関西弁のご婦人方と傍聴三昧
10月19日(金)
11時15分から、東京簡裁826号法廷(岩垂正起裁判官・木村昇一検察官)で、窃盗未遂の新件あり。
もしか、もしかして、またウチダミツノリ警部補がからむ電車内でのスリ未遂だったら大ヒット、と思い裁判所へ。
10時から12時まで地裁104号法廷に、通称・監禁王子の判決が入ってるが、でもそんなの関係ねぇ、おっぱっぴ~。っておいおい。
ちょいと早めについた(電車のトラブルがあっても開廷時刻に間に合うよう早めに出てるのだ)。
11時から高裁のどこかの法廷で何かやってるはず。ちらっと見ていこう。と、正面玄関側のカウンターへ。
高裁の2つの開廷表を、連れらしき2人のご婦人が1つずつ取ってゆっくり見てる。
「ちょとすみません」と声をかけ、急ぎ11時からの事件を調べる。
1人のご婦人が私をにらんだ。
東京高裁720号法廷へ11時数分前に行くと、前の事件の判決の途中だった。
田中康郎裁判長が、聴き取れないほど小さな声で、「上告は高いハードルを越えなきゃいけない」「量刑不当では棄却される」「上告すると来年春頃までかかる」「それから服役するから出所が先になる」といったことを、長々説明していた。そんなの珍しい。なに?
ガラガラの傍聴席へ、さっきのご婦人2人が入ってきた。
続けて11時から、暴行の第1回。
被告人は在宅。人定質問で、よくしゃべった。腹の中に一物ありそうな感じ。
控訴の趣旨は事実誤認。否認だ。被害者が4度通院したのは虚偽である、とか弁護人が言ってた。
田中裁判長は、弁護人の証拠調べ請求をすべて却下し、次回判決。
廊下へ出て開廷表をメモしていると、そばへさっきの2人のご婦人がきて、ちょっと会話することに。
なぜか関西弁だった。
で、傍聴は初めて、次に何を傍聴するか決まってないというので(だから高裁へきちゃったわけだ)、簡裁で窃盗未遂はどうですかと、案内することに。わはは。
ところが、若干上品めのご婦人に緊張したか(笑)、そばの階段を1フロア上がればいいのに、1つ下がって北側へ行ってしまい、エレベータで2フロア上がって南側へ歩き…。
11時17分頃、826号法廷に入ると、前の暴行の論告・弁論をやってるところだった。
電柱に捕まって嫌がる被害女性の髪をつかみラブホテルへ入れようと引っぱった、んだそうだ。
再度の交際を切望するがゆえの、愛情に起因する突発的な犯行だ、と弁護人。
最終陳述のとき、被告人(胸下までの短いGジャンの下に、幼児向けのような絵が入った長めのトレーナー様という、チョー斬新な組み合わせ!)の頭部が揺れていた。以前見た脅迫・威力業務妨害の、あの被告人の頭部の動きを思い出した…。
求刑は罰金20万円。
11時28分、ようやく、目指す窃盗未遂の被告人が入ってきた。
身柄、拘置所。63歳。住所不定、無職。
北海道で中学を卒業、炭坑夫、建設作業員などに従事、結婚して子どもも生まれ一軒家を借りていたが、50歳のころ、妻に浮気がバレ、離婚。60歳をすぎて交際相手の女性とも別れ、今年6月、窃盗で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を宣告されてから、たまに日雇い労働をやりつつ、マクドナルドで夜露をしのぎ、たまにカプセルホテルに泊まるようになったんだそうだ。
本件犯行は、100円ショップで買い集めた錠前の鍵を35個束ねて持ち、日本橋高島屋の公衆電話の料金ボックスを開けたところ、以前にも怪しい動きをしていた男がきたから警戒してほしいと受付け店員から連絡を受けて追尾していた警備員4人に見つかり、現行犯逮捕されたというもの。
被告人によると、暴力団組員に頼まれてトカレフの運搬をやったことがあり(1回目の報酬は6万円、2回目は3万円)、犯行当日も頼まれていて断れず、逃れるための本件犯行だった、ということらしい。
が、その話に具体性はないそうで、詐話かどうか不明…。
求刑は懲役2年。これはもう実刑は免れないだろう。
12時12分閉廷。
2人のご婦人とともに、下りのエレベータへ。
木村検察官といっしょになり、ご婦人方は、なんで検察官は風呂敷なんですか、そのバッヂはキムタクといっしょなんですかと、関西弁のイントネーションでがんがん質問してた。
通称・監禁王子の判決を傍聴した、某出版社の担当編集者氏と、近くのレストランへ打ち合わせに。1500円のランチをごちになってしまった。財布を忘れてきたので、助かった~。
来週の開廷表をチェックしに裁判所へ戻り、例の娘さんからも判決について聞く。
未決勾留期間が620日だか算入され、訴訟費用負担とされたそうだが、読売と朝日を見る限り、やっぱそういうことは報道されないようだね。
「懲役14年」という量刑の意味は重いが、実際の服役は満期でも12年ちょいになる、というのは、訴訟費用(弁護人は私選とすれば、証人の旅費・日当)の負担・不負担とあわせ、世間的には興味の対象外なんだろうか。
非常階段で、礼田計さんにばったり。
午後は地裁のほうで、道路交通法違反についての勾留理由開示という珍しい裁判があるという。勾留理由開示の裁判はときどきあるが、道路交通法違反ってとこが珍しいのだ。
しかし私はもう今日は…。
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