自賠責法違反と窃盗未遂
10月23日(火)
13時30分から、東京簡裁・刑事2室1係(武内晃裁判官・草山哲明検察官)で、自動車損害賠償保障法の新件。
罪名からは、無保険と考えられる。
無免許・無車検・無保険というのは地裁でときどきあるが、無保険単独というのは、地裁でも簡裁でも初めてじゃないかな。
というわけで傍聴してみた。
傍聴席には、阿曽山大噴火さんと礼田計さんがいた。
被告人は生年を西暦で言いい、本籍は「日本です」と。台湾から帰化したのだった。
冒陳および被告人質問によると、なかなか立派な経歴なのだが、経済的には厳しい面があったようで、カネがなくて自賠責に入れなかった、と。
車両は、「二輪の自動車」。自二か原付かは不明。
1年ずつ約1万円で掛け金を(払っている時期は)払っていたという。
1年約1万円という金額でもって、代理店の人は、自二か原付か区別がつくかも。
でも、あれって、1年ずつだと高いけど、3年まとめて払うとずいぶん割安のはず。
被告人は、なぜそうしなかったんだろう。
ともあれ、今年4月に、交通事故の被害者になり、それで発覚したんだという。
その少し前に、キーを壊され(盗まれそうになったんだね)、その修理のとき、自賠責が切れていることを知ったが、カネがなくて、かつ、日本にあまりいないこと等もあり、自賠責に入らなかったんだという。
そして、略式に応じたところ、罰金額があまりに高く、それで自ら正式裁判を請求したんだという。
だから公判廷へ出てきたわけだ。
でも、ダメだよ、それは。
こういう事件は、略式に応じる前なら、不起訴(この場合は起訴猶予)で罰金ナシになる可能性もあるが、いったん略式に応じてしまったら、相場どおりの金額の罰金刑となり、それから正式請求をしても、結果はまず変わらない。拙著や雑誌記事で、いつも述べてるとおりだ。
もちろん、資力によって罰金の実質的重さは大いに異なるけれども、でも、資力ゆえに罰金の減額を望むなら、納税証明とかいろんなものを出して立証しないといけないんじゃないかな。
求刑は罰金20万円。
数分休廷して判決。罰金20万円。訴訟費用、不負担。14時10分閉廷。
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14時20分から、簡裁・刑事2室2係(石井清弘裁判官・青木秀憲検察官)728号法廷で、窃盗未遂の新件。
電車内のスリ未遂だったら大ヒット、と思ってまた傍聴したわけだ。
が、その意味では、また外れ。
しかし、たいへん興味深い事件だった。
新宿・大久保のドンキホーテで、DVD4枚を、そのまま万引するとバレるので、カゴに入れて建物外(敷地内)の非常階段の下に置き、いったん店を出てから、塀を乗り越えて窃取しようとしたが、警備員に捕まり、白状して逮捕された、のだという。
礼田計さんから言われて気づいたのだが、この被告人、ずっと、目に見えるほど震えていた。約30分後に閉廷するまで、ずっと震え続けていた。
しかも、何か問われたときの反応が…。
人材派遣会社・フルキャストで働いていた(または登録していた)のだという。
ものすごーく印象に残る被告人だった。
約2年前に、自転車のカギを壊すためのドライバーを所持していた(検察官の言い分)ことで、特殊開錠容疑の所持の禁止等に関する法律違反で懲役10月、執行猶予3年の判決を受けており、本件求刑は懲役1年6月。次回判決。
実刑は免れないだろう。刑務所でどうなるのか、ものすごーく心配な気がして…。
それから警視庁と警察庁と総務省へ寄り、某番組のVTR撮りへ。
面白い資料をゲットしてきたが、ぜんぶ番組スタッフに預けてきてしまった。
帰りの電車で、「げっ、乗り過ごした!」と飛び起き、立って降車しようとしたがもう遅く、気づけば2つ手前の駅だった。恥ずかし~。
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