業過致死の量刑と指印のデータ化
ときどき、当ブログに対する感想や質問、情報などをメールや口頭でいただいてる。
今回は、2つのご質問メールにお答えしよう。
(1) <<ピンクのハンカチの娘さんは刑務所へ>>について、酒気帯びでの業過致死の相場等と比べて、信号見落としによる巻き添え死亡事故で禁錮2年4月の実刑は少し重すぎないか。
遺族からすれば、「うちの愛する家族はもう二度と還ってこないのに、そんなバカな運転で殺した奴は、たった2年ちょいで娑婆へ戻るのか」であろうとは思うのだけれども、他のもっとひどい事故に比べれば、重いんじゃないか…。それは私も感じた。
しかし、業過致死傷の量刑の相場がどうなのか、たしかに重いといえるのか、まだまだ私にはよくわからない。
禁錮刑と懲役刑と、どう違うのか重なるのか、たとえば「禁錮2年4月=懲役3年」といった換算のようなものはあるのかないのか、ぜんぜんわからない。
速度違反、無免許、酒気帯びだけの(各単独の)事件なら、「相場はこれこれだから、こいつは重い(軽い)」と言えるんだが。
来年は、強制わいせつとか迷惑防止条例違反(いずれもたいてい電車内での痴漢)などに気を散らさず、交通違反と関係の深い業過致死傷、危険運転致死傷のほうを、時間が空けば傍聴していきたいと思うです。
(2) <<スケボーの交通違反>>の記事に出てくる、違反キップへの署名押印について、その指印は警察にデータ登録されるのか。
その記事にある報道は、「違反切符の指印と女の指紋が一致したため、犯行が発覚した」となっている。
女が怪しい(かもしれない)と見て、保管してある事件原票を引っ張り出して指印を確認したら、ということと読みとれる。
そうではなくて、すべての違反キップの指印をデータ登録しておくことは為されているのか、ということだね。
為されているともいないとも、私は確証は得ていないけど、『なんでこれが交通違反なの!?―警察は教えない126の基礎知識』のQ072に書いたとおり、登録されていてもおかしくないだろう、と想像する。
現在どうか知らないが、ある時期、被疑者が印鑑を持っていても、できるだけ指印を採りなさい、全国民の指紋を集めたい、ということがあったように聞く。
私も昔、高校生(それも進学校の非行歴のない生徒)の頃、ケンカの単なる(通りすがりの)目撃者として警察へ呼ばれ、調書の録取後、なぜか十指の指紋を採られたことがある。
当時の私に危機感はほとんどなく、「うわ~、刑事ドラマみたい! へえ~、こうやるのか~」と、喜々として採られたもんだ。
現在、つかだいぶ前から、運転免許証の顔写真は、警察庁の中央コンピュータに集積されている。
顔認識システムと連動させ、Nシステムや街頭の監視カメラなどで得た画像をもとに、「おっ、この人物は×月×日×時×分、×町×番地を通過したぞ」と、いずれできるようになるかもしれない。すでにやってるかもしれない。
キップや調書の押印(左手人差し指)も中央コンピュータに集積されているかもしれない。
それが良いかどうか、意見が分かれるところだろう。
私としては、秘密裏に、恣意的に行われる(だろう)ところに、ヤバさ、気色悪さ、不安を感じる。
有罪に不要なもの、無罪になるおそれがあるものを警察、検察が隠すのは、まったく合法であるという制度のもとでは、誰しも、警察、検察から、
「こいつが犯人に違いない! 有罪にしてしまえ!」
「こいつのこの行為を犯罪として立件、有罪にしてしまおう!」
と決められてしまったとき、警察が勝手に集めたデータ(証拠)は、有罪にするため恣意的に利用されるだけで、
「あのデータにより、アリバイが証明されるはずだ! 提示してくれ!」
といくら言っても、提示されないだろうからだ。
そうした制度を温存したまま、裁判員制度を持ち込もうとするのは、国民を冤罪づくりの仲間、共犯者に引き込むことにほかならないのではないか。
というわけで、来年、第2次Nシステム訴訟が始まる予定だ。
提訴の予定期日が延びてしまったので、原告になりたい方、まだ間に合うです。
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