映画とおんなじ痴漢裁判
2月5日(月)13時30分~
東京高裁・第7刑事部(植村立郎・村山浩昭・伊東顕裁判官)717号法廷で、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反の判決。
法廷に入ると、主文の言渡しが始まるところだった。
司法記者クラブの記者らしき傍聴人が数人いた。
てことは、被告人が著名人か、または真っ向否認でかつ無罪の可能性がある事件なのだな…。
「主文。本件控訴を棄却する…」
その瞬間、傍聴席の、乳児を抱えた若い女性が「はあーっ!」と、絞り出すような大きな息を吐いた。被告人の妻のようだ。
06年6月13日8時11分頃のJR横浜線での、17歳の女子高生に対する痴漢事件。
原判決は懲役4月(求刑懲役6月)。
訴訟手続きの法令違反、事実誤認、量刑不当、を理由に控訴した事件だった。
被告人と女子高生の言い分は真っ向から対立してるんだという。
驚いたことに、「犯人はもう上(階段上?)に上がったんじゃないか」旨、現場で言ったサラリーマン風の男性がいたんだという。
しかし植村裁判官は、その男性について、
「影響を及ぼすような存在とは認められない」
と切って捨てた。
さっきの女性がまた「はあーっ!」と絞り出すように息を吐いた。鼻水をすすっていた。
被告人(在宅)は、固く目を閉じ、奥歯をぎりぎり噛みしめているよう。顔面が紅潮しているように見える。
取調べの前に出来上がっていて、訂正を求めたがどうしても応じてもらえず、「明日検事のところで訂正してもらえばいい」と言われて署名・押印した調書があるらしいのだが、その調書の信用性についての被告人側の主張を、植村裁判官は、原審での法廷供述と「同趣旨」だし、訂正を求めて容(い)れられた調書もあるのだから訂正してもらえないはずがないのだと、退けた。
妻がまた「はあーっ!」と。
その絶望と怒りと憔悴は、端(はた)から見ても凄まじく、倒れて死んでしまうのではないか、とさえ思えた。
ほか棄却判決の論法は、周防正行監督の話題作『それでもボクはやってない』と、まーさーに! おんなじに聞えた。
これは、道路交通法違反事件の問題点とあわせ、『ドライバー』に書こうか…。
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えっと、今月末頃発売の雑誌の、私の連載原稿は、以下のとおり。
『ザッカー』 「オービスの取締りが減ってるって本当?」と「IC免許証にチップに違反歴や前科は入る?」の2本立て。前者については、全国のオービス設置数と1基あたりの平均取締り件数も書いたよ。
『ドライバー』 一瞬の不注意による交通事故で人を殺した運転者、を裁く裁判のリアルレポート。
『ラジオライフ』 尋常でない仕方で発覚した、長距離大型トラックの常習酒気帯び運転。
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