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2007年1月 8日 (月)

無免許ひき逃げのオリックス前川投手 どうなる?

オリックスの前川投手を無免許、ひき逃げで逮捕
 無免許運転で女性をはね、逃走したとして、大阪府警南署は7日、プロ野球オリックス・バファローズの投手、前川勝彦容疑者(本名・克彦)(28)=大阪市阿倍野区阿倍野筋4丁目=を道交法違反(無免許、ひき逃げ)と業務上過失傷害容疑で逮捕した。前川容疑者は「無免許だったので怖くなって逃げた」と供述しているという。前川容疑者は98年に免許を取ったが、スピード違反などを繰り返し、02年に免許を取り消されていた。
 調べでは、前川容疑者は6日午後2時ごろ、大阪市中央区心斎橋筋2丁目の御堂筋の交差点で、乗用車を無免許で運転中、横断歩道を自転車に乗って渡っていた同市港区の歯科衛生士の女性(28)に衝突。女性を転倒させ、両ひざの打撲など約1週間の軽傷を負わせたが、救護せずに走り去った疑い。
 前川容疑者は事故後、車から降りて女性と口論。現場近くの駐大阪韓国総領事館を警戒していた府警機動隊員が事故を目撃し、免許証の提示を求めたが、従わずに再び乗車して走り去ったという。乗用車のナンバーから所有者が前川容疑者と分かり、同署が6日夜から事情を聴いていた。

 と朝日新聞(上掲記事はその一部)。

 「スピード違反などを繰り返し」。
 これ、普通は複数回のスピード違反に駐車違反や交差点違反等をくり返したのか、と聞こえる。

 免許取消までいくからには、非反則行為(赤キップの違反)もあったのか。
 そうすると、スピード違反で前科が1回ないし複数回あることになる。
 遵法精神、規範意識の鈍磨が著しい、と責められることになる。
 酒気帯びや無免許(停止中の運転など)もあったのかもしれない。
 忙しい有名人の場合、停止処分者講習(いわゆる短縮講習)に出られず、かつ長い処分期間に耐えられず、つい無免許運転をやっちゃう、てこともあり得るだろう。

 今回の事件、なんで「口論」になったのか。
 自転車の女性がムチャな運転をしたため「衝突」したと、少なくとも本件被疑者は思う状況があったのか、なかったのか。記事からは、まったくわからない。
 ともあれ…。

① 死傷事故を起こしたことは、刑法211条、業務上過失致死傷罪に当たる。

第二百十一条  業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
 自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は、傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

 でも、「約1週間の軽傷」ということなので、事故のみなら、間違いなく不起訴だろう。
 交通関係業過の起訴・不起訴は、検察統計年報(05年)によると、致死も含めて、起訴が9万2031人(公判請求8365人、略式命令請求8万3666人)、不起訴が76万7452人なのだ。

② 無免許運転は、道路交通法64条の違反。
 罰則は同法117条の4、2号。1年以下の懲役又は30万円以下の罰金。
 普通車で初犯なら、相場は20万円だ。

③ 次に、「逃げた」ことについて。
 犯罪を犯して直ちに逃げることは、普通は何の犯罪にも当たらない。
「犯行後警察官が臨場するまで現場にとどまらなかった者は懲役×年に処す」
「他人を殺傷した者は、直ちに被害者を救護し、被害の状況を警察に報告しなければならない」
 なんて法律はない。
 自首を義務づける法律もない。

 しかし、道路交通法には、それに近い規定がある。
 事故を起こして逃げたことは、通常は同法72条1項の違反になる。
 1項は前段と後段とに分かれる。
 1項前段は、要するに、

 直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。

 というもの。
 この違反を、自動車の運転者がやった場合の罰則は、同法117条。5年以下の懲役又は50万円以下の罰金。

 1項後段は、要するに、

 警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

 というもの。
 この罰則は同法119条1項10号で、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金。

 報道によれば本件被疑者は、「車から降りて女性と口論」し、「免許証の提示を求め」られたが「従わずに再び乗車して走り去った」のだという。
 本件現場で何があったのか詳しいことはわからないが、場合によっては、「違法性は薄い。情状を酌んで寛大な処分を」と弁護士は主張するかもしれない。

 で、結局本件はどうなるのか。
 普通に略式(による罰金)ですむのか、頑張ればなんとか略式ですむのか、当然に公判請求(懲役求刑)なのか、そのへんは私にはなんともいえない。いえるだけの積み上げが、事故がらみでは、ない。

 ただ、公判請求されても、公判請求されるのが初めてで(通常はつまり懲役前科がなく)、執行猶予中でもなければ、そして『なんでこれが交通違反なの!?―警察は教えない126の基礎知識』のQ125にあるようなツボをしっかり押さえれば、執行猶予はつくんじゃないだろうか。
 とにかく、もしも本件犯行車両が被疑者の自家用車なら、直ちに売却等処分し、駐車場があるなら解約することが、必須だろうね。

 その場合、朝日新聞の記事の続きにある、
「雑賀忠夫社長は同日夜、解雇などの厳罰には消極的な姿勢を見せた」
 というのがねぇ。
 もしも、罰金か懲役か、実刑か執行猶予か、ほんとにぎりぎりだとしたら、そういう姿勢は良くないほうに作用するだろうとはいえる。
「厳重処分を検討する! もちろん解雇も含めてだ!」
 というのとは、検察官や裁判官に与える印象が違うだろうから。
 ま、刑事処分を軽くするためにウソのポーズをとるのは如何かと思うけど。

 えー、忘れてましたが(あんたはいろんなこと忘れるね)、1月17日(水)夜、ロフトプラスワンでまた裁判傍聴のイベントやります。
 私としては、お客さんとのトークに時間を割きたいと思うんですけど、どうなるか。
 よろしくお願い申し上げます。

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