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2007年1月29日 (月)

ひき逃げ同乗者の救護義務

江別ひき逃げ 同乗者にも救護義務 札幌高裁、初の認定
 二○○三年二月、江別市でひき逃げされ死亡した■■■■さん=当時(16)=の両親が、飲酒運転して■■さんをはねた男性と同乗の女性に、計八千四百万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が二十六日、札幌高裁であった。末永進裁判長は「事故後すぐに救護措置を取らなかった責任は同乗者にもある」として、男性にのみ賠償を命じた一審判決を変更し、男性に七千九百万円、女性にも慰謝料など三百三十万円を男性と連帯して支払うよう命じた。原告代理人によると、飲酒運転について同乗者の責任を認めた判決はあるが、ひき逃げを起こした車の同乗者に救護義務を認めた判決は全国で初めて

 と北海道新聞(1月27日。上掲はその一部。太字は今井。■部分は記事では実名。以下同)。
 「ひき逃げ、同乗者に賠償命令…札幌高裁が逆転判決」と読売新聞も。

 「同乗者の責任を認めた判決」とは、たとえばこれのことをいうのだろう。
 以下は河北新報06年11月24日の記事の一部。

飲酒運転でひき逃げ 同乗2人にも賠償命令 山形地裁支部
 北海道函館市内で2004年10月、飲酒運転の車にひき逃げされ死亡した同市亀田港町、大学生■■■■さん=米沢市出身、当時(20)=の両親が、運転していた同市的場町、元運転手■■■■受刑者(43)=危険運転致死罪などで服役中=と同乗の友人2人に、計9500万円の損害賠償を求めた裁判の判決で、山形地裁米沢支部は24日、3人に計6200万円を支払うよう命じた。
 判決理由で飛沢知行裁判官は、被告側3人が車ではしご酒をしていた事実を認定。「加害者本人だけでなく、運転を制止しなかった同乗者2人も、飲酒運転と危険運転行為を手助けした者として責任を負うべきだ」と指摘した。

 ひき逃げは、どうなのか。
 いわゆる「ひき逃げ」とは、道路交通法72条1項の、救護義務違反(同条前段)、報告義務違反(同条後段)のこと。
 72条1項は、こういう規定だ(太字は今井)。

 車両等の交通による人の死傷又は物の損壊(以下「交通事故」という。)があつたときは、当該車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

 「その他の乗務員」とは、誰をいうのか。
 『執務資料道路交通法解説13-2訂版』は、こう解説している。

 人又は物を特定の場所に運ぶという自動車本来の運行目的において、運転者とともに、目的を達成するための責任を有する者をいうと解されている。したがつて、この「乗務員」の範囲を定める基準は、自動車の運行目的において「責任」を有しているかどうかにかかつているといえよう(交通警察質疑応答集)。
 例えば、乗合自動車の車掌、ハイヤー、タクシーの助手、トラックの貨物の看視者等がこれに当たると解される。

 そうすると、刑事責任については、単なる同乗者に対しては、救護義務、報告義務は課されないことになる。
 なるのだけれども、「条理上の救護義務が発生する」として、民事責任を課した、ということなのだろうか。

 ここで、
「そんなら、なぜ道交法は、『その他の乗務員』に同乗者を含めないのか」
 という疑問を感じる?
 いや、それはさ、止まるかどうか、走り去るかどうか、の運行に責任を有していない者に、そんな義務を課すのは無意味ないし不適当、という考えによるんじゃないのかな。
 刑事責任は科さない(問わない)けれども、ケースによっては、一定程度の民事責任(損害賠償の責任)を課すことはあるぞ、という運用は、まぁスジが通っている(現実に即している)ように思える。
 記録はもちろん、判決書きすら読まずに、報道を見ただけでの、荒っぽい感想ではあるけど。

 何にしても、亡くなった当年16歳の方に、深く合掌するばかりだ…。
 次はあなたの、あるいは私の、番かもしれない。
 また、運転者の立場としては、飲酒運転をしなくても、何かの拍子に、いつ加害者になるかもしれない。
 交通事故は、普通の日常のなかで、一瞬のタイミングで起こる。
 「厳罰化を! 取締り強化を!」と叫べば逃れられる、というものでは到底ない。
 一瞬、一瞬、そうとうにヒリヒリしている必要がある。
 そんなヒリヒリ感を強いられること自体、おかしいといえばおかしいのだが…。

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