強姦未遂の被害女性が過呼吸に
8月20日(月)
月曜は東京簡裁の開廷がない。けど、地裁のほうで、道路交通法違反の新件1件の前後に、計4件の判決が連続してあるし、警視庁に用事もあるし、公民館のプールは月曜は休みだしで、霞が関へ…。
まずは13時10分から529号法廷で、強制わいせつの判決。
10分前に法廷へ行ったら、20席の傍聴席がすでにぎっしり。うわ~。
「霞っ子クラブ」が活躍し始めた頃からか、傍聴人が全体に増えてるうえ、夏休みで、人気の色情犯で、しかも小さいほうの法廷…。
簡裁の今週の予定をチェックして、13時30分から東京地裁・刑事10部(伊藤敏孝裁判官)423号法廷で、道路交通法違反(無免許)の新件。
速度違反で9万円、信号無視で9千円、酒気帯びで10万円の罰金前科3犯があり、しかし酒気帯びで免許取消になったことを会社に言わず、仕事で上司2名を乗せて普通乗用自動車を運転中、進路変更違反を警察官により現認され、所持していた古い免許証を提示したが、無免許が発覚したのだという。
※ 信号無視は、反則金ですますこともできる。反則金を払えば前科にならないのだが。
もと「週刊現代」のFさんにちょっと似た検察官が、突っ込んだ。
検察官 「結局、バレなきゃいいやと思ってたんですか?」
被告人 「いや、そういうことはありません」
検察官 「じゃ、どういうことですか」
被告人 「……………………」
検察官 「今回バレたから(そのあとは)やってませんね。バレなければ続けてましたね」
被告人 「……………………」
検察官 「今回バレなければ(取消中であることを)会社には言わなかったでしょ」
被告人 「……いちおう他に職を探したりしてました」
検察官 「結局…(メモ漏れ)」
被告人 「いや…(メモ漏れ)」
検察官 「それを認めないんですか。それを認めないで、今後やらないと言えますか」
被告人 「……………………」
検察官 「職を探したって、どれくらい探したんですか。いま思いついたウソじゃないんですか」
被告人 「いえ、そんなことは……」
検察官 「終わりますっ」
求刑は懲役5月。
直ちに判決かと思ったら、翌週になった。
★
14時00分から、刑事20部(林正彦裁判官)425号法廷で、公務執行妨害の判決。
身柄(拘置所)。
懲役8月、未決40日算入。訴訟費用は不負担。
新宿歌舞伎町で午前10時28分頃、2交機のパトカーの前に立ちふさがり、罵声を浴びせ、タイヤを蹴るなどし、降りてきた巡査の胸ぐらをつかみ、右肩からかけていた警笛鎖(けいびょうさ)を引きちぎるなどの暴行をくわえ、もって職務の執行を妨害したんだという。
職場でのストレスや過度に飲酒していたことは、犯行を正当化するものではあり得ない。飲酒時の粗暴傾向には著しいものがある、と。
93年12月に、住居侵入・傷害・銃刀法で懲役1年、猶予3年(保護観察付き)、03年12月に、道交法・有印私文書偽造・同行使(つまり“なりすまし”だろう)で懲役1年6月、猶予4年の判決を受けているのだという。
裁判官 「なお、贖罪寄付(3万円)は、未決勾留の算入の点で考慮してあります」
なるほど。
★
14時10分から、同じ法廷で、今度は中島経太・浅川啓裁判官が加わって合議で、住居侵入・強姦未遂の判決。
ここは合議の広い法廷。さっきまでも傍聴人は多かったが、ドドッと増えてほぼ満席に。やっぱ色情犯は人気だ。
被告人は在宅。そこらで仲間と遊んでるときのような服装。
懲役2年5月、未決20日算入、執行猶予4年。訴訟費用は不負担。
かつての職場の同僚女性に一方的に好意を抱き、退職後1年たっても忘れられず、思慕の念が高まり、午前3時30分頃、同女方のマンション居室を訪れ、玄関ドアを開錠させ、「帰って」と言われたが押し込み、「ずっと好きだった」と抱きつき、抵抗されるや、このうえは強いて姦淫しようと、乳房をわしづかみにするなどの暴行を加え、同女が過呼吸の状態に陥るのを見て、自己の意思により姦淫を中止したため、その目的を遂げなかったものである、と。
同女には交際相手がいると知り、ムリヤリにでもセックスしてしまえば、同女の気持ちが自分に向くかも知れないと考えたんだという。
未遂のうちでも「中止未遂」を認めるのが相当である理由を、林裁判官は長々説明した。
中止未遂による減刑はしたんだけれども、
「相手の気持ちを全く考えないことが…」
「とくにね、やはり相手の立場、気持ちを考えることが不足していると思います」
と2度言ってた。
被告人は、最後に証言台の前に立たされるとき、よたーっ、ゆらーっという感じで動いた。かったりーなー、みたいな。
ま、それは被告人の、体の動きの個性なのかもしれない、と思ったのだが…。
★
14時20分からの予定が、14時32分から、同じ法廷で、今度は林正彦裁判官の単独に戻り、毒物及び劇物取締法違反の判決。
被告人(身柄。拘置所)は、背が高く、顔立ちがちょっと外国人のよう。白いTシャツに、Tシャツと同じような薄い生地の白い半ズボン。
懲役8月、未決10日算入、検察庁で保管してあるシンナー1缶を没収。訴費不負担。
みだりに吸引する目的で、密売人から購入した、トルエンを含有するシンナー1660ミリリットルを自室に所有していたんだそうだ。
03年6月に同じ罪で懲役5月の実刑判決を受け、03年10月にその執行を終え、これが累犯前科になるので、累犯加重をしたんだそうだ。
★
14時36分か37分頃、法廷を出ると、若い女性が泣きながら怒り叫ぶ、かのような声が聞えた。
一般待合室で、何かモメているのだ。
見ると、さっきの住居侵入・強姦未遂の被告人がいる。弁護人もいる。
あれは、被害女性なのだ!
若くて小柄な女性だった。被害時、20歳だそうだ。
「ねえ、やったのは、あなたでしょ? お父さんが起こした事件じゃないんですよ。あなたは一言もいわないんですか?」
被害女性の母親も言った。
「じゃ、あなたは悪いと思ってないの? 謝りもしないで示談金、示談金って」
このあと、聴き取れた限り、私はメモした。
とにかく、さっき裁判官が被告人にいった言葉、「相手の気持ちを全く考えない」は、そのとおりであって、そういう人物は、口を開けばこういうことを言うんだなぁ! と感じた。
14時45分、被害女性が過呼吸に陥った。
過呼吸は、いっぺんやると、くり返してしまうことが少なくないらしい。
相当ひどい状態のようだったので、私は母親に声をかけてから、いちばん早く行ける1階フロアの警備職員のところへ走り、18階の診療室から誰か来てくれるよう頼んだ。警備職員は直ちに電話を取った。
14時50分、警備法廷でよく見かけるジャンパー姿、の男性職員が2人きて、白衣の女性看護士2人と女性事務員1人がきたのは、14時56分だった。
それから、ぼーっと突っ立ってた被告人と、その家族、弁護人が一般待合室の外へ出され、ドアが閉められた。
「お母さんと看護士2人と、事務員さんしかいませんよー! 目を開けてー!」
「目を開けてー!」は、最初からずっと言っていた。
過呼吸は、目を閉じていると苦しくなるらしい。
このあと、「ああー!!」というシーンを見ることになるのだが、それはまたの機会に。
警視庁へ行くのは、約束の時刻を大幅にすぎて、15時30分すぎになってしまった。
いったん帰宅し、生活クラブ生協の班長さん宅へ行き、供給品をとって自宅冷蔵庫に詰め込み、また電車に乗って新宿へ。
ロフトプラスワン・ネイキッドで、「第三回政府転覆共同謀議~外山恒一(また)不当逮捕!~」に出演。
私は政治とか革命とか、まったく不案内。交通違反に関してのみ話し…。
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