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2007年1月の36件の記事

2007年1月30日 (火)

求刑は懲役1年→判決は罰金30万円 満つるまで算入

1月29日(月)14時30~17時00分

 裁判所に着き、一服してエレベータへ向かう途中、ちらっと1階で開廷表を見てたら、醍醐聡教授にばったり。
 今日NHKの裁判(民事)があり、勝ったのだという。おおっ!

 「NHKが番組改変」 200万円賠償命じる 東京高裁
 NHK番組改変訴訟 判決理由の要旨
 表現の自由への危うさはらむ「期待権」 NHK訴訟判決

          ★

 14時30分から、東京地裁・民事第7部(山﨑努・武藤真紀子・広瀨大輔裁判官)713号法廷で、損害賠償事件の第1回口頭弁論。
 これ、「2ちゃんねる」が関係する訴訟で、これまでとは違う訴訟らしい、ねらーがたくさん来るかも、「ひろゆき」が来るかも、わかんないけど、との情報を先週裁判所の廊下で得て、たまにはそういうのも見ておくか、他に用事もあるし、と出かけたのだ。

 法廷に入ろうとすると、職員がいて、言われた。
「撮影、録音できるものはお持ちですか。ケータイは電源を切って鞄に入れてください」
 へえ~。
 傍聴席には、10数名の傍聴人。
 雰囲気的に、いつも見る刑事事件の傍聴席とも、よくある民事事件の傍聴席とも、明らかに異なる感じ。

 14時28分、被告のひろゆき氏がやってきた。おお~。
 髪ばさばさ。裏がふわふわ毛皮(模造?)で、フードがついた草色のコート。
 ソックスに、ありゃま、サンダル履きかいな。冬だよぅ。
 ひろゆき氏は被告席に座り、書記官から身分証で本人確認されたあと、机にひじをつき顔面を上向きにして、たぶん今日わたされたのかな? 書面を読んだ。
 今度は、椅子に深く掛け、持参の三つ折りの書面を読んだ。訴状かな。

 原告席には、若めの男が1人。弁護士バッヂはつけてないようだった。
 私は事件の内容をぜんっぜん何にも知らない。
 以下のようなやり取りに苦笑してただけ。

被告  「スレッドの立ち上げの定義がズレてるような気がするんですが」
裁判長「バンというんですか、イタというんですか」
被告  「掲示板ですからバンでいーんじゃないですか?」

裁判長「裁判所は2ちゃんねるが何か、よくわかってない。娘はわかってるらしいが」
被告  「(娘さんに)よろしくお伝えください」

 今日の期日は、今後へ向けての整理で終わった、という感じかな。
 14時47分閉廷。
 次回は3月19日(月)14時から。

          ★

 弁護士会館へ寄ってから、警視庁へ。
 1件開示を受け、1件開示請求
 そしてまた裁判所へ。

 16時から、東京地裁・刑事第2部(神坂尚裁判官)529号法廷で、12月26日に傍聴した公務執行妨害・傷害の判決。

 ものすごく短く要約すると、こんな事件だ。
 男とともに警察署へ任意同行され、その署内でカメラで撮影したら、警察官から制止され、その警察官の顔にツバを吐きかけた。逮捕されて留置場で、別の留置人の顔面を手拳で殴打した(全治7日間の上口唇裂傷)。
 求刑は懲役1年。

 判決は、罰金30万円!
 しかも、未決勾留期間のうち1日を金5千円に換算して、刑に満つるまで算入。
 訴訟費用のうち、殴打された留置人に支給した分のみ被告人負担。

 懲役求刑で罰金判決、を傍聴するのは私は2回目かと思う(1回目はオービス事件。『ドライバー』でレポートしたっけ)。

 なぜ罰金刑にしたのか。
 この事件は、だいぶ長く争われたようだが、争点についてはすべて被告人側の主張をていねいに退けたうえで、神坂裁判官は要旨こう述べた。
 警察官へのツバかけについては、暴行の程度としては重いものとはいえないこと、留置人への暴行については、示談が成立していること、そして長期にわたり勾留されていることから、自由刑を選択する必要は認められない、と。
 神坂さんの文体というか論法は、たいへんわかりやすく、非常に勉強になった。
 刑事裁判とは(裁判所の認定とは)何なのか、見えたような気がした。

 それにしても、公務執行妨害に罰金刑の選択肢が設けられたのは、06年5月末頃。
 本件の公妨は05年11月末。その時点では、懲役刑のみ、罰金刑の選択肢はないのだが、そんなこともできるのか。ふうん。

          ★

 その事件を、『漫画実話ナックルズ』によく描いてる漫画家さんと傍聴し、続いていっしょに、16時から始まってる421号法廷の道路交通法違反の新件へ。
 無免許だった。

 06年8月、酒気帯び自損事故で自車大破。すぐにまた車を買う。
 06年9月、その酒気帯びで罰金25万円。
 06年10月、その酒気帯びで免停90日。
 06年12月、短縮講習へ行く途中、本件無免許。右折レーンを直進して発覚。

 他には、駐車違反などの前歴3回しかないらしい。
 「酒気帯び→無免許」だけなら、略式による罰金でもおかしくない。
 が、短期間に車を大破させる事故も含めて連続でやってること、本件検挙時に逃走を図ったと見なされて現行犯逮捕されたこと(その後保釈)、などが影響して公判請求となったんだろうか。
 求刑は懲役5月。
 私は次の予定があり、弁論が始まると同時に退廷…。

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2007年1月29日 (月)

ひき逃げ同乗者の救護義務

江別ひき逃げ 同乗者にも救護義務 札幌高裁、初の認定
 二○○三年二月、江別市でひき逃げされ死亡した■■■■さん=当時(16)=の両親が、飲酒運転して■■さんをはねた男性と同乗の女性に、計八千四百万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が二十六日、札幌高裁であった。末永進裁判長は「事故後すぐに救護措置を取らなかった責任は同乗者にもある」として、男性にのみ賠償を命じた一審判決を変更し、男性に七千九百万円、女性にも慰謝料など三百三十万円を男性と連帯して支払うよう命じた。原告代理人によると、飲酒運転について同乗者の責任を認めた判決はあるが、ひき逃げを起こした車の同乗者に救護義務を認めた判決は全国で初めて

 と北海道新聞(1月27日。上掲はその一部。太字は今井。■部分は記事では実名。以下同)。
 「ひき逃げ、同乗者に賠償命令…札幌高裁が逆転判決」と読売新聞も。

 「同乗者の責任を認めた判決」とは、たとえばこれのことをいうのだろう。
 以下は河北新報06年11月24日の記事の一部。

飲酒運転でひき逃げ 同乗2人にも賠償命令 山形地裁支部
 北海道函館市内で2004年10月、飲酒運転の車にひき逃げされ死亡した同市亀田港町、大学生■■■■さん=米沢市出身、当時(20)=の両親が、運転していた同市的場町、元運転手■■■■受刑者(43)=危険運転致死罪などで服役中=と同乗の友人2人に、計9500万円の損害賠償を求めた裁判の判決で、山形地裁米沢支部は24日、3人に計6200万円を支払うよう命じた。
 判決理由で飛沢知行裁判官は、被告側3人が車ではしご酒をしていた事実を認定。「加害者本人だけでなく、運転を制止しなかった同乗者2人も、飲酒運転と危険運転行為を手助けした者として責任を負うべきだ」と指摘した。

 ひき逃げは、どうなのか。
 いわゆる「ひき逃げ」とは、道路交通法72条1項の、救護義務違反(同条前段)、報告義務違反(同条後段)のこと。
 72条1項は、こういう規定だ(太字は今井)。

 車両等の交通による人の死傷又は物の損壊(以下「交通事故」という。)があつたときは、当該車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

 「その他の乗務員」とは、誰をいうのか。
 『執務資料道路交通法解説13-2訂版』は、こう解説している。

 人又は物を特定の場所に運ぶという自動車本来の運行目的において、運転者とともに、目的を達成するための責任を有する者をいうと解されている。したがつて、この「乗務員」の範囲を定める基準は、自動車の運行目的において「責任」を有しているかどうかにかかつているといえよう(交通警察質疑応答集)。
 例えば、乗合自動車の車掌、ハイヤー、タクシーの助手、トラックの貨物の看視者等がこれに当たると解される。

 そうすると、刑事責任については、単なる同乗者に対しては、救護義務、報告義務は課されないことになる。
 なるのだけれども、「条理上の救護義務が発生する」として、民事責任を課した、ということなのだろうか。

 ここで、
「そんなら、なぜ道交法は、『その他の乗務員』に同乗者を含めないのか」
 という疑問を感じる?
 いや、それはさ、止まるかどうか、走り去るかどうか、の運行に責任を有していない者に、そんな義務を課すのは無意味ないし不適当、という考えによるんじゃないのかな。
 刑事責任は科さない(問わない)けれども、ケースによっては、一定程度の民事責任(損害賠償の責任)を課すことはあるぞ、という運用は、まぁスジが通っている(現実に即している)ように思える。
 記録はもちろん、判決書きすら読まずに、報道を見ただけでの、荒っぽい感想ではあるけど。

 何にしても、亡くなった当年16歳の方に、深く合掌するばかりだ…。
 次はあなたの、あるいは私の、番かもしれない。
 また、運転者の立場としては、飲酒運転をしなくても、何かの拍子に、いつ加害者になるかもしれない。
 交通事故は、普通の日常のなかで、一瞬のタイミングで起こる。
 「厳罰化を! 取締り強化を!」と叫べば逃れられる、というものでは到底ない。
 一瞬、一瞬、そうとうにヒリヒリしている必要がある。
 そんなヒリヒリ感を強いられること自体、おかしいといえばおかしいのだが…。

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2007年1月26日 (金)

裁判官から「間違いない」と聞けば納得する?

 9時40分頃、裁判所の入り口がやけに混雑した。
 今日は“ホリエモン”と“監禁王子”の公判がある、そのせいだろうか…。

 9時55分から、東京簡裁・刑事1室1係(松本弘裁判官)826号法廷で、1月19日に傍聴した10t トラックの酒気帯びの判決。

 その前に50分から、横領の判決。
 被告人(身柄。拘置所)の顔に見覚えあり。
 東京都北区でオリックスレンタカーを借り、欲しいままに返還することなく自己のものとして用いた…。
 あれ、この事件、酒気帯びのあとにすぐ始まり、ちらっと傍聴したやつだ。
 酒気帯びと同じく、今日判決なのか。

 最終刑の執行後20年近くがすぎてるとのことで、懲役1年、執行猶予3年。
 釈放されても、金は一銭もないという。
 レンタカーは、寝泊まりに利用するため横領したのだという。
 だいぶ年配か高齢のように見え、うまくホームレス生活ができなければ、猶予期間中に弁当とか万引して刑務所で暮らすほかないのか…。切ない…。

 55分から、酒気帯びの判決。
 求刑どおり罰金25万円。
 被告人(在宅)は、前回と同じジャンパーとズボンだった。

 途中、たぶん美人なのだろう中年女性と、顔立ちがはっきりした若い女性が入ってきた。次の事件の、どっちかが被告人なのだろうか。いや、これから手錠・腰縄で入ってくる被告人の、身内なのだろうか…。

          ★

 次の事件は窃盗だった。
 被告人(身柄。拘置所。47歳)は、前夜会社の飲み会で飲みすぎ、カプセルホテルで泊まり、起きたが仕事にならないと思い渋谷から田園都市線で帰宅する途中、上り電車が混んでいるのを見て、あれならヤレると思い、三軒茶屋駅で乗り換えた。乗客のショルダーバッグに目を向けていた被告人を、スリの警戒に当たっていた警視庁捜査第3課の警察官2名が怪しみ、被告人といっしょに上り電車に乗った。被告人は、池尻大橋駅へ向かう間に、立っている女性のバッグに手を差し入れ、何か探した。女性が被告人を見てバッグを引っぱったことから、被告人は手を引っ込めた。
 渋谷駅へ向かう間に、被告人は別の女性の近くに立ち、女性が右肩にかけたバッグに自分の右肘を当てて幕をつくり、左手でごそごそバッグ内を物色。被害女性を押しながら青っぽい財布を抜いた。渋谷駅で被告人が走り出したのをみて、警察官らは被告人を現行犯逮捕。財布を差し押さえた…のだと検察官。

 甲12号証は、被告人の手帳の複写。
 現金いくら、朝かどうか、被害者は男かどうか、略語で記載されているという。
 フィリピンパブへ行った日には星印が付けられているという。
 手帳でわかるスリの回数は53回、被害金額は126万円だという。
 ただ、これら被害については立証がなかった。

 傍聴席にいた女性の、年上のほうが被告人の妻だった。
 妻を証人尋問。
 夫が逮捕され、もう別れようと決めたが、思い直したのだという。

 続いて被告人質問。
 盗んだカネで買ったDVDソフトを売り(2000円)、現金8000円を足して1万円、贖罪寄付したという。
 今後は、つきあいで飲み会に出ても、どこへも寄らずに帰り、通勤の電車内では、両手で吊革をつかみ、家族の(2人の娘の)ちっちゃいときの写真を持ち、妻と娘に指輪を1つずつ買ってもらい、足かせのつもりで両手につける、今は(鞄は)リュックタイプだが、お弁当は別にして両手に物を持つ、のだという。は~。

 検察官(木村昇一さん)はこう責めた。
「ここまでくり返すのも不思議だが、それより不思議なのは、家族が見放さないことだよ。仲が良い? 非常に恵まれてるというかねぇ、そのへんよく考えたほうがいいぞ。(奥さんが情状証言するのは)普通は1回だよ。6回なんて、まぁず珍しいぞ。子供が小さいときの写真? 平成2(90)年にやったとき、子供は小さかったんだろ? (写真など)戒めにも何にもならない、あんたにとって。まだわかってない、あんたは! 二度とやりません、今回が最後です、毎回毎回言ってきたんだよ! 累犯だから(今度は刑務所に)長く入る。よく考えてきなさい! 甘える気持ちを捨てなさい! 人を頼ったり甘えたり、どんどん堕落していって…。刑務所に入ってもわからなければ、人間、終わりだぞ!」

「(スリの常習犯は)熟練した技術、胆力が必要だ。盗癖は相当に深化し、固着している」
 と、懲役3年を求刑。
 若い弁護人が、最終弁論。
「帰宅途中、上り電車の混雑を見て、つい出来心でやったものであり、偶発的側面を有する…。バッグを切ったり仲間で囲んだりするのと比べると軽微といえる。100件のスリは、そのような事実はない。三件茶屋駅から池尻大橋駅の間で、他の乗客を狙ったというのは、起訴の直前で急に出てきており、不自然。何らの秘密の暴露もない…」

 被告人の最終陳述。
「あっ、ほんとにもう、被害者の方には申し訳ない。さっき検事さんが言ったように…。ほんとに天に誓って二度とこのような…誓います」
 「…」の部分はメモ漏れ。
 私の傍聴メモには、この最終陳述に矢印をつけ、「慣れてる」とある。
 次回判決。
 10時55分閉廷。

 次に私が傍聴する事件は15時50分。
 もう眠くてたまらない。
 夜、某TV番組のVTR撮りの予定で、連絡が入るはずなのに、携帯電話を忘れた…。
 それで、馬鹿馬鹿しいけれども、いったん帰宅して急ぎ仮眠することに。

          ★

 15時50分から、東京簡裁・刑事1室3係(堀内信明裁判官)534号法廷で、道路交通法違反の新件。
 1分前に入ったら、もう検察官の冒頭陳述が始まっていた。
 …が、あれ? なんか違うぞ?
 新件じゃなくて、10月6日が第1回の、首都高5号線下り・南池袋のオービス事件の、第4回公判(論告・弁論)だった。
 12月6日の第3回のとき、次回期日は追って指定となったのだ。

 被告人は最終陳述で、こういう趣旨のことを言っていた。
「ごく普通に走っていて、速度違反だと取締りを受けた。そんな速度を出した覚えはないと言い続け、写真に写ってるから間違いないんだと言われ続けてきた。裁判官にシロクロつけてもらいたい。裁判官からお話をいただけば、警察や検察でとは違う意味で納得できると思う」

 えーっ? 警察や検察じゃ信じられない、裁判官が「写真に写ってるから間違いないんだ」と言うなら納得できる、つまり、容疑の121㎞/h(61㎞/h超過)を出した可能性はある、そうとしか聞こえないんだけど。

 ご相談者にも、
「絶対出してない。出したという証拠があれば罰金払う」
 とか言う人がいる。
「絶対出してないんだから、出したという証拠があるはずがない」
 と言いたいんだろうけど、「あるはずがない」と「あれば罰金を払う」とは、イコールじゃないんですよ。
 被告人が言う、「裁判官から聞けば納得する」は、皮肉を込めた言葉なのかもしれないが…。

 次回判決。
 16時3分閉廷。
 急いでまた帰宅し、VTR撮りの準備。

 その撮影のカメラマン氏が、「私のこと覚えてますか」と。え…?
 昨年6月の前後のあの嵐の時期に、何かの番組でお会いした…?
 そうじゃなかった!
 ななっなんと、以前交通違反のことでご相談を受け、『ドライバー』でレポートさせてもらい、『交通違反ウォーズ!』にも収載させていただいたケースの、その人だった。
 現場の情景がありありと思い出された。
 いや~、こんなところでお会いするとは(笑)。

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『それでもボクはやってない』を観たよ!

1月25日(木)13時55分~

 警視庁でまた3件ほど開示請求し、12時をすぎた。
 公務員を38年間やって勧奨退職に応じ、ハプニングバー(スタート時はカップル喫茶)を始めたという被告人の公然わいせつ幇助の、13時15分から判決。
 傍聴したいけれども…。
 えーい、スケジュール的にもう今日しかない!
 てことで昼食をとる暇もなく地下鉄で新宿歌舞伎町へ。
 コマ劇場前の広場に面した、なんていったっけ劇場で(客席がかなり多い)、12時55分からの回の、『それでもボクはやってない』を観ることに。

 や~! これは何と言っていいのだろう。
 昨晩あんまり寝てないし、映画は2時間半もあるっていうし、ちょっとでもダレたシーンがあれば(なくても)もう絶対居眠りするなぁ、でも今日しか行けないしなぁ、と行ったのだが、なんとまったく眠らなかった。眠くもならなかった。

 自白の強要だとか、被告人側の証拠請求がじゃんじゃん却下されることとか、そういう部分は、あの伝説(だってもう絶版だもんね)の名作『交通被告人 前へ!!』(小学館スピリッツコミック)の原作を書いた私には、べつに新鮮味がない。
 のだけれども!
 それでもやっぱり見せてくれるうえ、細部のリアルさに度肝を抜かれた。
 もう、ぷぷっと吹き出しそうになったよ。
 裁判所の外で、マイクで何かわめいてる人がいるんだが、霞が関の裁判所ビルへ通ってる人は、「そんなとこまでリアルにやるかよ!」と、もう笑っちゃうんじゃないかな。

 細部といっても、もちろん、私が知ってる範囲の細部だし、裁判所のロビーや階段の造りについては「あんな裁判所あるか?」と思うし、喫煙所についても、建物内にありながら隔離された小部屋じゃないのには違和感があるとはいえ、法廷のなか、審理のシーンは、すごいよ! すっげぇよ!

 裁判官が奥のドアから入ってくるとき、その直前にちょっと固い音が聞こえることとか、裁判官が壁の時計を見上げる雰囲気とか、「壇上で居眠りしてるのか?」と傍聴席からは見えるときの裁判官の表情とか、それに、証人尋問、被告人質問のやり方とかね。
 検察官の雰囲気や表情もそうだ。
 よっくもあれだけリアルにつくれたもんだ。
 映画監督と俳優をはじめ映画人のすごさに、驚愕したよぅ!

 公判は、平日の、原則10~17時しかやらない。
 そんなんじゃ傍聴に行けねーよ、という方、ぜひぜひ“それボク”をご鑑賞ください。
 真っ向否認の事件は、東京簡裁のオービス事件ではときどきあるが、全体としてはごく少ない。少ない否認事件は、まーさーに! あんなふうに審理、判決、されるんですよ。
 それを、捜査段階も含めて2時間半くらいで観られるのは、チョーお得だと思う。
 
 ところで、
「だから、国民の真っ当な感覚が必要なのだ。裁判員制度が必要なのだ」
 という論法もあるようだが、私にはそうは思えない。
 否認事件の場合(自白事件でも!)、真実が何か、結局だれにもわからない。
 たいてい、各証拠は、突き詰めれば(とくに突き詰めなくても)有罪とも無罪とも、解釈し得る。
 裁判官が、何か専門的なことを言って有罪へリードしようとした場合、
「もしかしたら有実の者を自分は無罪と考えてるんじゃないだろうか。有実の者を無罪としたら、被害者・遺族は浮かばれないし、被告人は舌を出してまた凶悪犯罪をやるかもしれない」
 という不安に逆らって、
「それでも私の意見は無罪です」
 と言い続けられる裁判員がいるだろうか。
 そして、終わってから、
「裁判官がこんなセリフでリードした。あの裁判員とあの裁判員が、こう引きずられた。私はこれこれの理由で無罪と思う」
 と誰かに言えば、守秘義務違反で処罰されるのだ。

 だいたいやね、国は、
「裁判官だけだと無辜の者が有罪とされるので、だから裁判員制度にするのだ」
「裁判官の量定は非常識なので、だから裁判員が必要なのだ」
 と言ってるか?
 国にとっては、現行の裁判はすでに十分に公平・公正・妥当・適切であるのだ。
 そこに、国民の荷担を強制する、それが裁判員制度なのだ。 
 国民の参加が必要だとしても、国民が求めて勝ち取るならわかるが、国家が強要して義務づけるって、はは~、そういう制度であり、そういう時代になったんだなぁ…。

 民主党や社民党や日本共産党に政権を与えるのは不安だから、自民党に投票する(公明党支持者は不動)、または、投票しないことで自民党と公明党に勝たせる…。そんなことをこのまま続けていると…。

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 10人の真犯人を逃がさないためには、1人の無辜を罰するもやむなし…。

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制限40キロの環七で測定値97キロ

1月25日(木)10時45分~

 東京簡裁・刑事2室1係(櫻井廣美裁判官)534号法廷で、道路交通法違反の新件。
 今日はこれが私のメイン。
 検察官は鈴木健一さん。髪、伸びたねー。坊主のほうが似合うですよ。

【場   所】 環七 大田区山王4-19 
【日  時】 2005年3月5日 午前1時55分頃
【装   置】 三菱電機 RS-2000
【測定値】 97㎞/h 制限速度40㎞/hを57㎞/h超過
【被告人】 40歳 会社役員  
【弁護人】 1月17日に地裁の危険運転致傷・道路交通法違反で見た、高齢紳士の弁護士。国選だろう。左耳辺りから細いコードが垂れている。補聴器か。
【主   張】 「取調べのときも申し上げてきたとおり、メーター読みでは96㎞/hは出てなかったんじゃないかと」

裁判官「弁護人のご意見は」
弁護人「ちょっと(被告人と)打ち合わせしたいと」
 …………その場でごにょごにょ…………
弁護人「甲乙いずれも同意致します」
裁判官「公訴事実に対するご意見は」
弁護人「ただ、犯情として被告人が言ったことを考えていただきたいと思います」

 メーター読みでは90㎞/hはどうしても出ていなかったが、測定値については争わない、確定的な意思をもって96㎞/h出したわけじゃないので、どうか寛大な判決を、ということだった。

 どうなんだろうね。
 以前、環七の高円寺南の同じくRS-2000の事件で、警察と親しい関係にあり「何かあったら言ってくれ」と言われていた被告人が、測定値は低すぎると正直に言い続けて…というのを傍聴したっけ。
 誤表示・誤測定は、プラスのほうにだけ起こるとは限らない。
 かつ、メーター速度と大いに違うこともあれば、少ししか違わないこともあるはず。
 運転者は、免停の基準や、オービスのセット速度(それ以上の超過だと撮影するよう設定された速度)、を考えて走行速度を決めがちだ。
「超過50㎞/h台だと12点。免停90日だ。超過40㎞/h台ならオービスは光らない」
 とか考えて速度を調整していたことは、あり得る。が、
日本の裁判の有罪率は99.9%。起訴されたらオシマイだ」
 と考えて争わないことにしたのかもしれない。

検察官「さきほどおしゃったように(本件道路をいつも)60~80㎞/hで走ってるのか」
被告人「他の車がいれば(流れにあわせて)…」
検察官「他に車はいたか」
被告人「いなかった」
検察官「40㎞/hで走れば」
被告人「ま、あそこの通常値(通常の流れ)は…」
検察官「だいたいの人が、みなさん、そう言うんですが、参考までに聞いてください。05年の事故死亡者数はご存知ですか? 東京都内で263人です。6年連続で減少している。1年に263人が事故で死ぬのは、少ないか多いか、どう思う? あくまでこれ、個人的な見解だけど、263人、私は異常な数字だと思う。私の理想では、ゼロ、という数字へもっていきたい。参考までに、今年に入って昨日までにもう19人死んでる。運転する人は、明日は我が身なんですよ。だから、他の車が60だ80だで走ってるからという、そういうふうな考え方は、やめてもらいたい。速度を出せば出すほど、事故は大きくなるんです」

 私も同様に思うのだが、しかし…。
 環七(東京の主要幹線道路)のあそこが、終日40㎞/h規制ってどうなの。
 そんなの誰も守らない。
 ザル法ほど人々の遵法精神を損なうものはないと、元内閣法制局長官も言っている。
 守らないなかで、じゃあどうやって運転者たちは自車の速度を決めるか。
 捕まっても重い免停を食らわない速度、オービスが光らない(撮影しない)速度…。
 こういう、なんというか、遵法環境、自律環境では…。
 40㎞/hを超えない速度で走ることが絶対に必要というなら、その合理的理由を周知徹底させ、かつ、違反したらほぼ必ず捕まるようにする必要がある。
 そうしないで、違反者のごくごく一部を捕まえて処罰してても…。

 求刑は相場どおり罰金9万円。
裁判官「えー、それで、判決ですが、証拠がこれだけなので(少ないので)、すぐにしようと思えばできるんですが、どうしましょうか」
 被告人は、どういうことかまるでわからないようで、弁護人の顔を見た。
 弁護人は、では次回、と。
 来週判決。
 11時19分閉廷。

 1階の喫煙室で(ってまだ煙草やめてないのかよ!)、再び刑裁はうすの方にお会いする。
 13時15分から、公然わいせつ幇助の判決ですね、と言われ、あっ、そうだったのか、となる。
 第1回公判を私は途中で出たし、忙しくて木曜以降の地裁開廷表をチェックしてなかったので、判決期日を知らなかったす。
 今日は『それでもボクはやってない』を観に行く予定にしてたんだけど…。

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2007年1月25日 (木)

若めの女性が飲酒ひき逃げ死亡事故で懲役2年6月

 またも満員電車で裁判所へ。
 満員といっても、朝8時頃の本格的な通禁ラッシュに比べれば柔い(やわい)もんなんだろうけど。

 1階ロビーで「裁判傍聴愛好集団刑裁はうす」の方(団長さん?)にばったり。
 あの人もしっかし毎日裁判所へ来とるなぁ。ってお互い様ですね(笑)。
 9時50分から業過致傷(業務上過失致傷)・道路交通法違反の判決があるという。
 あと数分じゃん…。

 東京地裁・第6刑事部(白坂裕之裁判官)418号法廷。
 被告人(在宅)は、40歳くらいの女性。
 水商売のお姉さん風。気が強そうな感じ。
 銀色の厚底靴。
 2人の検察官のうち1人は、例の、大部分が豊川悦司さんに、一部なんとなく美川憲一さんに似た男。あの検察官は、内部でもそう言われてるんだろうねぇ。

 友人宅で飲酒した後、車を運転して、自分が経営する飲食店へ戻る途中、11月17日22時30分頃、前方左右の注意を怠り、5~10㎞/hで、道路脇に停車中の車を追い越すに当たり、その右後部に自車左前部を衝突させ、乗っていた男女(いずれも21歳)に加療2週間の頸椎捻挫を負わせた…。
 同年5月に酒気帯びで罰金刑を受け、半年余りでの犯行。
 検査値は0.51mg。
 刑事責任は重い。
 しかし他方、今後車の運転はしないと誓っている。
 車はすでに売却した。
 対人無制限の保険により、示談が成立する予定。
 同居中の元夫が、監督を誓っている。
 公判になる(正式な裁判の法廷に被告人として立たされる)のは初めて…。

 で、懲役8月、執行猶予3年。

          ★

 刑裁はうすの方と別れ、私は10時から、第8刑事部(山下博司裁判官)407号法廷で、六本木で警察官の顔にツバを吐いたという公務執行妨害の判決。

裁判官「被告人を懲役10月に処する。未決勾留期間中60日をその刑に算入…」
 あー、やっぱり実刑なのだな。
 4月に同種の公妨で懲役1年、執行猶予3年の判決を受け、その約4カ月後の本件犯行だもの…。
 と思ったら、どっこい、続きがあった。
裁判官「確定の日から5年間、その刑の執行を猶予する。被告人を保護観察に付する」

 えーっ!! 再度の執行猶予かよ、珍しいっ!!
 量刑の理由は、要するにこうだった。
裁判官「05年にうつ状態との診断を受け、現在においても、何らかの精神疾患が認められる。責任能力には問題がないものの、本件公妨の態様自体は、罰金刑がふさわしいともいえるもので、逮捕からすでに5カ月間、身柄を拘束されていることを考えれば、実刑はきわめて酷と言わざるを得ず、精神疾患の治療の機会を与えるのが適当と判断した。治療の機会を与えるため、今回に限り再度の猶予を付すこととした」

 言渡しの間、被告人は証言台のところに座り、分厚いノートに、刑務官から借りたボールペンで、何やら書き留めていた。しきりに体をねじって。
 裁判官が最後に「わかりましたか?」と被告人に言った。
被告人「はいっ」
 とはっきり答えた。
 勾留場所は拘置所なので、いったん拘置所へ戻ることになる。
 被告人は傍聴席、弁護人、検察官に礼をして、奥のドアから去った。
 母親と思われる小柄な老婆が傍聴席から見送った。
 10時27分閉廷。 

          ★ 

 10時30分から、東京高裁・第2刑事部(安廣文夫・山田敏彦・前澤久美子裁判官)で、業過致死・道交法違反の判決。

 被告人は女性。在宅。若め。
 黒タイツ、黒タイトスカート、黒カーディガンに、白セーター。細身で美人系。耳にピアスが光る。
 両親らしき年配男女が傍聴席に。

 主文。原判決を破棄する。被告人を懲役2年6月に処す。

 3月24日22時すぎ、飲酒後休憩をとったとはいえ体内にアルコールを保有する状態で、普通乗用自動車を運転。信号のある交差点を右折する際、青信号に従い右方から左方へ横断する自転車に気づかず、衝突し、乗員もろとも倒し、乗員(77歳男性)を死亡させた。
 衝突後、救護義務、報告義務を怠り、駐車車両やガードレールに衝突させて走行不能になるまで逃走…。
 4120万円の賠償金が支払われ、前科は駐車違反の罰金のみ(反則金を納付せず略式まで進んだんだろうね)とはいえ、原判決(懲役3年)は、その宣告時においては相当である。
 しかし、その後さらに反省を深め、30万円の贖罪寄付をし、老人ホームへ赴いて介護の手伝いをし、今後は介護の資格を取得するとのこと、老人ホーム長からの書面(嘆願書?)も出ていることなどからすると、原判決は、現時点においては重すぎるに至った…。
 そこで、6月減らしたわけだ。
 10時37分閉廷。

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2007年1月24日 (水)

逃げずに救急車を呼んだことがせめてもの救い…

 9時50分から、東京簡裁534号法廷で、1月17日に傍聴した弁護人なしの無免許の判決。
 この時刻に裁判所へ来るには、満員電車に乗ることになる。
 昨夜ちっと飲み過ぎたもんだから、気持ち悪くて…。

 今日は被告人は、黒いスーツ(サイドベンツ)に黒靴。
 勾留場所が警察留置場だから、判決後直ちに釈放されることになるため、私服で来たのだ。

 判決は、罰金25万円、満つるまで算入。
 未決勾留期間のうち、1日を5千円に換算して、刑に満つるまで算入する、つまり「全額をすでに体で払ったことにしようと」いうこと。

          ★

 10時から、東京高裁・第11刑事部(池田耕平・飯渕進・齋藤博志裁判官)715号法廷で、道路交通法違反の控訴審第1回。
 この構成、3人とも私はお初かな?
 池田裁判長は、昔の東映ヤクザ映画でいえば、ワル組長役のお顔。

 被告人(在宅)は、黒スーツ。
 弁護人は3人で、3人ともばりっとして、なーんかお金持ち風。
 国選が事務所の新人を連れてきたよ、という雰囲気は微塵もない。
 おそらくは私選なんだろう。
 真ん中の弁護士が少し三波春夫さんに似てた。

 被告人側の主張は、量刑不当。
 無免許で実刑判決を受け、介護の活動をやっている(今後も仕事にする)ので、なんとか執行猶予を、と。
 刑務所行きだけはなんとしても避けたく、私選を頼んだのだろうか。
 原審の量刑等は不明。
 検察官も裁判官も、10時30分から次の事件があるので「手短に」「ポイントを絞って」と再三言ってるのに、弁護人は被告人質問を20分ほどやった。弁論も4分ほどやった。
 裁判所の意向を無視しても被告人に満足感を与えよう…ということ?
 だったら、もう完全にあれは私選だろうな、と思った。
 次回判決。
 10時38分、次の事件の弁護人、被告人と交替。

          ★

 11分押して、10時41分から、同じ法廷、同じ構成で、道路交通法違反の判決。
 こっちは弁護人は1人。

 控訴棄却。
 05年に懲役9月、執行猶予5年、保護観察付きの判決を受け、そのわずか2カ月半後に1度目の酒気帯びで検挙され、さらにその1カ月半後に2度目の酒気帯びで検挙されたのだという。
 執行猶予は最大5年。しかも保護観察付きとは、実刑ぎりぎりのぎりぎりってことだ。
 それから間もなくの、2回続けての犯行では、どう考えたって控訴棄却だろう。
 傍聴人としては、そう思うけどね。
 原審の(つまり2回の酒気帯びの)が懲役何月かは不明。
 10時44分閉廷。

          ★

 11時から、東京地裁・第12刑事部(開廷表には小坂敏幸裁判官とあったが、小坂さん?)409号法廷で、業務上過失致死の新件。
 被告人(保釈中)は被告人席で、両手を膝の上に置き、重い雰囲気。
 業過致死の雰囲気は、他の事件とがらり違う。
 これ、まさに、昨日の記事で書いた、ありがちな不注意による事故、のようだった。

 昨年11月末頃、雨の朝、6時13分頃、下目黒3丁目の交差点を右折するに当たり、対向車線の安全確認に気をとられ(結局、対向車はナシ)、交差点出口の横断歩道を、傘をさして青信号で右方から左方へ横断していた女性(69歳)に衝突、外傷性脳障害で死亡させたのだという。

 被告人は39歳。
 某私立大学の体育学部を卒業し、就職。職業人の某スポーツでそれなりに活躍したが、会社は経営不振となり廃業。その後も、定職に就き続け、前科はナシ。違反歴も、本人が法廷で申告した10数年前の駐車違反とスピード違反が1回くらいずつ、のみ。
 そんな人物による、ふとした不注意で、人があっけなく死ぬのだ。

 量刑には影響しないと思われるが、「窃盗の前歴が1回」あるという。
 大学時代に、500円くらいのカセットテープを万引したらしい。
 そんなことでも、「窃盗の前歴1回」として出てくるのだ。
 06年5月末から、窃盗に罰金の選択肢が設けられた。
 従来は不起訴で終わっていたものが、略式で罰金になる、そんなケースがこれからは多くなるんだろう。
 略式でも罰金刑に処されれば、「窃盗で前科1犯」だ。

 求刑は禁錮2年6月。
 11時45分閉廷。
 ちなみに、被告人は四十九日の法要で、遺族からこう言われたそうだ。
「逃げなかったし、すぐに救急車を呼んでくれたし、それだけが救いだ…」

          ★

 急いで警察庁へ。
 96年からの都道府県別の、オービスの取締り件数と設置数の表の、提供を受ける。
 急いで警視庁へ。
 「平成18年度 再雇用職員・専務的非常勤職員の所属別・職種別配置表」の開示を受ける。
 「駐車取締支援業務」は、総計200人。
 裁判所方面へ戻る横断歩道で、向こうから、昔の東映ヤクザ映画のワル組長顔の背広の男性が。あれ? あの人、さっきの池田裁判長では? どこへ?

         ★

 いったん帰宅して急ぎ仮眠し、車で栃木県へ。
 相当の数のNシステム、Tシステムの下を通過したよぅ。

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2007年1月23日 (火)

こんな悲しい思いをするのは…

 ブログのタイトルを変更すると、URLが変わる…。
 アップした画像の在処もわからなくなる…。
 のかと説明書きを読んで躊躇し続けていた。
 のだが、
「えーい、めんどくせぃ。『今井亮一の交通違反相談センター2』(旧タイトル)は、いっくらなんでも不似合い、不適当。それは明らか。後がどうなろうと、知るか。変更しちゃえ!」
 と、1月22日(月)思いきって変更したよぅ。

 …が、URL等、べつに変わらないみたい。
 なーんだよぅ。
 早く変更すりゃ良かった。
 なお、いったん「交通違反バカ一代」に変更してから、これじゃあ、誰のブログかわからんじゃないの、と思い直し、「今井亮一の交通違反バカ一代」に変更しました。
 引き続きよろしくお願い申し上げます。

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 同日、有酸素散歩約1時間。
 途中、某社の広い駐車場に、警察のワゴン車と白バイが各1台駐車してるのを発見。
 事故?
 いや、事故ならこんなとこに駐車しないはず。
 さらに少し歩いて行くと、あら~、警察官4人で、待伏せ取締りをやってるではないか。
 信号交差点を斜めにカットして通過できる、50mくらいの道路が、昼間だけ車両通行禁止になってて、たまーに待伏せ取締りをやってる。何百回か千何百回か通りかかって、見かけたのは、今日が3回目か4回目くらいか。

 4人もいるのは初めて見た。
 件数を稼ぐ必要が生じたんだろうか(※)。
 地元の交通安協会とか防犯協会のオヤジが、「たまには取り締まれよ」とネジ込んだんだろうか。

※ ニュー駐禁取締りにより、駐禁分の反則金は激減するはずなのに、反則金を原資とする「交通安全対策特別交付金」の今年度の予算は前年度より多い。つまり、今年度は駐禁以外の取締りに力を注ぐことが推察できるのだ。

※ 念のため、その駐車場の管理者に尋ねたところ、警察官たちは駐車の許可を得に来たとのこと。無断駐車ではなかった。管理棟からは遠くて、どうせがらがらの駐車場なのに、えらいね。

 その取締りを見て、風見しんごさんの娘さんの、なんとも無念な事故死が思い浮かんだ。
 某TV番組のスタッフ氏から聞いたところによると、あの事件は、小学校のそばのスクールゾーン(車両通行禁止)を、抜け道として走り抜けたトラックが、抜けてから信号交差点を右折するに当たり、横断歩道を(トラックから見て)左側のほうから青信号で横断しようとする娘さんを…というものだったらしい。

 だとすれば、普通に前を見ていれば起こり得ない事故ではないか。

 いや! その感想は、そもそものところが間違っている。
 ごく普通の注意を怠っての事故が、最も多いのだ。

 05年の「原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・法令違反別死亡事故件数」によれば、
  「漫然運転」
  「脇見運転」
  「動静不注視」
  「安全不確認」
 の4つが、法令違反の40.5%を占める。
 事故類型のうち「人対車両」の「横断中」に限れば、73.2%を占める。

 そんな、ついありがちな原因で、なぜ人が死ぬのか。
 私はもう口を酸っぱくして言ってるが、車は一瞬で凶器になり得るのだ。
 車のCMは快適さや便利さばかりを強調するけれども、1トンも2トンもの鉄の塊が、ある速度をもって進行すれば、人間の柔らかな肉体などひとたまりもないのだ。

 坂道でサイドブレーキが甘くて車がゆるゆる動き出し、あるいは、サイドブレーキをかけずに駐車するのが習慣だったところ、ギアがドライブに入ったままだったためゆるゆる動き出し、止めようとして挟まれて死んだとか、車に乗らずにエンジンキーを回したらギアが入っていて車が動き出し、挟まれて死んだとか、報道される。そんなことでも、<<重い鉄の塊vs柔らかな肉体>>、あっけなく死んでしまうのだ。

 当たり前の注意を怠る、そんな事故をどう防げばいいのか。
「注意しましょう」
 と、いくら呼びかけても、ほとんど無意味だろう。
 注意を心がけていても、人間という生き物は、ときに注意を怠ることはあるし、もともと注意などしない者も、ある割合で確かにいるようだ。

 こういう話になると、世間はすぐに、
「厳罰化しろ。取締りを強化しろ」
 と騒ぐ。
 それは、応報感情を満たすことにはなるだろう。
 だが、事故の抑止力には、ほとんどならないだろう。

 もともと交通違反の検挙率は1%をはるかに割るのだ。
 0,01%の検挙率を10倍にしても、0.1%にすぎない。
 10倍もの取締りをできるはずがないし。
 いくら厳罰化したって、いつも注意してるつもりの者には効果がない。または極めて薄い。
 また、
「どうせ捕まらない。みんなやってる。いつもやってる」
 という者にも、効果がない、または極めて薄い。

 交通違反は、極めつけの「ザル法」だ。
 ザル法の存在ほど、人々の遵法精神を損なうものはないと、元内閣法制局長官の著書『法令作成の常識』(日本評論社)にも書かれている。
 酒気帯びや超過50㎞/h以上のスピード違反で捕まってから、
「これで免取りになる。会社は首になる。懲役刑を食らったらどうしよう」
 とおろおろする人は後を絶たない。

 じゃあ、どうしたらいいのか。
 2つの方法がある。

 1つは、注意を怠る者がいても、たちまち人が死傷しないようにすること。
 ガードレールを設けることが、まずそれに当たる。

 もう1つは、運転者が注意せざるを得ない状態をつくること。
 車に最徐行させたいなら、一時停止の標識を設けるなどしてヨシとするのではなく、ハンプや、道路幅を狭めるポールを設け、物理的に最徐行せざるを得ない環境をつくる、それが大事だと思う。
 『月刊交通』(東京法令出版)06年12月号の特集は、「生活道路対策」。
 路面のペイントにより、心理的に注意を強いる環境をつくる、という手もある。
 この2番目の方法には、規制を、合理的で最小限のもの、つまり、「この規制に違反するのは確かに悪いことだ。破る奴は文句なしに悪い」と、誰もが普通に納得できるものとすること、も含まれる。

 ところが、とにかく規制を設けて標識を立てる、たまに取り締まる、運転者に安全運転させる、というのがこれまでの発想といえる…。事故が起これば、もっと規制を、もっと取り締まれ、安全運転しない運転者をやっつけろ、という方向へばかり…。
 それじゃあ、どうにもならんだろ、と私は思う。

 風見さんの場合、有名なタレントだったので、事故がどんなに悲惨か、残された親はどれほど苦しいか、かなり報じられた。
 しかし、ベタ記事で終わる事故、1行も報じられない事故も、みな同様のはず。

 06年1月18日、風見さんは、目を真っ赤にして「うちの子のほかにこんな目に遭う子が2度と出てほしくない。お願いします」と訴えたそうだ。

 02年2月10日、東京地裁の傍聴席で私は、
こんなに悲しい思いをするのは、ほんとにもう私だけでたくさんです
 と聞いた。涙が止まらなかった。
 何人の親御さんが、そんな悲しい思いを強いられ続けるのか…。

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2007年1月22日 (月)

真犯人 出なきゃバレない 冤罪は

 先日書いた“あるある大事典・納豆ヤラセ事件”。
※ その記事に、その後のことを追記しときました。
※ その追記で紹介したライブドアニュースの、「放送内容が事前に流通サイドに流れている」という話のほうがショッキングかもね。

 あの番組を、うちの女房殿もちらっと見てた。
 てゆっか私のほうがたくさん見てて、女房殿に教えた。
 女房殿は、日本の伝統食(現代においては健康食)である納豆を、しょっちゅう食べてる。
 当然、のるはず。朝晩各1パック、よく混ぜて20分待ち、食べるはず…。
 ところが、のらなかった。冷笑。相手にしてくれなかった。
 ヤラセが発覚してから、理由を尋ねてみた。
 返ってきた答は簡潔だった。
「納豆でみるみる痩せる? そんなバカなことあるはずないでしょ」
 そして、言うのだった。
「あんたが、喜々として、20分待つんだとか言って朝晩食べてるのを見て、バカだなぁと思ってたのよ(笑)」
 く…くっそう…。

 「きっこのブログ」によると、こうしたヤラセこそが“あるある!”なんだそうだ。
 「あるある大事典」は打ち切りとなり、来週から「いるいる大事典」になる?
 ヤラセにころっと騙される、あんな奴、こんな奴、いるいる、と(笑)。

 だが、こっちのほうは深刻だ。

強姦などで服役の男性無実 別の男が容疑認め逮捕 富山」2007年01月19日20時56分
3年服役男性 無実」2007年01月20日
逮捕時「証拠ある」 富山の無実男性の兄に県警」2007年01月21日06時07分

 報道では、警察のコメントがいちおう出てる。
 検察庁のコメントもいちおう出てる。

 警察、検察が、今回は仮に反省したとしても、その反省が将来に生かされるか、といえば、かなり怪しい。きっこさん風にいえば「アリエナイザー」だろう。
 何があり得ないって、強姦の真犯人があとで(発表せざるを得ないほど)わかるってことが?

 それはいいとして(よかないけど)、気になるのは、裁判所のコメントがないこと。
「こういう理由で誤判しました」
 というコメントが、現時点ではないようだ。
「審理・判決の時点においては、やむを得なかったようにも見えますが、結果として誤判だった。警察・検察(行政府)の捜査に誤りはないかチェックし、無実の者を処罰させないよう見張るのが、刑事司法の役割であるにもかかわらず、無実の者を刑務所へ送ることに荷担してしまいました。これは司法への信頼を大きく裏切り、裁判所への信頼を著しく揺らがせるものです。過去の冤罪被害者も参加させて、原因究明委員会を立ち上げ、誤判が起こり得ない裁判を行えるよう、万全の努力を致します」
 それこそが「司法改革」だろうと思うんだが…。

 自民党が突然言い出した「司法改革」には、そんな観点は露ほどもなく、09年5月までには「裁判員制度」なるものを始めるんだという。
 あなたも私も、くじで選ばれて、冤罪づくりの共犯者になるかもしれないわけだ。
 だって、現在の捜査や自白の取り方、有罪に不要な証拠を隠すのが合法であること、などをそのままに(あるいは迅速化を理由にもっと悪くして)、国民の参加だけ持ち込もうって制度だから。
 でも大丈夫。
 あとで真犯人が出てくる可能性は希有ゆえ、バレませんよ。
 ってそれでいいのかぁ!
 と、ちらっとでも感じた方は、以下の本を読んでみてください。

裁判員制度はいらない Book 裁判員制度はいらない

著者:高山 俊吉
販売元:講談社
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 それにしても心配なのは、無実の強姦で服役したその男性、今どうしているのか…。
 色情犯は刑務所でイジメられるとか聞くが、どんな刑務所生活を送らされたんだろう…。

※ 日本に冤罪はないそうな。下級審で有罪でも、上級審で無罪となれば冤罪ではないし。有罪が確定すれば被告人が真犯人だから冤罪ではないし。
 富山の事件は、検察が再審請求して無罪になれば、冤罪ではなくなるのだ。
 私はそっちの手続きはよく知らないのだが、もしもその男性が行方不明であり続け、そしてもしもその男性の出廷がなければ再審を行えないとなれば、(当局的には)日本で唯一の冤罪が生まれることになるのか…。

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2007年1月20日 (土)

第2次Nシステム訴訟 訴状提出

 え~、ご報告を忘れておりましたが、「第2次Nシステム訴訟」は、1月17日(水)、つつがなく訴状提出の運びとなりました。

訴     状

2007年1月17日
東京地方裁判所民事部御中
原告本人兼原告11名訴訟代理人弁護士
櫻 井 光 政

当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり

損害賠償請求事件
 訴訟物の価額 1200万円
 貼用印紙額 5万6000円

請 求 の 趣 旨

 被告は原告ら各自に対し金100万円及びこれに対する本訴状送達の日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに仮執行の宣言を求める。

請 求 の 原 因

第1 当事者
 原告らは自動車を保有しこれを運転する者である。原告らが保有する自動車及びその利用状況は別紙自動車運用状況一覧のとおりである。
 被告は自動車ナンバー自動読取装置(通称Nシステム、以下本システムを指すときはこの通称を用いる)というシステム稼動させ、全国各地の道路上に自ら設置した撮影端末及び各都道府県警察が設置した撮影端末とをラインで結び、全国900箇所以上の端末設置地点を通過する全自動車の登録番号(以下ナンバーという)を撮影、記録している。また、交通流速の計測などを行いドライバーへの目的地までの到達予定時間などの情報を提供することが目的の設備であるとされている旅行時間測定システム(通称Tシステム)というシステムを稼動させているが、これについてもNシステムと連動させて捜査に利用している。

第2 収集するデータの内容および収集方法
 1
 Nシステムでは、撮影端末設置地点を通過する自動車の全ナンバーを記録するが、画像は蓄積、記録されていないと説明されている。しかし、後述する理由から、現実には画像も保存されていると推測される。
  Tシステムは、原理的にはNシステムと全く同じ、車両検知装置と撮影装置及びコンピューターがセットになったシステムである。従ってその外観はNシステムとほとんど区別がつかない。Tシステムでは全通過車両の画像が現実に蓄積されている。
  NシステムとTシステムは相互にリンクし、情報を共有できるようになっていることが後に述べる情報流出の事故によって判明した。情報が共有できるということは、相互に同種の情報を収集しているということを意味する。ということは、Tシステムが行っている画像の保存はNシステムも行っているということであり、Nシステムが行っているナンバー情報の記録はTシステムも行っているということである。
  以上によれば、NシステムとTシステムとはそれぞれの設置目的は異なるとされてはいるが、相互に、設置箇所を通過する車両を全て無差別に撮影、記録し、且つ画像も保存する大ネットワークになっているというべきである。
  その情報収集の方法は、物理的な強制力を用いるものではないが、情報を収集する場所は明らかにされず、且つ個々のドライバーが撮影を拒むことができないものである。

第3 データの管理状況
1 
被告がこれまで公表しているところによれば、Nシステムによって収集されたデータは厳格に管理され且つ一定期間経過後は廃棄されているとのことであったが、現実にどのように管理されているのか、またデータ保存の期間がどの程度長期にわたるのかについては一切明らかにされたことがなかった。
 ところが2006年3月16日付の毎日新聞報道によって、1999年5月の中旬から下旬にかけての10日の間に愛媛県や香川県、徳島県の国道、高速道路を通過した自動車延べ10万台のナンバー、通過日時が、愛媛県警捜査1課の警部の私有パソコンからファイル交換ソフト「Winny」を介してネット上に流出したことが明らかになった。また、流出した情報からは、NシステムとTシステムとがリンクしており、必要に応じてNシステムの操作端末からTシステムの情報も取得できることも明らかになった。
 警察官が私用のパソコンに取り込んで持ち出せるようなデータ管理は常識的に見ておよそ厳格とは言えない。また、7年前のデータがそっくりそのまま残っていたことに鑑みれば、「一定期間経過後に廃棄している」旨の説明は虚偽であるというべきである。
 要するに、国は、Nシステム及びTシステムを利用して、各々の撮影端末が撮影して得た画像を保存し、自動車ナンバーのデータを保存しているが、その保存及び管理の方法はきわめてずさんであり、個々の捜査官が希望すれば簡単に入手でき、かつ、個人のパソコンにもダウンロードできる状態なのである。

第4 権利侵害
 1
 被告がかように無限定かつ広範に個人の情報を同意なく取得して管理すること、しかもこの管理が極めてずさんなものであることは、両者あいまって国民に保障されているプライバシーの権利を侵害するものである。
  本件原告らはいずれも日常的に特定の自動車を利用して頻繁にNシステム及びこれと連動するTシステム(以下Nシステム等という)の撮影端末によって撮影され、画像を含む情報を取得されているものであって、それぞれが有するプライバシーの権利を侵害されている。このプライバシーの権利は3つの権利からなる。
   その1は肖像権である。人が濫りにその容ぼうを撮影されない権利は比較的古くからプライバシー権の代表的なものと認識されてきたが、Nシステム等はまさに濫りに人の容ぼうを撮影するものであるから、Nシステム等は原告らの肖像権を侵害している。
   その2は自由に移動する権利である。何人も自由に移動する権利を有しているが、Nシステム等によって国の監視下に置かれることにより、自由な移動が事実上制限されることになる。従ってNシステム等は原告らの自由に移動する権利を侵害している。
   その3は自らの情報をコントロールする権利である。個人の情報はもともとその個人に属するものであり、特段の事由がない限りどの情報を開示し、どの情報を秘匿するかはその情報の主体である個人の選択に委ねられるべきものである。ところがNシステム等は撮影端末設置場所を通行する自動車の全てをいやおうなしに撮影し、記録を保存するものでありながら、情報の主体に対しては、情報を保存しているかどうか、また、いかなる情報を保存しているかについて一切開示せず、その主体による利用の機会すら与えない。従ってNシステム等は原告らが自ら情報をコントロールする権利を侵害するものである。
3 原告らはNシステム等によって日々撮影されることにより、多大な精神的苦痛を被っている。この苦痛は金銭には換算しがたいものであるが、あえて金銭的評価を与えるとすると、その額は1人当たり100万円を下らない。
 よって原告のそれぞれについて金100万円の慰謝料の支払いを求めるため本訴請求に及んだ。

証  拠  方  法

甲第1号証 Nシステムニュース
甲第2号証 新聞記事

付  属  書  類

1 訴状副本               1通
2 甲号証写し             各2通
3 訴訟委任状              11通

 第2次というからには、第1次があるわけで、その提訴は98年3月16日だった。
 そっちは最高裁で敗訴が確定している。
 が、01年2月6日言渡しの東京地裁判決(平成10年ワ5272号。西村則夫・内田博久・下澤良太裁判官)は、こう言っている。

 しかし他方、このような車両を用いた移動に関する情報が大量かつ緊密に集積されると、車両の運転者である個人の行動等を一定程度推認する手がかりとなり得ることは否定できない。また、仮に、Nシステムの端末が道路上の至る所に張りめぐらされ、そこから得られる大量の情報が集積、保存されるような事態が生じれば、運転者の行動や私生活の内容を相当程度詳細に推測し得る情報となり、原告らの主張するような国民の行動に対する監視の問題すら生じ得るという点で、Nシステムによって得られる情報が、目的や方法の如何を問わず収集の許される情報とはいえないことも明らかである。

 この判決は、Nシステムが日本全国約400カ所にあることを前提としたものだ。
 現在、900カ所を超え、Nと連動させられるTシステムも1000カ所を超える…。
 91年の判決が危惧したことが、すでに現実のものとなっていると言えるのではないか。
 愛媛県警から流出したNデータを見ると、そのことは背すじが寒くなるほど実感される。

 愛媛の流出データが原告側から証拠請求された場合、被告国(代表者法務大臣・長勢甚遠)は、それが警察のデータと認めるかどうか、興味深いよね。

 ところで、私個人としては、「Nをなくせ!」などと最初から言うつもりはない。
 ただ、具体的に誰がどう運用してるのか、犯罪捜査以外にどう利用されているのか、全く明らかにされておらず、目的外の恣意的な利用があってもわからないこと、そういう利用を防ぐ現実的な手立てがないらしいこと、そういったところに非常な不安を覚えるわけ。
 Nに限らず、監視装置は、諸刃の剣といえる。
 世のなか、たいがいのものは諸刃の剣だろ。
 民のためになる側の刃が鋭いことはけっこうだが、民のためにならない側の刃は、丸めていかねばならない。それは十分に、または一定程度可能なことと思える。可能じゃなくても、努力していかなきゃ。
 そうやって世のなかは、比較的良い状態に保たれていくべき…そんなもんでしょ。

 おまけ。笑える動画を見つけたよ。

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2007年1月19日 (金)

長距離トラックの日常的な飲酒運転

1月19日(金)10時~

 東京簡裁の、今週4件目の道路交通法違反の新件。
 刑事1室1係(松本弘裁判官)826号法廷。

 起訴状によると、首都高・都心環状線での酒気帯び。
 午後2時30分頃。大型貨物。
 は? 昼間に大型トラックがどうやって捕まったの?
 って思うでしょ。

 冒頭陳述、同意書証の要旨告知、被告人質問と続くうち、
「ええっ!? そっそんなことが!!」
 となった。
 詳細は『ラジオライフ』で書くとして、概要を一部…。

 被告人は長距離の10t車の運転手。
 朝、荷卸しが終わり、眠るために酒を飲み、醒めてないと認識しつつ運転を開始。
 強引に割り込んだことから、そのときの前後の車とトラブルになり、前に回り込まれて止められ、口論中、相手運転手から「酒臭いぞ、飲んでるだろ、警察呼ぶぞ」とケータイで110番され…という事件だった。
 検査値は0.35mg。
 しかも、当時の状況について、書証にある内容と、被告人の法廷供述とが真っ向違うのだった。

 酒気帯びは初犯で、他に前科もないが、大型車ゆえか求刑は罰金25万円。
 来週判決。
 10時49分閉廷。

 今日は13時30分から、16日のとは別の2人の被告人の貨幣損傷等防止法違反の新件があるけど、欲張らず気を散らさず、帰ってもぞもぞ仕事をしよう、と思いつつ、念のため1階でちらっと民事の開廷表をめくってみた。運転免許の行政処分関係の事件があるかなと。

 11時から、東京地裁・第43民事部(松井英隆・阿部雅彦・大倉靖広裁判官)103号法廷で、
   原告:破産者(株)ヒューザー破産管財人弁護士瀬戸英雄
   被告:北区外17名
 という損害賠償事件の弁論あり。

 たぶんすぐ終わるだろうから、どんな感じか、ちらっと覗いていくことに。←もう気を散らしてるよ!
 傍聴席には背広の男が数十人。
 おっさん臭ぇ~。って私もおっさんです(笑)。
 原告側は3人。
 被告側は、多数というより大量。傍聴人と同じくらいずらっと並んでる。

 私はぜんぜん知識がないので、無知な奴はそういう見当違いの受け止め方をするのか、という程度のまとめになるかもしれないが、被告側が構造計算の何かをどさっと出し、原告側は全部確認しなきゃいけないのだが、その確認をやる会社1社でさばける量ではなく、かつ、確認をする会社へは依頼が殺到しているので、どうしようか、とりあえずいくつかやって、その結果を踏まえて今後の進行を決めよう、とそんなことになったらしい。

 次の弁論期日が、なんせ当事者が大量なので「差し支え」「差し支え」で決まらず、
「3月9日11時で指定させていただきます」
 と松井裁判長。
 この裁判長、傍聴席からは全身見えないのだが、たぶん背は低いほうなんだろうと思う。
 で、両脇の2人の陪席裁判官が、えらく背が高い。
 肩が、裁判長の頭のてっぺんより高いくらい。
 若い大男のボディガードを従えた長老、みたいな感じだった。
 裁判長、そんな歳でもなさそうだけど。
 ま、絵になってる、と思えた。
 11時8分閉廷。

 警視庁で2件開示を受け、農林水産省地下・第4食堂(そば食堂)で、てんぷらそば大盛り360円。
 えらく高いと思ったら、エビ天の食券を買ってたのだ。贅沢っ。

 ちょっと第2食堂も見てみた。
 日替わり弁当400円、あれは良さそうだね!
 第5食堂の日替わり弁当360円も、お得感ばりばりだが、40円の差なら第2のほうが良さそう。
 でも、第5の定食のほうがもっとお得。旨いし、栄養的にも良いし。
 農林水産省の地下の奥のほうへ迷い込むと、外で昼食とる気がなくなるね。

 帰宅して、さて少し仮眠しようかと時計を見上げたところへ、某TV番組から電話が…。

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午前2時に出会い系サイトで知った男の 後部座席が倒れた状態の車に

1月18日(木)13時30分~

 13時30分から、東京地裁・第19刑事部(角田正*裁判官)719号法廷で、道路交通法違反の新件。

※ *部分は、糸偏に「巳」。合体させると「糸巳」。
 私のパソコンではそんな文字は出ない。
 被告人氏名には、棒が1本多かったり少なかったり変わった文字がしばしばあり、「出生届を書き間違えたのかな~」と想像してるのだが、角田裁判官もそうなんだろうか。
 じつはそんな字、あるんだろうか。

 そういう話じゃなくて、719号法廷の前へ行くと、期日変更になってた。
 あ~、今日はこれで帰ろうか。
 いや、待てよ、霞っ子クラブのユキさんが傍聴してた殺人の、控訴審がちょうど13時30分からある。ちょっと見てこようか…。

 東京高裁・第4刑事部(大野市太郎・嶋原文雄・中島経太裁判官)803号法廷。
 さすが有名な殺人事件。傍聴席はずいぶん埋まってる。
 被告人(身柄。拘置所)は、黒いパンツスーツの細い女性。
 被告人質問が始まった。
 が、私は原審を傍聴しておらず、なのにたくさんの人物が次々登場するので、さっぱりわからない。
 しかも法廷はすごく暖かくて。
 うとうと…うとうと…。
 1時間近く眠ってしまった。

 途中で廊下へ出て、「そうだ、期日が変更になる事件は、ややこしい可能性がある、開廷表で被告人氏名等メモして、あとでチェックしよう」と719号法廷へ戻る。
 ふと隣の718号法廷(こっちは高裁の法廷)の開廷表を見ると、14時30分から強姦の判決。
 1~2分で始まるよ…。

 東京高裁・第6刑事部(池田修・吉井隆平・坂口裕俊裁判官)。
 被告人(身柄。拘置所)は車椅子。
 主文。本件控訴を棄却する。未決80日を刑に算入する。
 原判決の量刑は不明。

 もう1人の男とともに、出会い系サイトを通じて知りあった女性2人と、カラオケで遊ぼうと午前2時にコンビニの駐車場で待ち合わせ、後部座席を倒したワゴン車に乗せ、「遅いからカラオケ行くのヤメよう」と、280m離れた別の駐車場に止まり、車内で、片方の女性(※)に対し、口淫させるなど姦淫した…んだという。
※ 被告人氏名からネット検索すると、その女性は15歳の中学生? 後日自宅へ呼んでわいせつ行為をし、ケータイで写真を撮った? 逮捕容疑は「児童買春禁止法違反(児童ポルノ製造など)」となってるが…。

 被告人側の主張は、
「暴行を加えたのち強姦した事実はない。抑圧する程度の暴行を加えておらず無罪」
 というものらしい。
 池田裁判官は、
「午前2時に出会い系サイトで知った男の、後部座席が倒れた状態の車に、性行為をしない前提で自ら乗るはずがない」
 という主張を、
「被害者らが被告人らに会ったのは、カラオケに連れて行ってくれる相手をさがすためであったことは明らか」
 と退け、また、強姦中、強姦されなかったほうの女性がタバコを吸ったり携帯電話でメールをしたりしていたと、もう片方の男が原審で証言していることについては、
「(その女性のその行為は)必要以上に刺激しないようにしていたことのあらわれともとれるのであり」
 と退け、
「警察捜査の段階で被告人は否認を続けていたのに、認めれば執行猶予で出られるが認めなければ実刑だなどと言われ、屈して自白調書に署名した」
 旨の主張を、警察官証言によればそのようなことを言われた事実はなかったと退け…。

 真実は知らないが、いかにも裁判所っぽい言い方ではある…。
 2時47分閉廷。

 地裁の総務課(広報)で、来週の開廷表をチェックし終えたのが、15時10分頃。
 15時30分から地裁520号法廷で、「カリスマナンパ師」とされる被告人の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の新件だ。ちょうど良い時間…。
 いや、待て!
 お前は何者なのだ。
 お前の専門は道路交通法違反関連だろ。そんなに気を散らすな!
 メジャーで興味深い事件は、他の方々にお任せすればいいじゃないか。
 人間、欲張ったらアカン。
 美しい日本(※)の美徳とは、分をわきまえること、自らの分を知ることではないのか。
 と、新宿思い出横町の岐阜屋でラーメン350円、食って帰る。

※ 汚い奴ほど「美しい××」と言いたがる。掲げたがる。
※ 「分をわきまえる」は『武士道』より? 忘れた…。

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2007年1月18日 (木)

セルシオの廃車処分料2万円

1月18日(木)13時15分~

 東京地裁・第19刑事部(津田敬三裁判官)424号法廷。
 道路交通法違反(無免許)。
 12月21日が判決の予定だったのに、車の廃車証明のことで延期され、改めての判決期日だ。

 2万円の廃車処分料を払ったという領収書と、その関連の封筒などを書証として提出。
 車はセルシオだそうだ。
「領収書ですか? 廃車証明じゃなくて…」
 と津田敬三裁判官。

 双方の意見を改めて聞き、被告人に改めて最終陳述させ、判決。
 懲役3月、未決30日算入。

 なんだ、廃車うんぬんは考慮されなかったのか…。
 と思ったら津田さんはこう言ってた。
「累犯前科があるうえ、無免許にもかかわらず車を手に入れており、悪質である。求刑の4月は当然、刑務所へ行ってもらわないといけない。が、車を廃車したというので、斟酌して主文の刑としました」
 うーん。

 被告人は再び手錠・腰縄につながれながら、
「訴訟費用はカンベンしてもらえるようにしてくださいよ」
 と弁護人に。
 それを、立ち上がって去りかけた津田さんが聞き、
「説明を省略したけどね、負担しなくていいことにしましたから」
 と壇上から。
 13時21分閉廷。

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赤信号無視90㎞/hで自転車に衝突!?

1月17日(水)11時50分~

 東京地裁・第10刑事部(鈴木秀行裁判官)801号法廷。
 ちょい早めに入ると、窃盗・窃盗未遂の判決を言い渡すところだった。
 被告人は身柄(拘置所)。

 窃盗にもいろいろあるが、これは、いわゆるスリ。
 05年2月に、同種の窃盗・窃盗未遂で懲役2年、執行猶予4年の判決を受けたのち、
1、06年6月15日、京浜東北線の車内で女子大生のトートバッグから、
2、06年6月21日、京浜東北線の車内で女子大生のショルダーバッグから、
3、06年6月26日、京浜東北線の車内で女性のショルダーバッグから、
4、06年6月28日、京浜東北線の車内で女性のバッグから、
 現金やカード等が入った財布を抜き取り、4番目の現場を警察官に発見され、捕まったというもの。

 若い女性の、開口部の広いバッグを狙ったわけだ。
 被害合計約7万円。

 懲役2年2月、未決算入100日。訴訟費用不負担。

「求刑は3年6月。奥さんが今度こそしっかり監督すると誓っていること、幼い2人の子供がいることなどを考慮しても、2年2月はもうほんとにやむを得ないと考えて量定しました」
 と鈴木さん。

          ★

 予定の11時50分を7分ほど遅れて、危険運転致傷・道路交通法違反の判決。
 被告人は身柄(拘置所)。
 弁護人は高齢だが、身なりが良い。
 薄い白髪というより、よく整えられた銀髪、と表現したくなる。

 06年8月、午後5時頃、荒川区・西日暮里で、85㎞/hで進行中、前方の赤色信号を134.9mの地点で認めたのに、パトカーに追尾されていたため(覚醒剤が車内から発見されることをおそれ)、逃げようと加速し、90㎞/hで赤信号をことさらに無視して交差点に進入。横断歩道を青信号にしたがって右方から左方に渡ろうとしていた自転車の男性(49歳)を右前方49.9mに求め、急制動したが間に合わず、自転車後部に衝突。救護義務と報告義務を怠り、逃走を図ったのだという。

 何㎞/hだの何mだのいうのは、所詮は紙に書かれたもの。アテにはならない。
 とはいえ、相当とんでもない事故のように聞こえる。
 しかし被害者は、加療2週間の左手打撲・挫傷のみ。
 ほっとする。

 94年に懲役刑を受けて後、前科はなし。
「起きた結果はラッキーとしか言いようのないものだが…、悪くみようと思ったらいくらでも悪くみれるけれども、今後絶対にやらないという誓いをある程度信用して…」
 と懲役2年、執行猶予4年。訴訟費用負担。
 12時8分閉廷。
 たしかこの被告人、左手小指の先がなかった…?

          ★

 いったん帰宅して仮眠をとり、新宿歌舞伎町へ。
 新宿ロフトプラスワンで、阿曽山大噴火さん礼田計さんと、裁判傍聴のイベント。
 もう何回目か。
 今回もほぼ満席。ありがとございますぅ。

 この日のゲストは、「ライブドア事情に詳しい」とテレビで紹介されたという井上トシユキさんと、元刑務官・坂本敏夫さん。
 私はライブドアとか“ホリエモン”とか、まったく興味がないんだけど、坂本さんの話はじつに興味深かった。
 お客さんも興奮したでしょ、ねぇ。

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弁護人なしの無免許とスピード違反

1月17日(水)10時00分~11時44分

 今日は東京簡裁・刑事1室3係(堀内信明裁判官)534号法廷で、道路交通法違反が続けて2件。
 堀内さんのとこで続けて2件なんて、マニアにとっては贅沢な配点だ。

 なのに、間違えて1時間遅く起き、それでも余裕があり、たまにはのんびり鈍行(各駅停車の電車)でと思ったら、予想外に遅く、途中で急行に乗り換えたものの、その後の地下鉄が、先がつかえてるとかでやたら止まり…。
 こういうのを美しい日本語では「翻弄(ほんろう)」というのであろうか。

 いつもは5~9分前に傍聴席に着くのに、10時1分着。
 礼田計さんが既にいた。

 なんと、壇上に堀内さんの姿はなく、検察官が被告人に書証(被告人を有罪にするために検察官が用意してきた証拠書類)を閲覧させてた。
 審理は始まってない。
 ラッキー! どれほど安堵したことか。
 私が不覚にも遅れると、審理の