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2008年1月25日 (金)

測定値は無謬ゆえに数々のミスは捨象してよい?

 ちょっと遅くなりましたが…。

府警の測定ミス、判決に影響せず スピード違反で京の男性に罰金刑
 京都府警の実況見分調書に多数の測定ミスが判明した道交法違反(速度超過)事件の判決が17日、京都地裁であった。同法違反の罪に問われた男性被告(47)は無罪を主張していたが、柴田厚司裁判官は「測定機器による速度記録は正しい」として、求刑通り罰金6万円を言い渡した。
 判決によると、被告は2005年11月、乗用車で今出川通(時速50キロ制限)を時速81キロで走行した。
 被告は「時速80キロで走行していた場合、車両を停止する係の警察官が、違反の連絡を受けて停止を求めるために道路中央まで出てくる時間が1・4秒しかなく、不可能だ。別の車と間違えた可能性がある」と無罪を主張していた。
 柴田裁判官は「停止係は、事前に『速いよ』などと無線で連絡を受け、歩道の縁石辺りに移動して停車させる準備態勢に入っていたので、必ずしも不自然とは言えない」と被告の主張を退けた。また、調書で距離の測定ミスが多数あったことについては「測定機器により行われた速度違反の事案であり、関係距離は測定結果に影響を及ぼさない」と判断した。

 と1月18日付け京都新聞。以下は1月19日付け毎日新聞。いずれも太字は今井。

道交法違反:距離計測ミスも判決は求刑通り 速度違反に罰金6万円--地裁/京都
 上京区内で05年11月、制限速度を31キロ上回る81キロで乗用車を運転したとして道交法違反罪に問われた城陽市の男性(47)の判決が18日、京都地裁であった。柴田厚司裁判官は、府警の距離の計測に複数のミスがあると認定したが「レーダーの測定結果に影響はない」として、求刑通り罰金6万円を言い渡した。
 この裁判では、男性側が「時速50~60キロだった」と無罪を主張。男性の独自計測や上京署の再計測で、違反確認から停止を求めた地点までの距離が63メートルから37メートルに縮まるなどミスが判明した。
 柴田裁判官は「機器に異常はなく、速度は正しく測定された。調書中の関係距離に多々誤りがあるが、証拠能力を失わせるものではない」などと述べた。

 レーダ式の無罪は、わりとよくある。
 オービスは純粋に機械の信頼性が問題になるということができ、一方、レーダ式(ネズミ捕り)は、人間が設置し操作し被疑車両を特定するため、設置等のミス、他車誤認という問題が入り込み、その部分で無罪になりやすいのだ。
 実験により、測定機(測定値)自体の信頼性が崩れて無罪になったこともあるが、それとて、警察官が口々に言った停止位置には停止できっこないことが判明したという、つまり人間の関与のおかげでの無罪といえる。

 京都のこの事件は──報道を見る限り、なのだが──まず「測定機(測定値)=絶対無謬」と打ち立てて、まずは有罪とし、有罪に不要なものはあっさり斬り捨てたもの、といえるのではないか。
 その論法でこられると、もうどうしようもないわネ。
 でもそれは、ごく普通の、いかにも裁判所的な論法といえる。

 大阪の枚方簡裁の裁判官(60歳)が、ヘルス店で風俗嬢(20歳)に「サービス範囲以上のわいせつ行為」をしてけがを負わせたそうで、こういうことが起こると世間は「裁判所に対する信頼」がどうとか言うけれど、勤務時間外のオッサンのチンコの問題などで「裁判所に対する信頼」が揺らぐって、どうかと思う。「裁判所に対する信頼」ってのは、そんなところで決まるもんじゃないと思う。

 ちなみに、こういうレーダ事件、東京(とくに23区内の事件)だと間違いなく東京簡裁で扱われ、地裁の傍聴人たち(最近増えたよねぇ)の前へは出ない。地方はそうでもないんだよね。
 なぜなのか。東京地裁はものすごく事件数が(大きく報道された事件も)多く、簡裁で扱えるものは簡裁で、ってこともあるんだろうけど、スピード違反の否認事件を多数の傍聴人の前にさらすと、「裁判所に対する信頼」が大いに揺らぐぞって理由も(ま、結果的に)あったりするんじゃないか、と私は勝手に勘ぐってる次第。

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