オービス最高裁判決 どっちの上告か最高裁は勘違いした!?
盛り沢山な1日だった。
06年5月28日から、窃盗と公務執行妨害に罰金刑の選択肢が設けられ、その後、どれくらいが罰金(略式)で処理されたのか、興味津々だったでしょ。
東京地検管内分の、その件数がわかる、「被疑事件罪名別月表」を開示してもらってきた。
そのほか、いくつもあるのだが、やっぱ今日のメインは最高裁のオービス判決だわね。
15時30分から、最高裁第1小法廷で、3月29日に弁論が行われた、仙台高裁秋田支部で公訴棄却判決を食らったオービス事件の、上告審判決!
15時28分頃に、ウィーンと正面の自動ドアが開いて5人の裁判官が着席してから、撮影。数えた限り5台のTVカメラが来てた。5台かよっ。地裁では、いつも1台なのに。
「主文。原判決を破棄する。本件を仙台高裁に差し戻す」
ま、それ自体は予想どおりっつーか、こういう事件で弁論を開いて判決を言い渡すからには、それしか普通考えられないわけだが、その理由は何なのか。
「プラス誤差が生じないことは、いちおう立証されており、その裏付けの存在もうかがえる。ところが原審は、検察官に釈明を求めず立証をうながさず…審理を尽くさず事実を誤認した疑いがある…」
はあ? いちおう立証された? 点検会社の社員が、プラス誤差は出ないとメーカーから聞いている、と言っただけじゃないの?
その裏付けの存在もうかがえる? 一、二審で被告人は、裏付けデータを求めたのに、検察が出さなかったから、原審は公訴棄却としたんじゃないの?
※ あとで判決書きを読ませてもらったら、「存在がうかがえる」と記された箇所はなかった。不可解。
ま、この判決書きの評価、および差戻し審の予想、論点などは某番組スタッフ氏にコメントしたし、あとで雑誌でも書かせてもらうとして、ゴメン、みなさん、私、今、とんでもないことに気づきました!
判決の冒頭は、こうなってるのね。
「上記の者(※今井註:今回の被告人。運転者)に対する道路交通法違反被告事件について、平成18年3月14日仙台高等裁判所秋田支部が言い渡した判決に対し、被告人から上告の申立てがあったので、当裁判所は、次のとおり判決する。主文…」
ええーっ!? 原判決は公訴棄却(実質無罪)だよ。上告したのは検察でしょ。
06年9月6日付けの上告趣意書は、仙台高検の検事長・鈴木芳夫さんが書いてるよ?
5人も裁判官がいて、気づかないか?
もしかして最高裁は、上告したのが誰か、誤って、判決を出した?
いや、それは、あり得る話かも。
オービス測定値が絶対正しいことの客観的裏付けとなるデータ。これは本来、検察官が出すべきもの。が、本件では被告人が求めていた。被告人が求めて、検察官が出さなかった。考えてみりゃ、おかしな話だ。
最高裁は、どっちが上告したのか、混乱したのかも。
それとも、
「誤記でした。ごめんね」
ですむのか、判決をやり直すことになるのか。ええーっ!?
こういう珍事が起こるところからも、私は、オービス無謬神話の崩壊を予感する。予感したくなる。したい。させて~(笑)。
いや、冗談じゃなしに、オービスをめぐる裁判は、ここ1~2年、以前とはちょっと様子が違ってきているように感じられるのだ。
名古屋高裁でも、間もなく、本気の控訴審が始まるし…。
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