冤罪で焼け太り
3月10日発売の拙著『裁判中毒』、第5章の最初のエピソード、「映画と同じ痴漢冤罪!?」で私は、その有罪判決の構造、そして量刑(初犯にもかかわらず懲役実刑。その理由に被告人の否認が挙げられた)および被告人が受けた生活上の不利益、これらのものと、東京地検の「被疑事件罪名別月表」中の、迷惑防止条例違反の既済人員の内訳、とを照らし合わせ、こう書いた。
うわぁ、たとえ無実であっても、絶対、勝てない! とっとと自白して示談金でも払うほうが、こりゃ絶対にお得だわ!
しかし、そんな社会でいいのか。示談金狙いで「痴漢だ!」と騒ぐ輩も出てくるんじゃないか。「1人の無辜を罰するとも、10人の真犯人を逃すなかれ」という治安重視の考え方は、冤罪に泣く者をつくるだけでなく、社会を深く害するんじゃないか、と傍聴席で思った。
そうして、例の痴漢デッチ上げである。
「痴漢でっち上げ被害者心境語る 大阪の会社員」と3月13日付け産経ニュース。
被害者とされる女性が、「示談金ほしさにウソの被害申告(虚偽告訴)を(するよう交際相手から言われて)した」と自首しなかったら、会社員氏は間違いなく有罪とされていただろう。
刑事裁判とは、そういうものなのだ。
んで、警察庁がこんなことを言い出した。
以下は3月14日付け朝日新聞の一部。太字は今井。
警察も取り調べの録音・録画を試行 冤罪事件続きで転換
警察庁は14日、取り調べ過程の一部を録音・録画する「可視化」を、08年度中にも全国の主な警察で試行することを決めた。同庁はこれまで、捜査に支障が生じるとして可視化には慎重な姿勢をとり続けてきたが、冤罪事件や無罪判決などを受け、与党側からも迫られる形で方針転換した。
これを聞いて、「良かった。冤罪が減りますね」と思う人は、真性のバカだと私は思う。
え? バカがバカって言うな? そっちのバカは、いわば社会的バカであって、私はそれよりずっと高尚な存在的バカだむ~ん(笑)。
| 平成天才バカボン ©赤塚不二夫/ぴえろ 提供:@niftyコンテンツ |
被疑者の取調べってのは、ほんとたいへんなんだろう、警察官って仕事もたいへんだ、とお察しするが、しかし、冤罪事件についていえば、「一部を録画・録音」は、脅してだましてあきらめさせたうえでの自白のシーンだけを録画・録音することになるのは、目に見えてるじゃないか。
そして、裁判官・裁判員は、その録画・録音により、紙の調書以上に強固な有罪心証を持つはず。被疑者から被告人となった者が、「あの録画・録音は、これこれの末のことだったんです。ほんとはヤッてないんです」と、法廷で生の声でいくら訴えようが信じてもらえない。濡れ衣をはらすことの困難さは、99.99%から200%になる…。
「冤罪事件続き」だからと「一部を録音・録画」を言い出すのは、まさに「冤罪で焼け太り」というべきではないか。
※ 「警察庁の取り調べ適正化指針について考える」参照。
| 裁判中毒―傍聴歴25年の驚愕秘録 (角川oneテーマ21 B 107) 著者:今井 亮一 |
14日(金)は裁判所へ行かず、休養と事務仕事とご相談等対応で1日過ごした。
自力HP「今井亮一の交通違反相談センター」を更新する必要に迫られ、そろそろHP作成ソフトを新しいパソコンにインストールしよう、としたら、できない! なんで? メーカーへ電話するしかないね…。
警視庁から電話あり。確認事務委託の契約書・仕様書の開示決定が出たと。
08年度の契約は件数が多く、開示手数料は1万円を超えるらしい。げえっ!
でも、東京都は1枚30円(ややこしい計算式があって厳密には30円ではないのだが、まぁ30円としとこう)。他の道府県は1枚10円。
東京都も10円なら、4000円くらいで済むのだ。
東京都の30円は、閲覧手数料10円と、写しの交付の手数料20円とから成る。
たとえば1000枚とか閲覧して、そのうち20枚だけ写しの交付を受ける、ってのならまだわかるが、私の場合、全部交付を受け、受けて自分のものにしてから読むのだ。
写しの交付の手数料が20円ってこと自体、他の道府県の2倍であるうえ、閲覧しないのに閲覧手数料を取るって、ぼったくりのなかでも最悪とされる「やらずぼったくり」じゃん。
言っとくけど、警視庁が悪いわけじゃない。手数料のことは東京都が決めてるのだ。
これは早急に改めてもらわねばと都庁へ電話。
写しの交付を受けることにより、閲覧と同じ効果が得られる…それが10円を取る理由の1つだという。んなアホな。
言っとくけど、電話の対応者が悪いわけじゃない。手続き的には、誰かから投票されて(または棄権により有利にしてもらい)当選した誰かさんたち(与党と言われる連中)が、条例で決めちゃったのだ。
来週、1万何千円か払って写しの交付を受けたら、もしもできるなら審査請求の手続きにのせ、蹴られたら、または審査請求ができなかったら、裁判やらざるを得ないのか…。あ~、めんどくさい。でも、しょーがない。あきらめて、提訴の前にいちおう弁護士さんに相談しよう。
…とか泣いてるのを、先週土曜の件の女性警察官、が所属する警察署の交通課長なんかは、
「しめしめ、今井くん、こっちのことはもう忘れちゃったな」
と思ってるだろうか。
その願いは、スジが良い。って、忘れてないっすよ! けどヒマがなくて…。じゃあ結局、向こうの思うツボに嵌るのか…。相手の思うツボにまんまと嵌るのも、これはこれでけっこう心地よいかも、ねぇ、と感じる年頃…。いやいや、待て待て…。
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