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« 刑事裁判の異常さを際立たせる最高裁判決 | トップページ | 被告人質問は説教の手続きじゃないのに »

2008年2月21日 (木)

笑う真犯人

 冬の夜に/メタミドホスと/呼んでみる

 しっかしねぇ、そんな騒ぐほどのことか? と思う。昔、小中学生の頃、「換金作物」という語を習った。それは「食べ物」じゃなくて、換金手段、食商品なのだ。プリントした賞味期限が切れれば廃棄する(廃棄しなければ食品偽装だとか叩かれる)し、農家が、色も形もうるさく指定される出荷用と、我が子にも食べさせる自家食用とを分けてつくるなんて、日本だって普通じゃないの?
 安心・安全な「食べ物」を自分でつくれない都会の者は、
「すんません、自家食用をいつも多めにつくって、ウチらに売ってください。天候が不順でデキが悪いときも、いつもと同じ値段で買い取ります。支援します。よろしくね」
 と個別にお願いするか、それができない者は、それをやる団体を見つけて加入するしかないんじゃないの? それでもたま~にトラブルがあるだろうけど、「食商品」をあさるより、よっぽどマシなんじゃない? だいいち「食べ物」は旨いし。  

 などと言いつつ10時から、東京簡裁826号法廷で「道路交通法違反」の新件。
 3分ほど前に法廷へ入ろうとすると、ちょうど若めの女性が出てきた。
 開廷表の被告人氏名は、女性名。この人が被告人(在宅)? その関係者?
 なかに入ると、傍聴席に礼田計さんがいて、裁判官、書記官、検察官はいるが、被告人がいない。弁護人もいない。
 10時2分、フーフーと荒い息で、ラフな格好の、えらく大きな男がバーのなかへ。
 この大男があの氏名? いっそ洒落てるぅ。
 と思ったら違った。大男が弁護人で、さっきの女性が被告人なのだった。
 被告人は30代で会社役員だという。
 町井裕明検察官が、起訴状を朗読。
 ええっ!? ぎょぎょっ!! いつもの、節(ふし)をつけてのチョー早口じゃなくて、ゆ~っくり、ゆ~っくりなのだ。どうしたんだ? なにかあったのか? 私は思わず焦っちゃった。
 起訴事実は、東京都杉並区下高井戸5-12の、首都高4号線上り入り口付近の一般道での、ネズミ捕りによる30キロ超過(測定値80キロ)。
 そして、黙秘権告知と罪状認否。
 後藤征弘裁判官が、ま~たていねいにていねいに、ていねいに説明。
 本件は、墨田で略式に応じてから、被告人自ら正式裁判を請求したもののようで、つまり被告人は手続きについてなにも知らないと推測することができるし、犯罪傾向のない一般人なんだから、ゆっくりていねいにやるのはわかるけれども、東京簡裁の「道路交通法違反」に張り付いてる私からすると、それを超えるものがあるように思えた。つまり、ぶっちゃけて言えば、やっぱ男たちは女被告人には優しいな~と。
 その認否は、私の傍聴ノート(B5サイズ、A罫)で4分の3ページにわたった。
 被告人は頭良さそうな感じで述べるのだが、礼田計さんから指摘されて気づいた、被告人のチェックの長いスカートが、震えていた。そうとう緊張しているのだ。私も昔、東京簡裁で被告人経験があるので、よくわかる。
 弁護人がまとめたところによれば、要するに、制限速度(50キロ)を超えたのは緊急避難で、測定値については争う…。
 あとで弁護人が冒頭陳述を出し、それから証拠調べについて検討するということで、10時29分閉廷。

 測定値については、普通に争えば、証拠を調べた形をとって(儀式を滞りなく済ませ)、「当法廷で取り調べた関係各証拠により…」とされるよ。
 緊急避難については、町井検察官から、当時の状況を違う角度から時系列をばらばらにしつこくしつこく問い詰められ、捜査段階での調書とも突き合わされ、「矛盾や変遷が見られて信用できない」とされるよ。
 秋田支部の控訴趣意書と判決を参考に方針を決め、『改訂新版 なんでこれが交通違反なの!?―警察では教えない126の基礎知識』のQ120を参考に、弁護人は被告人の説明を最低2時間くらいかけてじ~っくり聞き取っておく必要がある、と思う。

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 11時から、礼田計さんは地裁532号法廷の「道路交通法違反」へ。私は地裁724号法廷の「道路交通法違反」へ。
 被告人(在宅)は60歳くらいのオジサンで、顔が赤いな、と思ったら酒気帯び運転。高血圧でもあるという。
 酒気帯びでの服役前科が4犯ある(うち1件は累犯前科となる)のに、知人女性と焼き肉屋へ行って1時間にビール中ジョッキ1杯半くらいとウーロン杯を2杯半くらい飲み、知人女性が止めるのに聞かず、徒歩12分(検察官によれば10分)の自宅へ向け車を運転、蛇行をパトカーに現認されて(←こういうのは本当かどうかわからない)停止を命じられ、発覚したのだという。検察値は0.6mg
 建築関係の製造業(かな?)を経営し、年商3億円のこともあったが、2社の手形が不渡りとなって倒産。本件後、ケジメをつけに(つまり自殺しに)熱海へ、錦ヶ浦へ行ったこともあるという。
 累犯前科があるので、求刑は懲役8月
 弁護人が、裁判に悔いを残さず刑務所へ行けるようにってこともあるのか、あんまり関係なさそうなことまで長々ていねいに被告人質問をやったので、閉廷は12時。 

 農林水産省地下・第5食堂でカキフライ定食(半食)440円。
 この狭い食堂、12時20分前後が混雑のピーク。トレイを持ったお客が、席がなくてうろうろする。そんななか、私の隣のオッサン、とっくに食べ終わったのに、連れが食べ終わるまで席を立たない。は~、と呆れたが、ふり返れば私も別の場面で、「このオッサン、バカじゃねーか」ということを、やってるんだろうな(笑)。

 それから地下鉄で、警察病院の近くの角川書店へ。
 今日で著者のチェックをすべて終えた。
 3月10日発売! 私の初めての傍聴本だ。この執筆で去年からヒーヒー言ってたのね。この数カ月でだいぶ老けたんじゃないかと思う。
 タイトルは、『続・さすらいの傍聴狼』『俺たちに判決はない』『温泉みみず傍聴人』『宮本武蔵・傍聴島の決闘』等々の秀逸のタイトル群はすべて却下され、意外すぎる『裁判中毒』に。とうとう中毒患者か~。
 マニアックなデータも盛り込み、従来の傍聴本とはだいぶ味が違うと思う。担当編集者は「絶対面白い! 最高です!」と言ってる。よろしくね!

 また裁判所へ戻り、14時30分から高裁718号法廷で「詐欺・詐欺未遂」の判決。
 被告人(身柄、拘置所)は、背が高くて、普通っぽい雰囲気でハンサムな、えらく格好いい青年。なにをやったのかと思ったら、「娘さんが生徒に体罰を加えて負傷させた」とかいう振り込め詐欺(被害総額600万円)の、リーダー格なのだそうだ。
 量刑不当の控訴は棄却。原判決を、永井敏雄裁判長は言わなかった。そういうの困るよね! 傍聴人は、原判決を言わない裁判長の判決は、傍聴したくなくなる。避ける。傍聴人は減る。そういうことを高裁の裁判長は、考えるんだろうか、考えないんだろうか。

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 15時から、高裁・民事7部(右陪席が細野敦裁判官!)810号法廷で、「各住民基本台帳ネットワーク差止等請求控訴事件」の弁論。
 被控訴人側の席(3列)には、男・女・男、男・女・男、男・女・男、合計9人が座った。嬲る(なぶる)という字が3つ。ってそんなどーでもいいことばっか見てるんだな、お前は。
 大阪高裁で国民側が勝った同種訴訟を、たぶん逆転させる判決が3月6日、最高裁であるそうで、それを待って控訴人(国民)側が最後の書面を出すということで、次回は5月13日15時と決め、10分で閉廷。

 15時30分から、東京地裁426号法廷で「業務上過失致死」の新件。事故発生は昨年2月14日。7月12日以降なら「自動車運転過失致死」(最高刑は懲役7年)になるところ。
 被告人(在宅)は、60歳くらいの若干上品そうなオバサン。
 足立区内の信号機のある交差点を右折するに当たり、右折出口の横断歩道を右方か左方へ横断していた被害者(当年56歳)を不注意から見落とし、漫然15キロで自車右前部で衝突させ、転倒させ、自車左前輪で礫過し、車体底部に巻き込んで轢圧するなどして、脳幹部損傷、頸椎断裂損傷により死亡させた…と検察官。
 しかし被告人は、注意していたが横断歩道に人影はなく、15キロという速度も違うと、否認。検察官は、補充の捜査をしている、終わるのは3月中旬になると言い、弁護人は、書証の認否はその捜査の結果を待ってからと言い、次回期日は追って指定に。

 真実はわからないけれども、他人がハネて逃げたあとにやってきた被告人が被害者を自車底部に巻き込んだのに、警察は安易に一件落着としようと、被告人単独の事故に仕立てた、そういうことかもしれない…。
 そうかもしれない事実が出てきても、いったん起訴したからには、検察は被告人を有罪にするよう最大限の努力をする、それが検察の職務…笑うのは真犯人…。
 この日本列島に、笑ってる真犯人がた~くさんいるんじゃなかろうか。たいていは次にまた何かやって捕まり、しかし未発覚の(つまり他人が冤罪で処罰された)事件のことは言わず、腹のなかで警察官、検察官を、とりわけ裁判官を、ナメてバカにしてるんじゃないか…。

 15時34分に終わって、向かいの425号法廷を覗くと、傍聴人がたくさんいて、被告人が2人いた。罪名は「傷害致死・傷害」。珍しめの被告人氏名だったのでメモし、あとでネットで検索したら、たくさんヒットした。横断歩道上で暴行し、動けなくなった被害者が青信号で進行してきた乗用車にハネられ死亡して、という事件だった。さっきの事件の向かいの法廷で、こんな事件を審理してるとは、うわぁ…。

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