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2007年12月14日 (金)

裁判所を出ると、空にくっきり三日月

 もうしょーがないからこれとこれは後日に積み残し、今夜中にこれとこれだけは片付けとこう、とやってるうちに夜明けが近づいてくる…という日々が続いてる。机上の資料は、また新しい山ができつつある。あ~も~どうすりゃいいの~。

 とか言いつつ、10時から東京地裁515号法廷で、11月4日に結審した「脅迫・威力業務妨害」の判決。傍聴人は、開廷直前で20人ほど。これ、第6回公判になるのかな?
 朝日新聞が速報してる。「2ちゃんねる」の書き込みで脅迫、有罪 東京地裁判決、と。

 被告人側は、「火をつける」とか「これは犯罪予告だ」とかいったカキコミが脅迫になると思わなかったし、脅迫の意図はなかったとか、そんな主張をしていたのだが、石井俊和裁判官は、「(そんな言い分が通らないのは)明らか」と、あっさり退けた。ほんと、あっさり、つー感じで。
 某弁護士さんから聞いたんだけども、たとえば、頭に拳銃を突きつけて発射、殺害しといて、「殺すつもりはなかった。死ぬとは思わなかった。だから殺人は成立しない」と主張しても、そんな“主観”は通るはずがなく、頭に拳銃を突きつけて発射すれば人が死ぬのは当たり前なんだから、そんな行為をすれば殺人は成立する、それとまぁ同じようなことらしい。そりゃそだよね。

 判決の言い渡しは、
「被告人を懲役1年に処する…」
 と始まった。
 求刑は懲役1年6月。だいぶ減らしたってことは、実刑か!? まさか!? と一瞬思った。
 被告人は前科前歴はないそうで、だから、めっちゃめちゃ重くて保護観察付の執行猶予かな、実刑はあり得ないだろ、と私は思っていたからだ。が、そのあとに、
「この判決が確定した日から4年間、その執行を猶予する」
 と続いた。
 保護観察は付かなかったものの、前科前歴なしで執行猶予4年は重いんじゃないかと思う。ま、考えてみれば、公判請求で懲役刑を言い渡されること自体、相当に重いというべきなのかもしれない、わかんないけど。
 「検察統計年報」(2006年)によると、こうなってる。

              公判請求  略式命令請求  不起訴
   脅 迫        385人      332人     503人
   威力業務妨害   123人       61人     158人

 私は見落としたのだが、主文を聞いてから座った被告人の顔は、赤黒くなったように見えたらしい。

 10時11分閉廷。
 高裁803号法廷で、10時20分から道路交通法違反の判決、10時30分から迷惑防止条例違反の第1回があり、行ったら、廊下の開廷表では、10時30分から道路交通法違反の第1回のみ。あれ? よくよくノートを見れば、昨日の分じゃねーか、またかよ! しかもっ、あとで気づいた、10時30分から地裁のほうでストーカー・脅迫の判決があったのに、メモしてねーし。

 警視庁でチョーお宝文書の開示を受けたよ。
 何だと思う? 2006年6月にニュー駐禁取締りがスタートしてから2007年10月までの、月別、所属別、各「監視員」「交通」「地域」別の、確認標章の「取付」「警告」「中止」「誤記」のデータだ! こぉれはスゴイでしょ。見たいでしょ。いひひ~。あとでね。
 しっかし、警察って、ほんといろんなデータを取ってるよね。マニアを喜ばせるため? んなわきゃないか。でも、こういうの開示してもらえると、私は嬉しくてうれしくて、ニコニコっす(笑)。

 農林水産省地下・第5食堂で、鯖味噌煮定食(半食)400円。
 13時10分から地裁421号法廷で、公務執行妨害の判決。が、被告人不出頭。17日に延期。

 さて、そろそろ、岩垂正起裁判官の東京簡裁826号法廷へ。
 13時20分から、窃盗の判決。
 父親との折り合いが悪く、家出を重ね、換金目的でローソンで書籍3冊、1170円を万引したんだという。
 懲役1年、未決30日算入。
「一生ドロボーして暮らすわけには、いかないでしょ。みんな苦しいけれども、努力して働いてるから、ちょっとずつ幸せになるんだよ」
 と岩垂さん。味があるなぁ。

 続いて13時30分から、窃盗未遂の新件。電車内のスリ未遂じゃなかった。
 タワーレコード新宿店で、DVD11点の防犯タグを、カッターナイフで外すなどし、警備員により現行犯逮捕されたんだという。
 この被告人質問が、興味深かった。
 弟が困った「引きこもり」らしく、派遣で働いたカネはほとんど弟のために使っていたらしく、前刑の保護観察中、保護司からもだいぶ心配されており、「(更生のためには)環境を変えねば」と述べていたのもさることながら、前刑に関して控訴したのは、拘置所の房内でイジメられて、「控訴せざるを得ない状況」になったからだという。
 弁護人より、検察官、裁判官のほうがよっぽど、被告人のために親身になってる、というものが感じられた。
 求刑は懲役2年。

 私ゃ昨夜ほとんど寝てないもんだから、外の一般待合室で、座ったまま20分間ほど爆睡。携帯電話のアラームで飛び起き、14時50分に826号法廷へ戻ると、前の窃盗(工事現場での電線ドロ)が終わるところだった。
「これ、大事なんですよぉ。人のつながり、これ、カネで買えないですから」
 と岩垂さん。味があるな~。
 それが14時59分に終わり、いよいよ例のスリ未遂の判決!
 開廷表では、なんと15:00~16:30! いちおう1時間とるってことはあるけど、1時間半って普通考えられない。無罪か!?
 弁護人、被告人、毎回来ている被告人の妻らが入ってくると、岩垂さんが言った。
「ちょっと5分、休廷させてもらえますか、すみません」
 うむ、そろそろ一休みしたいだろな~。次々事件があって、裁判官もたいへんだ。下で一服してくるのかな。

 そして15時07分、いよいよとうとう判決!
「まず、結論から。主文、被告人を…」
 「を」だ! 有罪だ!
「被告人を、懲役1年6カ月に処する。ただし、この刑が確定したときから×年間、その執行を猶予する。訴訟費用は被告人の負担とする」
 奥さんの息が聞えた。法廷の空気に何かがあふれたように感じた。執行猶予が何年か、私はメモし忘れた!
「そこに腰掛けて」
 と岩垂さんが被告人に。被告人は座りたくなさそうな(抵抗したそうな)素振りを見せた。が、座った。
 言い渡しは16時01分までかかった。
 被告人の妻は、最初、激しく泣き、やがて、泣き疲れたのか、絶望したように、首をかしげてぼーっと前を見ていた。

 現場で何があったのか、知っているのは被告人と現認警察官だけだ。
 どっちもウソをつく可能性がある。二者以外には真実はわからない。
 そこを、裁判所はどう認定するのか、裁判とはそもそも何なのか、岩垂さんの判決理由が緻密なだけに、よくわかったような気が私はしたのだった。
 そのこと、来年創刊の新雑誌に6ページほどで書く予定だ。

 それから、あるご婦人と30分以上話し、警察庁へ寄り、某氏と30分ほど話し、来週の簡裁の予定をチェック。
 この日はほかに、私がだいぶ尊敬しているある方とも、少しお話することができた。
 裁判所を出たのは、17時40分頃になっていた。
 濃紺の空にくっきり、三日月があった。
 帰りの電車が人身事故とかでかなり遅れ、無理を言って入れてもらった歯科医の予約を、まだ間に合うのに、ころっと忘れてしまった…。 

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