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2008年1月14日 (月)

福岡の事件 もしも検査値が0.5mgだったら

 あともう少しで、とりあえず、まえがき→本文→あとがき、まで終わる。あともう少し!
 この間、世の中ではいろんなことが起こってるみたい。
 というか、「北陵クリニック事件」の、仙台拘置支所で最高裁の判断をもう1年以上待ってる守大助さんの、面会報告をしなきゃいけないんだが…。

 

 その前にとりあえず、これについてだけ急ぎちょっと言及しておきたい。


福岡3児死亡、地検が週明けにも控訴…危険運転罪求めて
 2006年8月、幼児3人が犠牲になった福岡市の飲酒運転追突事故で、福岡地裁で業務上過失致死傷罪と道交法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)を適用されて懲役7年6月の判決を受けた元市職員■■■(■■■)被告(23)について、福岡地検は11日、危険運転致死傷罪を適用しなかった判決を不服として週明けにも控訴する方針を固めた。

 と1月12日付け読売進軍もとえ新聞、の一部。■部分は記事では実名。
 さらに厳罰化の法改定をする予定があれば、そこへの世論を煽る意味もあって控訴棄却、予定がなければ、原判決を破棄して危険運転致死傷を適用、というのは考えすぎか。

 

 そうじゃなくて、私が言及しておきたいのは…。
 これって、呼気中アルコールの検査値は、0.25ミリグラムなんだって?
 その前提で話をすると…。
「酒気帯びではなく、酒酔いで検挙するには、酔いの立証もさることながら、やはり検査値も大事になってくる。0.5ミリグラム以上でないと、酒酔いでは取らない。原則そういう運用だ」
 という話を、ある元警察官氏から聞いたことがある。
 福岡の事件が、もしも0.5ミリグラム以上だったら、裁判官は危険運転のほうを適用していたんじゃないか。

 

 ところが!! 福岡の事件ではどうだったか知らないが、私が知る限り、呼気検査は1回しかやらない。それは、2回やったら検査値の正確性が保てないから(=じつは検査値にはバラツキがあるから)だというのは、当ブログでもさんざんご紹介してきたとおり。

 

 福岡の被告人(被告じゃなくて被告人)は、だいぶんな量を飲んだそうな。
 飲酒開始時から終了時までの飲み方によっては、ほんとは0.5を超えてたんじゃないか。警察官は、いつもの決まりで1回しか検査をしなかったが、3回やったら2回は0.5を超えたんじゃないか。0.48ミリグラムでも、判決に影響を与えたんじゃないか。
 当ブログでも、さんざん言ってきた。
 いい加減な検査は、
  ・ほんとは基準値に満たないのに厳罰に処されて懲戒解雇される者
  ・ほんとは基準値を超えてるのに見逃される者
 のどちらかを生む、と。
 この判決について、世間は裁判官をこき下ろすことに夢中になってるように見えるが…ちぅ話でした。

 

 もしも、これはたいへんな事件だということで、福岡の警察官が、「息を吐いたふりして吸う」とかいう小ワザをさせないよう、よく見張り、3回とか10回とか慎重に検査していたなら、上記は私の妄想、ごめんなさい。

 

 これらはまだリンク先が存在するんだろうか。
オービスの誤差否定 秋田速度違反 仙台高裁差し戻し審」 1月10日付け河北新報
<オービス>装置の正確性を認め秋田の男性の控訴棄却」 同毎日新聞
オービスの信用性認め有罪   速度違反の差し戻し控訴審」 同共同通信
オービスの信用性認定、男性に有罪 速度違反差し戻し審」 同秋田魁新報


 この事件の自速機は三菱電機の高速走行抑止システムRS-2000Bなんだけども、これだけオービス、オービスと書かれると、オービスの本家(自社の自速機の商品名がオービスⅢ)である東京航空計器としては、どんな気分なんだろうか、ねぇ。

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