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2007年12月20日 (木)

法廷へ出てくるのは真実のごく一部

 今日の東京地裁は、めっちゃ事件が多く、10時から「モーターボート競争法違反・自転車競技法違反・競馬法違反」という、非常にレアな罪名の新件まであった。
 ノミ屋の事件かなぁ、傍聴マニアは集まるだろなぁ、阿曽山大噴火さんは(他に注目事件がなければ)絶対傍聴するだろなぁ、と思いつつ、しかし私は行かなかった。
 やっぱ私は、交通違反関係と、そして原稿に集中しようと。

 昼すぎ、えいっ!! と思い切って有酸素散歩約1時間。
 足の筋肉ポンプで血液を全身に巡らせる。

 そして15時から、東京簡裁826号法廷で、2月20日が第1回だった酒気帯び否認事件の、ようやく判決(今日が第10回)。

 8分ほど前に法廷へ行ったら、開廷表にお初の裁判官氏名が。春名克男さん。誰? 検察官も、いつもの町井裕明さんじゃない人。でも以前、見かけたような気がしないでもないでもない。←どっちだよ。
 入ると、前の占有離脱物横領・窃盗の、証人尋問をまだやってた。
 被告人(30歳前後かなぁ。身柄、警察留置場)の母親だった。
「立ち直らせるための努力は、再三しました。どうして働かないのか、こっちが聞きたいくらいです」
 と証言してた。
 続いて被告人質問。
 3月に福岡刑務所を出所し、福岡で人材派遣で働いたが、仕事はあったりなかったり、ないことのほうが多く、実家(どこ?)へ帰ったが、母親を殴ってカネを持ち出し、カネが尽きて実家へ戻るため自転車を盗んで(占脱?)検挙され、そのあと泥酔者を狙って財布をすり盗り逮捕された、そんなふうな事件らしかった。
「仕事が見つからなくて。罪悪感にさいなまれますけれども、そうしないと食べていけませんから」
 という趣旨を何度も述べてた、きっぱりと。
 盗みは悪いとわかってるけど、その悪いことをやったのは俺のせいじゃない、仕方ない行為だった…と聞えた。
 窃盗など前科5犯(累犯前科2犯)で、求刑は懲役2年6月。
 最後に陳述の機会が与えられると、
「どうもすみませんでした!」
 と即答し、再び手錠腰縄をつけられ、母親を一切ふり返らず出て行った。

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 さて、18分遅れで、いつもの後藤征弘裁判官と町井裕明検察官に交代し、酒気帯び否認の判決。
 罰金15万円。車両が自二だから、相場どおりだ。訴訟費用は全部負担。
 判決の下書き用のメモをもとに言い渡してる、という感じがする言い渡しだった。そのぶん、わかりやすかった、とはいえるかも。

 今日は、被告人の友人か何からしい男性が2人、傍聴に来ており、その1人が、始まる前、被告人席に座った被告人に後ろから、
「メシ食った? メシ食った?」
 と小声で尋ねてた。午後3時頃に、これから判決を言い渡される被告人に「メシ食った?」って、ものすごく可笑しかった。私は昼メシ食うヒマなくて腹がくぅくぅ鳴ってたよ(笑)。

 それでだ、判決が終わってわかったのだが、この傍聴人のお2人は、ロフトプラスワン・ネイキッドのイベント(霞っ子クラブのかな?)へ来てて、霞っ子クラブのブログ経由で私のブログを見て、「ありゃ? この酒気帯びの被告人って、あいつじゃねーか?」となり、被告人に尋ねたら、「そんじゃ、毎回傍聴に来てるアレが今井亮一か?」となり、それで今日、傍聴に来たと、どうもそういうふうなことらしかった。
 はは~、これが「世間は狭い」ってやつ? ちょと違う?
 最近、この人とあの人は知合いだったのか、へぇ、そんなところで我々はつながってたのか、となることがよくあるんだけど、こういうつながりもあるとは、まぁびっくりしたよぅ。ありがとね。

 そんなわけで、被告人も含めて4人でしばし談笑したんだが、それとは別に最近感じ始めていたことを、ますます強く感じた。
 すなわち、裁判とは何かってこと。
 法廷に出てくるのは、事件の真実(この言い方はあまり正確じゃないかも)の、ごく一部、それも往々にして真実とはかけ離れた一部、にすぎないんじゃないか。
 じゃあ、それはどんな一部かというと、弁護人にとっては弁護活動をするための一部、検察官にとっては被告人を有罪にするための一部、裁判官にとっては紙の上でそれなりに整合性のある有罪判決を書くための一部じゃないのか…。
 裁判官のほうでも、
「真実は結局わからん。わからんけれども、刑事裁判に和解はないから、判決せにゃならん。とりあえず法廷に出てきたあれこれを見て、国の治安や秩序ってものも考えると、有罪にするしかないよ。こういうルールで国は成り立ってるんであって、これ以上は裁判官にはどうしようもない」
 と、無力感を感じつつの有罪もあるんじゃないか。
 ときどきそういう有罪もあるのに耐え、日々の裁判をていねいにこなしていくのは、まだ良心的なのであって──もちろん、死刑や無期懲役や無期でなくても懲役実刑に処される側はたまんないけど、そこは捨象しての話──弱い人は、
「真実は明白だ! 起訴事実のとおりだ! したがって被告人は虚偽の弁解を弄しているのだ! 許せん!」
 と興奮し、自己を、裁判を、正当化しようとするんじゃないか…。
 このこと、もっと考えていきたい。
 え? そんなのとっくに法律学者が言ってて、論文もたくさん出てる? うっそ!
 もしそうなら、傍聴席から手探りでようやく気づき始めたってことで、カンベンしてください。 

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