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2007年12月 8日 (土)

女性大学院生のバイクが27回オービスに

速度違反27回 女性大学院生検挙
オービス画像「バイクでも徹底的に追跡」/鹿県警

(12/07 14:38)
 鹿児島県警交通機動隊は7日までに、鹿児島市吉野町の国道10号で、制限速度60キロを40キロ以上超えるスピード違反を27回バイクで繰り返したとして、道交法違反(最高速度)の疑いで、霧島市内の女性大学院生(25)を検挙した。国道には速度違反車両を撮影し取り締まるオービス(高速走行抑止システム)が設置されていたが、大学院生は「バイクなので大丈夫だと思っていた」と供述しているという。
 同隊によると、バイクは前にナンバープレートがないため、摘発されないという認識を持っている人が少なくないという。撮影画像の分析や聞き込み捜査などから大学院生を特定した。

 と12月7日付け南日本新聞(上掲はその一部)。
 こういうのは、ときどきあるよね。
 けど、27回というのは、かつてなく多い。
 「女性大学院生」というのも、目をひく。
 記事自体も長い(文字数が多い)。
 その他、マニア的にこの報道を見ると…。

 「高速走行抑止システム」という名称を出したのは、珍しいんじゃないか。
 拙著の読者ならおわかりのように、これは三菱電機のRS-2000、レーダ式で画像伝送式、オービスマップでは「新H」または「H」と表記されてるやつだね。

 「検挙」とある。逮捕じゃない。
 被疑者は、全違反を素直に認めて反省し、自供し、かつ身元もしっかりしていたので(議員や首長の親族だったのかもしれない)、逮捕まではしなかったんだろうか。

 「バイクなので大丈夫だと思っていた」とは、どういう意味なのか。
 単純に、前にナンバープレートがないから、というだけの意味なのか。
 あるいは、オービスはバイクに反応しない、との情報をどこかから得ていたのか。
 レーダ式だかループコイル式だか、あるいはその両方だったか、いまちょっと忘れたが、メーカー社員の法廷証言によれば、小さいバイクにはオービスの測定センサーは反応しない(ことがある)んだそうだ。
 記事は「オートバイ」ではなく「バイク」としている。
 大きいのはオートバイ、小さいのはバイク、という分け方をする場合もあるようだ。
 でも、小さいバイクで100キロ以上出せるのか。
 ま、普通に想像すれば、前にナンバープレートがないから、というだけの意味だったんだろうね。

 彼女の刑罰はどうなるのか。
 40数キロ超過1件だけなら、略式で罰金7万円くらいだろうか。
 2件だと、併合罪だけども、1件ずつの合計で14万円、という運用をしているようだ。

「確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする」(刑法第45条前段)

「併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する」(刑法第48条2項)

 けど、27件はどうなるのか。
 27件に7万円を掛けたら、189万円。うわぉ!
 略式で処理できる上限の、100万円にするんだろうか。

「簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる」(刑事訴訟法第461条)

 あるいは、悪質だってことで、公判請求して懲役刑(上限6月)を求刑し、執行猶予を付すんだろうか。
 どっちにしても、27件全部を起訴したら、書証はたいへんな量になる。起訴は一部にとどめ、迅速に処理するんだろうか…。

 ワタシ的に気になるのは、27件のうち1件くらい、誤測定があったんじゃないかってこと。
「あっ、光ったばい! 撮られたぜよ! でも、そんなにスピード出しとらんかったばってん?」
 ということもあったんじゃないか(方言メチャメチャ? ごめんなさい)。
 あったとして、しかしそれを言えば、逮捕され、言い続ければ、公判廷で罰金刑または執行猶予付きの懲役刑が言い渡されるまで長期間、勾留されることになるんじゃないか…。

  

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