こんな悲しい思いをするのは…
「えーい、めんどくせぃ。『今井亮一の交通違反相談センター2』(旧タイトル)は、いっくらなんでも不似合い、不適当。それは明らか。後がどうなろうと、知るか。変更しちゃえ!」
つーことで、2007年1月22日(月)思いきって変更しました、当ブログのタイトルを、変更するといろいろ面倒なことになるらしく悩んでいたのだが、思い切って。
なお、いったん「交通違反バカ一代」に変更してから、これじゃあ、誰のブログかわからんじゃないの、と思い直し、「今井亮一の交通違反バカ一代」に変更しました。
引き続きよろしくお願い申し上げます~。
同日、有酸素散歩約1時間。途中、某社の広い駐車場に、警察のワゴン車と白バイが各1台駐車してるのを発見。
事故? いや、事故ならこんなとこに駐車しないはず。
さらに少し歩いて行くと、あら~、警察官4人で、待伏せ取締りをやってるではないか。
信号交差点を斜めにカットして通過できる、50mくらいの道路が、昼間だけ車両通行禁止になってて、たまーに待伏せ取締りをやってる。何百回か千何百回か通りかかって、見かけたのは、今日が3回目か4回目くらいか。
4人もいるのは初めて見た。件数を稼ぐ必要が生じたんだろうか(※)。
地元の交通安協会とか防犯協会のオヤジが、「たまには取り締まれよ」とネジ込んだんだろうか。
※ ニュー駐禁取締りにより、駐禁分の反則金は激減するはずなのに、反則金を原資とする「交通安全対策特別交付金」の今年度の予算は前年度より多い。つまり、今年度は駐禁以外の取締りに力を注ぐことが推察できるのだ。
※ 念のため、その駐車場の管理者に尋ねたところ、警察官たちは駐車の許可を得に来たとのこと。無断駐車ではなかった。管理棟からは遠くて、どうせがらがらの駐車場なのに、えらいね。
その取締りを見て、風見しんごさんの娘さんの、なんとも無念な事故死が思い浮かんだ。
某TV番組のスタッフ氏から聞いたところによると、あの事件は、小学校のそばのスクールゾーン(車両通行禁止)を、抜け道として走り抜けたトラックが、抜けてから信号交差点を右折するに当たり、横断歩道を(トラックから見て)左側のほうから青信号で横断しようとする娘さんを…というものだったらしい。
だとすれば、普通に前を見ていれば起こり得ない事故ではないか。
いや! その感想は、そもそものところが間違っている。
ごく普通の注意を怠っての事故が、最も多いのだ。
05年の「原付以上運転者(第1当事者)の事故類型別・法令違反別死亡事故件数」によれば、
「漫然運転」
「脇見運転」
「動静不注視」
「安全不確認」
の4つが、法令違反の40.5%を占める。
事故類型のうち「人対車両」の「横断中」に限れば、73.2%を占める。
そんな、ついありがちな原因で、なぜ人が死ぬのか。
私はもう口を酸っぱくして言ってるが、車は一瞬で凶器になり得るのだ!
車のCMは快適さや便利さばかりを強調するけれども、1トンも2トンもの鉄の塊が、ある速度をもって進行すれば、人間の柔らかな肉体などひとたまりもない!
坂道でサイドブレーキが甘くて車がゆるゆる動き出し、あるいは、サイドブレーキをかけずに駐車するのが習慣だったところ、ギアがドライブに入ったままだったためゆるゆる動き出し、止めようとして挟まれて死んだとか、車に乗らずにエンジンキーを回したらギアが入っていて車が動き出し、挟まれて死んだとか、報道される。そんなことでも、「重い鉄の塊vs柔らかな肉体」、あっけなく死んでしまうのだ。
当たり前の注意を怠る、そんな事故をどう防げばいいのか。
「注意しましょう」
と、いくら呼びかけても、ほとんど無意味だろう。注意を心がけていても、人間という生き物は、ときに注意を怠ることはあるし、もともと注意などしない者も、ある割合で確かにいるようだ。
こういう話になると、世間はすぐに「厳罰化しろ。取締りを強化しろ」と騒ぐ。
それは、いっとき応報感情を満たすことにはなるだろう。だが、事故の抑止力には、ほとんどならないだろう。
もともと交通違反の検挙率は1%をはるかに割るのだ。
0.1%の検挙率を10倍にしても、1%にすぎない。10倍もの取締りをできるはずがないし。
いくら厳罰化したって、いつも注意してるつもりの者には効果がない。または極めて薄い。
「どうせ捕まらない。みんなやってる」という者にも、効果がない、または極めて薄い。
交通違反は、極めつけの「ザル法」だ。
ザル法の存在ほど、人々の遵法精神を損なうものはないと、元内閣法制局長官の著書『法令作成の常識』(日本評論社)にもある。
酒気帯びや超過50㎞/h以上のスピード違反で捕まってから「これで免取りになる。会社は首になる。懲役刑を食らったらどうしよう」とおろおろする人は後を絶たない。
じゃあ、どうしたらいいのか。2つの方法がある。
1つは、注意を怠る者がいても、たちまち人が死傷しないようにすること。
ガードレールを設けることが、まずそれに当たる。
もう1つは、運転者が注意せざるを得ない状態をつくること。
車に最徐行させたいなら、一時停止の標識を設けるなどしてヨシとするのではなく、ハンプや、道路幅を狭めるポールを設け、物理的に最徐行せざるを得ない環境をつくる、それが大事だと思う。
『月刊交通』(東京法令出版)06年12月号の特集は、「生活道路対策」だ。
路面のペイントにより、心理的に注意を強いる環境をつくる、という手もある。
規制を、合理的で最小限のもの、つまり、「この規制に違反するのは確かに悪いことだ。破る奴は文句なしに悪い」と、誰もが普通に納得できるものとすること、も含まれる。
ところが、とにかく規制を設けて標識を立てる、たまに取り締まる、運転者に安全運転させる、というのがこれまでの発想といえる…。事故が起これば、もっと規制を、もっと取り締まれ、安全運転しない運転者をやっつけろ、という方向へばかり…。
それじゃあ、どうにもならんだろ、と私は思う。
風見さんの場合、有名なタレントだったので、事故がどんなに悲惨か、残された親はどれほど苦しいか、かなり報じられた。
しかし、ベタ記事で終わる事故、1行も報じられない事故も、みな同様のはず。
06年1月18日、風見さんは、目を真っ赤にして「うちの子のほかにこんな目に遭う子が2度と出てほしくない。お願いします」と訴えたそうだ。
02年2月10日、東京地裁の傍聴席で私は、「こんなに悲しい思いをするのは、ほんとにもう私だけでたくさんです」と聞いた。涙が止まらなかった。何人の親御さんが、そんな悲しい思いを強いられ続けるのか…。
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