万支払われようと、誰が何年刑務所へ行こうと、殺された者は帰ってこない…。

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