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2007年2月 8日 (木)

ベゲタミンで昏睡強盗

2月7日(水)その2

 10時05分頃から、東京地裁・第15刑事部(三好幹夫・鈴木雄輔・佐藤智彦裁判官)419号法廷に入り、昏睡強盗の判決を傍聴。

 この事件、だいぶ長く争われてた。
 事件番号は「平成17年刑(わ)…」だもんね。
 被告人の氏名がちょっと変わってるので、「あー、今日もやってるのか」と、何度も開廷表を見てた。霞っ子クラブの毒人参さんの傍聴記「★女の昏睡強盗★表情が変わらない被告人」「女昏睡強盗☆証人、タクシー運転手キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!」も読んでた。
 しかし私は交通違反バカ一代。傍聴せずにきた。
 でも今日で終わりだからと、傍聴席に座ってみたのだ。

 主文の言渡しは終わり、裁判所の事実認定を裁判長が朗読しているところだった。
 被告人(若めの女性。身柄。拘置所)は、毒人参さんのイラストに似てた。
 弁護人も、毒人参さんの表現のとおりだったよ。
 裁判所が認定した事実は、一部拾い書きしたノートと記憶によれば、概略こんなところか。違ってるところもあるかもしれない。

 友人の女性の、「バブリーに見える」腕時計に被告人は興味を示し、クラブへ行くときそれを着けてくるよう言った。クラブで、コラーゲンの錠剤だ、私はいつも飲んでると、ベゲタミンを女性に飲ませた。女性は酒は強いほうだが、シャンパンを少し飲んだところ、急に意識が混濁(こんだく)乃至(ないし)喪失した。意識が戻ったのは自宅ベッド。タクシーで帰宅したことすら記憶になかった。
 女性は、腕時計がないことに気づき、被告人に尋ねた。被告人は知らないと言った。しかし女性は、被告人の応答ぶりから、被告人が絶対怪しいと思い、警察に届けた。捜査の手が入るまで被告人はその腕時計を手元に持っていた。被告人が盗み取ったことが強く推認される。
 被告人は「被害者が腕時計を差し出して預かった」と言うが、あとで女性から問われて「知らない」と言っており、被告人の弁解は不自然きわまりない。しかし他方、300万円で示談することになっており、200万円(?)は支払い済みであること、前科前歴がまったくないことなど、被告人に有利な事情もあるので…。

 被告人は、被告人席に座ってじーっと俯き(うつむき)、ときどき瞬き(まばたき)していた。
 主文は、懲役3年、未決300日算入、執行猶予4年、と聴き取れた。

「長い間、裁判やってきましたけどね、心してこの執行猶予期間を…」
 と三好裁判長が言うと、被告人は素直そうにいちいちうなづき、最後に、
「ありがとうございました」
 と礼儀正しく頭を下げた。
 真っ向から争ってたんじゃないの?
 なのに300万円で示談ってのも妙な話…。
 途中で主張を変えたのかしら。
 10時27分閉廷。

 この事件、漫画家の三代目仙之助さんがずっと傍聴してたそうだ。
 仙之助さんとは、前にいっしょにお仕事させてもらったことがある。またよろしくお願いします~。

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 ところで、以下は刑法より抜粋。

(強盗)
第二百三十六条  暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(昏酔強盗)
第二百三十九条  人を昏酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。

 「論ずる」って?
 執行猶予は、3年以下の場合にしか付かない。

(執行猶予)
第二十五条  次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その執行を猶予することができる。
一  前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二  前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2  前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

 強盗は「五年以上」だから執行猶予が付かない。
 だけれども、昏睡強盗は「論ずる」なので、論じた結果、懲役3年とし、執行猶予を付したのか…。 →本記事末尾の追記を

 それにしても、ベゲタミン
 その薬剤の名称、前にもどこかで聞いたぞ。
 留置場か拘置所で、ヘンな薬を飲まされ、人事不省になってしまった…というふうな話だっけ。
 今回の判決によると、相当強い睡眠誘導剤らしい。
 ベゲタミン、ベゲタミン、ベゲ、ゲタ、ミン…。と呟いてみる…。

 1階で民事の開廷表を見ると、運転免許の行政処分についての取消請求等の訴訟が午後に2件、地裁第2民事部と第38民事部であった。
 1件の事件番号は「平成17年(行ウ)…」。
 取締りの警察官を証人尋問するなど、そうとう激しく争った、んだろうか。
 それにしても長すぎるのでは?
 次回期日をあとで調べることにして、早々帰る。
 仕事場でやるべきことが、溜まりに溜まってるので…。

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 追記 刑裁はうすのヤスさんからメールでアドバイスいただいた。昏睡強盗が懲役3年とされたのは、刑法66条の「酌量減軽」によったのではないかと。んなことができるの? 
 と『刑法総論[改訂版]』(福田平・大塚仁編。青林書院。3500円+税)を見てみた。「犯罪の具体的情状に照らして、法定刑または処断刑の最下限でもなお重すぎる場合に、これによって刑を減軽しうるわけである」とあった。なるほど~、最下限の5年でも重すぎるので、66条により、執行猶予を付すことができるレベルまで減軽したっつーことですか。おぉ。ヤスさん、ありがとうございましたっ。

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