無罪の若者を無期懲役の牢獄へ送るための舞台装置
マスコミ的には「筋弛緩剤点滴事件」と呼ばれる「北陵クリニック事件」、これから無期懲役で下獄することになる守大助さん、からの自筆のメッセージが、首都圏の会のサイトにアップされている。
塀のなかから、守さんはこう訴えている。
本日 2月27日、最高裁より通達が届きました。
上告を棄却する。
私は絶対にやっていません。
最高裁は何ひとつ答えませんでした。
こんな裁判があっていいのか!
なんの為に裁判所があるのか分かりません。今日まで、皆様の暖かく力強いご支援のおかげで闘ってこれました。
本当に心から感謝しております。
これで三審制度が終わったのですが!
私はやってないので終わらせることができません。
再審という厳しい道ではありますが。
真実にフタをすることができませんので!
再審で勝つために、頑張っていきます。私がやってないことは明らかなのです。
今は現実を受け入れられませんが、自分自身に敗北することがないよう、闘っていきます。
今後も皆様のお力を貸して下さい。
本当に悔しく、残念です。08.2.27(水)(2609日目) 守 大助
この守さんの訴えを読むと、最高裁の建物のあのつくり、法廷のあの異様なほど荘厳なつくり(3月10日発売の拙著『裁判中毒』で詳しく言及)が、なぜああなのか、強く肯ける気がする。
無罪(そしておそらくは無実)を有罪とし、無罪(同)の若者を無期懲役の牢獄へ送る(そういうことをよくやる)ためには、ああいう念入りな、というか驚異の“舞台装置”が必要なのだろう、それでないとバランスが保てないのだろう、と。
2月19日に「刑事裁判の異様さを際立たせる最高裁判決」として書いた、メイプル・ソープ氏の写真集についての民事の判決が、裁判所のサイトにアップされていると、同事件の代理人・山下幸夫弁護士から教えてもらった。
ざっと読んだ。
上告人氏は、1994年にその写真集(翻訳本)を出版し(386ページ、重量約4キロ、価格1万6800円!)、それを持って出国して、帰国時に「ダメ~!」の処分とされたんだね。
最高裁は、税関のその処分についての上告人氏の主張を認めたわけだが、5人の裁判官のうち堀籠幸男裁判官だけが反対意見を書いてる。堀籠さんは、元刑事裁判官なんだそうだ。
これが刑事裁判だったら、チンコが写った写真もある、という事実のみに着目してムリムリ有罪の論を立てるはず(民事でいえば上告人氏の訴えを棄却するはず)と言っていた私としては、なるほど~、である。
いわば物わかり良く民を勝たせた(国を負かした)この判決で、無罪の者を無期懲役の牢獄へ送る判決との、バランスを保てたことになるのか…。
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2月28日、とうとう新しいパソコンを買ったよ。約17万円。約2万円のポイントを引けば、約15万円。ポイントの一部で、新しい目覚まし時計(1020円)も買った。新しい目覚まし時計は、だんだん音が大きくなる仕掛け付きで、止めても5分後にまた鳴る仕掛け付きで、しかも秒針が秒を刻まずにすーっと動く。びっくりしますた…。
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