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2007年10月19日 (金)

外山恒一さんに対する鹿児島地裁判決について

 外山恒一さんに対する鹿児島地裁の仰天判決が、外山さんのサイトで公開された。
 去年からだっけ、検察官が用意した書証を訴訟目的以外にみだりに用いることは違法とされたが(刑事訴訟法281条の4)、判決の公開は問題ない。国のほうもPDFファイルでネット公開してるし。
 とりあえず、いくつかコメントしとこう。

 まず、一方通行の逆走について。
 「罪となるべき事実」に、「同標識を確認しなかった過失により…」とある。
 こんな事件が正式な裁判になるのは極めて珍しく、私は詳しくは知らないのだが、こういうのは「同標識の確認を怠り漫然と…」が適当じゃないんだろうか。
 わざわざ「過失により」と書いておいて、119条2項(過失犯の罰則)を適用せず、同1項(故意犯の罰則)を適用してるっつーのが、なんだかなぁ、落ち着きの悪い書きぶりだなぁ、とワタシ的には感じる。
 このへん、運用的にはどうなんだろう、詳しい方、教えて。

 それから、一歩もとえ一夫もとえ一方通行逆送についての「事実認定の補足説明」。
 こぉれは、なんだか、どっちにも認められるものを、とにかく警察官の説明を鵜呑みにした、みたいなものが感じられる。つまり、日本の裁判所のごく一般的な認定なわけだ。
 それにしても、その認定の1つの理由となってる、
「被告人がこの付近でストリートミュージシャンとして活動しており、この付近の地理にも精通していると考えられることから…」
 という部分、意外だ。
 外山さんは、原付バイクを走行させながらドガチャカ音曲を鳴らしてヤホホヤーとか歌い、街路を(ストリートを)練(ね)り歩く、いや、練り走る、そういうタイプの「ストリートミュージシャン」らしい。
 だったら、地理にも交通規制にも精通している可能性があるといえるだろう。
 え、そんな妙なミュー儒者ン、もとえミュージシャンじゃない?
 うーん、そしたら、判決書きのその理由づけは、ちょっと苦しいような…。

 次、「法令の適用」の、訴訟費用負担の理由。

刑事訴訟法 第181条第1項  刑の言渡をしたときは、被告人に訴訟費用の全部又は一部を負担させなければならない。但し、被告人が貧困のため訴訟費用を納付することのできないことが明らかであるときは、この限りでない。

 私が750件ほど傍聴してきた限りでは、訴訟費用を負担させないとき、「181条1項の但し書きを適用して…」と言うことはあるが、負担させるときは、せいぜい「181条1項により…」という程度だ。
「なお、被告人は、自己の職業を明らかにせず、その結果、収入や現在の資力等も判明しないので、刑事訴訟法181条1項ただし書に該当する事由があるとは認められない」
 と、わざわざ書くのは、
「ほんとうは、お前、貧乏なんだろ、ふふ、それなのに負担を命じられるのは自業自得だぞよ」
 と言外に臭わせてるような、そんなものが感じられる…てのは感受性が豊か過ぎるだろうか。※外山さんの経済状況については私は不知。

 次、12万円という金額について。

刑法 第48条第2項 併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する。

 一方通行(故意犯)は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金。
 スピード違反(故意犯)は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金。
 合計15万円の2割引で、12万円? そういうことなんだろうか。
 しかしそうだとすると、「量刑の理由」を見ると、酌量すべき情状など一切なく、チョー悪質なわけで、なんで2割引いたのか。その理由が、判決には見当たらない。

 あと、スピード違反については、本件被告人は自信を持って再犯に及ぶことが認められるともいえるので、ま、上限の10万円(ないし2割引きの8万円)でいいと、仮にしたとしてもだ、一方通行のほうはどうなのか。
 一方通行は、被告人の「応訴態度」からして、Uターンしたなどと、あえてみっともないウソをつくとは考えにくいなかで、警察官と被告人の説明が真っ向から食いちがってるわけだ。
 それを、警察官の説明を簡単に信じて、有罪の事実認定をし、その認定にもとづき、被告人は反省してないとかで量刑を重くするなら、それって、刑事被告人を萎縮させて真実を語らせず、あえて虚偽の自白させるよう導くものなんじゃないか。
 真実がどうだったかズバリわからないなかで、事実について真っ向から争うと、反省してないからと量刑が重くなる、これは、裁判所が“独善・独断の大王”であることを無防備に許す、非常に危険な統治思想と思えるのだが…。

 以上、たいへん雑駁ではありますが、とり急ぎそんなことで。
 もう私ゃ裁判所へ通いすぎてパンクしそうなの(泣)。
 以下、これまでの関連記事を念のために。

2007年10月7日 2日の判決を5日に報じたのは?
2007年10月3日 違反処理システムの根幹が揺るがす「罰金12万円」
2007年10月2日 求刑1万5千円に対し判決12万円!
2007年6月23日 交機隊員の速度違反取締り 1回の当番で約7件
2007年6月22日 平成18年(わ)第182号の「わ」は我々団の「わ」か
2007年6月20日 外山恒一さん 勾留理由開示の裁判
2007年6月14日 有名人を逮捕することの利点
2007年6月13日 外山恒一さん交通違反で逮捕
2007年4月4日 反則金、罰金を払わないから逮捕ってあり得ね~!
          ※ 参考記事 反則金を払わず逮捕!?
2007年3月31日 諸君の中の多数派、少数派

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