腹痛はだいぶ治ってきた、ように思う。
またまた新聞報道の解説を。
「警官酒気帯び」報告せず──大阪府警の2人「新婚」と同情(7月26日)
大阪府警阿倍野署の警察官2人が今月上旬、大阪市内の検問で、酒気帯び運転の京都府警の男性巡査(33)に反則切符を切りながら、提出書類には「公務員」と記載しただけで、上司にも職業を伏せたまま報告していたことが26日、分かった。結婚して間もない巡査が懲戒処分になることに同情したという。
2人は交通課の警部補(55)と巡査部長(54)で、道交法違反容疑で書類送検すべきなのに、反則切符で済ませる落ち度もあった。大阪府警は2人を処分する方針で、京都府警も巡査の懲戒処分を検討している。
と日経ネット(上掲はその一部。太字は今井)。
酒気帯びは「非反則行為」。「反則切符」(いわゆる青キップ)は使えない。
反則切符に酒気帯びと書いたら、たちまち発覚する。というか、処理できない。
酒気帯びは普通、交通切符(いわゆる赤キップ)で処理される。
通常は、検察へ送致(いわゆる書類送検)→略式で罰金、となる。
「書類送検すべきなのに、反則切符で済ませる落ち度もあった」
と日経記事にあるところからして、
「酒気帯びで検挙しようとしたが、巡査に同情し、一時不停止とか反則行為で青キップを切ってすませたのかな?」
と読める。
それは「落ち度」というより違法行為だろうに。
京都新聞の記事「右京署巡査が飲酒運転 大阪で検挙 上司に報告せず」をみると、こっちも「反則切符」としているが、
「23日に大阪区検で略式起訴の処分を受けた際に警察官の身分を名乗り」
とある。
一時不停止など反則行為で略式へ(つまり刑事手続きへ)すすむには、反則金不納付であることが必要だ。
巡査としては反則金ですませたいはずなのに、なぜ…?
拙著や自力HPの読者なら、このへんでもう完全に、
「報道は、反則行為=反則切符、非反則行為=交通切符、の区別がついてないんだな」
と気づくよね。
警察官、芸能人、スポーツ選手、そして革命家で凶悪犯罪者の交通違反はときどきあるんだから、新聞社・テレビ局は、拙著を記者全員に配ってね♪
そして…。
<警官酒気帯び>「公務員」で処理 大阪
7月27日2時57分配信
大阪府警は26日、阿倍野署の警部補(55)と巡査部長(54)が、京都府警右京署の巡査(33)を道交法違反(酒気帯び運転)容疑で検挙したにもかかわらず、書類送検せず交通切符(赤切符)で処理していたと発表した。大阪府警の基準では、警察官の飲酒運転などは切符処理でなく、書類送検することになっている。阿倍野署の警察官2人は、京都府警の巡査が懲戒処分になるだろうと考えて気の毒に思い、交通切符の職業欄に「公務員」と書き込んで処理していた。
と毎日新聞(上掲はその一部。太字は今井)。
これ、交通切符での処理では、送検しないか、身柄をつけて送検するか、と読める。
んなこたぁない。警察→検察→裁判所、となって罰金を科せるのだ。
これはねぇ、警察官の酒気帯びは、迅速処理のための共用書式である「切符」を用いず、通常書式で処理することになっていた、ということなんだろう。
一般人でも、オービスの速度違反で真っ向否認すると、通常書式で扱われることがある。
ただ、警察官の酒気帯びは、なんで通常書式にするのか、私はよくわからない。
懲戒処分のもとになるため、あとでごちゃごちゃモメないよう(モメても警察組織側が絶対勝てるよう)、迅速・簡便・大量処理の書式は用いない、ということなのだろうか。
あるいは………?
あと、職業欄に「公務員」と書いたって話。
これは、供述拒否権、黙秘権を告げたうえで、被疑者から聴き取ったことを書くわけで、被疑者自身が「こ、公務員…です」と言うことは、べつにいいんじゃないか。
公務員が会社員と言ったり、弁護士が自由業と言ったり、そんなことはよくある。
被疑者・被告人自身には、偽証罪はない。
「職業的立場をわきまえながらの犯行であることを、隠そうとしており、悪質だ」
とか情状が悪くなることがある、そういうことだろう。
ま、本件では、被疑者(巡査)が警察官だと述べたのに、「公務員」と書いたから、責められてるんだろうか。
ところで、こうやって大きく報道されながら、もととなる酒気帯び検査が、
弁護人 「再検査は絶対許さないという取り決めでもあるんですか?」
警察官 「それはもう、もう1回はやらないです。器械の正確性を保つためです。もう1回測ることはできません。器械の正確性を保つため、2回の検査はできません」
というものであることを、だ~れも一顧もしないんだなぁと、私としては寂しく思う。
会社員の女、酒気帯びで事故 守山署、容疑で逮捕
7月28日1時49分配信
守山署は27日、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、滋賀県守山市水保町、会社員岡見園子容疑者(39)を現行犯逮捕した。
調べでは、岡見容疑者は同日午後5時45分ごろ、同市荒見町で、乗用車を酒気帯び運転した疑い。大津市の会社員の女性(35)の乗用車に追突し、署員が調べたところ、呼気1リットル中から0・8ミリグラムのアルコールを検出した。
岡見容疑者は「運転前に知人とビールを3杯飲んだ」と供述しているという。
と京都新聞(上掲はその一部)。
酒気帯びってことは、0.8mgなのに、「アルコールの影響により正常に運転できないおそれがある状態」ではなかったわけ?
そうなのかもしれないが、口中に残ったアルコールが反応したのかもしれない…。
しかし酒気帯び検査は、正確性を保つため、2回の検査はできないのだ。
「スピード違反公判、偽証容疑で同乗者を逮捕…神戸」
「速度違反で偽証 容疑で同乗者らを逮捕 神戸地検」
これも、私向けの非常に興味深い事件なのだが、またの機会に。原稿が…。
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◆ 裁判員制度はいらない!大運動 ◆
こういう報道をみて、
「警察は厳格だ。可哀想だから、なんて通らない。可哀想でも違反は違反。不正は不正。厳格に処分する。というのは下っ端に対する処分だ。裏ガネ等、不正が骨がらみの組織ゆえに、外に対しては厳格さをこうやってアピールするんだよ」
と、ため息ついてる警察官もいるんだろうか、と想像してみる…。