『臨界点』と『霞っ子クラブの裁判傍聴入門』
ぎりぎりまで原稿を書き、ちょと旅に出てたのね。
やっぱ小説は、細切れの時間に少しずつ読んでもダメ、一気に読もうと、源泉掛け流しの湯に浸かりながら、部屋(客室)へ戻って一服しながら、一気に読んだ。
黒木昭雄さん、小説なんてチャレンジして大丈夫なの? と失礼ながら不安だったのだが、や~、びっくりしたよぅ!
人物がよく描けてて、主人公らが「こりゃもう助からんだろ」というところへ追い込まれ、そこからどう脱するか、十分に物語に入れた。
恥ずかしながら、泣いちゃったし、「おうっ! そこだっ!」と手を打ったりもした。
この小説は特に、警察官の人間関係等々のディテールが優れてると思えた。
ここまで書けるのは、黒木さん以外にいないんじゃないか。
警察マニアの方は必読。
何より、ここに描かれてる警察の、たぶんまだ誰も知らない(一部宮崎学さんが言ってたかな)警察の裏ガネ、これ、現実のいろんなことと符号するようだけど、マジ?
あまりにマジすぎて、ものすごくショッキング。凄い警察小説だ。
ま、エンターテイメントとしては100点とは言えないんだろうけど、そこを差し引いても、十二分に読めると思う、読ませると思う、とにかくいっぺん読んでみてよ。
今回の旅では続けて、『警察公論』(立花書房)の1月号から4月号まで連載されてた、「徳島県警察本部地域課 広域自動車警ら隊小隊長 職務質問指導員」宇野博幸さんの、
「実戦から伝承へ 治安を守る術としての職務質問」
と、各号の、
「クローズアップ実務 青年警察官の執行力向上を目指して 職務質問の要領と着眼点」
を読んだ。
あとでまとめて読もうと、コピーしてきたのだ。
職質ってのも、たいへんだね。まったく頭が下がる思いだ。
しかし、現場がそうやって汗を流して頑張ることで、警察組織のトップが裏ガネをつかむ仕組み…を黒木さんの『臨界点』は描いてるわけだ。
その仕組みを、現場から崩すことは不可能だろう。
不可能だから、そんな仕組みが築かれてしまいもするわけだ。
今年は選挙がたくさんあるらしい。
どの候補者に投票するか、そういう面からも…。
あと、もう1冊紹介しとこう。『霞っ子クラブの裁判傍聴入門』
これは、裁判所への往復の電車内ですでに読んだ。
申し分なく、読みやすくて面白い。
書き手の味がいいんだと思う。
どういうわけか、ブログのほうより格段に読みやすいのね。
巻末の、「レア度」が「★★☆」とかで示された「罪状カタログ」は素敵だ。
「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反」って、そんなのあったとは知らなかったよ。
そのなかに出てくる、農林水産省・職員第6食堂、のナポリタン510円の素晴らしさは同感として、裁判所から歩いて行ってその2軒手前にある、私がお気に入りの第5食堂、トさんからの情報によると大幅値上げしたらしい!
まぁね、これまでが安すぎだったわけだが、なんで「大幅」値上げなのか。
同省は地下の店舗をいじくってるようで、テナント料が大幅値上げになったのか。
ともあれ、豚生姜焼き定食や鯖生姜焼き定食たちは何十円値上げされたのか、確認に行かねば。
場合によっては、私の内なる霞が関昼食戦線に異変が起こるかも!
※続報 トさんによると、3日は値上げ幅が縮小されていたという。うむ~。以前大幅値下げされたときも、たしか、すぐに値下げ幅が縮小されたように記憶するが…。
そしてトさんからの連絡は、「東京地裁刑事に20部と21部が」で途切れた。
彼の身に何が迫ったのであろうか! ←『臨界点』の読後の余韻だ~♪
まさか、19部までだったところに、20部と21部が増部された!?
ちなみに、19部の裁判官に、私のPCでは「田正」と表示されるお名前がある。
これ、後ろのほうの「・」は、編が「糸」で、つくりが「巳」、の文字の角田さんだろうと思われる。
でも、「角」も変わった文字だったんだろうか。気がつかなかった…。
« 諸君の中の多数派、少数派 | トップページ | 反則金、罰金を払わないから逮捕ってあり得ね~! »
「私の本棚」カテゴリの記事
- 『境界知能の子どもたち 「IQ70以上85未満の生きづらさ」』(2025.03.08)
- 不出頭罪と未出頭(2024.10.03)
- レイシストの信仰はびくともしない(2024.09.30)
- 『特殊詐欺と連続強盗 変異する組織と手口』から『レイシズム』へ(2024.09.07)
- 刺激に身を委ねるばかりで熟考の習慣を失った人々(2024.08.16)

