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2007年4月23日 (月)

オービス最高裁判決 どっちの上告か最高裁は勘違いした!?

 盛り沢山な1日だった。
 06年5月28日から、窃盗と公務執行妨害に罰金刑の選択肢が設けられ、その後、どれくらいが罰金(略式)で処理されたのか、興味津々だったでしょ。
 東京地検管内分の、その件数がわかる、「被疑事件罪名別月表」を開示してもらってきた。
 そのほか、いくつもあるのだが、やっぱ今日のメインは最高裁のオービス判決だわね。

 

P1010584  15時30分から、最高裁第1小法廷で、3月29日に弁論が行われた仙台高裁秋田支部で公訴棄却判決を食らったオービス事件の、上告審判決!

 

 15時28分頃に、ウィーンと正面の自動ドアが開いて5人の裁判官が着席してから、撮影。数えた限り5台のTVカメラが来てた。5台かよっ。地裁では、いつも1台なのに。

 

「主文。原判決を破棄する。本件を仙台高裁に差し戻す」

 

 ま、それ自体は予想どおりっつーか、こういう事件で弁論を開いて判決を言い渡すからには、それしか普通考えられないわけだが、その理由は何なのか。

 

「プラス誤差が生じないことは、いちおう立証されており、その裏付けの存在もうかがえる。ところが原審は、検察官に釈明を求めず立証をうながさず…審理を尽くさず事実を誤認した疑いがある…」

 

 はあ? いちおう立証された? 点検会社の社員が、プラス誤差は出ないとメーカーから聞いている、と言っただけじゃないの?
 その裏付けの存在もうかがえる? 一、二審で被告人は、裏付けデータを求めたのに、検察が出さなかったから、原審は公訴棄却としたんじゃないの?
※ あとで判決書きを読ませてもらったら、「存在がうかがえる」と記された箇所はなかった。不可解。

 

 ま、この判決書きの評価、および差戻し審の予想、論点などは某番組スタッフ氏にコメントしたし、あとで雑誌でも書かせてもらうとして、ゴメン、みなさん、私、今、とんでもないことに気づきました!
 判決の冒頭は、こうなってるのね。

 

「上記の者(※今井註:今回の被告人。運転者)に対する道路交通法違反被告事件について、平成18年3月14日仙台高等裁判所秋田支部が言い渡した判決に対し、被告人から上告の申立てがあったので、当裁判所は、次のとおり判決する。主文…」

 

 ええーっ!? 原判決は公訴棄却(実質無罪)だよ。上告したのは検察でしょ。
 06年9月6日付けの上告趣意書は、仙台高検の検事長・鈴木芳夫さんが書いてるよ?
 5人も裁判官がいて、気づかないか?
 もしかして最高裁は、上告したのが誰か、誤って、判決を出した?
 いや、それは、あり得る話かも。
 オービス測定値が絶対正しいことの客観的裏付けとなるデータ。これは本来、検察官が出すべきもの。が、本件では被告人が求めていた。被告人が求めて、検察官が出さなかった。考えてみりゃ、おかしな話だ。
 最高裁は、どっちが上告したのか、混乱したのかも。
 それとも、
「誤記でした。ごめんね」
 ですむのか、判決をやり直すことになるのか。ええーっ!?

 

 こういう珍事が起こるところからも、私は、オービス無謬神話の崩壊を予感する。予感したくなる。したい。させて~(笑)。
 いや、冗談じゃなしに、オービスをめぐる裁判は、ここ1~2年、以前とはちょっと様子が違ってきているように感じられるのだ。
 名古屋高裁でも、間もなく、本気の控訴審が始まるし…。

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