レーダ事件 高速道路の橋脚がコーナーリフレクタの役割を!?
9月11日(火)
横浜で10時からって、カンベンしてほしい。
8時頃の通勤ラッシュの電車に乗らなきゃならない。
この時間帯の電車は、すごいねシカシ!
でも、そんなことでグチってちゃ、会社員諸氏に申し訳ないか、すんません。
渋谷から横浜へは下り線になり、空いてた。
座席はおおむね埋まり、立ち客がいない程度に。
後ろの車両(渋谷側)から車内を、他の乗客に続いて前のほうへ歩いて行ったら、途中、わりと広めの空席があり、やれやれと座ったら、近くの女性客からギロッとにらまれた。
ふと気づけば、周囲で座ってるのは女性ばかり。
ふと見上げれば、ガラスに「女性専用」というシールが。
え…? 事態を理解するのに、2秒ほどかかった。これまでの体験から、女性専用車両は端っこにあり、かつめちゃめちゃラッシュの時間帯に設定されるもの、と思い込んでたが、そうじゃない場合があるんだ
10時から、横浜地裁・第2刑事部(竹下進裁判官・新井吐夢検察官)401号法廷で、レーダ事件(31キロ超過)の第8回公判。
第1回は2006年12月13日。この事件、弁護人は私選で、相当がんばってるのだ。
この日は証人尋問だった。被告人側が請求した証人だ。
証人は、ある学園の中高部の教頭で、30年以上物理学を教えているという人だった。
過去に、光電式の事件で「特別弁護人」(弁護士資格のない弁護人)になったことがあり、レーダ事件では鑑定書を書いたことがあるんだそうだ。
どんな尋問に対しても、明解にスパッと答え、さすが中高生に物理を教えてきた人だと感じさせられた。言い足りなくて言葉をどんどん重ねる、ということがなかった。
本件現場は、高速道路の下。
頭上には、3つの面が直角に交わる角がいくつもあり、これはコーナーリフレクタの役割を大いに果たし、測定器のレーダ電波を多重反射させる…と。
検察官は、何か突っ込みたげだったが、あきらめてしまった。
突っ込めば突っ込むほど、誤測定の可能性があらわになるばかりだろう。
レーダ測定の信頼性を検討する委員会とか、そういう場だったら、
「問題の測定は、必ずしも信用できないね」
「いや、結論を出す前に、現場で実験・鑑定をしてみましょう」
という話になるはず。
だが、これは刑事裁判なのだ。
「証人は、科学的な可能性のことを言っているにすぎない。証人が言う多重反射によりプラス誤差が生じたと認めるに足る証拠は、何らない。一方、メーカーの社員はそんなプラス誤差など生じないと言っており、それを否定するに足る証拠は、何らない」
との論法で、裁判官は楽々、有罪にするだろう。
結局、今回の証人が言ったこと、メーカー社員が言ったこと、どっちが信用できるのか、第三者的立場の学者が実験・鑑定する必要がある。
弁護人はそれを求めた。
次回、書面で請求するそうだ。
次回、どうなるか。
裁判官 「検察官、(弁護人の請求に対する)ご意見は?」
検察官 「(有罪にするためには)不必要です」
裁判官 「では請求を却下します」
弁護人 「異議を申し立てます!」
裁判官 「検察官、ご意見は?」
検察官 「異議には理由ないと思料します」
裁判官 「では異議を棄却します」
それが、スピード違反の裁判における、いつものシーンなのだが、そのシーンを目撃できるかどうか、次回は10月12日10時50分~11時20分、お近くの方はチェックに行こうよ、ねぇ。
私? 私も行きたいですよ。通勤ラッシュが少しやわらぐだろうし。
◆ 裁判員制度はいらない!大運動 ◆
以下、横浜地裁でのオマケ、ということで。
地下の食堂で、ラーメン大盛り480円を食べ、せっかく横浜まで出てきたので、13時20分からの同法廷の、道路交通法違反の判決を傍聴。
どういうわけだか、ほとんど若い男性(学生風じゃない)が傍聴席を埋めていた。なに?
事件は、東名高速・下り46.5kp付近での、98キロ超過。
懲役4月、執行猶予3年、訴訟費用のうち国選弁護人に関する部分は被告人負担。
他の「部分」は、通訳人(ポルトガル語)の費用だそうだ。
そろそろ東京へ戻らなきゃいけないが、隣の402号法廷の、ドアの覗き窓からなかを覗いてみた、ちらっと。
こっちもほぼ満席で、しかしこっちは白いカバーの記者席がいくつもあった。
そんな注目事件なの? 凶悪犯罪なの?
被告人は、若くて坊主頭でメガネ。スーツを着て、しゃんと被告人席に座ってる。
開廷表には「職業安定法違反・わいせつ文書陳列」とある。合議だ。
何なんだろう。戻って被告人氏名で検索したら、「画像ちゃんねる」とやらの事件らしかった。そうなんだ~。
そしてこの日、気づいた!
傍聴席から向かって左右どっち側が弁護人席か検察官席か、ということについて、横浜地裁は面白いことをやってるんだね! その話はまた今度。
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