スピードを上げずに追突されるほうがいい
1月31日(水)16時00分~
傍聴したい事件が、朝一と夕方だと、困るんだよねぇ。
ま、間にぶらぶらいろんな事件を傍聴するのもいいんだけど。
と笑ってたが、今日がその困る日だった。
連載原稿の締切りが押してるのに…。
そこで、9時50分からの東京地裁407号法廷の、町の電気店の哀しい無免許(空気感染症)、の判決は泣く泣くパス。
16時00分から、東京簡裁728号法廷で、12月22日15時10分から傍聴した首都高のオービス事件(56㎞/h超過)の、第2回公判。これもパス、しようかと思ったんだが、いや~、行ってよかった!
始まって早々、
裁判官 「期日間(きじつかん)整理手続きの結果をケンシュツいたします」
ケンシュツって、顕出? そんなの初めて聞いたよ。で、書記官がしゃべり始めた。
書記官って、初めてでうろうろしてる在宅の被告人に対し「そちら(被告人席)におかけください」と言うか、裁判官が法律手続きをすっ飛ばしてしまったときや、次回期日を決めるとき、裁判官に何やらひそひそ言うか、だいたいそんなことでしか法廷では口を開かない。
なのに、期日間整理手続き(※)で決まったことを、要旨記載の調書を棒読みするように、述べるというか、告知したのだ。
本件測定&撮影から1分以内に後続車両が写った写真は、そういうものは存在しなかったと検察官が言い、弁護人は証拠請求を撤回したとか、弁護人請求の謝罪文の提出に検察官は同意したとか…。
※ つまり法廷外でごちゃごちゃ決めてしまうこと。裁判員制度だ、国民の参加だと言いながら、どんどん国民の目が届かないところで大事なことが決まってしまうようになる、そんなふうに私は位置づけてるが…。
その「謝罪文」の要旨を、聞いてびっくり。
被告人は今回、深夜の首都高で、車線変更するときにはだいぶ遠くにいたはずの後続車がパッシングをくり返しながら猛然と迫ってきたのに恐怖を感じ、思わずアクセルを踏んだ、その直後、オービスに撮影された、と緊急避難を主張しているのだが、なんと以前、同様にパッシングされ、後続車の運転者(ら?)から殴る蹴るの暴行を受けたことがあり、そのときの加害者の謝罪文なのだという。へえ~、そんなことがあったんだぁ!
16時05分から被告人質問。
この内容も非常に興味深く、私の傍聴メモは全部で12ページにもなったよぅ。
ペンのインクもだいぶ減った。今使ってる、すごく書きやすい水性ボールペンは、インクの減りが早いんだよね。
被告人の供述を、一部拾おう。
被告人 「警察からは、オービスの前であおってスピードを出させることはあると聞きました」
はは~、やっぱ警察のほうも、そんなことはわかってるらしい。
被告人 「取調べの検事さん(検察官事務取扱検察事務官)が、スピードを上げずにぶつかった(追突された)ほうがいいと…。でも、僕としては事故がないほうが良かったんじゃないかと…」
それは警察官や検察官がよく言うセリフだ。
相変わらずそんなこと言って、略式に応じさせようとしてるんだな~。
あと、例によって検察官(公判立会い検察官)と裁判官は、後続車との距離は何mだったのか、しつこく尋ねた。
多くの被告人は、しつこく尋ねられるとつい、「1mくらいかな…。いや、3mくらい…」とか具体的な数字を口にしてしまう。
捜査段階でも、距離のことはしつこく尋ねられる。そうして、
裁判官 「距離についての被告人の供述には変遷があり、そのような後続車があったこと自体、信用できない」
とされてしまうのだ。
ところが今回の被告人(46歳、会社経営、在宅)は、どうしても具体的な距離を言わなかった。
しかも、法廷供述は一貫していて迫真性があった。
さーて、これはどうなるのか。
いつものように、
「そのような後続車があったという証拠がない。仮にそのような後続車があったとしても、法廷で(裁判官室)で落ち着いて考えれば、スピードを上げる以外に方法があった。スピード違反は危険である」
との論法で有罪(本件の相場は罰金8万円)とされてしまうのか。
肝は、56㎞/h超過という点かも。
「追突を避けるためだったとしても、10~15㎞/h超過の状態から、56㎞/h超過まで加速する必要はない。不自然である」
と。
17時閉廷。次回は論告。
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