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2007年11月11日 (日)

裁判員制度の本質とは

警察署近くで108キロオーバー バイクの男逮捕
 広島県警府中署は9日、制限速度を108キロオーバーしてバイクを運転したとして道交法違反(速度超過)の現行犯で、広島県福山市新市町戸手、建設作業員、■■■■容疑者(30)を逮捕した。「スピードは出していない」と否認しているという。
 調べでは、■■容疑者は出勤途中の9日午前6時半ごろ、府中市鵜飼町の市道で、制限速度40キロを108キロ超える148キロで運転した疑い。
 近くの住民から「いつも同じ時間にすごいスピードで走るバイクがいる」と取り締まりの要望が出ていた。現場は府中署から約100メートルしか離れておらず、同署は「普通は違反をしないはずだが」とあきれている。

 と11月9日付け iza(■部分は記事では実名)。
 鵜飼町の府中署前の市道は、直線のようだが、148キロも出せるんだろうか。
 事実出しても出さなくても、容疑はチョー重い。
 ゆえに、否認してもしなくても、公判請求され、懲役5月くらいを求刑されるはず。
 事実148キロも出してなくて、被告人は争いたがっても、国選の弁護人から、
「あんた、測定値を否定する確かな証拠でもあるの? ないのに警察のキカイと争っても、勝てるはずがない。刑責を逃れるために不合理な弁解を弄したと心証が悪くなり、実刑食らうよ。刑務所行く?」
 とか言われ、あきらめる、起訴事実を認めて執行猶予を乞う、ということになるんじゃないだろうか。

 スピード違反に関しては最近、こんな報道もあったね。
 以下、11月5日付け京都新聞。

京都府警、調書7カ所誤り 速度違反 公判で判明、釈明
 道交法違反(速度超過)の罪に問われた男性(46)の京都地裁公判で、京都府警が作成し、検察側が証拠として提出した実況見分調書に多数の測定ミスがあったことが、5日までに分かった。
 その調書に従えば、警察官が違反車を確認してから、別の警察官が停止を求めるまでの距離が実際の2倍近くも長く算出され、無罪を主張する男性にとって不利になっていた。府警は再捜査で測定距離を7カ所訂正した調書を地裁に提出し、担当した警察官が法廷で「あってはならないことだ」と釈明した。
 起訴状などによると、男性は2005年11月、乗用車で京都市上京区の今出川通(時速50キロ制限)を時速81キロで走行したとして、西陣署(現上京署)の署員に停止を求められた。「身に覚えがない」として違反切符への署名を拒否し、昨年5月に起訴された。
 調書に疑問を持った男性が、独自に測り直して公判でミスの可能性を指摘したため、上京署は審理中の今年8月になって「補充測定」を実施した。その結果、違反を確認した地点から停止を求めた時の車の位置までの距離が、調書の63・6メートルより大幅に短く、37・9メートルであることが分かった。
 男性は、37・9メートルなら、時速81キロで走った場合には約1・6秒しかかからないと指摘し「この間に、停止係の警察官が無線でナンバーや車の色などの連絡を受け、車を止めるために道路中央まで出てくるのは不可能だ。警察は別の車と間違えた」と主張する。
 担当の警察官は公判で、他にも調書の6カ所に最大23メートルの誤差があったことを明かした。ミスの原因について▽測定に使った一輪車型メジャーの性能の問題▽測定地点の勘違い-などの可能性に触れながら「実際の原因は分からない」と証言した。
 男性は「間違いだらけのずさんな調書で有罪にされてはたまらない」と憤り、弁護人の村松いづみ弁護士は「今回は公判で争ったから判明したが、通常はチェックできない。他の交通事故捜査などで同様のミスがあってもおかしくない」と話している。
 府警交通指導課は「公判中なのでコメントを控えたい」としている。

 スピード違反の新聞報道で、ここまで詳細な記事は、珍しいんじゃない?
 京都新聞に、交通違反に興味がある記者がいて、公判を傍聴していた、のかな。

 裁判では、警察・検察側の矛盾については、「訂正には合理的な理由がある」として許され、被告人側の矛盾は絶対に許されない、という原則があるのだが、この件はどうなるのか…。

 ところで、この「誤り」や「訂正」について、報道機関やジャーナリストが、検察官が法廷に出した書証をもとに検証することが、できなくなった(させなくした)って知ってた?
 以下、刑事訴訟法

第二百八十一条の三  弁護人は、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等(複製その他証拠の全部又は一部をそのまま記録した物及び書面をいう。以下同じ。)を適正に管理し、その保管をみだりに他人にゆだねてはならない。

第二百八十一条の四  被告人若しくは弁護人(第四百四十条に規定する弁護人を含む。)又はこれらであつた者は、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、次に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供してはならない。
一  当該被告事件の審理その他の当該被告事件に係る裁判のための審理
二  当該被告事件に関する次に掲げる手続
イ 第一編第十六章の規定による費用の補償の手続
ロ 第三百四十九条第一項の請求があつた場合の手続
ハ 第三百五十条の請求があつた場合の手続
ニ 上訴権回復の請求の手続
ホ 再審の請求の手続
ヘ 非常上告の手続
ト 第五百条第一項の申立ての手続
チ 第五百二条の申立ての手続
リ 刑事補償法 の規定による補償の請求の手続
○2  前項の規定に違反した場合の措置については、被告人の防御権を踏まえ、複製等の内容、行為の目的及び態様、関係人の名誉、その私生活又は業務の平穏を害されているかどうか、当該複製等に係る証拠が公判期日において取り調べられたものであるかどうか、その取調べの方法その他の事情を考慮するものとする。

第二百八十一条の五  被告人又は被告人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、前条第一項各号に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
○2  弁護人(第四百四十条に規定する弁護人を含む。以下この項において同じ。)又は弁護人であつた者が、検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠に係る複製等を、対価として財産上の利益その他の利益を得る目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときも、前項と同様とする。

 ジャーナリズムが書証を検証することは、「次に掲げる手続又はその準備に使用する目的以外の目的」に当たるので、書証を見せた被告人や弁護人は、「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処されるのだ。
 刑罰の対象ってことは、すなわち、逮捕やガサもやり放題ってこと。
 私の場合、交通違反の専門家として、被告人・弁護人とともに事件を検討するために、書証を見ることも可能だろうが、見た訴訟の内容を記事で書けば、被告人・弁護人に迷惑をかけることになるわけだ。私だってガサを受けることになりかねない。
 自民党が突然言い出し、「裁判員制度」を目玉に大金をかけて(※)最高裁・法務省が推し進める「司法改革」の、その本質は、じつはこういうところにあるんだと、私は見る。

※ 以下、11月9日付け朝日新聞記事の一部。

【最高裁判所】裁判員制度のPRのために05、06年度、俳優を起用して映画を制作し、全国の裁判所や自治体にDVDやビデオを配布した。貸し出し用に35ミリフィルムも3本(1714万円)用意したが、今年7月の調査段階で、最高裁庁舎内の試写会で1度利用されただけだった。

 というわけで11月13日(火)夕方から、弁護士会館のクレオで大集会があるので、来てね。

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